1961年製、まもなく還暦を迎えるアナログマルチテスタ 三和 Sanwa 320-X が届いた。送料のほうが高かったジャンク品。厚みが6cmもある鉄製の箱、ベークライト製パネル、20μA高感度メータ、ガラスカバー、当時の真空管テレビ修理用5000V対応高DC電圧。

パネル。印刷ではなく、彫り込み文字。消えることはないだろう。
ゼロΩ調整つまみはオリジナルではないはず
メーターのカバーはガラス。静電に強い。銘板に1961との書き込み。
厚みは6cm。半端じゃない。

ロータリースイッチの感触はやはり素晴らしい。2階建てのそのスイッチは60年近く経っても衰えを見せない。ガタは全くなく、軽快そのもの。接触部分は1mmの銅合金でできていて、接触不良は全くなく、寿命は100年以上もあるだろう。Sanwaのロータリースイッチの品質は世界一といっても過言ではない。

Ωレンジ測定用電池として、22.5V(100Mgレンジ)、および単2一本(100mgレンジ以外の3レンジ)の2種類が必要。22.5V電池の入手が困難になった今日では、22.5Vにするキットやアダプターの利用など、何らかの工夫が必要。

また、ACの整流にはダイオードではなく、セレン整流器が使われている。

しかし、本品はジャンク。開けると、鉄箱の底や、電池ホルダーにおびただしいのサビや、腐食。必死でクリーニングしても下の写真のような有様。塗装し直すしかない。

サビ・腐食のつめ跡
整然と並んでいる抵抗
33Kの抵抗を2本(35Kと800K)の並列で実現している。出荷時の実装か?
セレン整流器周辺。半固定抵抗で調整。

内部の基板に抵抗がきれいに並べられているが、修理のためか、番号が書き込まれている。怪しい巻線(どうみても、オリジナルではないはず)はその時の作品だったかもしれない。断線している巻線抵抗もひとつあった。

問題の抵抗が2つ
ロータリースイッチは立派な2階建て。
上下ある2本のスイッチアームが、左右ひとつずらして組み込まれている。

湿気、サビのせいか、あるいは、不注意の使い方による大電流の印加か、ジャンクに相応しい本品は断線の巻線抵抗だけならまだ救いがあるが、なんと、メーターの可動コイルも断線している。

メーターを分解してやっとその深刻さに気づいた。しかし、コイルまで巻き直す技術は持ち合わせていない。20μA高感度メーターにするには、多くの巻数と極細(0.07mm)のエナメル銅線が必要。現実的対応として、ジャンク献体を探すことは時間がかかるが、比較的楽。

さて、再稼働はいつ頃になるだろう。

ネットで見つけた回路図を載せておく。

本品は一部抵抗の表記が上記の回路図と違っているので、各抵抗器の表記と実測値を記しておく。測定誤差もあるので、測定値はあくまでも参考程度。

<追加>
ネットで調べたら、どうも後期型もあるようだ。コスト削減を意識したのか、ロータリースイッチは2階建てではなくなった。抵抗器の配置もより合理的になり、抵抗器を収める壁(抵抗器の大きさに一部あっていないのに)も撤去された。

Sanwa 320-X 後期型か?

音量がボリュームを最小に絞ってもかなり大きい(NHK第一のような大パワーラジオ局なら近隣が聴こえる大きさ)。取り替えないと治らないと考える。しかし、スイッチ付きA型500kΩボリュームは案外見つからないものだ。100kΩならまだ購入可能のようだ。

ハムの低減についてはネットに紹介された以下の方法を実践してみた。整流用真空管 35W4 は1ピンが内部でどこも接続してないので、それを活用して、追加のコンデンサ47μF、抵抗150/2Wをはんだ付けする。つまり、いままで7ピンに接続していたリード線をすべて1ピンに接続し直し、7ピンに追加したコンデンサと抵抗の方足を、そして、コンデンサのもう片足をGNDに、抵抗を1ピンに接続する。

RCフィルターを追加。150Ωと47μF。
スペースがあまりなく、結構苦労した。

抵抗150Ω両端の電圧は、実測したところ約5.5V。つまり流れる電流は約40mA。定格1Wの抵抗でもなんとかなるが、安全のために2W以上を使うといいだろう。

できれば、その抵抗を200Ω以上のものがいいらしいが、残念ながら手持ちの抵抗に、定格2W以上のものは150Ωしかなく、それを使った。

カットオフ周波数 f = 1/(2*3.14*R*C) = 1/(6.28*150*47*10^(-6)) = 22.6Hz

抵抗を倍の300Ωにすれば、カットオフ周波数は半分の11.3Hzになり、ハム音の50Hzにもう少し抑制できたのかもしれない。

それでも、ハムの低減効果は実聴ではかなりあるように感じた。AMの放送局のない静かな周波数ではボリュームを中央点の大きさにしてもハム音があまり聴こえない。

また、感度については、IFTの調整をやってみた。その結果、外部アンテナをつけると、昨晩20時頃、大阪放送を宇都宮市で聴こえた。たまたまかもしれないが、感度はそれほど悪くない証拠のひとつだと考える。

