AliExpressから、電源キット「0-30V 2mA-3A DC Regulated Power Supply DIY Kit Continuously Adjustable Current Limiting Protection for school education lab」を見つけた。どういう性能のものか、好奇心に駆られて購入に踏み切った。送料込で4.18米ドル。1月21日発注、1月28日到着、1週間ほどで無事届いた。

パーツは3つの袋に収められていた。PCB基板(プリント回路板。PCB = printed circuit board)のサイズは 84mm x 84mmの正方形。表側のシルク印刷は質がいまいち、擦ると簡単に落ちそう。

パーツは3つの袋に分けられている
PCBの表側
PCBの裏側

回路図や説明書が一切ついてきてないので、ネット頼りに、以下の回路図とパーツ情報をゲットしておいた。

大変重要な電子回路図(クリックすると拡大表示される)
パーツリスト

キットの特徴は本人の理解では2つあげることができる。

  1. スイッチング電源ではなく、従来のリニア(レギュラー)タイプの電源であること。ノイズの発生が少なく、ラジオ等の電源としても通用する。つまり、電源の質がいいということ。
  2. 出力の最大電流を制限できること。キットの最大電流は3Aとの設計値だが、使用中にボリュームを調整すれば、最大電流を2mAから3Aの間に任意に設定することができる。LEDやダイオード等のパーツは、最大電流を20mA以内に設定すれば、実験で壊れることがなくなる。つまり、保護回路がしっかりしていること。

ただし、電子回路図を確認すると、このキットで大事なパーツ、電源トランスの選定に気をつけるべきことに気づいた。というのは、最大電圧が30Vとなっているので、定格出力電圧を30V以上の電源トランスを選ばないとおかしいわけだが、ネット情報では電源トランスの2次側は定格24Vと指定されている。その理由を推測すると、キットで使われているオペアンプ3つはいずれも、TL081という品種によることだ。そのオペアンプの絶対最大定格(Absolute Maximum Ratings)の電源電圧は、データシートによると±18V、つまり、電圧差36Vまでということだ。しかし、電子回路図を見ると、TL081のうち、2つ(U2とU3)はマイナス側の電源電圧は約-5V、プラス側の電源電圧は電源トランスの交流出力が整流・平滑された後の直流最大電圧になっている。

電源トランスの2次側出力電圧は一般的に、出力電流によって、2~3割変動する。定格電流時の出力電圧は定格電圧になっている。たとえば、電源トランス24V/3Aのものだと、出力電流が交流3Aのときに、出力電圧が交流約24Vとなるように設計・製造されているはず。出力電流が少ないとき、極端の場合、出力電流がほとんどない(無負荷)のときに、出力電圧は2~3割程度高くなる。また、整流・平滑後の直流電圧は交流電圧の1.1倍と計算しても大きな間違いではないはず。

そう考えると、定格出力電圧24V×倍率1.3(無負荷時の倍率)×1.1=34.3Vになり、それがオペアンプのプラス側に印加する電源電圧になる。

プラスマイナスの差は34.4-(-5)=39.4V、TL081の最大許容電源電圧を超えてしまう。無論、超えたからといってオペアンプがすぐに壊れることはないが、そういう使い方は避けるべきだろう。

ましてや、定格電圧30Vの電源トランスを使うことは大変危険。それが定格電圧24Vが指定された理由だと推測した。そのことからも、キットの最大電圧/最大電流に偽りがあることがわかった。電源トランスに定格24V/3Aものを使う限り、出力電流が3A時に最大電圧は30Vになることはありえないし、電源トランスの定格電圧を高いものにすると、オペアンプが壊れる可能性が高くなる。

つまり、電源電圧の高いオペアンプ(ネット情報では、OPA445AP=最大電源電圧±50V が推薦されている)を使い、定格電圧30V/3A以上の電源トランスを使うと、やっと電子回路図通りの電源ができると思われる。送られたパーツのままでPCBを完成し、定格電圧24V/3Aの電源トランスを使うと、出力電流の小さい場合には最大電圧は30Vになるかもしれないが、出力電流が3A近くなると、最大電圧が24V近辺に落ちることはやむを得ない。

