使える一眼レフカメラはD750 一台(ほかに、D7200 があり、ほとんど使わず、忘れるところだ)なのに、レンズのほうは60本以上揃ってきた。キチガイというか病気なのだ。最新のAF-Gレンズも、最古のAutoレンズもどれも好き。ただし、20万以上の高額レンズには絶対手を出さない。そこまでの価値はまだ認めていない。
さて、いろいろと情報を集めているうちに、Tokina 60-120mm F2.8 という噂のレンズを知った。ポートレート専用ズームを謳いその特異性で新品当時こそあまり売れなかったが後に話題を呼び中古品が高値で取引されたとか。ヤフオクをウォッチしてもなかなかその商品が出てこない。先日やっと、悪名高き塾生からの出品があった。数千円の即決価格に対して送料1200円。ダメ元で躊躇なく即決落札してゲット。どんなレンズなのか、とても知りたいから。
落札送金したその日に発送され、評判の悪い塾生にしては頑張ったほうだ。商品の外観は美品そのもの、ズーム環兼距離環の動きもスムーズ。絞り環は若干ゆるい感じ。問題は光学系。つぶつぶのカビか汚れが中玉一面に広がっている。それが安く出品された理由だし、ジャンクとして数百円で仕入れていたから十分な利益が出ていたのかもしれない。
レンズのスペック、構成図、MTF は以下のとおり。ネット情報なので、画像の質は一部良くない。
では、大得意のレンズ分解に着手。ヒントは一部ネット上にあるので、詳細についてはここでは割愛する。大雑把に書くと、前の2群はレンズのフロントからアクセスできる。後の3群はレンズのマウント側からアクセスする。ズーム環兼距離環のゴム(ラバー)カバーは取り外す必要はない。
以下、分解途中の写真のみを載せておく。
結果的に、出荷状態に戻すことは無理だが、自分としては納得のいく光学系状態に戻すことに成功した。分解して感じたことだが、トキナー AT-X シリーズのレンズは恐らくどれもしっかりした作りで、当時のニコン純正品と変わらず品質を持っていた。ラバーカバー以外は、オール金属製。
本レンズに近いスペックのニコン純正品は、Ai 75-150mm F3.5 Series E になるが、一部のパーツはプラスチックだし、加工精度は本レンズに比べて高くないことで、本レンズの品質に及ばないと考えている。ニッコールに格上げできなかった原因だったかもしれない。
最後に60mm, 80mm, 120mm の開放撮影した写真(NEFファイル、サイズはそれぞれが30MBと巨大、勇気のある方のみダウンロードしてよい。)を置いておく。天気は霧、PM2.5があるかどうかは知らんが。
焦点距離60mm, F2.8, ISO 100, 三脚使用
焦点距離約80mm, F2.8, ISO 100, 三脚使用
焦点距離120mm, F2.8, ISO 100, 三脚使用
これで、本レンズは分解後、片ボケはないことを確認できた。解像度もまずまずといったところだろうか。
なお、トキナー AT-X シリーズにほかに、魅力的な商品は以下のとおり。AT-X とは、高級なレンズという位置づけで、ADVANCED TECHNOLOGY-Xの略。最後の2本、いまでも魅力的なスペック。
AT-X240 – 24-40mm F2.8 13群17枚。最短撮影距離0.4m。
AT-X270 – 28-70mm F2.8 広角側28mmの大口径標準ズームとして初の製品、大ヒット。
AT-X357 – 35-70mm F2.8 10群13枚。最短撮影距離0.6m。
AT-X828 – 80-200mm F2.8 11群17枚。最短撮影距離1.8m。
AT-X100 – 100-300mm F4 12群16枚。最短撮影距離2m。
AT-X150 – 150-500mm F5.6 13群15枚。最短撮影距離3.1m。