以上のことで、ボリュームの交換問題は残っているが、その他の整備はこれで一段落としたい。

最後に写真を載せる。

シャーシを箱に組み込んだ様子
感電防止や美観のため、ウラ蓋を取り付ける
正面

トランジスタラジオに載せる。デザイン的には、三洋は可愛さが取り柄。

トランスレス真空管ラジオでは商用交流100Vはそのままシャーシにくることが多く、感電の恐れはある。100Vと低いので、死ぬことはないかもしれないが、ビビることに快感を覚える人は変態以外はいないはず。海外のような220Vの国では、感電死事故はよく聞く。

ということで、絶縁トランスを用意した。といっても、何年も昔に手に入れたもので、ガラクタから取り出しただけだが。

1次側かな。AC 0.8Aとの記述あり。
2次側かな。100V~240Vまで対応。

片方はタップとして 0, 100V, Eがあり、もう片方は 0, 100V, 115V, 200V, 220V, 240V。どれが1次側なのか、よくわかりないが、日本ではふつうの家庭は100Vなので、0-100Vを1次側とした。海外仕様(中国製等)の機器では220Vを使うことが多く、反対側を2次側とした。

1次側と2次側は絶縁されていることを、テスターで確認できる。1次側の直流抵抗は約7Ω、2次側は約4.6Ω。2次側は太い巻線かも。1次側の表記から、定格容量は80Wかもしれないが、真空管ラジオに十分。

はんだ付けして終了。トランスに触って感電することのないよう、プラスチック袋にいれておく。

安全のため、袋にいれた。

実際に無負荷の状態で測ってみた。1次側は104V、2次側は約95Vと出た。商用電源の電圧変動範囲は101V±6Vのようで、下限ぎりぎりのところだ。

2次側の無負荷電圧は95V。若干低い。

これでたいぶ安心してトランスレスラジオの整備に没頭できる。

ACコンセント間の抵抗は約100Ω。最初は数MΩにもなっていて、ヒューズホルダーをクリーニングした。ヒューズとそのホルダー間の接触不良だった。

恐れ恐れAC100Vを投入。コスト削減のため、絶縁トランスが使われていない(トレンスレスという)ので、感電の可能性は高い。

パイロットランプは点灯、暫く待つと、音は出た。前オーナーのいう鳴らないということにならない。ヒューズの接触不良を無くしたからかもしれない。

しかし、音の歪みはひどく、言っていることは読み取れない。PUに外部音源を入れて確認したところ、歪みは改善していない。

改めて、AF部との結合コンデンサ(オイルコンデンサをフィルムコンデンサに変えて試したところ、音の歪みは感じなくなった。オイルコンデンサも交換すべきだった。

これで問題がすべて解決されたわけではない。感じた問題は以下の数点。

  1. ボリュームは絞りきれない
    ボリューうを最小にしても音はスピーカーから聴こえる。測ったら、ボリュームの抵抗値は最小44kΩとなっている。交換しないと治ることは難しいかも。
  2. ハム音はちょっと大きい気がする
    トランスレスラジオはハム音が大きいようだが、なんとか低減したい。CRフィルターを電源にいれることが有効のようで、手持ちのケミコン47μF/250Vと抵抗で組んでみたい。
  3. 感度はいまいち
    室内ではNHK第1、第2しか聴こえない。バーアンテナーがないといってももう少しよくなるはず。地元の栃木放送がだめなら、感度階級 極微電界級は嘘になる。
    短波放送も感度はいまいち。夜8時台でも聴こえる局はほとんどない。

まだまだ調整作業が必要だ。

入手した真空管ラジオ サンヨー SF-20 にコンデンサは何種類もあるが、ペーパーコンデンサは6つ。

それらを手持ちのフィルムコンデンサに交換した。取り外したペーパーコンデンサを測定したところ、いずれも交換すべき状態だった。

交換したペーパーコンデンサは以下の6つ。

0.05μF (コンデンサの外周表記: JIS C-6438、JCP-R、0.05μF(M)±20%、1000T.V.、400W.V.、Sanyo、SHIZUKI)。

