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上海滞在中、購入して良かったと思ったもののひとつはこのラジオ。FM、AM、短波が聴けてDSP方式。単三電池2本。USBより給電・充電可能。サイズは同タイプ機種でも小型、123x79x20mm。

購入価格が若干高めかもしれないが、260元(3300日本円相当)。電池は別売だが、ラジオ本体のほか、手帳風ケース、イヤホン、延長アンテナ、取説(中国語)、アフターサービス保証書、合格書、販売店の保証書、元箱等がついている。

中国製品というとどうしても安かろう悪かろうというイメージが纏うが、このラジオの外観は素晴らしい。神経質の自分がいくら強い光線の下で探してもプラスチックケースに極僅かなムラや変形も見当たらなかった。昨年購入したソニー製ラジオやサンワ製テスタ2台とは大違い。名実ともに、Tecsunがラジオの世界トッププランドになっているのかもしれない。設計も恐らく自社が行なっていて、外国からのパクリではないだろう。

サイズが小さく、音はそれなりによくないが、イヤホンや外付けスピーカーで聴くと音質がだいぶ改善する。使い方も簡単。ラジオとはこうでないといけない、こんな見本のようだ。

製品は長持ちかどうか、これから使っていかないとわからないが、こういういい商品に限って日本の店頭では並ばない。ソニーが売れなくなることを恐れているのか。

サイズが若干大きいが、Tecsun PL-380も名機との評判。売値は上海ではPL-505とほぼ同じ。

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↑ iPod Touchとのサイズ比較。

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整理整頓したら、1970年代に中国で出版された本が出てきた。トランジスタラジオの調整や修理に関する書籍。メーカーの技術者が書いたと言われている。計画経済の当時、著作権云々の概念がなく、市販されているラジオ製品の回路図や各種パラメータ、プリント基板パターンまでが載ってある。

そのうちの1章は必要な測定器を紹介している。いまではあまり見かけないものもあるが、当時のトランジスタラジオ弄りに興味あるひとには資料として面白いと思うので、紹介しておく。

1. アナログテスタ。いまでも有名な500型が紹介されている。500型は内部抵抗がDCV 20kΩ/V、ACV 4kΩ/V。当時の業界標準機種。
2. 低周波ミリボルトメータ。入力電圧 1mV~300V、周波数 50~20kHz、インピーダンス 150kΩ以上/100pF以下。
3. 高周波ミリボルトメータ。入力電圧 1mv~100V、周波数30~10MHz、インピーダンス 1MΩ程度/6pF以下。
4. 低周波発振器。出力周波数 20~20kHz、電圧 0~5V。
5. 高周波発振器。出力周波数 100k~30MHz、電圧 0~1V。AM変調周波数 400, 1kHz。
6. オシロスコープ。入力周波数 10~5MHz。
7. ひずみ率計。入力周波数 20~20kHz、電圧 1.2~30V。ひずみ率レンジ 1%~100%。
8. Qメータ。対応するQ値 10~600、インダクタンス 0.1μ~100mH、容量 1~500pF。発振周波数 50k~50MHz。
9. 定電圧電源。
10. ラジオトラッキング調整器(中国語、統調儀)。自分にもよく知らない測定器のひとつ。200k, 500k, 2MHzの整数倍のAM変調周波数を出力し、ブラウン管により、入力波形を確認する測定器。メーカーでは、ラジオのトラッキング自動調整に使うらしい。
11. ラジオ中間周波数調整器(中国語、中頻図示儀)。ラジオの中間周波数調整に利用するらしい。

自分がよく知らない測定器もあったが、技術の進歩によって多くは必要でなくなったのかもしれない。

たとえば、2. と 3. のミリボルトメータはデジタルオシロで十分代用できると思うし、まだ多少高いが、30MHzまでのファンクションジェネレータが市販されているので、4. と 5. に相当する。7. のひずみ率計は周波数がそれほど高くないので、PC用フリーソフトで代用できそう。8. のQメータは今日ではあまり見かけないが、代わりにLCRメータが市販されている。

そうすると、今日でもラジオを修理するなら、①アナログかデジタルテスタ、②ファンクションジェネレータ、③デジタルオシロ、④LCRメータ、⑤電源、⑥トラッキング機能付きスペアナ、ぐらいは揃ったほうが良さそう。