さて、設計者の意図に沿って、届けられたパーツをそのままPCBにはんだ付けすれば、成功率が最も高いだが、せっかくなので、最大電流を5Aに拡大するようチャレンジしてみた。さらに、手持ちのパーツに合わせ、いくつかのパーツを納得のいくものに変えてみた。

変えたパーツは以下の通り。

  • 整流ダイオード(D1~D4)。秋月電子販売の低電圧ショットキーダイオード45V/10A(型番 SBM1045VSS )。理由は最大電流5Aに合わせるから。
  • オペアンプ(U1~U3)。秋月電子販売の NJM5534D 。理由はNJM5534Dの許容最大電源電圧は±22Vで、予想される電源電圧の約39Vを上回り、多少安心するから。ただし、後述することだが、オペアンプを変えると、電子回路の一部を合わせて修正しないといけない。
  • R1(2.2k / 1W)を 酸化金属皮膜抵抗 2.2k / 2W(千石電商が販売、単価20円)にした。その抵抗器はブリーダ抵抗といわれ、エネルギーを無駄に消費するだけのものだが、目的は電源トランスの最大出力電圧を下げるため。消費電力は計算上、30×30/2.2k=0.4W。
  • R2(82Ω / 0.25W)を180Ω / 1W、150Ω / 1W の2つ並列接続して置き換えた。その抵抗器の消費電力は計算することが容易ではないが、実測では抵抗器両端の電圧が交流6.1Vになり、6.1×6.1/82=0.46Wになる。キットの中では最も発熱する抵抗器のひとつ(もうひとつは下記のR7)のようだ。
  • R3(220Ω / 0.25W)を220Ω / 1W に置き換えた。実測では抵抗器両端の電圧は直流5.7V、5.7×5.7/220=0.15W。発熱は少なく、元の抵抗器をそのままで使っても問題がないはず。つまり、置き換える必要はなかった。
  • R7(0.47Ω / 5W セメント)を 0.1Ω / 5Wの3つ直列接続して置き換えた。0.33Ω / 10W の小型サイズセメント抵抗は見つからず、次善策として直列接続でごまかした。消費電力は最大電流5Aで計算すると、5×5×0.1=2.5W。元の抵抗器をそのまま使ったとすると、消費電力は5×5×0.47=11.28Wになり、定格5Wを大幅に超えてしまう。
  • 三端子レギュレータ 7824 を 7812に置き換えた(上での電子回路図ではキットに含まれる7824がすでに7812に置き換えられたが)。理由は12V駆動の放熱ファンやリレーのほうが入手しやすい。ただし、印加する入力電圧は絶対最大定格の35Vを若干超えてしまっている。(追加)対策として、PCBを1箇所カットして、電源電圧と7812のIn端子との間に、たまたま手元にあった5.1V / 5Wツェナーダイオード(秋月電子販売)を2つ直列して挿入した。また最終的に、三端子レギュレータの使い道は、リレー(必要な電流75mA)、およびデジタル電圧電流計(20mA)の駆動用。流れる電流は95mAなので、消費電力は (35.5V(最大電源電圧)- 10.2V (ツェナーダイオード2つ)- 12V)×0.095A=1.3W。 三端子レギュレータ に小型ヒートシンクを付けたほうが良さげ。
  • (追加)下記の写真を撮影した後に変えたパーツとして、抵抗器 R22(3.9kΩ / 0.25W)を 3.9kΩ / 0.5W に変えた。なぜかというと、CCモードを示すLED(D12)を点灯している間に、R22に印加される電圧は30Vに達し、消費電力は 30×30 / 3900=0.23W になるから。

個々のパーツについて、DMM(デジタルマルチメータ)で測り、ダイオードの向きや抵抗器の抵抗値、コンデンサの容量値を確認したうえで、装着の向きを考えながらPCBにはんだ付けした。完成したPCBは以下のとおり。なお、トランジスタQ4、電圧調整ボリュームP1、最大電流調整ボリュームP2、LED(D12)は基板上ではなく、ケースにつけたいので、パーツの代わりにコネクタをつけた。また、放熱量の多いパーツはなるべくPCBから離れるように配置した。

