中国独身の日(11月11日)祭りで購入した4点のうち、DSP5015キットが届いた。約10日間の配達。

スイッチング電源 DSP5015キット
もう一枚

本キットは外部入力電源のスペックにもよるが、キット自体の出力電圧は0~50V、出力電流は0~15A、出力電力は0~750Wとなっている。つまり、入力として与えられた直流電源は60V以上、電流が15A以上であれば、本キットはダウンコンバートし、0~50V(0.01Vステップ)の電圧、0~15A(0.01Aステップ)の電流を出力するもの。本当にスペック通りに動くか、組み立ててから確かめたい。

キットにUSBモジュール、Bluetoothモジュールも含まれており、PCやスマホから出力電圧・電流を制御できるらしい。ただ、USBとBluetoothは同時に使えるか、付属してきたケーブルを見る限り、どちらかしか使えない気がする。分岐ケーブルを自分で用意すれば、USBからもBluetoothからも制御できるかもしれない。こちらも組み立ててから確かめたい。自分はUSB経由のPC制御ソフトに期待して購入を決めた。

以上のことで、本キットの正確な名称は「プログラマブル・定電圧電流ステップダウン・スイッチングモジュール」となるだろうか。一人前の0~50V/0~15Aのスイッチング実験電源にするには、AC100Vを60V/15Aに変換するDC電源とケースが必要。なお、本キット専用のメタルケースが発売されており、数日後に届くはず。

組み立てマニュアルはいっさいついていないので、つぎのところから英語資料や関連ソフトをダウンロードする。

https://www.mediafire.com/folder/3iogirsx1s0vp/DPS_communication_upper_computer

自分の使っているPCは日本語Windows 10 Home Edition(1809)64bit。環境によっっては以下の説明は当てはまらないかもしれない。

対応モデルDSP5015のフォルダーにある DSP5015 PC Software(2017.11.04).zip という圧縮ファイルをPCにダウンロードし、アンチウィルスソフトでスキャンして問題なければ解凍。

ファイルCH341SER.exe はUSBドライバなので、それを実行する。最後にインストール失敗旨の表示があるが、それは提供されていないCH341SER.infファイルが存在しないことによるもので、心配しなくてよさそう。

さらに、解凍したフォルダーのなかにある DSP5015 PC Software V1.4.rar を解凍して、setup.exe ファイルを実行し、PC用ソフトをPCにインストールする。インストール時間は数分と長いが、英語の指示にしたがってやっていけば、インストールが成功裏に終わる。

最後に、情報を得るために訪れてくる方々のために、本記事に関連する記事をまとめておく。

スイッチング電源 DSP5015 キット(本記事)
スイッチング電源 DSP5015 用ケース
スイッチン電源 DSP5015の仮組立
スイッチング電源 DSP5015キットの組立
Lixada 48V/8.3A直流安定化電源
スイッチング電源 DSP5015にBluetoothが使えるように

ちょっとしたことで、精密電圧リファレンス LT1021-5 を入手した。LT1021はAnalog Devices社の製品で、超低ドリフトおよびノイズ、優れた長期安定度、そして入力電圧変動に対する高い余裕度などの特徴を有する精密電圧リファレンスだそうだ。LT1021-5 は5V電圧を出すもの。そのほかに、LT1021-7、LT1021-10もあり、それぞれ名前のとおり、7V, 10Vを出力する。

LT1021-5
基板の裏

趣味にハマると、多くのひとは道具にハマる。音楽なら楽器、サイクリングならバイク等。その道を極めようとすると最高のツールと自分自身最高の能力のコンビになるわけだから。人間の能力には限界があり、それを越えようとするとツールに頼るのは仕方のないことだ。同じ運動能力でもママチャリと専門バイクとではスピードが異なるはず。

このように、電子工作にハマる人は多くの電子計測器を購入するわけだ。見えないものを見たいことと、よりよい計測器を使いたいことが主な理由。そのうち、どうせ購入するなら精度の高いものと考えるひとも多いはず。正確な電圧測定を考えるなら、基準となるリファレンスが欲しいものだ。ちなみに、個人レベルで手にできる最高精度のものはGPSからの周波数や時刻であり、つぎのものは超精密抵抗器だろうか。最小抵抗値許容差が0.005%ものが市販されているから。

