DC-DC昇圧コンバータ(あるいは、ブースタコンバータという)は、低い直流電圧を高い直流電圧に変換するデバイス。多くの種類が市販されており、気軽に購入するものはやはり中国製になってしまい、以下のひとつはAmazon経由で中国から送られてきたもの、送料込で500円以下。

中国製DC-DC昇圧コンバータ
上記コンバータの回路図

上記の商品はよく見かけものだが、製造メーカーも型番もない。コピー品が氾濫されているからだろうか。スペックは値段の割にすごい:入力DC電圧10~32V、出力DC電圧12~35V(写真の左側にある、10回転半可変ボリュームにて精密に調整可能)、最大入力電流16A、最大出力電流10A、最大電力150W、変換効率が最大94%。

上記の最大出力電圧35Vは出力平滑コンデンサ1000uF/35Vの制限になる。そのコンデンサを耐圧50Vのものに変えれば、最大出力電圧をアップすることは可能だという。無論、半可変ボリューム(商品では10kΩ)もより抵抗値の大きいもの(たとえば15kΩ)に変えないといけないだろう。

昇圧コンバータなので、出力電圧が入力電圧を下回ることはできない。用途の一例として、入力電圧にACアダプター(電圧10V以上に固定されたもの)、あるいは市販カーバッテリー(電圧12V)を繋ぎ、出力電圧を必要に応じて変えれば、電圧可変なACアダプター代わりになる。

入力電圧にある程度の変化があっても、出力電圧はほぼ定電圧になるのは本コンバータの特徴。たとえば、出力電圧を20Vに設定すると、入力電圧が10~18V以内の変動なら、出力電圧はきちんと20Vのままになることが実験で確かめられた。

今回、用途はあまり考えずに、上記のDC-DCコンバータに、保護ヒューズ、出力電圧表示、出力電圧切替スイッチを追加して、アダプター化して遊んだ。要するに、電子工作のための遊び。

入力電圧として想定したのは12V/4A(つまり48W級)のACアダプター。それ以下の電圧では本コンバータが動作しない(入力電圧10V以上が動作条件)、それ以上の電圧では本コンバータを使う意味が少なくなる。出力電圧はいちいち多回転ボリュームで調整するのはめんどくさいし、間違いやすいので、スイッチで切り替えることにした。出力電圧は 15, 16, 18, 20, 24Vの5段階。15Vのかわりに14Vでもいいかもしれないが、切りのいい数字ということで15Vにした。

本コンバータからLED、多回転半固定ボリューム、入力・出力ターミナルブロックをまず取り外す。LEDを流れる電流は最大でも1mAしかなく、残しても全くエネルギーの浪費にならないが、必要のないものを残したくない。ターミナルブロックはどうしても接触不良を心配するから。

要らないパーツを取り外す

ケースは手持ちのACアダプターのプラスチックケースを流用。空間的にほとんど余裕のないケースだが、ネジ止めや、プラスチック材質ゆえの加工しやすさや絶縁性に助けられた。

以下は作成後の外観。

正面(上面)は出力電圧表示、出力電圧切替スイッチ
左側は入力ジャック(内径1.2mm、外径5.5mmの標準品)、保護ヒューズ(ミニガラス管)
右側は出力ジャック。中央でないのは元のケーブル穴を利用したから
底側。本コンバータを固定する4本のネジ。外側はケースを固定するネジ穴。注意書きは元にあったもの

入力ジャックに標準品を使った。内径2.1mmと2.5mmの2種類があるが、より細い2.1mmにした。センタープラス。そこからミニガラス管用保護ヒューズに繋いで、ショート防止に努めた。ACアダプターにこんな形のヒューズホルダをみかけることはめったにないが、コスト無視できるのはユーザの特権。