PCBの表側
立体的に見える角度
裏側からの視角
PCBの裏側

電源トランスの入手については、楽天で、パチスロ・パチンコ用トランス
120VA、100V / 24V、5Aというものを見つけた。新品で送料込2,450円。製造は(株)中村電機製作所と販売店が言っているが、確認できるものは到着電源トランスから見つけることはできなかった。

届いて実測したところ、重量2kg、高さ69mm、幅104mm/79mm、前後85mm。1次側(100V、黄色リード線)抵抗約2.5Ω、2次側(24V、白色リード線)抵抗約0.7Ωになっている。1次2次間は当然、直流では絶縁している。

楽天で購入した電源トランス 24V/5A

電源トランスや、その他のパーツをすべてPCBに接続して動作確認を行ったところ、出力電圧は-0.6Vのままで、ボリュームを調整しても出力電圧に変化は見られなかった。原因はオペアンプU2のオフセット調整回路はTL081と NJM5534D とでは下図のように全く異なるのだ。

オフセット回路がオペアンプによって異なる

そういうことで、PCBを改造し、R10(270k、上図の左側 1.5kΩに相当)を20k(手持ちに22kの抵抗器がなく、近い20kにした)に変えて、その接続先をプラス電源(オペアンプU2のピン7)に直すと、出力電源が無事、0~31Vに変えられるようになった。無論、オフセット調整用多回転半固定抵抗器 RV1 の接続先をU2のピン5からピン8に直すことはいうまでもない。

修正したU2のオフセット回路

キットを収納するケースについて、最終的に70年代の製品、手持ちの Metronix 532Cのケースを流用した。メタルケースであること、大型放熱器(ヒートシンク)がついていること等がその理由。

電源スイッチを入れたら、いきなり出力に電圧を出すのではなく、ケースのフロントパネルにある表記、Power Off → Stand by → Output On を活用した。Outputの On/Off という機能は多くの製品でも省かれているが、実験用電源としてはぜひ備えるべき機能のひとつ。OutputをOffにして、出力電圧を調整したり、最大出力電流を調整して、様々な条件下で実験するものだから。とくに、今回のケースでは、Output Onにするには、Stand By を必ず経由するので、アナログ的なその操作はいまのデジタル時代では絶滅してしまった。その機能を実現するには、AC100V/1.2Aに耐えうるロータリスイッチ(今回はMetronix 532Cについてきたものを流用)とリレー(12V駆動、流せる電流は直流5A以上)が必要になる。

また、出力電圧・最大出力電流の調整にキット付属の安物ボリュームではなく、10回転型ヘリカルポテンショメータ(秋月電子販売、単価700円、キット価格を上回る)を2つ採用した。

さらに、ケースのヒートシンクの形に合わせ、Q4(トランジスタ2SD1047)の代わりに、TO-3タイプ トランジスタ 2N3055(流せる最大電流 15A、最大電力 115W)を2つ使った。2つの2N3055はベースが共有、コレクタが共有、それぞれのエミッタに電流のバランスを取るための抵抗器 0.22Ω / 2W を接続した。

出力電圧・電流のデジタル表示にミニデジタル電圧・電流計 DSN-VC288を活用した。

こうして、最終的には大変本格的な実験用電源に仕上げたことができた。

フロントパネルの各機能

アナログメータが元々あったので、そのまま残すことにした。ただし、フルスケールを5Aにするには、適切なシャント抵抗器(0.58Ωという半端な抵抗値)を選ばないといけないが、なかなか見つからない。アナログメータの感度を調整することがそれに比べてやりやすいので、後日調整することにする。とりあえず今の時点では0.1Ω/5W抵抗器を2つ並列接続して、シャント抵抗器の代わりに使うことにした。

また、フロントパネルにある、最大出力電流設定モードSWは出力をショートするだけのスイッチだが、5Aの電流に耐えうるスイッチはたまたま手元にあって、利用することにした。使い方は、スイッチを右側に倒せば、出力がショートされ、最大出力電流をポテンショメータ で調整できるようになる。設定後、無論、スイッチを左側に戻さないと、出力電圧はゼロのまま。