さて、手にしたLT1021は基板にはんだ付けされている。ピン配置は下に示す。入力として2番めのピンに約7V以上、30V以下の電圧を与え、5Vの精密電圧は出力として6番めのピンから得られる。なお、4番めのピンはGND。

LT1021-5のピン配置

入力電圧を5Vから徐々にあげ、出力電圧が安定する値を実測した。以下の表のとおり、最小入力電圧は7V、できれば9V前後の入力電圧を与えれば、出力電圧はとても安定する。

室温や使用年数等によって、出力電圧は微妙に変動することが予想されるが、出荷してから数十年間経った本LT1021-5はまだ精度よく5Vをキープしているようだ。出荷時のメーカー保証は 4.9975 ~ 5.0025Vであることを考えるとなおさらそう感じる。

精密電圧リファレンスとして、変動要因は一般的に、

  • 時間経過による経年変動
  • 入力電圧による変動
  • 負荷電流による変動
  • 室温による変動

に分けられる。入力電圧は精密定電圧として与え、負荷は数MΩ以上のものを使い、室温はエアコン等で20度に保つ等の工夫をすれば、経年変動以外の要因は克服できる。経年変動だけは計測という作業によって一定期間(たとえば毎年)ごとに確認するしかない。

経年変動は精密計測器の宿敵といっていいだろう。

<LT1021に関する資料>
データシート(英語、PDF) 本サイト
信頼性レポート(英語、PDF) 本サイト
アプリケーション・ノート:電圧リファレンスの理解と応用(日本語、PDF) 本サイト

Advantest社製デジタルマルチメータ(DMM)は3台ほど所有している。TR6847、R6451A、R6551。どれも内部ではバックアップ用電池が搭載されている。電池は校正用データを保持するためのもののようで、劣化して容量がなくなっても再校正すれば、DMMとして機能するらしいが、実験していないので、本当かどうかはわからない。

所有している3台のAdvantest社DMM

 ちなみに、上記写真は入力ショート時のACノイズを確認するために撮影したもの。3台のうち、R6451Aは最後に製造された一台で、ACノイズは0.041mVと小さい。R6551は0.753mVとやや大きめ。

R6551については、内部の電解コンデンサを全交換すればさらにノイズは小さくなるとかの噂は聞くが、すべての交換は自力ではできなかった(分解の手間を考えると躊躇してしまうから)。

既存のバックアップ用電池はMaxell リチウム ER3 (1/2AA) 3.6V というもの。いまでも市販されているが、電池代をケチるために、今回は秋月電子通商から、リチウム電池 1/2AAサイズのものを購入して代用した。商品説明は以下の通り。

メーカー Guangzhou Markyn Battery Co., Ltd.(中国製)
・種類:塩化チオニルリチウム電池
・電圧:3.6V
・容量:1.2Ah (0.5mA to 2.0V@23℃±2℃)
・最大連続放電電流:40mA
・最大パルス電流:80mA
・使用温度:-55~85℃
・充電:不可(使い切り電池です)
・保存期間:10年