出力電圧の調整は実験で以下のことがわかった。10Vを基底として、多回転ボリュームは2kΩずつ5V増えていく。つまり、2kΩ抵抗では15V、4kΩ抵抗では20V、10kΩ抵抗では35Vになる。したがって、15, 16, 18, 20, 24Vにするには、出力電圧切替スイッチにつける抵抗はそれぞれ、2kΩ, 2.4kΩ, 3.2kΩ, 4kΩ, 5.6kΩ となる。精確な抵抗がなければ、その前後の抵抗値や2つの抵抗を直列して使う。0.5V以内の電圧誤差で問題になることはないだろうから。

以下は内部写真。接線がきたないので、いつもその改善に悩まされるが。

内部の入力側
内部の出力側と電圧切替スイッチ
内部写真

なお、出力電圧表示はミニデジタル電圧計を出力につけるだけのもの。出力電圧表示によって、出力電圧をひと目で確認できるだけでなく、異常(電源の発振等)に気づくきっかけにもなる。

出力電圧の表示。スイッチの位置とで2重チェックになる。

前回の記事では非安定化リニアACアダプターを安定化ものに改造する話をし、実践してみた。ただ、結果的にはで出力電流が約250mAと多少小さかった。

今回は定格12V/500mAの安定化リニアACアダプターへの改造に再チャレンジした記事。改造後の使い道は主として、Agilent LCRメータU1733Cの外部電源にしたい。LCRメータは安価なDE-5000(秋月電子通商が販売中)も有名だが、DE-5000は100kHzの測定がいまいちとか、信頼度の面では自分としてどうしてもAgilentに軍配をあげる。しかし、U1733Cにスイッチング方式のACアダプターを外部電源として使うと、表示が安定せず、あるいは、内部のバッテリーと異なる表示をしたりする。ACアダプターを取り替えると、挙動がまた変わるので、測定器の外部電源として、やはりリニア電源だなとわかるようになった。無論、きちんとした測定をするときには、外部電源として、生のリチウムイオン充電池3本を直列して使うことにした。ノイズを一切排除できると考えられるから。

さて、改造のベースとなりうるACアダプターの条件とは、前回の記事で分析したとおり、ケースが開けられること、定格電圧が15Vであること。ケースの開けられるものは手持ちから物色すると、以下が見つかった。ただ、問題は定格電圧が24Vと高すぎること。仕方なく、前回の記事で測定対象となっていたACアダプターを献体として破壊し、電源トランスを取り出した。入れ替えてみたら、電源トランスがうまくベースに入り、超ラッキー。

改造のベースとなるもの。ケースが開けられることが良いが、定格電圧が高すぎる。
献体用。なかの電源トランスを取り出す

そして、サイズを合わせて基板をつくり、ブリッジダイオード、平滑電解コンデンサ1000uF/35V/105℃品、3端子レキュレータ 7812、出力側用電解コンデンサ 220uF/35V/105℃品、保護用ダイオードを手持ちのものから適当に選び、はんだ付けして完成。趣味の一環なので、コストは当然気にしない。

持ち物から適当に選び、はんだ付けした。
基板の裏、キレイにほど遠い
組み立てたらメーカー品に負けない見栄えか

では実測。無負荷では出力電圧は12.08V、出力リップル電圧は0.3mV(Fluke 87Vは真の実効値表示)。23Ω抵抗を負荷として繋いだら、出力電流が約500mAとなり、出力電圧は11.52Vに低下。その時のリップル電圧は0.4mVだった。放熱用アルミ板はそれほど熱くはなかった。

