PCを無線に持ち込むのに違和感を感じる人がいるだろう。なぜなら、インターネットを使うなら、無線の存在意義がほとんどないから。しかし、数十年前の大型コンピュータを遥かに凌いだPCが身近にあるのに、活用しないのはもったいない。

CWの自動送信をやってみた。CWの受信に関しては、まだ人間のほうが勝っているところはあろうが、送信に関してはPCの圧勝だろう。尤も、アマチュア無線は趣味なので、勝ち負けというよりも、自己満足であればそれでよく、PCを必ずしも使う必要はない。

PC側の送信ソフトは沢山あるが、今回DigitalSoundCW(以下DSCWと略す)を選んた。

リグFTDX3000とPC以外に、必要なものはUSBケーブル(A-Bタイプ、100円ショップでも販売中)1本だけ。ほかのインターフェースやハードウェアは必要ない。

131023-5.jpg①ソフト DSCW をネットからダウンロード、PCにインストール。

②FTDX3000用USBドライバ(正式名称:FTDX3000 仮想COMポートドライバー)を http://www.yaesu-wdxc.com/ol/ftdx3000/index.aspx からダウンロードしてPCにインストール。

③USBケーブルをFTDX3000のリアパネルとPCに差し込み、PC上のデバイスマネージャを開き、Standard COM ポート番号を確認。自分の場合は4番。

131023-6.png④ソフトDSCWを立ち上げ、メニュー「初期設定」を行う。COM設定は上記③のStandard COM Port番号、Key Control 設定は RTSでもDTRでもOK(FTDX3000をこちらに合わせることができるから)。

131023-7.jpg131023-8.jpgこれらの設定はDSCWのTX Cont. (ツッコミ:ContとはConditionの略か?)からも確認できる。

131023-9.png⑤FTDX3000側の設定変更を行う。
 メニュー 065 MODE CW PC KEYING RTS をソフトDSCWに合わせる(今回の場合はRTS)。

⑥ソフトDSCWにTX> 窓に入力すれば、その瞬間モールスが送信される。

131023-a.pngということで、USBケーブル一本だけでCWの自動送受信ができてしまうのがFTDX3000の魅力というわけだ。

局免の申請はLiteシステムによると10月18日に審査終了となっているが、肝心の局免はなぜかまだ届いていない。郵便局の問題だと思っていたが、総務省からの発送が遅いかもしれない。

待つのもしょうがないので、バドルによる送信実験をやってみた。

バドルはGHDキー社 GN607A。精巧につくられている金属の塊。リグとの接続ケーブルがついているが、もっと使いやすいものを自作した。

131023.jpg4芯入りのケーブルを探してきて、片方に標準の6.3mmステレオプラグ(今回は秋月電子からの調達品)、もう片方に手持ちのY型圧着端子(近所のホームセンターから)をつけただけで加工完了。

131023-1.jpgFTDX3000のフロントパネルやリアパネルのKeyジャックに差し込めば、物理的接続はOK。

つぎはFTDX3000側の設定変更。

①局免のことで、まだ電波の出せる状態ではないので、送信アンテナにダミー抵抗(適当なものは手元になく、60Ω 10W ホーロー抵抗で代用)をつける。

131023-2.jpg②上記の①に合わせて、リグの送信出力をミニマムの5Wに設定(メニュー 177 TX GNRL: TX MAX POWER)。

③取説85ページに従って、運用モードをCW。
④MONI スイッチを入れ、サイドトーンを聞くようにする。

⑤機能表示ディスプレイ内の「KEYER」をOnにする。

131023-3.jpg⑥BK-IN ボタンを押す。

送信実験の準備は以上の作業で完了。

バドルを操作すれば、トーンが聴こえ、外付け電源の電流計、SWRメータからも送信の瞬間が確認できる。なお、トーン音量はAFボリュームでは変更できず、メニュー「035 GENERAL MONITER LEVEL」で変更する。CWのキーインスピードは MIC/SPEED つまみで調整する。

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CWの練習をするだけなら、上記⑥のBK-IN ボタンを押す必要はない。バドル操作に応じて、トーンが聴こえ、リグが高価なCW練習機に変身する。

FTDX3000は昨年の新発売で、最新技術の集大成というはずだが、SDR受信機 Perseusと比べて、そのショボさはよくわかるところがある。世界との壁は高い。

つまり、新鋭機の目玉といわれるスペクトラムスコープを、フルスクリーン表示に切り替えても、どこが電波で、CWなのかSSBなのか、さっぱりわからない。

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対して、Perseusは2007年発売の古い機械だが、目で電波を選んで受信できる。送信機能がないので、FTDX3000を使うしかないが。しかも、値段は倍以上も違う。Perseusの技術を取り入れて、スコープはそうであればいいのに。そこに、日本メーカーと世界との距離が感じる。Perseusが出来過ぎたかもしれないが、それと同等表示の機種がほかにもあるので、決して真似できないことではなさそう。

FTDX3000の受信機能が素晴らしく、余計にそのおもちゃレベルにすぎないスペクトラムスコープが気になる。

ということで、実際の運用ではPerseusとの併用になりそう。

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FTDX3000にCWデコード機能、コンテストメモリキーヤー機能があり、CW初心者でも、CWの送受信が初心者なりにできる。

しかし、さらなる高性能なデコードソフトを利用したいなら、やはり、PCとの連携が不可欠。ここでは、DigitalSoundCWとの連携について極簡単に紹介していく。