内部の配置。ケースが無駄に大きすぎた
大型ヒートシンクに2N3055を2つマウント
出力のOn/Offにリレーを使った
フロントパネルの裏側
実際の使用時様子

5A近くの大電流では出力がとても不安定になっている。3300uFの電解コンデンサはやはり心配のとおり、容量が足りない(一般的に、1Aの電流に対して平滑コンデンサ容量は1000~2000uFが適切といわれる)ことと思われる。近いサイズの6800uFが見つかったので、取り替えることにした。

サイズの小さい大容量電解コンデンサは案外見つかりにくい

実際の最大出力電圧は電流によって以下のようになっている。

無負荷時の最大出力電圧は 31.7V。
出力電流が 1.08A 時に、最大出力電圧は 30V。
出力電流が 2A 時に、最大出力電圧は 27.7V。
出力電流が 3A 時に、最大出力電圧は 25.4V。
出力電流が 5A 時に、最大出力電圧は 22.0V。抵抗器R7の電圧降下(5×0.3=1.5V)や、2N3055のベース-エミッタ間の電圧降下(0.6~1V)等によって、24Vにも届かなかった。

5A時の最大電圧は残念ながら22Vにしかならない

ということで、正真正銘 30V/3Aの電源にするには、少なくとも定格30V/4Aの電源トランス、耐圧の高いオペアンプにしないと無理だと思われる。30V/5Aの電源にするなら、定格32V/6Aの電源トランスが良いだろう。

なお、オペアンプに印加している電源電圧(ピン7-4間の電圧)を実測したところ、無負荷時にU1は35.35V、U2とU3は40.60V。

また、出力に含まれるリップル電圧は実測したところ、0.2mV程度となっている。ただし、最大出力電流の設定によってCCモードになった場合には、リップル電圧が30mV程度に上がり、とても高くなってしまう。それも本キット回路設計の欠点だと思われる。

最後に、電子回路の分析をやってみる。間違いがあるかもしれないが、適時に修正するつもり。

オペアンプU2、U3は入力電圧がゼロ(キット全体の最小出力電圧)に対処する必要があるので、マイナス電源が必要。そのために、R2、C2、D5、D6によるマイナス電圧を作り出し、平滑回路R3、C3を経て、ツェナーダイオードD7により、約-5.1Vを得る。プラス電源の約34V(実測は35V)と合わせると、オペアンプU2、U3にかかる電源電圧は39V(実測は40V)になり、TL082の最大定格を超えてしまう。そのために、改善版として、 5.1VツェナーダイオードD7の代わりに、直列した2つのダイオードによる1.3Vの回路も提案されている。5.1Vにした設計者の意図は、温度によるツァナー電圧の変動を最小にしたいからだと推測する。

オペアンプU1は ツェナーダイオードD8と合わせて、基準電圧約10V(実測 10.35V)を出している(出力ピン6)。抵抗器R5=R6なので、U1の出力側(ピン6)はD8の2倍の電圧になる。ただし、自分の分析では抵抗器R4は抵抗値4.7kΩだと、D8を流れる電流は1.1mAと若干小さい気がする。R4を1kΩ、D8の流れる電流は約5mAにすることのほうが適切だろう。いっそうのこと、ツェナーダイオードの代わりに、シャントレギュレータ(電圧レファレンス) LM336Z-5.0 (秋月電子販売)にすると温度特性がよりよいだろう。

オペアンプU3はコンパレータの役割を果たす。プラス側入力は基準電圧からの分圧値(R18、P2、R17)、マイナス側入力はキット全体のマイナス側出力電圧と抵抗器R21経由で接続しているので、R7の電圧降下が比較対象になる。つまり、キット全体の出力電流が低ければ、R7の電圧降下が少なく、U3のプラス側入力が高く、U3の出力電圧(ピン6)が電源電圧のプラス側近くになり、トランジスタQ3、ダイオードD9が導通しない。逆に、キット全体の出力電流が高いと、U3のマイナス側入力が絶対値として高くなり、U3の出力電圧が電源電圧のマイナス側近く(実際には、D9の導通により、U3の出力電圧がキット全体の出力電圧に左右され、マイナス電圧にならない)になり、Q3、D9が導通し、CCモードを示すLED(D12)が点灯し、オペアンプU2のプラス側入力とD9経由で連動するようになる。