無負荷時は出力電圧が12.08V、リップル電圧が0.3mV
23Ω(8+15Ω)抵抗を繋いだ時は、出力電圧が11.52V、リップル電圧が0.4mV

目標とした定格電圧12V/500mAがクリアしたのだ。最後に電子負荷での確認画面をアップしておく。

出力電流をゼロにしたとき
出力電流を200mAに増やしたとき
出力電流を定格500mAに増やしたとき

以上で、安定化リニアACアダプターの改造がおわり。

改造済ACアダプター。定格12V/500mA、センタープラス

世界的に販売するため、コスト削減にしたいためなどの理由で、ACアダプター付属の商品が昔以上に大幅に増えている。

日本は商用電源が100Vに統一しているが、世界的にみると220Vや110Vが圧倒的に多く、しかもコンセントは形も足の本数も異なる。昔は電源変圧器(トランス)にタップをつけて、スイッチで切り替えることで各国の電圧に対応していた。しかしこれができたとしても、コンセントごとに電源ケーブルを用意しなければいけない。コスト競争の今日ではこんなことをやってられない。だから、ACアダプターが大繁盛になったわけだ。ACアダプターは中国製だと数十円のコストしかかからず、日本製電源ケーブルよりも安い。

さて、ACアダプターはたくさん出回っているが、ラジオや測定器に使えるACアダプターは案外少ない。ひとつめの原因はACアダプターはスイッチング方式が主流になったこと、もうひとつの原因は従来のリニア方式であっても安定化回路が入っていないものがほとんど。

スイッチング方式のACアダプターは省エネ、軽量小型という点では革新的だが、出力にノイズが多く含まれ、ラジオや測定器には向かない。

安定化回路が多くのスイッチン電源に取り入れられているが、リニア電源には放熱の問題や安全・コストの考慮から省いたものがほとんど。安定化回路の入っていないACアダプターは負荷のない場合に出力電圧が定格電圧よりも数割高く、機器に悪影響を与えない保証はない。

ということで、本記事ではリニア方式のACアダプターを改造して、安定化回路を取り入れてみる。

ところが、コスト削減のためか、ユーザが開けられるACアダプターはほとんど見かけなくなった。運がよく、手元にネジ止めのACアダプターがあった。

定格は9V、800mA
ネジ止めのACアダプター
安定化回路はない

ACアダプターは出力が定格9V、800mAとなっているが、無負荷時の出力電圧は実測では約12V。中をみると、全波整流後に1000uFのコンデンサという平滑回路のみの回路で、安定化回路は入っていない。

そこで、9Vの出力になるような安定化回路を組み込みたいが、3端子 レギュレータ にはドロップアウト電圧として数V(2~3V)が必要で、このACアダプターで9Vの安定化出力に改造することは簡単ではない。

解決策として、①電源トランスを改造、②整流ダイオードを取り替える、③ドロップアウト電圧の少ない3端子 レギュレータ を採用する、の組み合わせになる。

①電源トランスの改造
3端子 レギュレータ の入力電圧、つまり、電源トランスの2次側電圧を2~3V高くすればいいわけだが、そうするために、2次側の巻線を巻き増すことが必要で、素人には無理だろうし、大掛かりの作業が必要になる。真空管アンプをつくるひとは趣味のため、コストを無視して自力でやっているひとはいるようだが、ACアダプターの電源トランスを改造することはあまり聞かない。ということで、①の解決策はほとんどのひとにとって意味のない選択肢。それよりも、同じサイズの電源トランスに取り替えることが現実的かもしれない。

②整流ダイオードの取り替え
いわゆる、電圧降下の少ないショットキーダイオード等に取り替えることだが、今回のACアダプターでは全波整流のため、取り替えたとしてもたかだか0点数Vの改善にしかならず、効果が薄い。ブリッジ整流であれば、最善のケースでは1V近くを確保できるかもしれない。

③ドロップアウト電圧の少ない3端子 レギュレータ の採用
本命は①だが、ふつうのひとには無理ということで、この③がもっとも効果のある解決策になるだろう。ふつうの3端子 レギュレータ が動作するのに、入出力電圧の差は最低2~3Vが必要。しかし、低ドロップアウト電圧の3端子 レギュレータ (業界用語ではLDO レギュレータ という)は0.6V以下でOK。今回のACアダプターのケースでは9Vの出力電圧を確保するのは難しいとしても、8Vの出力電圧なら、0.6V以上なので理論上可能なわけだ。