また、電池ボックスも一緒に購入。購入単価は電池250円、ボックス100円。電池の製造時期は2018年4月13日。

さて、ICへの電力供給を一瞬たりとも止めないために、今回はとても神経を使った。交換ステップは基本的に以下とした。

  1. DMMの電源をOFFにし、電源ケーブルを外し、内部分解する。
  2. 電池ボックスをネジで内部に固定するのであれば、先に穴をドリルで開ける。
  3. 既存電池のプラスマイナス両側に、電池ボックスのプラスマイナスリード線をはんだづけする。より正確に書くと、プラスリード線は電極上の基板側だが、マイナスリード線は基板上のGNDにはんだづけした。また、リード線先端は、外部の精密実験電源から電力供給できるように、導線部分を多少残す。
  4. 上記のリード線に精密実験電源から、既存電池(実測では約3.7V)と同じ電圧を供給する。
  5. 既存電池のプラス極をニッパーで切り、既存電池からの電力供給を止める。3. でつけたプラス極リード線は当然基板側に残すように切る位置を決める。電池のプラス電極は逆L型の形で基板にはんだづけされているので、切る作業は簡単にできる。
  6. 交換用新しい電池の電圧を測る(約3.6V)
  7. 上記の電圧に合わせて、外部精密実験電源の電圧を徐々に下げる。約3.7Vから3.6Vに数分かけて下げる。
  8. 新しい電池を電池ボックスに入れる。バネの接触具合をよく確認する。また、新しい電池の製造時期は外部からひと目でわかるように電池を回転させる。
  9. 問題がなければ、外部精密実験電源を切る。
  10. 既存の電池のマイナス極をはんだこてを使って基板から取り外す。プラス極はすでに上記の 6. で切ってある。

R6451AとR6551は壁に穴を開け、電池ボックスを固定することにしたが、TR6847は両面テープで基板に電池ボックスを固定した。両面テープの劣化が心配で、さらに接着剤を使って強固にした。

以下はほんの一部の写真。

壁に穴を開ける
電池ボックスを2本のネジで壁に固定
電池交換完了時の様子。
基板に電池ボックスを両面テープや接着剤で固定

取り外した電池はそれぞれ89年2月、94年11月、91年1月製、対応する機種はトップ写真の順番に合わせた。おそらくDMM出荷後、電池の交換は一度も行われていなかった。いずれの電池も3.7Vをキープしているので、すごい寿命(24~29年)だと感激した。

取り外した古い電池。プラス極の切る位置に注目。

交換後、3台とも校正データは消えておらず、元気に動いている。

ESRとはEquivalent Series Resistance(等価直列抵抗)のこと。実物としての電解コンデンサはキャパシタンス(容量)以外に、どうしても電極、電解液、誘電体などの抵抗成分を含む。とくに、電解コンデンサの寿命を数千時間しかメーカーが保証しない製品がほとんど。24時間運用するサーバでは、電解コンデンサの搭載は好ましくない。1年間の運営だけで8760時間にのぼるから。温度が10度下がれば、電解コンデンサの寿命は倍に伸びるとかいわれるが、メーカーはそう保証して出荷したわけではない。電解コンデンサの寿命が短い理由は電解液が時間とともに蒸散して劣化し、抵抗成分(すなわちESR)が増大するといわれている。

したがって、理想的なコンデンサはESR値はゼロだが、現実の電解コンデンサはESR値はゼロではない。また、コンデンサが不良になるとESRが高くなることが多く、ESRが高いコンデンサを含む電子回路は、動作が不安定になったり、異常発振や誤動作などを起こしたりすることが多い。さらに、電解コンデンサにリプル電流が流れるとESRで損失が発生し、異常発熱によってコンデンサの劣化が早まる。

以上の理由で、ESR値の小さい電解コンデンサがユーザに求められるわけだ。そこで、手持ちの電解コンデンサのESR値を実測してみた。せっかくLCRメータ Agilent U1733CにUSBケーブルをつけたので、PCからの測定が手軽にできるから。

測定条件は以下の通り。

室温は20℃前後、湿度は60%前後。数時間に渡る長時間の測定なので、室温や湿度がその間変化しており、前後という表現をここで使っている。

LCRメータにリチウムイオン充電池3本(実測12V前後)による外部電源を供給し、USBケーブルでPCに接続。電解コンデンサの極性をよく確認して、LCRメータのプラスマイナス側にそれぞれつなぐ。

PCから100Hzでのコンデンサ容量Cの測定を指示する。Cの測定はシリアル式で行ったが、22000uFだけは容量が大きいか、シリアル式では測定不能だった。そのかわりにパラレル式に切り替えて測定した。

ついでに、ESR値を100Hz, 120Hz, 1kHz, 10kHz, 100kHzの各周波数で測定。ただし、数分間経っても表示が安定しないものは複数あり、その際適当なタイミングで打ち切った。

