今年3月に入って新品購入したタムロンレンズ4本のうち、2本は正常だと思っていたが、再テストした結果、問題がないのはタムQ と呼ばれる単焦点90mm F2.8のみで、残りの3本は何らかの問題を抱えている。ニコンの新品ズームレンズは AF-S 24-85mm F3.5-4.5G 1本のみの購入だが、それも問題あり。

SP AF 28-75mm F2.8 XR Di (A09) 、ニコンFマウント。日本製。現行品。

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試写条件。ISO 100、フルサイズ ニコン D750 使用、三脚使用、ピント合わせはMF+LVモード、露出補正なし。晴れ。各焦点距離について、開放絞りF2.8, F4, F5.6, F11 の4段で数百メートルを離れた建物を撮る。

下の各リンク先はRawファイル、サイズはそれぞれ、約30MB。
28mm: F2.8, F4, F5.6, F11
35mm: F2.8, F4, F5.6, F11
50mm: F2.8, F4, F5.6, F11
60mm: F2.8, F4, F5.6, F11
75mm: F2.8, F4, F5.6, F11

ワイド側の28mm, 35mmにおいて、開放絞り、あるいは、F4では、左側が片ボケのようだ。

(下の写真)焦点距離 28mm、開放絞りF2.8、左端を100%クロップ。2重像。
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(下の写真)焦点距離 28mm、開放絞りF2.8、右端を100%クロップ。正常状態。
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(下の写真)焦点距離 35mm、開放絞りF2.8、左端を100%クロップ。2重像がまだ消えない。
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(下の写真)焦点距離 35mm、開放絞りF2.8、右端を100%クロップ。正常状態。
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(下の写真)焦点距離 50mm、開放絞りF2.8、左端を100%クロップ。正常状態。
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(下の写真)焦点距離 50mm、開放絞りF2.8、右端を100%クロップ。正常状態。
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上記6枚のJPEG写真でわかるように、28mm, 35mm では、左側は像が2重に写る。右側は問題なし。50mm以降の焦点では正常に戻る。

開放絞りでの2重像の解消が自分の望み。F5.6に絞り込んだ時と同じ解像度を要求していることではない。そういう要望でさえ、いまのズームレンズでは難しいということかな。新品購入したレンズはまずメーカーに点検を出す時代?

タムロンの超広角ズームレンズは調整してもらって、それなりの改善がみられた。もう1本の望遠ズームについても調整してもらいたいが、納得させる理由は見つからず、取り敢えず比較してみることにする。

比較対象は80年代のニコン製MFズーム。

Tamron SP AF 70-200mm F/2.8 Di (A001)、日本製、新品購入。希望小売価格99,800、現行品。
Nikon Ai Zoom-Nikkor 80-200mm f/4S、日本製、中古購入(購入後自力で分解清掃)。1981年10月当時の発売価格105,000。

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タムロンレンズの良さはAFであること、開放絞りが一段明るいF2.8であること、最短撮影距離が0.95mであることだ。F2.8クラスの望遠ズームでは最安販売価格であることも無論良い。対して、ニコンのほうは発売当時ではプロ仕様とはいうものの、それと言った特徴がなく、最短撮影距離が1.2m、開放絞りがF4、いまでは見向きするひとはほとんどいないだろう。中古市場では数千円が相場。

では、画質の比較、主にシャープさについての比較をやってみたい。ISO 100、三脚使用、手ブレ防止のため、シャッターは5秒セルフタイマで切る。両レンズともLVモード(ライブビュー)によるピント合わせ。目盛に書かれた焦点距離のみについて、開放絞りからF11までで撮影。

Tamron SP AF 70-200mm F/2.8 Di (A001) (リンク先がRawファイル、サイズ約30MB)
 70mm: F2.8, F4, F5.6, F11
 85mm: F2.8, F4, F5.6, F11
 100mm: F2.8, F4, F5.6, F11
 135mm: F2.8, F4, F5.6, F11
 200mm: F2.8, F4, F5.6, F11