以上の分析から、今回はLDO レギュレータ を使うことにした。

手元にあったLDO レギュレータ (出力電圧8V)

幸い、手元の備品を探したら、出力8VのLDO レギュレータ が見つかった。すでに生産中止になったかもしれないが、LM2930T8.0 という型番。出力電流150mA以内なら、0.6Vのドロップアウト電圧がスペック上保証されている。

8Vの出力電圧でも、9Vとしてほとんどの用途では通用する。リニア方式の非安定化ACアダプターは電圧が数割も上下するので、8Vの出力電圧では動かないことは考えにくい。安定化スイッチング電源でも1Vの差が許容範囲のギリギリところだと思われる。

超小型放熱アルミ板につけて、出力にさらに電解コンデンサを付け加えて改造が完了。

3端子 レギュレータ と電解コンデンサを付け加える

では、改造が完了したACアダプターを実測してみた。以下は証拠写真。

無負荷時の出力電圧。
無負荷時のリップル電圧は0.6mV
出力電流が0.3A時の出力電圧
出力電流が0.3A時の出力リップル電圧

純抵抗を出力につけて、実測したデータは以下の表のとおり。

出力電流と出力電圧との関係

出力電流が170mAまでなら、出力電圧が約7.8V以上にキープしているが、310mAにすると、明らかに出力電圧が低下してしまった。ドロップアウト電圧のスペック外になったのがその理由だろう。最大出力電流が300mAまで保証してくれるLDO レギュレータ (ネットで調べたら、後継デバイス LM2937ET-8.0 は500mAまでのドロップアウト電圧を0.5Vにしてくれるらしい)に取り替えるのは改善策だが、ラジオや測定器の電源として使うので、200mAでも十分。

つまり、結論として、定格8V/0.2Aとして、改造済ACアダプターを使うといい。

最初から、6V/500mAの安定化リニアACアダプターへの改造を目標にすればまったく苦労がなかったかもしれない。逆に、9V出力の安定化ACアダプターに改造するなら、12Vの非安定化ACアダプターを探すほうが無難。難題はケースの開けられるものが見つかること。

最後に、非安定化リニア方式ACアダプターと、非安定化スイッチング方式ACアダプターをひとつずつ取り出し、それぞれの特徴を比較しておく。

非安定化リニア方式ACアダプター(定格15V 800mA)

出力定格15V 800mAとなる非安定化リニア方式ACアダプター。スイッチング方式のACアダプターに比べて重くて大きいのが特徴。無負荷時と純抵抗を出力につけたときに実測した値は以下のとおり。定格電圧15Vに比べて、無負荷(つまり、出力開放)時の出力電圧は20Vに近く、3割増し。出力電流が大きくなってくると、出力電圧が低下し、800mAでは、おそらく15Vになっているだろう(800mAちょうどの抵抗は用意できなくて、あくまでも推測)。ただ、平滑コンデンサの容量不足か、出力電圧にリップル成分は高すぎる。ケースを開けることはできず、中身を調べることはできなかったが。

特徴としては出力電圧の変動、比較的大電流。平滑コンデンサの容量が小さいとリップル電圧は高い。
スイッチング方式のACアダプター(定格12V 1A)

定格出力が12V 1Aとなる非安定化スイッチング方式ACアダプター。軽くて小さいのが特徴。非安定化でも、無負荷時の出力は1割増し、リニア方式に比べて出力電圧の変動は小さい。しかし、出力電圧に含まれるリップル電圧は高く、ラジオや測定器の電源としては厳しいと言わざるを得ない。

大電流だが、リップル電圧も高め

だいぶ昔に、無線のモールス信号を聞くためにAFフィルタを作っていたが、モールス信号を聴かない場合は、AFフィルタを通さずにそのまま、入力信号が増幅され、スピーカーから音声を流してくれる。アマチュア無線の音声ステレオ化は実現されていないので、入力はモノラルのみだった。