PCで記録した測定値をExcelに移動し、記事最後のPDFファイルに仕上げた。つまり、手書き等の転記によるESR値の記録ミスは今回の測定ではありえないと考えてよい。

ただし、コンデンサごとにESR値は異なる。製造時期によっても値が違うので、あくまでも測定値は目安と考える。

しかし、測定して感じたのは日本ケミコン産のESR値の悪さ。手持ちは20年も昔のものかもしれないが、自分としては日本ケミコン産はこれから避けることにする。

MUSEやFine Gold等、いわゆる音楽用高級コンデンサもESR値はそれほど良くない。電子パーツとしてコンデンサを考える場合、ひとの噂を当てに、高級品だから音質がよいという迷信はいかがなものかと思うようになった。

HPブランドのデスクトップPCがだいぶ昔故障した。10年前の製品だし、PCがほかにも複数台あるので、直すことを諦めていた。長い間放棄状態にしてきたが、スイッチング電源としてPCの電源部分が使えることに気づき、PCから外して転用した。

デスクトップPCの電源は互換性を持たすために、標準化されている。いわゆるATX電源というスペック。サイズや出力する電圧等、標準化されたこそ、必要に応じて電源の取替ができるわけだ。

さて、ATX電源のスペックは筐体脇のラベルに書かれているのは一般的。本電源も2系統の5V、それぞれが13Aとスタンバイ用2A。1系統の5V/17A。3系統の12V、それぞれが16A, 15A, 8A。さらに1系統の-12V/0.8A。

スイッチング電源としての改造は最小限の作業に留めた。電源スイッチはついていなかったので、そのまま。電源インレット側にLEDがついているので、それを正面にした。余分のLEDをつけ加えなくても通電することがそれでわかる。また、電源インレット側面にバナナジャックを取り付けても内部のパーツにぶつけたり、干渉することはないことも好都合。

そうして、12V、5V、3.3V と -12V、GNDのそれぞれにバナナジャックを取り付け、元の出力ケーブルをはんだ付けして、あっという間に完成。

バナナジャックの色は手持ちに3色しかなく、赤を上から12V, 5V, 3.3V とし、青を-12V、黒をGNDとした。

改正後、オシロスコープで開放電圧の波形を確認したところ、さすがにHPのPC用ATX電源のこともあって、-12 Vだけはスイッチングノイズがひどいが、他の+電源はノイズが計測不能という状態。

スイッチング電源は効率がよいので、5 Vや12 Vでの充電で活用したい。

写真は最後にまとめて掲載する。

PC電源から転用したスイッチング電源
ATX電源のスペック
内部の様子
電源の内部(真上からの写真)
取り付けたバナナジャック
ほかの出力ケーブルを途中でカット
12Vの出力
+12Vのノイズは無視できるほど少ない
しかし、-12Vはノイズだらけ

データ収集機能を使いたいので、手持ちのLCRメータ Agilent U1733用 IR-USB ケーブルを購入した。ケーブルは見栄えのよくない自作品がネットで見つかるが、ぼったくり価格ではなかったので、純正品の購入となった。

U1733C+USBケーブル+ACアダプター

対応ソフトも無料でKeysight(Agilentの後継企業)の公式サイトに公開されている。また、ACアダプターが使えるので、手持ちの12Vスイッチング電源を活用した(ACアダプターによってはノイズを多く発するものもあり、計測値が安定せず誤差をもたらすことがあるようだ。内蔵電池と比較して、計測値が一致するACアダプターを選ぼう。)

スタンドを使わないと横倒しになるという素晴らしい設計♡天下のAgilentは流石

IR-USBケーブルはU1733Cの背部に差し込んで使うため、スタンドを出さないといけない。差す部分は表裏がないようなつくりになっているが、ラベルのある面を外に向くように使う。どうしょうもない設計!