Nikon Ai Zoom-Nikkor 80-200mm f/4S (リンク先がRawファイル、サイズ約30MB)
 80mm: F4, F5.6, F11
 90mm: F4, F5.6, F11
 105mm: F4, F5.6, F11
 135mm: F4, F5.6, F11
 200mm: F4, F5.6, F11

細かい写真は上記のRawファイルを見るのが早いが、下では、ワイド側、中間、テレ側の開放絞りのみについて、右端一部を100%クロップしたものを示す。

(下の写真)Tamron SP AF 70-200mm F/2.8 Di (A001)、70mm F2.8。甘い像。
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(下の写真)Nikon Ai Zoom-Nikkor 80-200mm f/4S、80mm F4。高い解像力。
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(下の写真)Tamron SP AF 70-200mm F/2.8 Di (A001)、100mm F2.8。ワイド端よりはよくなっているが、まだ甘い。
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(下の写真)Nikon Ai Zoom-Nikkor 80-200mm f/4S、105mm F4。まずまずのレベル。
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(下の写真)Tamron SP AF 70-200mm F/2.8 Di (A001)、200mm F2.8。まずまずのレベル。
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(下の写真)Nikon Ai Zoom-Nikkor 80-200mm f/4S、200mm F4。まずまずのレベル。
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当たりを引いたのかもしれないが、撮影した写真をみて、本ニコンレンズに勝てるレンズはあまりないなぁと感じた。開放絞りからシャープなんだから。無論、タムロンは開放絞りが一段明るく、AFレンズだし、価値は十分あると思われるが。

F4同士の比較でもタムロンが勝てないのは、ニコン当時の凄さというか、プロ向けレンズの素晴らしさだろうね。

タムロンはワイド端の甘さを理由に調整してもらえないかな。

ニコンのズームレンズは最大絞りがF2.8止まり。それ以上の絞りを必要とすると、単焦点を選ぶしかない。以下では、F1.2、F1.4、F1.8、F2 各シリーズについてレンズをまとめてみた。所有レンズの開放絞りをたとえばF1.4に揃えるのも、素晴らしいチョイス。画質とか味とかの評価はひとそれぞれ、最高スペックのみに拘る、そういう単純な動機でも悪くない。

F1.2シリーズ(標準MFレンズしかない)
(MF) Ai Nikkor 50mm F1.2S
(MF) Ai Nikkor 55mm F1.2
(MF) Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S

F1.4シリーズ(実用的最高レベルの選択、24mm~105mm)
AF-S NIKKOR 24mm F1.4G ED
Ai AF Nikkor 28mm F1.4D
AF-S NIKKOR 35mm F1.4G、(MF) Ai Nikkor 35mm F1.4S
AF-S NIKKOR 50mm F1.4G、Ai AF Nikkor 50mm F1.4D、(MF) Ai Nikkor 50mm F1.4S
AF-S NIKKOR 58mm F1.4G、(MF) NIKKOR-S AUTO 5.8cm F1.4
AF-S NIKKOR 85mm F1.4G、Ai AF Nikkor 85mm F1.4D (IF)、(MF) Ai Nikkor 85mm F1.4S
AF-S NIKKOR 105mm F1.4E ED

F1.8シリーズ(一部は妥協的選択、20~105mm)
AF-S NIKKOR 20mm F1.8G ED
AF-S NIKKOR 24mm F1.8G ED
AF-S NIKKOR 28mm F1.8G
AF-S NIKKOR 35mm F1.8G ED
AF-S NIKKOR 50mm F1.8G、Ai AF Nikkor 50mm F1.8D、(MF) Ai Nikkor 50mm F1.8S
AF-S NIKKOR 85mm F1.8G、Ai AF Nikkor 85mm F1.8D、(MF) New Nikkor 85mm F1.8
(MF) Ai Nikkor 105mm F1.8S

