秋が深まり、真空管の暖かさに魅力を感じる季節になってきた。懸案のコリンズリペアをじっくり時間をかけてチャレンジしてみたい。

入手してから、真空管1本の交換、外付けステップ電源の用意等、いくつかのことをやってきたが、ハム音がまだ酷く、聴きに耐えられない。取り敢えず、電源部のブロックコンをなんとかしないと先に進めない気がしている。

Collins 75S-3の電源部に、アイテムC59、40uF (-10%~+40%)、150Vdc、3本組の整流平滑用ブロック電解コンデンサが使われている。eBayを覗いたら、新品として調達できそうだが、高価だけでなく、日にちもかかるので、アキバの千石から、東信工業製 47uF/250 3本をネット通販で購入してきた。

東信工業
電解コンデンサ 250V 47uF (TK-UTWHM.pdf)
105℃・中高圧品(有極性)
カテゴリ温度範囲:-40~+105℃
容量許容差(120Hz):±20%
耐久性(105℃・定格電圧印加):2000時間
外寸:φ12.5×25mm
単価 ¥63

131030-3.jpg容量100uF以上、耐圧400V以上のものもあるが、コリンズのブロックコンを取り外すのは難しく、リード線を新しいケミコンに繋ぎ直したほうが手っ取り早く、そのために、小型ものがいいと判断したから。

しかし、コリンズの半田付けは製品というよりも、素人作品以下。銘品というければ、それを見ただけで幻滅するのは自分だけかな。ケミコンは最初にやられ、十数年で交換することはわかっているはずなのに。

表は整然と綺麗に配列したとしても、なんとか裏まですっきりして欲しかった。

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アマバンド受信機 Collins 75S-3 の整備はまだそのまま。天気が暑く、真空管を点灯させることを躊躇していたのと、稼働に必要な115Vの電源電圧をどうしたらいいか、考える時間が必要だったから。

130731.jpg130731-1.jpgヤフオクから1次100V、2次12V/3Aのトランスを入手した。それを利用して、以下の通り接線し、ステップアップトランスを作る。

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トランスの1次と2次の許容電流はそれぞれ、0.36Aと3A。接線することにより、2次コイルを流す電流は最大1.8Aまでが可能になり、約200Wまでは問題なく使えそう。ちなみに、Collins 75S-3の消費電力はスペックによると約90W。それでも余裕を持たせたくて、低価格・大容量のトランスの出品をずっとワッチしていた。

さて、オシロスコープでトランスの1次コイル、2次コイルの位相を確認(結果は予想通り、同じ北側か南側のターミナルをコールド側にすればよい。)。そして100円ショップから仕入れたACケーブルをハンダ付けし、木板に固定して製作完了。

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感電防止のために、カバーを付けるか、危険箇所を樹脂で固める必要があろう。まあ、100Vで死ぬことはないはず。

最後にCollinsに繋いで、出力電圧を実測した。115Vでバッチシ。約1時間稼働してもトランスの発熱はない。見た目はショボイが、アメリカ製品を使うなら、ステップアップトランス1台あると安心。

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考えられないことかもしれないが、コリンズ 75S-3 に違う抵抗が製造当時から取り付けられている。

きっかけは電圧測定がおかしかったことから。真空管V2である6DC6の5番と6番ピンの電圧値は、取説ではそれぞれ138V, 72Vと書いてある。しかし、実測では116Vと115Vだった。138Vから116Vに減ったのは測定時に使用した電源電圧が100Vと約2割も少ないので、納得できる。

しかし、72Vのところが115Vに上がったのは不思議でしょうがない。V301というところの真空管6AU6が到着するまでの間は暇なので、原因究明してみた。

テスタで6番ピンに繋いでいる抵抗器を測ったら、抵抗値が470Ωしかないことに気づいた。ソリッド抵抗器なので、大きくズレたのかなと思って、取り替えることを考えた。

半分がアルミケース(シールド)の中に入っているので、ケースを外すことにした。しかし、これがそう簡単にできないことがやってみたらわかった。横の穴をバンドスイッチの回転軸が通っているから。どう組み立てたのか、まだ思いつかない。

それでもケースを若干持ち上げることに成功した。カラーコードを見てみたら、取説に書かれている47kΩではなく、470Ωになっているのではないか。

つまり、当時の製造ラインで、間違って組み立てられたことになる。本機に真空管以外に、パーツが取替えられた証拠がまだ見つかっていないし、その抵抗器だけを出荷後1/100にする意味も考えにくい。カラーコードを見間違えて取り付けたという解釈が可能性として一番高い。

出荷検査ってやっていたのだろうか。1/100になっても実質影響がなく、調整や出荷検査で気づかなかったのかもしれない。

まあ、コリンズといっても、所詮アメリカ企業。いい加減なアメリカ人なら、そういうことが起きないほうが却って不思議。

130624-4.png 130624-3.png 130624-2.jpg 130624.jpg 130624-1.jpg

アルミケースが外せるならば、真実はもっとはっきりするのに。

コリンズに伝説がまたひとつ増えた!

数分しか聴けないコリンズを時間をかけてじっくり調べることにした。真空管にほとんど興味ないので、勉強のきっかけにもしたいし。現代風の受信機と比べて、コリンズは回路がものすごく簡単、整備しやすい。真空管さえ手に入れば、IC満載の受信機よりも長生きの可能性が十分あろう。

本機に刺さっている真空管V1、V2は RCA製 6DC6。V3は GE製 6EA8。3本ともガラスに63という数字が見えたので、50年前の63年製の75S-3(製造期間 1961-1963年)なのかもしれない。(ネット上、シリアル番号と製造年月に関する資料を見つけた。本機が1963年製であることがそれで決定した。)

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キャビネット左右両サイドの固定ネジ2本、底のゴム足ネジ4本を取り外せば、本体を引っ張る形で前に取り出す。VFOに乗る真空管V301がぶつからないように、裏返して観察をはじめる。

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