ただ、ソフトからはU1733Cに指令を出すことができるところはすごい。様々なパラメータを同時にPC画面で確認できることも嬉しい。U1733Cの液晶パネルはLCRメータとしては大きいほうだが、PCの画面と比べたらゴミサイズでしかないのでしかたあるまい。

PC画面。U1733Cを使いこなすにはやはりUSB対応が便利。

たとえば、標準抵抗40.000 kΩを測るにあたって、U1733Cの液晶パネル表示が4桁なのに、PC画面のRの値はなんと5桁。39.98という計測値は一つ前の記事、Peak Meter PM8236の表示に近く、Fluke 87Vとやや離れる。どっちが精度高いか、Fluke 8846Aにジャッジしてもらおう。(追加:Fluke 8846Aの表示は40.0002だったので、Fluke 87Vのほうが精度がよいことになる。)

LCRメータは使い道が多い。とくにコンデンサの品質を調べるにはLCRメータ以外の測定器では難しい。ただ、ここにも中国勢の台頭はすごい。わずか千円足らずのLCRキットで、コンデンサのESR値までを表示するのだ。LCRの計測だけでなく、トランジスタ、FETの種別や足アサイン、ダイオードの順方向降圧等、LCR+トランジスタ+FET+ダイオード等、電子工作に必要なパーツの多くを測定対象にしてくれる。

<Agilent U1733Cに関する資料やソフト>
ユーザマニュアル 日本語(または本サイト
データシート 日本語(または本サイト
クイックスタートガイド 多言語(または本サイト
IR-USB ケーブル対応PCソフト Windows用(または本サイト

データ収集できる計測器の物色対象はデジタルマルチメータ(DMM)から。直流・交流電圧、直流・交流電流、直流抵抗を測るにはもっとも便利な計測器だ。

手持ちのDMMは調べたら数台あり、最も高価なのはFLUKE 87V。Fluke 87Vはプロたちの間で最も信頼されるブランドのひとつだし、精度が高く、ふつうの使い方には不満はないだろう。しかし致命の欠点はデータ収集ができないこと。2台目はSanwa 500a。データ収集ができることとなっているが、光リンク接続ケーブルが発売中止になっている。その他の数台もデータ収集を考慮していない。

ということで、DMMを前後3台新調した。Bluetooth接続可能な OWON B35、光リンク接続ケーブルが買えるSanwa PC20、そして本記事で紹介するPM8236。

ケーブルと合わせると売値15000円となるSanwa PC20は試用した結果、3台のうち最もダメなDMMと結論づけた。よくない精度、光リンク接続ケーブルをつけた後のDMMのバランスの悪さ等がその理由だ。

OWON B35は合格レベル。売値が5000円強、パフォーマンスがよい。フリーソフトTs Digital Multi Meter Viewer(ただし、PCとのBluetoothに関するペアリングが必要。またその後、Win10のBluetooth デバイスの管理画面において、「…SPP Dev…」と表示されているポート番号を選ぶ。)を利用すれば、Bluetooth経由で計測データはPCで収集される。

Peak Meter PM8236
USB min端子が上部にある。外部電源用ジャックは自分で追加したもの。

最も素晴らしく感じたのは Peak Meter PM8236 という中国メーカー製DMM。売値はAmazonで4000円強と3台のうちでは最も安い。Ts Digital Multi Meter Viewer(ただし、DMMの機種としては HYELEC MS8236を選ぶ。)も利用できるが、PC用ソフトは付属CDか、ネットからゲットする。6000カウント、バーグラフ付き、自動レンジ切替。精度が高く、TRUE RMS、周波数(10 MHzまで)・温度(1000度まで)・コンデンサ容量・Hfe等の計測も可能。使用電池は単3四本。とくにUSBケーブルはDMMの上の側面に差し込む形で利用し、AgilentやSanwaの設計理念と異なる。

AgilentやSanwaはケーブルがDMMの底の面に差し込むので、スペースを稼ぐために、スタンドを立てて使うことが強要される。だが、それによってバランスが悪く、基板の上など平らでないところに置くと傾いてしまう。どう考えても、上か横の側面に刺すことが自然であり当然だろう。Agilentといえども、そういう反人間的な設計には「Bad」を下して反省してもらいたい。そうなってしまった理由は恐らく、データ収集はあくまでもおまけで、計測値を赤外線LEDで外部に知らせるには、基板上の空きスペースはそこしかなかったのかもしれない。対して、PM8236は中国のような新興企業が参入するために投下した機種であり、従来のDMMの問題点を徹底的に洗い出してより低コスト、より多機能に設計した成果だと推測する。