F2シリーズ(コスパの高い選択、MFレンズが多い、24~300mm)
(MF) Ai Nikkor 24mm F2S
(MF) Ai Nikkor 28mm F2S
Ai AF Nikkor 35mm F2D、(MF) Ai Nikkor 35mm F2S
(MF) Ai Nikkor 50mm F2
(MF) Ai Nikkor 85mm F2S
AI AF DC-Nikkor 105mm F2D
Ai AF DC-Nikkor 135mm F2D、(MF) Ai Nikkor 135mm F2S
AF-S NIKKOR 200mm F2G ED VR II、(MF) Ai Nikkor ED 200mm F2S (IF)
(MF) Ai Nikkor ED 300mm F2S (IF)

下の写真は Ais 300/2 だそうだ。1984年発売当時の価格は120万円、重量7キロ。いまのレンズ価格に比べて激安。

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D750, New Nikkor 200mm/4 による撮影。3000×800ピクセル。10キロ以上も離れているのに、送電線の本数がはっきり見えるのはレンズの良さによる。

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超広角ズームレンズ Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012) が15mmや18mmの焦点距離において、どうも片ボケがあるようで、タムロンの東京修理受付窓口に調整しに送付した。カメラD750の撮影した証拠写真をSDカードに入れたうえで。

約1週間、レンズが戻ってきた。曰く、「ピント精度を確認した所、弊社仕様範囲内でございます。念のため関連箇所を点検の上出来る限りピント精度を調整致しました。今後ピント精度に不具合が見られたら、カメラボディと合わせて再度発送してください。」

部品として、4群レンズ枠assy が交換されたようだ。

明日天気がよければ、試写して確認したい。

実はもう一本のレンズ A001 (70-200mm F2.8)もイマイチ、画質に満足していない。本レンズほど酷くはないが、できれば調整してほしい。

タムロンのレンズ、4本新品購入して、うちの2本には満足していない。ニコンの新品レンズについてもピントズレや片ボケは、全くないわけではない。

現状では、レンズ購入は博打のようなものだ。高解像度カメラのお陰で、ユーザの我々は製造メーカー以上にレンズを厳しくチェックできる時代。日本のメーカーは残念ながらそういう新時代の恐ろしさに認識不足のようだ。問題は、正常の基準(仕様範囲)はどういうものか、ユーザがわからないことだ。

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<翌日追加>
曇り天気。早速試写開始。カメラD750。ISO 100、三脚使用、手ブレ補正オフ、ピント合わせはカメラ任せ。絞りを開放からF8まで一段ずつ。

15mm: F2.8, F4, F5.6, F8
18mm: F2.8, F4, F5.6, F8
20mm: F2.8, F4, F5.6, F8
24mm: F2.8, F4, F5.6, F8
35mm: F2.8, F4, F5.6, F8

上記のRawファイルだけでは見づらいので、左右端の一部を100%クロップしたものを以下に示す。開放絞りのみ。

(下の写真)15mm、開放絞りF2.8、左端。右端に比べて像が甘い。
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(下の写真)15mm、開放絞りF2.8、右端。
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(下の写真)18mm、開放絞りF2.8、左端。15mmよりはボケている。
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(下の写真)18mm、開放絞りF2.8、右端。
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(下の写真)20mm、開放絞りF2.8、左端。まだ満足ほどのレベルになっていない。
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(下の写真)20mm、開放絞りF2.8、右端。
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(下の写真)24mm、開放絞りF2.8、左端。24mm当たりからはシャープで、満足できるレベル。
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(下の写真)24mm、開放絞りF2.8、右端。
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(下の写真)35mm、開放絞りF2.8、左端。35mmも問題ない。
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(下の写真)35mm、開放絞りF2.8、右端。
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ちなみに、修理窓口に出した際に添付した写真は以下の通り(15mm開放絞り、左端)。

15mmF28left

改善は幾分見られたが、完璧ではない。これ以上頼んでも、改善の見込みはなさそうで諦める。

フルサイズ(FXフォーマット)用ニコンのズームレンズにそれほど多くの選択肢は用意されていない。ライバルキヤノン社のズームレンズ群が羨ましい。

☆広角ズーム(3本)
AF-S Nikkor 14-24 f/2.8G ED、設計はちょっと古いが、大三元。
AF-S Nikkor 16-35mm f/4G ED VR、F4通しの小三元。
AF-S Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5G ED、軽量コンパクト。