0.05μF (コンデンサの外周表記: JIS C-6438、JCP-R、0.05μF(M)±20%、1500T.V.、600M.V.、 Sanyo、SHIZUKI)。

0.05μF (コンデンサの外周表記: JIS C-6438、JCP-R、0.05μF(M)±20%、1000T.V.、400W.V.、Sanyo、SHIZUKI)。

0.005μF (コンデンサの外周表記: JIS C-6438、JCP-R、0.05μF(X)+40%-15%、1500T.V.、600M.V.、 Sanyo、SHIZUKI)。

0.01μF (コンデンサの外周表記: PAPER CAPACITOR、Sanyo、T.V. 1500V.D.C.、W.V. 600V.D.C.、PAT 371282、TYPE G-6M103、JIS C-6413)。

0.005μF (コンデンサの外周表記: PAPER CAPACITOR、Sanyo、T.V. 1000V.D.C.、W.V.400V.D.C.、PAT 371282、TYPE G-4N502、JIS C-6413)。

手持ちに0.005μF(5000pF)がないので(精確に言うと、耐圧の高いものはない)、0.01μF 耐圧630V(ひとつ30円、秋月電子通商販売中)を2つ直列して代用する。

12AV6と30A5との間の結合コンデンサ0.01μFはオイルコンデンサ。測定したところ、容量値は倍近くになっているが、とりあえずそのままにする。

基板の裏にある、チューニングインデックスと反射板を取り外さないと交換できないペーパーコンデンサが2つほどある。

以下は交換後の写真。

黄色枠内はオイルコン、赤は交換後のフィルムコンデンサ。残りの2つは裏から見えない。

また、ブロックケミコン(60μFと40μF)を測ったところ、それぞれが44.5μF (ESR 0.43Ω)、33μF (ESR 0.5Ω)になっている。交換可能なケミコンは手持ちになく、しかもそのまま使えそうなので、交換していない。

いまは亡き三洋電機 (Sanyo) 製、2バンド5球真空管ラジオSF-20 が届いた。まったくクリーニングしていない状態だったので、撮影する気がなく、さっさと分解してクリーニング作業に直行。

ラジオのスペックや回路図は壁の写真を参照してください。回路図は貴重なので、デジカメで撮影したサイズをそのまま掲載する。ダウンロードすれば大きく確認できるはず。

Sanyo SF-20 のスペックと回路図

シャーシを取り出す手順について。正面のチューニングノブとボリュームノブを強く引っ張って、ノブを取る。底から固定ネジ(ビス)2本を取り外す。シャーシを固定するネジはほかに、ラジオ内部シャーシの上部にも2本あり、それを取り外す。これでシャーシを下ろすことができるはず。さらに、スピーカーを固定するネジ4本を外せば、スピーカーもイヤホンジャックも一緒に取り出すことができる。

以下は一連の写真。ダウンロードすれば大きな写真で細かに観察できる。

正面。シャーシを取り外した状態。
正面の右側パネル。All WaveといってもAMとSWの狭い周波数帯域だけ。
箱のなか。ホコリまみれの状態からよくもここまで頑張った。
検査票
シャーシ。真空管は1本1本外してクリーニング。
バンド切り替えSW。寿命は長そう。
シャーシの裏。
シャーシ裏の左側拡大写真。

湿気や腐食でぼろぼろになったラジオの内部を、100円ショップ販売のニスで塗り直した。2回塗れば、木材間の隙間がガチガチになり、見た目もだいぶ良くなった。

100円の木材ニスで内部を塗り直す

壊れた2SA103をPNP型シリコントランジスタ 2N3906で代用。2N3906は海外メーカー製、大変安価(ひとつ5円、秋月電子販売中)に入手できる。また、トランジション周波数は250MHz、短波ラジオにぜんぜん余裕。B-E間電圧はゲルマニウムと違って約0.6Vもあるが、本ラジオの電源電圧は9Vと高いので、動作電流(バイアス電流)を変えなくても問題なさそう。

2SA103はなかなか入手できないので、安価な2N3906で代用。
基板に2N3906をはんだ付けしたところ

つぎに電源アダプターの改造について。本ラジオは外部電源(AC100Vではなく、DC9V)として、メガネ型ACケーブルに対応している。しかし、メガネ型といってもいまの規格ではなく、60年代のものは現在流通していないように思われる。100Vの商用電源と混同する恐れもあり、2.5mm標準DCジャックに改造した。