オペアンプU2はプラス側入力の電圧に合わせて、出力電圧・電流を調整する。一方、キット全体のプラス出力電圧は分圧(抵抗器R6とR11)してU2のマイナス入力にフィードバックされる。

以上の分析により、CCモード時のリップル増大が説明できるようになる。すなわち、CCモードでないとき時に、D9は導通せず、U2のプラス側入力は基準電圧からの分圧(P1)によって一意に決まる。一方、CCモードになると、D9が導通し、U2のプラス側入力は基準電圧に依らず、R7の電圧降下や、R12とR11の分圧によって、定められるので、比較的不安定な状態にならざるをえない。そういう理由で、CCモードでの運用は定電圧電源としては例外扱いとはいえ、リップル30mVの大きさを受け入れられないのであれば、本キットを改造するか、諦めざるをを得ない。

<本キットを製作してわかったことのまとめ>
良い点:
 ・PCBやパーツは低価格で販売されている。
 ・最大電流を制限でき、保護機能がしっかりしている。
 ・リップルが比較的少ない(0.2mV程度)。
注意すべき点:
 ・電源トランスやヒートシンク、ケース等の追加部品が必要。
 ・スペック通りの30A / 3A をきちんと出すには、オペアンプの限界や電源トランスの選定に気を使うべき。
 ・元々の設計はアイデアが素晴らしいが、パーツの定格について変えたほうがよいと思われるパーツは複数。
 ・最大電流が制限された時(CCモード時)に、リップルが多少高い(30mV程度)。

<改善>
最大電流を制限する10回転型ヘリカルポテンショメータ のダイヤルを専用のストッパー付バーニヤダイアルに変えた。10回転で5A、つまり、1回転で500mAに対応するので、いちいち出力をショートさせなくても、大まかな最大制限電流をひと目でセットできるようになった。

電流制限ダイヤルを専用品に変えた。これで、1回転で約0.5Aに対応。

クリスマスの日に、AliExpressの買い物が届いた。ミニデジタル電圧・電流計2つ、型番 DSN-VC288、送料込計約3.4ドル(1つあたり1.7ドル)。同様なものをaitendoで確認したら、500円で販売されていて、利益率は高そう。

ミニ電圧・電流計
サイズと表裏の様子
表示のズレは微調整可能

各々2線、3線のケーブルが2本ついており、下の接続図がその使い方。販売元には接続に関する情報は全く無く、同じ商品を販売している他のお店から、やっと大事な接続図が見つかった。

大事な接続図

つまり、太い黒線は電圧と電流測定のための共用GND、黄色線は電圧測定用、太い赤線は太い黒線との間の電流計に電流を流すためのもの。なお、細い赤線と細い黒線は動作用電源用。指針式のアナログメータと違い、デジタルメータはどうしても動作するための電源が必須。

ということで、本デジタルメータを動かすのに、4.5~30V / min 20mA の電源を別途用意する必要がある。測れる範囲は電圧 0.0~99.9V(小数1桁固定)、電流 0.00~9.99A(小数2桁固定)。表示のズレは2つの半可変抵抗でそれぞれ調整可能。

実際の表示

2つとも若干の表示ズレがあったので、極小半可変抵抗を調整したらOKになった。

本商品はメータひとつで電圧・電流を表示してくれるので、使い道はいろいろあるだろう。安さの割に品質に文句はない。

以下はその他の技術情報。

電流値のリセット方法

ネット上で見つかった取説書(PDFファイル)。本物か?