以下の画面はメーカーが提供したソフト、およびフリーソフトTs Digital Multi Meter Viewerによりデータ収集を行った際のもの。標準抵抗40.000 kΩに対して、-0.075%の誤差を示している。ちなみに、この標準抵抗をFluke 87Vで計測するとちょうど40.00との表示になる。どちらのソフトもデータを収集するのみで、DMMのレンジを変えたり、モードを変えたりすることはできない。

メーカー提供ソフトの画面。USB接続。
メーカー提供ソフトの実行画面。USB接続。
フリーソフトTs Digital Multi Meter Viewerの画面。USB接続。
フリーソフトTs Digital Multi Meter Viewerの画面。USB接続。

余談になるが、PM8236はオープンハードウェアのようで、同じ設計のものが数多くのブランド名で発売されている。どれが本家本物かはわからない。それはPM8236に限った話ではない、格安のスイッチング電源やDDS信号発生器等、多くの商品は中国初ということはなんとなくわかるが、本家本物はわからない。

なお、データ収集では数日、数週間の計測になることもあるので、外部電源の利用や電源の自動OFFは必須条件のひとつだと考える。Sanwa PC20はその点、外部ACアダプター(DCではなくAC7.5Vを出力するという変わったもの)が用意されていることは評価する。

ケースに穴をあけ、ジャックを差し込み、接着剤で固定。
配線は電池室の接線から

PM8236は外部電源が利用できないので、早速改造してみた。ガラガラの内部から、ケースの側面に穴をあけ、ACアダプター用標準ジャック(内径2.5 mm、外形5.5 mm)を取り付けた。対応するACアダプターの出力電圧は4.5~6V。よくある5V USB電源も問題なく使える。

そしてテスタリードのガードリングを削り取った。人命安全のためにわざとそう設計したものだが、邪魔でしょうがない。

1台のDMMでは1箇所の電圧か電流しか計測できないので、電圧と電流を同時に計測したいなら、その数分のDMMを用意するのは問題点。データロガーというものは多チャンネルが一般的で便利だが、まだまだ高い。

最後に、証拠写真をいちいち貼ることはしないが、各DMMの精度の関するテスト結果を載せる。Flukeについては文句のいいようがない。Sanwaは高額機種では精度がいいが、PC20のようなコストが命の低価格機種(それでもPM8236二台分の売値)では新品というのに、ちゃんとした調整が出荷時になされていないと思われる。OWONも低価格ということで多くの期待は禁物。PM8236は低価格にもかかわらず一部Flukeに匹敵するほどの精度を見せている。噂ではその校正はソフトで自動化されているらしい。安くても精度といい、TRUE RMSやUSB出力の搭載といい、素晴らしい。無論、PM8236に欠点はないわけではない。ロータリスイッチはしっかりしているが音が大きすぎること、単3電池はサイズによっては入らないこと、AC電圧の測定は周波数によっては表示が安定しないこと等がこれまで自分が感じた問題点。

<Peak Meter PM8236用資料やソフト>
フリーソフト Ts Digital Multi Meter Viewer Ver 9.2.0または本サイト
メーカー提供ソフト https://pan.baidu.com/s/1wkAWup7NszPKWB9-rmmoYQまたは本サイト
取説 中国語または本サイト

ちょっとしたきっかけで、測定器の計測データをPCで収集する必要が出てきた。きっかけとはリチウムイオン充電池の放電特性を測ることだった。

満充電した充電池が放電終止までの放電時間は数時間にのぼる。5分ごとの電圧と電流を記録するには、手書きでは明らかに時代遅れ。記録ミスが起きやすいし、同時に電圧値と電流値を目で確認することもそう簡単ではない。しかし、計測した電圧値と電流値をPCで収集することができれば、そんな苦労は嘘のようになる。計測作業が人手から開放されるのだ。自動計測という言葉は人間が介しないで、計測データが自動的に記録されるという意味が含まれる。