☆標準ズーム(実質3本)
AF-S Nikkor 24-70mm f/2.8E ED VR、最新設計の大三元。
(AF-S Nikkor 24-70mm f/2.8G ED、旧大三元。)
AF-S Nikkor 24-120mm f/4 ED VR、F4通しの小三元。画質に賛否両論あり。
AF-S Nikkor 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR、軽量コンパクト。画質は値段なり。

☆望遠ズーム(実質5本か)
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR、最新設計の大三元。
(AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II、旧大三元。)
AF-S Nikkor 70-200mm f/4G ED VR、F4通しの小三元。
AF-S Nikkor 200-400 f/4G ED VR II
AF-S Nikkor 200-500mm f/5.6E ED VR。値段が安い。
AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED、軽量コンパクト。画質はいまいち。
AF-S Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR。上記の安いレンズがあれば不要か。

☆高倍率ズーム(1本のみ)
AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR。

ということで、広角、標準、望遠をそれぞれ一本。旅行用なら高倍率。さらに、鳥などを撮影するなら望遠をもう一本。計3~5本、それぐらいが精一杯。

軽量コンパクトなズームは画質がいまいち、フルサイズカメラの高画質にはついていけない。かと言って、F2.8通しは重くてでっかい。3本を持ち出したら重労働になってしまう。そういう悩みと多くのひとが戦っている。

新規にニコンレンズシステムを完成させるなら、大三元か小三元、プラス1、2本の単焦点レンズで完璧だろう。

しかし、メンテ性やコンパクトさを追求するなら、1世代も2世代も古いDタイプAFレンズやMFレンズに目が行く。

下の表はいままで生産されてきた、ニコン製レンズのうち、代表的な焦点距離(20~200mm)における最大絞りを示すもの。いずれも、ズームレンズでは実現できていない。単焦点レンズの選定の参考になる。

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AF/G/Eレンズはいわゆる現世代のレンズ。より明るいレンズや、手ブレ補正機能の追加等、ラインナップの完成はまだ相当先。電子部品の塊なので、故障したら修理は大変だし、重くて大きいものが多い。

AF/Dレンズは一世代古いレンズ。現行品として販売されているが、画質よりも、安さ、コンパクトさが目玉。

MFレンズはまだ現行品として8本販売されているが、新品購入するひとはほとんどいないので、素人にはお勧めしない。

それにしても、AF/Dレンズのうち、MLレンズの画質を越えたのはほんの数本(代表的なのは28/1.4D、85/1.4D、2本のDCレンズ)。ライバルキヤノンに大きく水が開けられた時期だった。AF/Gレンズの誕生をもって、やっとニコンの本気度を感じるようになった。

ニコン社の開発陣にとって、20/1.4、28/1.4、135/1.4、180/1.4、200/1.4 の設計販売がチャレンジ目標になる。マイクロレンズについては、ツァイス社(コシナ社か?)が既にF2を実現したので、ニコン社としては当然負けてはならぬ、開放絞りをF2に引き上げてもらいたい。解像度の向上と同様、開放絞りを広がることは至上命題。

ただ、現時点では、素晴らしいと世をあっと言わせたのは、105/1.4E、その一本に留まっている。その他のレンズについてはツァイス社、シグマ社Artシリーズやキヤノン社Lレンズが強力なライバルだ。たとえば、20/1.4はすでに商品としてシグマ社から、28/1.4はツァイス社から発売されている。

望遠レンズは空間圧縮の効果があるので、横に広がりを持たせば、見慣れた風景がいままでと違う写真になる。試しに、200mmレンズで撮った写真を3枚横並べて合成してみた。

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澄み切った秋晴れに、300mm以上の超望遠レンズを使えば、もっと迫力の写真になりそう。引き寄せながら、横の広がりを見せる。