当時から全く進歩しない測定器はただひとつ、アナログマルチテスタだ。当時のほうが良かったという声が中国でもよく聞かれるし、日本でもアメリカでも同じ状況だろう。

現行品かどうかはわからないが、オクから仕入れたもの。単価250円。SSBにはまだ広いが、AMには良さそう。ラジオの品質はフィルタで決まるとは言い過ぎかもしれないが、良いフィルタなくして良いラジオはつくれない。音はけしてよくないが、選択度のよいラジオはこのフィルタなら作れるはず。31mB専用の短波用を作りたいね。

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<スペック>(メーカーのデータシートより)
 Center Freq. 455kHz
 6dB BW min. ±4kHz
 Ripple max. 3dB
 60dB BW max. ±10kHz
 Attenuation 455±100kHz min. 50dB
 Spurious 0.1~1mHz min. 25dB
 Insertion Loss max. 6dB
 I/O Impedance 1500Ω

<寸法とピン割り当て>(メーカーのデータシートより)

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実測した周波数特性(FRMSにより)

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ワイヤアンテナをベランダに引っ張ったら、自然と目がアルミ手すりに向ける。金属だし、美観に影響することなく、アンテナにできたらすごくいいなって。

ネット上に似た情報があった。試したひとがいるみたい。

アースもベランダにあった。室外コンセントのところにあるだけでなく、測ってみたら、エアコン室外機の金属部分もアースと繋がっている。

で、アルミ手すりとアースとの抵抗をさらに測ったら、何十MΩと表示されている。抵抗値そのものは天気に左右されると思うが、アースから浮いていることは確かのようだ。

受信機のアンテナ端子に繋いだら、7m長のワイヤアンテナの代わりになれるみたい。このうち、きちんと測ってみるが、短波ラジオやBCLには問題なくアンテナとして機能するだろう。中波では、バーアンテナに全く勝てない感度でしかないが。

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ベランダの排水管を利用して、長さ7mのワイヤーアンテナを立てた。といっても、100円の銅線を縛るだけの作業。このうち、もっと綺麗につくり直すかもしれない。

しかし、7MHzのアマチュア無線バンドを聴くのにそれが一番よい。一番だめなのは303AW-2という市販品。設置位置がよくなかったかもしれないが、感度が悪い。自作のループアンテナはノイズが多い。

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自作したLA1600ラジオに、ポリバリコンの代わりにエアバリコン、5cmバーアンテナの代わりに12cmを取り付けた。外部アンテナなしにも室内で大きい音で楽しめる。

バーアンテナは手元に残っている物、スペック不明。エアバリコンは170p/75pという容量で購入したつもりだが、高い周波数(肝心の地元栃木放送、1530kHz)の放送局はまだカバーできていなく、調整待ち(バーアンテナのコイル巻を解す作業が必要)。栃木放送は日本では最も周波数の高いAM放送局のひとつ。FM放送なら地元のラジオベリー(76.4MHz)は日本一低い周波数。東京からの混信を避けるための措置だったかもしれないが、アナログラジオで地元のAM/FMを両方聴くなら、端から端までダイヤルを回さないといけない。

信頼性がおけなさそうなポリバリコンに対して、エアバリコンは精密パーツの代表格、堂々としている。ホコリが貯まったりもするが、きちんと手入れすれば長寿命間違いなし。高価格が難点だが、できれば沢山使いたい。

避けるべき作業かもしれないが、エアバリコンの羽根を広げることで容量調整できる。とくに外側の2枚。トラッキングエラーになるので、無闇にやってはいけない。それと、精密なゆえに、羽根同士が接触(ショート)するおそれがある。品質のいいものを選ばないといけないパーツのひとつ。

ラジオを1、2ヶ月弄ってきたが、自分の好みがわかった。ストレートラジオは感度や選択度の点で、スーパーヘテロダインを超えるのは無理。室内で聴くなら、スーパーヘテロダイン方式が断然有利。

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遠い昔に購入したもの。保存状況が悪く、内部にカビっている箇所が多数。それでも動いていて、ソニータイマーは不発だった。ただ、内部のケミコンが漏れ出している報告がネットに多い。半世紀前の真空管ラジオはいまでも直せるが、このラジオは壊れたら修理が厳しいかもね。自作なら、10μF以下のケミコンは層積セラミックで代用するだろうが、メーカーはコスト第一なので、安いケミコンはバンバン使う。保証期間内に故障しなければOKなんだから。

