ESRとはEquivalent Series Resistance(等価直列抵抗)のこと。実物としての電解コンデンサはキャパシタンス(容量)以外に、どうしても電極、電解液、誘電体などの抵抗成分を含む。とくに、電解コンデンサの寿命を数千時間しかメーカーが保証しない製品がほとんど。24時間運用するサーバでは、電解コンデンサの搭載は好ましくない。1年間の運営だけで8760時間にのぼるから。温度が10度下がれば、電解コンデンサの寿命は倍に伸びるとかいわれるが、メーカーはそう保証して出荷したわけではない。電解コンデンサの寿命が短い理由は電解液が時間とともに蒸散して劣化し、抵抗成分(すなわちESR)が増大するといわれている。
OWON B35は合格レベル。売値が5000円強、パフォーマンスがよい。フリーソフトTs Digital Multi Meter Viewer(ただし、PCとのBluetoothに関するペアリングが必要。またその後、Win10のBluetooth デバイスの管理画面において、「…SPP Dev…」と表示されているポート番号を選ぶ。)を利用すれば、Bluetooth経由で計測データはPCで収集される。
Peak Meter PM8236
USB min端子が上部にある。外部電源用ジャックは自分で追加したもの。
最も素晴らしく感じたのは Peak Meter PM8236 という中国メーカー製DMM。売値はAmazonで4000円強と3台のうちでは最も安い。Ts Digital Multi Meter Viewer(ただし、DMMの機種としては HYELEC MS8236を選ぶ。)も利用できるが、PC用ソフトは付属CDか、ネットからゲットする。6000カウント、バーグラフ付き、自動レンジ切替。精度が高く、TRUE RMS、周波数(10 MHzまで)・温度(1000度まで)・コンデンサ容量・Hfe等の計測も可能。使用電池は単3四本。とくにUSBケーブルはDMMの上の側面に差し込む形で利用し、AgilentやSanwaの設計理念と異なる。
以下の画面はメーカーが提供したソフト、およびフリーソフトTs Digital Multi Meter Viewerによりデータ収集を行った際のもの。標準抵抗40.000 kΩに対して、-0.075%の誤差を示している。ちなみに、この標準抵抗をFluke 87Vで計測するとちょうど40.00との表示になる。どちらのソフトもデータを収集するのみで、DMMのレンジを変えたり、モードを変えたりすることはできない。