もっとも、自動計測は本来ならば、計測点の選定や、電圧か、電流か、抵抗値か、直流か、交流か、すべてPCから自動的に選択できることだと思われる。しかし、個人レベルの計測では、つねにパフォーマンスを意識するので、計測データの収集だけでも多くの場合それで十分。ましてや、電圧と電流の計測は切り替えることも容易ではないし、電圧が加えられた場合の抵抗値測定もそう簡単ではないはず。

そう考えれば、アナログ計測器からデジタル計測器へ進歩したと同様、計測データをPCで収集できる機能は計測器の必須機能のひとつだと思うようになった。無論、コストのために搭載しない計測器があってもいいが。

GPIBというインターフェースは数十年まえの高額計測器にすでに装備されていた。HPの先明性に脱帽するほどだ。問題はGPIBを今日利用しようとするとコストパフォマンスが低いこと。GPIB-USB変換ケーブルは数万円があたりまえになってしまった。数千円1本で販売すればあっという間に市場を制覇するだろうから、新進企業の参入を期待する。

ということで、GPIB-USB変換テーブルの自作や収集ソフトの自作をこれからやりたいことのひとつにしたい。

極軸望遠レンズを使いたい、カメラのバランスを取りたい、という当たり前のことがオプションを買わないとスカイメモS単体ではできない。

しかし、オプションの微動台座&アリ型プレートが高い。プレートが単体で販売していれば十分なのに、1万円以上の追加出費が強いられる。少しでも安くするために、ヨドバシカメラさんに注文を出したが、2週間経ってやっと届いた。

微動台座をプレートから外し、代わりにVelbonの自由雲台をつけた。微動台座をゴミとして捨てるのは勿体ないので、プラートの反対側につけ、バランス取るためにした。

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次に、明視野照明用ソケットを作る。プレートをスカイメモSにつけると、明視野照明が使えないから。

現物の明視野照明を持ち込み、ホームセンターにて、水道管用塩ビパイプを物色して購入。ソケットTS-S20x13という規格。

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太い20mm側は明視野照明がぴったり入る。

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細い13mm側はカッター、ヤスリで、プレートにうまく嵌められるために、加工した。

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プレートに嵌めると以下のようになる。明視野照明の電源スイッチや明るさ調整ボリュームが使いやすい位置にくるので、使い勝手は悪くない。

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最後に、スカイメモSのカラーに合わせ、ソケットをブラックに塗装し直した。

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これで、スカイメモSがやっと実用的になった。寒い日が続いているが、セットを持ち出して、星空を撮影したい。

プレートをどこかに作ってもらい、1枚5千円で販売したいなぁ。ただの鉄なので、原価は2千円未満のはず。

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ここで説明する設定方法は、スカイメモS付属のマニュアルで説明したものではなく、iPhoneアプリ Polar Scope Align(以下 PSalignと呼ぶ)を使用するためのもの。

まず、明るいうちに、以下の通り操作して、極軸望遠鏡のスケールがスカイメモS本体と垂直・水平になるようにする。本操作は最初の一回だけでOK。

1. スカイメモS本体を水平に調整する
水平器をスカイメモSの本体(電池蓋の上でいいだろう)に置き、スカイメモS本体が水平になるように、雲台を調整。
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2. 極軸望遠鏡のスケールを垂直・水平にする
1キロ先離れた建物の角を利用して、クランチノブを回し、極軸望遠鏡のスケールが垂直・水平になるようにする。上が0、下が6。
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3. 月日目盛リングを指で回し、ゼロが真上にくるように、つまり、時間目盛のゼロに合わせるようにする。
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そうしておけば、真っ暗闇のなかでも、セロ合わせをすれば、極軸望遠鏡のスケールがスカイメモS本体と垂直・水平になることが保証されるわけだ。これ以降、月日目盛リングを触ってはいけない。

今度は雲台をうまく操作して、北極星を極軸望遠鏡のなかに入れ、PSalignの画面で示す位置にする。