中国アリババ AliExpressで購入した商品がまた届いた。最大150W 定電流方式直流電子負荷。ブランド名はなく、日本Amazonや楽天を含め、多くのお店では同様な商品を販売しているように見える。送料込で約23ドル。

主なスペック:直流電圧 0~200V、直流電流 0~20A、電力 0~150W、容量 0~1000Ah、時間1000時。

キットのような商品
基板の裏(わりときれい)
基板の左側に多くの入力に対応している
基板の右側には設定や調整関係
基板の上部はキット用電源(DC 6~12V)の入力

電子負荷は原理的に、定電圧(CV)、定電流(CC)、定抵抗(CR)、定電力(CW)方式の4種類があり、本キットはCC方式のみに対応している。ただ、本キットはリチウムイオン電池のテストにも使えるように設計されており、消費電力、通電時間、電池の容量(電流×時間)等が液晶に表示される。

本キット自身の電源は付属のACアダプター(9V / 1A)を使う。また、電子負荷として対応する入力コネクタが多く、USB(2.0 と 3.0の両方)、Mini USB、Micro USB、type-C USB、標準DCジャック、大電力用端子台が用意されている。勿論、同時に使える入力はひとつのみ。複数の異なる外部電源を繋いだら、互いに電流を流し合い、最悪の場合外部電源のどれかが壊れてしまう。

電流調整は粗い調整と細かい調整のダイヤル2つで行う。また、モード切替やデフォルト設定を変更するボタンがひとつ付いている。

表示の一例。入力電圧10.7V、電流15A、160Wの電力を消費している

すべての情報は大型液晶に表示される。ピンク色の大型冷却ファンといい、基板のつくりといい、3千円内で買える150W台の電子負荷としてはベスト商品といえるのではないかな。

個人的には、当然1000W台の低価格商品があれば購入したいが。弱電といわれる電子工作等では150Wでも工夫次第でなんとかなる。

中国独身の日(11.11)という祭りに釣られて購入した商品の第4弾が1週間まえに届いていたが、PCソフトのインストールがうまくいかずそのままにしておいた。

商品自体は大変有名なで、2チャネルファンクション/任意波形信号発生器 FeelTech社 FY6600-60M。製造元が中国河南省鄭州市・鄭州飛逸科技会社。公式サイト www.feeltech.net

FeelTech FY6600-60Mのフロント
リア。USB制御ができるのもすごい!

発生する最大周波数範囲は正弦波0〜60MHz、方形波0〜25MHz、その他は0〜10か20MHz、周波数分解能は1μHz。AM、FM、PM等変調可能。おまけとして100MHzまでの周波数カウンター機能もついている。また、USB接続でPCから制御可能。送料込購入価格は80ドル。

スペック通りの性能であれば、ラジオやアマチュア無線の製作に大変有用。昔欲しくても高い価格で諦めた信号発生器が僅か1万円で手にできることは、まさに夢のようだ。

激安ということか、プラスチックケースはいただけない。60MHzの高周波を考えれば素人でも電磁シールドのためにメタルケースが必須だと感じるのに。また、ケースは加工精度が悪く、精密機器というよりもおもちゃ箱のようだ。

プラスチックケースの加工精度が悪すぎ。

底にある4本のタッピンねじを取り外すと、ケースが開けられる。ただ、材質はプラスチックだし、内部で何箇所が引っかかるように作られているので、分解時に無理しないことが大事。分解して気づいたこととして、ネジが僅かに曲がっている。輸送途中、ぶつけられてケースが多少変形していたのかもしれない。加工精度が悪いと決めつけていたが。

ガラガラの内部

内部は主にメイン基板と電源基板だけの構成。電源部分をACアダプターにしておけば、1/4の大きさにすぐにでもできそう。電源基板からは±12Vと+5Vが出力されている。電源基板の設計日は2018.8.1と新しく、改良版だったのかもしれない。

フロントの裏側
リアの裏側。強度が足りず、ACメガネケーブルを取り付ける際に不安
メイン基板。目立つのはDDSデバイス。なお、電解コンデンサは見当たらない
電源基板。設計が新しく、外注品かも