ノートPCの外接スピーカーとしても使いたい、というアイデアが浮かんできたので、昨日、電源をUSB化した。写真は撮っていなかったが、元々の供給電圧は3V~5Vなので、USBケーブルに取り替えて、ノイズを低減する電解コンデンサ 470uF/35V をつけただけの作業だった。

140927-12

今日は入力の擬似ステレオ化作業。スピーカーがひとつなのに、ステレオ音声をきちんと聴くのは無理だけど、音声があればいいや、という超適当な考えの下、3.5mmステレオフォンプラグに抵抗を2つ追加してモノラル入力に変換した。抵抗は100Ωを選んだ。イヤホンの入力インピーダンスが32Ωから300Ω辺りまでとバラツキが大きいが、手持ちの100Ω, 1/6Wにした。

140927-10

電子回路は以下の通り。なんの変哲も工夫もない。モノラル出力の先には音量ボリュームがある。

140927-14

半田付け。ショートしないように注意した。

140927-11

完了。スピーカーがちょっぴり大きいが、その分音質も良好、ノートPC内蔵のスピーカーよりはだいぶマシ。音量も大きい。また、ノートPCの左右チャネル音声の片方だけを出力させても、ちゃんとスピーカーから聴こえる。つまり、疑似ステレオ化が成功したわけだ。

140927-13

USB型ACアダプターが携帯用等、随分普及してきたので、それを活用すれば、ノートPCのUSBポートを占有しなくて済む。

140927-16

週末のお遊びだった。

趣味に関する投稿は前回から約2週間が経った。なにかをやらないと、そう考えながら物色したら壊れたマウスが出てきた。ASUSのネットブック EeePC に付いてきたおまけだが、割と使いやすく、気に入ったマウスだった。

既に分解した写真になってしまったが、ケーブルがどうもやられた感じ。テスタで測ったら、4本のうちの1本が断線したことが判明。マウスは十数個持っているので、捨てても構わないが、直すことが趣味なので、チャレンジしてみた。

140926-21

新しいケーブルとして、100円ショップにあったUSB延長ケーブルを使った。ケータイ充電専用USBケーブルは導線2本だけのもあるのに対し、延長ケーブルは導線4本が内蔵されているはずだし、巻取り機構が付いていて、携帯に便利。しかも、ケーブル自体がコスト削減のため、極細く、マウスの動きを邪魔しない意味では返って好都合だ。硬くて太いマウスケーブルほど邪魔なものはないから。

140926-22

ASUSマウスの基板は案外しっかり作られている。電解コンデンサ3つ、105℃品を採用している。スイッチは3つ、左右ボタンとホイールクリック(オートスクロール等)に対応している。

140926-23

ケーブルを基板につけるコネクタが手元にないし、注文するのも時間がかかるので、思い切ってケーブルを直に基板に半田づけすることにした。

140926-24

勿論、ケーブルの各導線の順番をしっかり確認するぐらいの慎重さが必要。

140926-20

組み立て直し、ノートPCに挿してテストしたところ、無事修理に成功したことがわかった。

140926-25

ケーブルの色がおかしいとか、改善すべきところもあろうが、動作正常のマウスについても、そのケーブルを巻き取り式に改造したければ、同じやり方でいけるかも。

Thinkpad にトラックポイントがあって、他のノートPCに比べてだいぶ使いやすくなったが、有線マウスには敵わない。携帯に不便、USBポート占用という欠点以外に、有線マウス以上の快適なポインティングデバイスは20年以上経ってもなかなか開発されない。

ノートPC内蔵タッチパッドの最大問題点は、キーボード入力時のカーソルの飛び。思わぬところに文字入力してしまうこと。マックブックあたりだとだいぶ改善されたけど、PCはまだ問題のある機種が多い。