150kHz~108MHz 連続して受信できるところが強みか。AM(ナロー、ワイド)、SSB、FM(ナロー)がサポート。ただ、メモリ数が40と少なく、感度がそれほど高くなく、いまの中国製ラジオと比較したら厳しそう。

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到着したスーパーヘテロダインラジオ用パーツ。バーアンテナ、2連バリコン、OSCトランス、IFTトランス、セラミックフィルタ。ついでに、LA1600も注文した。

バーアンテナSL-55Xの短さに笑った。5cm。男ならもっと長いよ。しかし、それ以上のものは日本では売ってないかもしれない。自作しかないね、180cm3本のバーアンテナを。

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高感度のラジオをつくるなら、ゴールをまず決めないといけないので、日本を代表するラジオ局の一覧をつくってみた。NHK第1第2はどこにもあるし、内容もほとんど同じで、聴いても発信地は分からない。等の理由で一覧から除外した。

整理してみたら、面白いことに気づいた。ラジオ関西の558kHz以外に、使われた周波数は954kHz以上ということ。自作ラジオも954kHzからのスペックでいいかも。高感度を狙うなら、帯域を狭くすればするほど有利。954~1602kHzをさらにバンド切り替えして(たとえば、250kHz帯域 x3バンドに分割)受信するように設計すれば尚更いいかもしれない。

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余談だが、9kHzバンド幅を混信なく使うなら、放送局は4.5kHzまでしか変調信号に使えない。しかし実際には、7.5kHzまで利用されているので、9kHz隣接する電波なら混信がおきるわけだ。それでも、オーディオでは必要と思われる20kHzから考えると、AM電波の音質がいかに悪いかはよく分かるだろう。

感度を上げ、混信を避けるため、通信型受信機では、たとえば3.3kHzバンド幅のフィルタ等が使われる。音質は勿論悪い。音楽等を楽しむ目的ではなく、何を喋っているかを聞き取るのが通信の目的なので、いい音質で音楽を楽しむなら、選択度が悪く、感度が悪いラジオは逆に有利。だから、ストレートラジオは音質がいいと言われる所以だ。

数多くの電波から聴きたいラジオ局を選び出すのは容易いことではない。感度が高ければ高いほど尚更困難になろう。だから、いくらKM-88が高感度と言っても、デジタルチューニングのできる最近の中国製ラジオに全く相手にされない。つまり、バリコンの僅かな回転角にいくつものラジオ局が入っており、自分の意図で選局したいなら、減速機構が必要になってくる。

もっと具体的にいうと、日本では、AM(中波)放送は531~1602kHzを、9kHz間隔で各放送局が使用している。180度回転角のバリコンでは、わずか1.5°の回転角で次の放送局に行ってしまう。対して、デジタルチューニングは1kHzや9kHzステップでスキャンすることができ、回転角に悩まれることは全くない。IC-R75のような通信型受信機になると、1Hzステップのスキャンも簡単にできる。こうなったら、アナログ選局では絶対に真似できない。

チューニングに使われる減速機構として、いまでも日本に残されているものに、バーニアダイヤルというパーツが有名。直径36mm、50mm、70mm、回転角180°、300°等の違いがある。180°はバリコン用だが、300°はボリューム等用。高価なので、違ったものを買ったら気の毒になりそう。70mmでは減速比10:1、上の計算では15°回転角で9kHz相当になる。

新品のバーニアダイヤルはとても滑らか、日本的逸品と褒めていいだろう。こんな商品は手の器用な職人ならでは作れる物なので、高価でもオタクには欲しがられる。

バリコンではなく、ボリュームで選局するなら、バリキャップ(可変容量)ダイオードによる方式がある。電源電圧が9V以上と高い上、Q値が低いのが欠点。でも、リニア性はとてもよく、品質のいいエアバリコンはいまの日本市場にはあまり見かけないが、ボリュームなら通信型等、いいものはまだ多く販売されている。

下はネット上に公開されている回路図。バリキャップ4つ+2連ボリュームでバリコンを代用している。トラッキングはほぼ完璧という説明だが、実験事項になるね。

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バリキャップで選局するなら、精密多回転ボリューム(ヘリカルポテンショメータ)も一考の価値があろう。360°x10以上が回転できるので、日本の誇り高きバーニアダイヤルでも負けてしまう。30°以上の回転角で9kHz相当になるのだから。

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