リア板は薄いプラスチック。強度が足りず、ACケーブルを強く押し込まないように気をつけたい。

電源基板のコネクタ脇に、各ピンの電圧が明示されている

ケーブルが邪魔でわかりにくくなっているが、電源基板からの6ピンケーブルコネクタの脇に、各ピンの電圧が記入されている。左から、+5V(実測4.975V)、+5V(4.975V)、GND、GND、+12V(12.64V)、-12V(-12.76)。デジタルマルチメータのACモードでリップル電圧を測ったところ、+5Vも±12Vもいずれも約2.2mVに落ち着いている。メイン基板が必要とする最大出力電流は実測していないが、ネット情報では、±12Vでは0.2A、5Vでは0.5Aがあれば十分だという。

電源基板の構成からして、スイッチング電源であることは間違いなし。シリーズ方式(ドロッパ方式)に改造すれば、トランスの重さで使いやすくなるし(理由説明:本DDS本体は軽すぎる。フロントのボタンを押すだけで本体が後退するので、手で本体を押しながら操作してしまう。違う意味での使いづらい機器だ。取りあえずの改善策としては重いものを本体の上に乗せ、例えば、他の測定器を上に乗っける等の対策を取るといいだろう)、ノイズにも多少有利かもしれない。

動作確認等、書きたいことがまだまだありそう。本記事は一応ここまでにする。

AliExpressでの購入商品第3弾が到着。送料込5ドル以下で販売されているのをみて、どういう精度のものかを確かめたくなったので。

AD584L を搭載した本基板では、外部DC電源 12~30Vを与えると、精密電圧 2.5V、5V、7.5V、10Vは出力として得られる。出力電圧は精度が高いので、基準電圧や電圧リファレンスと呼ばれる。

AD584L搭載の精密電圧リファレンス
基板の裏側
基板の回路図

精度は製造メーカーであるアナログ・デバイセズ社が公表したデータシートによると次のようになっている。

データシートの一部(クリックすると拡大される)

手持ちのデジタルマルチメータ(以下DMM)のDC電圧の精度を実際に確認した。室温は約20℃。基板に15Vの外部DC電圧を与え、約1時間予熱しておいた。

参考となる基準DMMはFluke 8864A と Agilent U3402Aの2台。新品購入したものの、購入後一度も校正していない。それでもほかに信頼できるものはなく、これらのブランドを信用して基準にすることにした。

出力10Vに対する評価

測定値は一番下の表に書かれているが、Fluke 8846Aの測定値を基準とすると、AD584Lの出力電圧の誤差はそれぞれ、2.5Vでは-0.026%、5Vでは-0.012%、7.5Vでは-0.040%、10Vでは-0.038%となっている。最大誤差が0.040%ということで、電圧リファレンスとしては合格レベルといっていいだろう。

さて、手持ちのハンディタイプDMM5台についてその精度を評価してみよう。購入時期の順で左からSanwa PC500a、Fluke 87V、Owon B35、Sanwa PC20、Peak Meter PM8236。いずれも新品購入したものだが、校正はしていない。なお、右の3台は今年9月以降、PCで測定データを得るための購入だった。

ハンディタイプDMMの精度確認
2.5Vに対する各DMMの表示

精密電圧に対する各DMMの表示値は下表のとおり。繰り返しになるが、Fluke 8846Aを基準にしてもAgilentを基準にしても、精密電圧 2.5V、5V、7.5V、10Vは精度がいずれもスペック内に収まっている。

各DMMの表示値

結果的に、ハンディタイプDMMは精度の高い順として Fluke 87V > Sanwa PC500a > PM8236 > Owon B35 >> Sanwa PC20。なお自分の購入価格は安い順で PM8236 < Owon B35 < Sanwa PC20 < Sanwa PC500a << Fluke 87V。

ここでのテスト結果でも、パフォーマンスでは Peak Meter PM8236をおすすめ。最も駄目なのはSanwa PC20。しかもそれは日本製だそうだ。日本製だから安心だという神話を信じるよりも、ケースバイケースで自分で確かめることが賢い消費者かな。

Sanwa PC20は一応日本製

ただ、Sanwa PC20 はDC電圧の確度は±(0.5%+2)、精度が悪くても出荷スペックを満たしている。対して、PM8236の確度スペックは±(0.7%+2)、もっと悪い。PM8236はスペックや値段のわりに、頑張りすぎかも。