131012-b.jpg

手持ちの無線機は最大送信電力が100W。それなりの電流が50Ω同軸ケーブルに流れるので、ちゃんとした取り付け(半田付け)が必要。

同軸ケーブルにM型コネクタ(オス)を取り付けるわけだが、やってみて案外難しいことに気づいた。慌ててネットやYoutubeを見て、勉強した。

最大の問題は無論半田付け作業。秋月電子から仕入れたM型コネクタは耐熱性がそれほど良くなく、長く半田付けすると、中の白色プラスチックが溶けて、使いものにならなくなる。

以下は作業のメモ。真似+自己流。

131012.jpg

<用意したもの>
1. 同軸ケーブル、M型コネクタ(オス)。
2. 半田こて。W数の小さいものはダメ。手持ちの55Wを使ったが、60W以上が良い。
3. ヤスリ。メッキを削り落とすため。
4. ワイヤ。銅線を使った。
5. 冷却用水。半田の熱を一気に冷却するため。使わないほうがなおさら良いようだが、冷却まで待ち時間が長くなる。
6. その他、ハサミ等。

Read More →

電波時計の自作は一見順調に進んでいるように見えるが、大きな問題を隠してきた。つまり、AC電源を使うと、恐らくノイズの影響だと思うが、電波時計モジュールは受信できない。

だから、仕方なく、電池を使っていた。しかし、ひとつのケースに収め、ACを使うとすれば、ノイズ対策をちゃんとしないと作品にならない。

電波時計モジュールだけを電池で動かし、PICマイコンとのパルスのやりとりはフォトカプラを介して行う。そうすれば理論上うまくいくはず。電力の消費は問題だが、1日1回だけを動かし、その間の電流消費は10mAx3分間で計算すれば、1000mAhの単三でも約5年間使えるようだ。

でも、スマートなAC方式も捨てがたい。

さらに、電波時計をPCや受信機の傍に置いて使いたいので、受信部の内蔵は無理かもしれない。少なくともアンテナは窓際か屋外にしないといけない。と考えると、ノイズ対策以前に一体型作品にすること自体は無謀のような気がする。

PCの傍で使える電波時計って存在するのだろうか。PC動作中はPC内蔵の時計アクセサリが使えるので、電波時計は無用な置物という説もあることは理解できるが。あるいは、PCのNTP時刻をJJYシミュレータで発信し、傍の電波時計に受信させる。というのが最もスマートな対応策か。

Aitendoから購入した電波時計モジュールは負論理出力(電波のシグナルがあった時に 0 出力、シグナルがない時に 1(電源電圧)出力)。

今回のPICソフトは基本的に、0.1秒間隔で割り込みを発生させて、10回で1秒、600回で1分、36000回で1時間、864000回で1日、ということを利用したもの。つまり、大変簡単に相対時間が計測できるわけだ。

問題は相対時間の絶対化。電波時計モジュールによる時間の校正にある。

0.1秒割り込みをそのまま利用して、電波のシグナルの有無で、タイムコードの「マーカー」、「0」、「1」 を判断する。

具体的には、負論理なので、0.1秒前には入力があって(つまり、シグナルなし)、現在は入力がなし(つまり、シグナルあり)という瞬間をパルスの立ち上げと判断。そこから8回分の割り込み時の入力を記録。8回目の割り込みが終了した瞬間、「3回目は入力あり」であれば「マーカー」、「3回目入力なし・6回目入力あり」であれば「1」、その他は「0」とした。

割り込むルーチンの外では、「マーカー」が2回続いていれば、タイムコードのスタートと判断し、その 瞬間 – 1秒 が 「分」の始まりとした。

そこから、59回分の「マーカー」「0」「1」を割り込むルーチンから受け取り、マーカーのズレの有無、時・分のパリティビットを確認して、タイムコードを解読(デコード)。

ということで、製作した電波時計は精度が0.1秒程度、大したことはない。また、GPSと違って、電波基地局との距離がわからないことから、精度の高い電波時計は原理上できない。電波は1秒30万キロしか飛ばせないので、100キロの距離では 0.0003秒(0.3ms)のズレが発生する。