1.5mmのアルミ板に、ネジ固定用穴2つ、ジャック固定用大穴を開け、アルミを切断したら、それほど苦労せずに改造できた。内部単一電池6本と並列に接続するだけの方式にした。電池による腐食の可能性を考えて、自分が生きている間、本ラジオに単一電池を入れて使用することは絶対にないはず。単一電池を残したのは、あくまでも従来の機能をそのまま残したいため。したがって、外部電源と内部電池を同時に使うことをこの改造では想定していない。

外部電源コネクターの改造
裏の様子。内部電池と並列するだけの接線。
外部電源としてDC9Vを供給する

なお、アンテナ入力は従来のまま、改造していない。

最後に、シャーシを組み込んだラジオの外観をアップする。チューニングランプがないことは残念な点だ。このうち、LEDによるライティングを追加するかもしれない。

自分にとってラジオとはこういうデザインだ。

ドイツのラジオをパクったデザインだけど、ラジオとはこういうデザインであるべきだという先入観はいまでも色褪せしていない。欲をいえば、繰り返しになるが、真ん中のバンドスイッチはいらない。左側のノブはボリュームとトーン調整、右側はチューニングとバンド切り替え。それ以上のものも、それ以下のものも要らない。

じっくり整備していくつもり。まずはRF-周波数変換部。

写真は大きいサイズ。ダウンロードするなり、詳細確認可。

ラジオに基板2枚あり、後ろから見て、左側(パリコンの隣)の基板はRF-周波数変換に関するものだと推測する。基板のほとんどはバンドスイッチ(写真の左からMW(AM)、SW1、SW2、SW3、PH、電源ON・OFF)。スイッチの左の4つは大きく(縦サイズが長い)、右の2つは小さい(縦サイズが2/3ぐらい)。スイッチの裏と基板とのカラーは近いので、気づきにくいが。

PHはPhone In端子につなぐためのスイッチだと思う。それを使えば、ラジオをAFアンプとして使うことが可能になるだろう。今回はこれを使って、AF部の動作確認や点検に使えるかもしれない。

トランジスタ2つは判読困難だが、基板から外して確認したところ、Matsushita(松下)製 2SA103DA、2SA104 の2本であることは間違いなし。ゲルマニウムTR。2SA104はローカル発振、2SA103は周波数変換に使われている。

電解コンデンサは1つのみ、9Vの電源にまたがっていて、インピーダンスの低減という役目を果たしているようだ。容量については角度が邪魔で、未確認。

2SA103はいまでは販売されている模様。スペックは以下の通り。ネット上にあるデータシートはここ(信憑性は不明、あくまでも参考程度)

製造元:松下電器産業株式会社
構 造:ゲルマニウムPNPドリフト型
【最大定格】
コレクタ・ベース間電圧: 40V
コレクタ電流     : 10mA
コレクタ損失     : 60mW
遮断周波数      : 35MHz

基板はほかに、多くはコンデンサ。ワックスで固めた2つは0.01μF(ペーパーコンデンサか)。抵抗器は5つ。

RF-中間周波数変換部はMWにおいては正常。SWにおいては、信号の弱いラジオ局は問題ないが、強い信号では発振気味、喋っていることは却って聞き取れない。後でわかったことだが、トランジスタ2SA103が生きていないからだ。

電解ケミコン1つとトランジスタ2つ。TR1は2SA104、TR2は2SA103。

<追加>

ペーパーコンデンサについては、やはり気になるので、フィルムコンデンサに取り替えた。取り外した2つは、0.01μF/M、JCP-TNN-S、42793、220 M.V、NE (SEC)という表記があった。容量は実測したら約0.025μFに増加している。取り替えたからといって変わったことは感じなく、気持ち的に安心しただけかもしれない。

取り外した、ワークスで固められたコンデンサ

トランジスタ2つはどうしても気になるので、基板から外して測定してみた。2SA104は健在で、HFEは114と出た。2SA103DAは残念ながら死んでいるようだ。

基板から取り外した2本のトランジスタ。片方は死んでいる。

ヤフオクで落札したラジオが届いた。送料約2千円、遥々鹿児島から。落札価格より高いということはないが、それほどの差でもなかった。

トランジスタラジオ Victor 8H-4D。ネットで検索しても、出てくる情報はほとんどない。

MW/SW。SWは3バンド、2-4MHz、4.6-10MHz、11.7-22MHz。
1962年製造開始。ベリ・シリーズのひとつのようだ。なお、ベリ・シリーズは3機種により構成され、下位の7H-3D、上位の11A-7D、および本機種。