<AD584に関する資料>
データシート(PDF、英語) ここ(あるいは、本サイト
アプリケーション・ノート(PDF、日本語) ここ(あるいは、本サイト

中国からスイッチング電源 DSP5015 用メタルケースが届いた。こちらも約10日間の配達。送料込の購入価格は約18ドル。

USB通信基板が搭載可能な専用メタルケース
後部の外観と全体のサイズ。ケース後部のUSBインターフェースに要注目

組立マニュアルはいっさいついていない。ケースが使える電源モジュールはDSP5020(DSP5020-USB)、DSP3012、DSP5015(DSP5015-USB)、DSP3205、DPH5005(DPH5005-USB)らしい。

AliExpress上の商品説明に掲載されているイラストは組立時の参考になろう。

組立参考イラスト

品質に関しては塗装に傷等がみられ、厳しいひとには多少がっかりするかも。ケースファンとその駆動基板の購入、ケースの選定や穴あけ等の作業を自分で行う場合の苦労と比べれば、悪い買い物ではないはず。

最後に、情報を得るために訪れてくる方々のために、関連記事をまとめておく。

スイッチング電源 DSP5015 キット
スイッチング電源 DSP5015 用ケース(本記事)
スイッチン電源 DSP5015の仮組立
スイッチング電源 DSP5015キットの組立
Lixada 48V/8.3A直流安定化電源
スイッチング電源 DSP5015にBluetoothが使えるように

中国独身の日(11月11日)祭りで購入した4点のうち、DSP5015キットが届いた。約10日間の配達。

スイッチング電源 DSP5015キット
もう一枚

本キットは外部入力電源のスペックにもよるが、キット自体の出力電圧は0~50V、出力電流は0~15A、出力電力は0~750Wとなっている。つまり、入力として与えられた直流電源は60V以上、電流が15A以上であれば、本キットはダウンコンバートし、0~50V(0.01Vステップ)の電圧、0~15A(0.01Aステップ)の電流を出力するもの。本当にスペック通りに動くか、組み立ててから確かめたい。

キットにUSBモジュール、Bluetoothモジュールも含まれており、PCやスマホから出力電圧・電流を制御できるらしい。ただ、USBとBluetoothは同時に使えるか、付属してきたケーブルを見る限り、どちらかしか使えない気がする。分岐ケーブルを自分で用意すれば、USBからもBluetoothからも制御できるかもしれない。こちらも組み立ててから確かめたい。自分はUSB経由のPC制御ソフトに期待して購入を決めた。

以上のことで、本キットの正確な名称は「プログラマブル・定電圧電流ステップダウン・スイッチングモジュール」となるだろうか。一人前の0~50V/0~15Aのスイッチング実験電源にするには、AC100Vを60V/15Aに変換するDC電源とケースが必要。なお、本キット専用のメタルケースが発売されており、数日後に届くはず。

組み立てマニュアルはいっさいついていないので、つぎのところから英語資料や関連ソフトをダウンロードする。

https://www.mediafire.com/folder/3iogirsx1s0vp/DPS_communication_upper_computer

自分の使っているPCは日本語Windows 10 Home Edition(1809)64bit。環境によっっては以下の説明は当てはまらないかもしれない。

対応モデルDSP5015のフォルダーにある DSP5015 PC Software(2017.11.04).zip という圧縮ファイルをPCにダウンロードし、アンチウィルスソフトでスキャンして問題なければ解凍。

ファイルCH341SER.exe はUSBドライバなので、それを実行する。最後にインストール失敗旨の表示があるが、それは提供されていないCH341SER.infファイルが存在しないことによるもので、心配しなくてよさそう。

さらに、解凍したフォルダーのなかにある DSP5015 PC Software V1.4.rar を解凍して、setup.exe ファイルを実行し、PC用ソフトをPCにインストールする。インストール時間は数分と長いが、英語の指示にしたがってやっていけば、インストールが成功裏に終わる。

最後に、情報を得るために訪れてくる方々のために、本記事に関連する記事をまとめておく。

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