試用環境:PC Thinkpad X61s、OS Windows 8 32bit、USB 2.0。

前準備として、① PCへのUSBドライバのインストール(Yaesuでは仮想COMポートドライバーと呼んでいる。昨日の記事に書いたのでご参考ください。)、② PCとFTDX3000と繋ぐUSBケーブル、が必要。

それで、録音(音声入力)デバイスとして、FTDX3000対応の「2-USB Audio CODEC」が使える。

131006-6.pngそれをPC上のCW解読ソフトの入力にすればいいわけだ。今回はDigitalSoundCW Ver2.16.2 で試した。

フリーソフト DigitalSoundCW をネットからダウンロードしてPCにインストール。

起動して、Sound Deviceを「マイク(2-USB Audio CODEC)」に切り替える。自分の場合は、デフォルトの「プライマリサウンドキャプチャドライバー」のままでもOK。

つぎに、「CW Singal Level 」という小窓の赤ラインを見ながら、「Input Vol」レバーを左右調整し、CWに対応して文字に解読されればOK。それだけで、CWデコードができたようだ。

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PCにUSBドライバ(Yaesuでは仮想COMポートドライバーと呼んでいる)をインストールして、ケーブルをFTDX3000と繋げば、FTDX3000のAF音声をPCに取り込むことができる。

以下はPCの再生デバイスと録音デバイス。「2-USB Audio CODEC」というのがFTDX3000。

131006.png131006-1.pngそれを利用して、音声のスペクトラムをPC上で確認してみる。スペクトラム表示に使用したフリーソフトは有名な WaveSpectra。

以下はCW。ピッチが700Hz。無線機本体内蔵のAFフィルタはよく機能している。

131006-3.png以下はLSB。3kHz当たりでカットされたところが印象的。

131006-2.png以下はAM。SSBとの違いがよくわかるだろう。

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写真はのせないが、ノッチフィルタの効き目、Narrow-Widthの効果も画面から確認できる。

ほかに、ディレイはあるものの、PC上、オーディオフィルタや、DSPフィルタ類のソフトを導入すれば、好みに合う音声加工が可能だろう。

無線機 Yaesu FTDX3000 をPCからコントロールする専用ソフト PCC-3000 がリリースされているので、早速使ってみた。

試したPCは Thinkpad X61s、OSはWindows 8 (win8) 32bit版、USB 2.0。

1. Owner’s Lounge からダウンロードしてインストール。
 サイト http://www.yaesu-wdxc.com/ol/ftdx3000/index.aspx に PCC-3000が置いてある。

2. USBドライバをダウンロードしてインストール。
 無線機本体と繋ぐためのUSBドライバ(Yaesuでは仮想COMポートドライバーと呼んでいる)を同一ページからダウンロードしてインストール。

3. 無線機本体の電源を一旦切り、USBケーブルをPCと繋ぐ。

4. 無線機本体の電源を入れる。

5. PCC-3000を立ち上げる。

131005.png Setup メニューから、COM Select をセットする(自分の場合は COM5に切り替える)。通信速度 Baud rate は無線機本体に合わせる(デフォルトでは 4800)。

PCC-3000の電源下のCOMボタンをクリックして、無線機との通信をスタートさせる。最初のクリックではうまく行かないことがあるかもしれないが、2,3回クリックすれば問題なく通信できるはず。

これで、 周波数やスイッチ、メニュー等の設定はPCからできるようになる。スコープの裏に隠された、機能表示ディスプレイはつねにPC上に表示される。ほかに、ショットカットキーによる制御も可能。

★ 一例として、モード(LSB, USB, CW)の切り替えをPCのファンクションキーでやってみよう。

そのために、「FTDX3000シリーズ CATオペレーションマニュアル」が必要になるので、Yaesuの公式マニュアルサイトからダウンロードしておこう。

マニュアルによると、モード切り替え用のCATコマンドは以下の通り。

131005-5.pngそこで、PCC-3000に付属のショットカットキー登録プログラム KSE4PCC1を起動して、ファンクションキーとCATコマンドの組み合わせを登録する。

今回は、F9 → CW, F11 → LSB、F12 → USB とするので、次のように入力した。

131005-6.pngFile メニューで保存してから、KSE4PCC1を終了させる。そうすれば、PCC-3000上、F9~F12を押すだけで、無線機本体のモードが一瞬に切り替わり、FTDX3000がより使いやすくなった。

フリーソフト AutoHotKeyと組み合わせれば、ファンクションキーだけでなく、他のキーでも操作可能だろう。

無線機 Yaesu FTDX3000を手にしたら、そのファームウェアの更新情報や専用ソフトの存在が当然気になるわけだ。

公式なアップデート情報は http://www.yaesu-wdxc.com/ol/ftdx3000/update.html 、Owner’s Lounge というサイト内にある。現時点の更新情報は以下の2点。

メインファームウェア 1.15
TFTファームウェア 1.07

所有機FTDX3000の右側Bandキー GEN+50+ENT を3キー同時押しで電源Onして確認したところ、メインは1.13、DSPは5.44、TFTは1.07、FFTは1.00となっている。つまり、メインファームウェアを更新して良さそう。

なお、アップデート用操作マニュアルが上記のページにあるので、きちんと読みながら、以下の更新をやりましょう。

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3重箱から取り出して、テーブルに置く。外部DC電源に繋ぎ、受信アンテナを繋ぎ、マニュアル見ず受信してみた。

難なくLSBもCWも聴こえた。しかし、開局してないし、送信アンテナはないので、本日の遊びはここまで。マニュアルをちゃんと勉強しないと。

1通1技が取れるまで、このセットでやっていくつもり。取れたら、ご褒美として、100万台のリグを使ってみたい。夢として見ておこう。

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