しかし、PIC用プログラムは一応完成したが、減光機能(夜間ではLCDの電源を切ることや、PIC自体をスリープモードするなどの省エネ対策)に必要なデータメモリがほとんど残っていない。最適化をこれから必死でやらないといけない。

つぎの写真は電波受信成功前後の様子。電源入れて、約2分弱で受信成功。なお、LCD表示形式を若干変更した。

130728.jpg130728-1.jpg基板をつくり、ハンダ付けし、ケースに収める作業もこれからだ。

二日間、PICのプログラムを書いた。データメモリを95%使ったので、将来の機能追加に問題なりそうだけど。

そして、ブレッドボードで組み上げて、動作確認した。難なく動いた。電源電圧は 2.8V辺りが下限のようだ。その電圧での消費電流は5.4mA、大部分は水晶発振器に使われた。電源電圧をさらに低下していくと、LCDが表示しなくなる。LCDのバックライトは別途点灯させる予定。ACが使える状態では点灯、電池では付けない。さらに、夜間には、LCD自身の電源も切る予定。

130727.jpg130727-1.jpg130727-2.jpg

身の回りに時計機能が溢れている。置き時計、腕時計、壁掛け時計、ケータイ、PC、テレビ、目の付くところに時計があるというぐらいに溢れている。となると、電波時計を製作する意味はなんだろう。あるいは、なにか独創的な機能をもたせるにはどうすべきか。

時計に必要最小限な機能といえば、①精度。年間誤差10秒以内なら上等だろう。②自律性。停電でも、電波がなくても、精度よく動く。

精度に関して、外部からの電波に頼ることなく、年間誤差5秒や10秒というのがひとつの目標。

では、身の回りの時計が上記2機能を備えたものはあるのだろうか。残念ながら、高級クォーツ腕時計以外はないようだ。数週間の停電となると、ケータイ、PC、テレビはアウト。また、停波の状態が長く続くと、市販の電波時計は月間誤差10秒台に激増する。そういうふうに考えると、「真の時計」と呼べるものは案外すくないことに気づくはず。そこに自作品の意義というか、独創性をおきたい。

つまり、自作時計は、停波の状態でも、年間誤差10秒以内の精度をキープする。停電でも止まることなく、1年以上動き続ける。そういうものをつくってみたい。

そう実現するためには、精度の高い発振子が必要。さらに、温度センサを内蔵し、累計誤差を強制的に校正する機能を持たせる。電波はあくまでも校正の役割と捉える。

また、省エネが大きな課題になりそう。単一電池を使うとしても、常時バックライト付きLCDを使うのは無謀。電池の交換中でも時計がストップさせないためには、予備電池が必要かもしれない。

構想してみたら、案外楽しい夏休み課題になりそうなことに気づいた。コストやサイズの制限を受けないので、自作品ならではの可能性を探求したい。

130726.jpgさて、手持ちの水晶発振器を探したら、2種類が出てきた。どちらも秋月電子から入手したもの。

TCO-703Aは温度補償型、精度 2×10-6。TCO-711Aは±100ppm。1年間を365日として計算すると 31536000秒あり、±10秒以内にするなら、精度は 10 / 31536000 = 3.2×10-7 以上ということになるから、そのままでは両方とも不合格。もっと精度の高い 0.3ppm 水晶発振器(TXCOやOCXO)を使うか、温度センサーを活用して時間補正を計算で入れるか、のことをしないといけない。

しかし、TXCOもOCXOも電池で駆動するものではない。精度と省エネの両立はやはり大変。でないと、ほとんどの腕時計は年差時計になっているはず。

ということで、取りあえず TCO-703Aを使うことにした。電源電圧を 3.3V にして、使用する電流を測ったところ、約 3.7mA。予想以上だが、LCDの 3mA と合わせ、なんとか全体の消費電流を 7mA 以下にしたい。単一電池の容量を 18000mAH としても、3ヶ月しか持たないのだ。