トランジスタの数は8つ。ローカル発振、周波数変換、IF増幅2段、AF増幅2段、プッシュプル電力増幅(2つ)といった一般的な回路だろうか。

さて、届いた状態では外観こそまあまあだが、内部は腐食(湿気およびバッテリーの液漏れによる)が酷く、さらに汚れといったらまさに絶句状態。昔はよくアメリカから1930~50年代のカメラを購入していたが、ここまで酷かったものはあまりなかった。やはり日本の気候は物の長期保存に極めて不利、従来の木造建物では湿気にやられてしまうのだろう。

ということで、撮影する暇もなく、到着したラジオをさっさと分解してクリーニングしてみた。ゴムは融着してほとんど溶けていた。錆びた鉄板を磨いたりして、4~5時間の格闘でなんとか撮影できる状態にした。

ただ、嬉しかったことは、外部電源 9Vを繋いだら、ちゃんと鳴いたことを確認した。電流も50mA前後の正常値。ここまで音質のよいラジオは自分の記憶では真空管しかなく、ホームラジオの良さを再確認した。しかし、バンドスイッチの接触不良やボリュームのガリ等、ちゃんと聴くにはまだまだやることがいっぱい残っているはず。

電解コンデンサの交換は必要か、悩んでいるところ。チューニング機構もエアーバリコンの溶けたゴム足等によって、スムーズになっていないことも頭の痛いところ。

携帯型ラジオと違って、こういったホームラジオを置くスペースはふつうの家庭ではそう多くないので、この一台と末永く付き合っていきたい。数ヶ月かけてリペアしていくのも悪くない選択肢ではある。

こういうヨーロピアンデザインのラジオは日本ではあまり人気がなかったかもしれないが、自分にとっては若い頃の憧れだった。さらに欲をいえば、バンドスイッチは独立したものではなく、チューニングノブの外周にロータリバンドスイッチの形になってほしかった。そうすれば、右側はチューニングとバンド切り替え、左側はボリュームとトーン調整、極めて合理的なデザインになる。

最後に、分解した写真を載せておく。組み立てた後の全体写真はこれからの記事に出てくるはず。

正面の一部。バンドが下からMWはやはり変だろう。バンドスイッチ6つもあるのも謎。
後ろから。バッテリー装着板はクリーニングのため外した。
基板の一部。
バーアンテナとバリコン。
底からの撮影。腐食の酷さはまだ残っている。
木製箱の内部。
痛々しい木製箱の底。なんとか補修しないといけない。
木製箱内部の上面に貼り付いている銘板相当の紙一枚。ほとんど売れていなかった?

父の日に届いた。1976年前後製だろうか。韓国製のアメリカ Radio Shack Micronta 22-201Aというアナログマルチテスタ。届いたときには、内部のバッテリー室は電池の液漏れでひどい腐食状態だった。バッテリーと接触する両端子を薄い銅板で自作し、なんとか使えるようにした。

特徴はサイズの小ささだろうか。13 ✕ 9 ✕ 3.5cm。測定レンジの目盛をロータリスイッチの内側につけたところが面白い。DC感度は20kΩ/Vとふつうだが、DCAが実質250mAのレンジしかなく、ラジオ製作等のバイアス電流調整には無理。

ロータリスイッチのづくりはよい。当時の三和に勝てないが、日置よりは頼りになる。また、本個体だけかもしれないが、メータのバランスはよい。出荷後約45年経ったいまでも、どんな角度(つまり、全天球の720度)でメータを眺めても、ゼロからのメータの針のズレはフルスケールの1%、つまり、1目盛りの半分を超えていない。

回路図を見てもわかるように、コスト削減のために、韓国に作らせたり、抵抗器の共用等、多くの工夫をされている。その分、つくりは単純、メンテナンスはやりやすい。

韓国製という根拠は、箱にCUSTOM MFD. IN KOREA FOR RADIO SHACKという英文があること、本体のプラスチックケース裏にKoreaという刻印があること、取説がPrinted In Koreaという表記があること、Korea オイルコンデンサが内蔵されていること等だ。

本商品はなぜ日本にあるんだろう。当時のアメリカ出張で購入したものだろうか。いや、東京で1970~80年代にRadio Shackが事業展開していたことがあり、その時に売り出していた商品か。はたまた、eBay等の出現でオンラインショッピングして日本に来たものか。わからない。

バッテリー端子は急いでつくったので、見た目はよろしくない。バッテリーを装着すると隠されることを自分への言い訳とした。

同じ太さの赤リード線が手持ちになく、白で代用

最後に、貴重な回路図を載せておく。ダウンロードすれば拡大閲覧可。