メルカリからラジオキット完成品 Fourland FR-05が到着。送料込で約千円。ほしい理由はその木箱、内部にスペースが結構あり、改造やモジュールの追加に適していると思ったから。

工業高校の実技の授業で組み立てられたラジオキット Fourland FR-05
FM用アンテナと単二4本バッテリーホルダを早速取り外した

ワイドFMとAMの2バンド、外部入力AUXにも対応。スピーカは10cm、8Ω / 2W、韓国製、しっかりしている。長さが6cmしかないAMバーアンテナだが、感度は良好。RF(AM/FM)基板は調整済みの状態でキットに入っていたかもしれない。調整する計測器がふつう、学校には備わっていないので、ハンダ付けするだけで完成できるためだと推測する。

2枚プリント基板のうち、AF基板はそのまま表側がラジオの正面になっているところはよく考えられた構造だと評価する。だから、AF基板上のパーツはプリント基板の裏側にハンダ付けすることになっている。AF基板のうえにRF基板が重なり、2層構造になっている。

2枚の基板が重なる形で組込まれている
RF基板の中央にソニー製IC CXA1611M が鎮座している
RF基板の型番は FR-7100Aとなっている

RF基板にSony CXA1611M が使われている。IFT以外に、セラミックフィルタ(AMとFMの両方)が採用されており、感度や選択度のアップに貢献している。ほかに、チューニング同調LEDが機能する。

AF基板の初段に 2SC945(実測したhfeが260)が使われており、その後に IC (型番は裏にあって見えないが、ネット情報から推測すると、松下製 AN7116だと思われる)によるアンプとなっている。Tone回路が内蔵されていて、音質はよい。

ケミコン1uFの4つ、4.7uFの1つ、10uFの2つをセラコンやフィルムコンに取り替えておいた。劣化したわけではなかった。また、電源電圧は6V(単二4本)だったが、充電可能なリチウムイオン電池 18650二本(7.2~8.2V)を使うように改造した。2つのICはともに電源電圧 3~9V に対応しているからだ。また、6VのACアダプターが使えるために、2.5mm DCジャックを追加した。

18650充電電池2本とACアダプターが使えるように改造

木箱といえども、穴を開けるのは厚みがあるので、アルミと違う意味での困難さが実物をみて感じた。Sメータと周波数メータをできるならば追加したい。とくに周波数メータは本キットにチューニング減速機構がない分、なくてはならないものだと感じている。

全体的に、本キットは学校の教材としてよく考案したものだと感心した。しかし、残念なことに、フォアーランド電子社は2016年3月に廃業したみたい。

本キットの販売はいつだっただろう。ワイドFMになっていること、韓国製スピーカが使用されていること(Fourlandとのプリントがあって、委託生産だったかも)等から、80年代後半から90年代前半の間の発売だったと推測する。当時の工業高校生がいまは40代か50代になったなぁ。

今後メンテのため、2つのICチップのデータシートを保存しておく。ネット上にあると必要な時に見つかるとは限らないから。本サイト(自宅サーバ)は2004から毎日稼働してきたことは自己満足すべきだ。

CXA1611Mのデータシート(ソニー社FM/AMラジオ)
AN7116のデータシート(1W オーディオアンプ)

何年もまえに aitendo からDSPラジオ用 6959 モジュールを購入していたが、やっと作り気になって、ラジオにしてみた。

DSPラジオモジュール 6959

ちゃんと機能するかどうか、確認するため、まずバラック実験をした。FMモードかAMモードかに応じて、モジュール上のLEDがそれぞれ点灯する。少しでも節電するため、ふたつのLEDを取り外した。また、R1、R2というふたつの抵抗器を外すことで、音量が約3倍大きくなるとの記述がマニュアルにあったので、合わせて外した。

LED D1, D2、抵抗器 R1, R2 を取り外した。基板に若干の傷をつけたが。

バンドの切替に、ロータリスイッチは操作性がよいので、2回路11接点のものを使った。12接点との説明の商品だが、手にしたら実際に11接点しかなく、仕方なくそれを使った。2回路を選んだのは接触不良を無くしたいためだ。2層のスイッチを実際に並列接続して、片方でも導通になっていればOKという目論見。

11バンドは以下のように選んだ。
FM 70MHz ~ 93MHz
MW 522kHz ~ 1620kHz、9kHzステップ
SW(5kHzステップ)
  4.7MHz ~ 5.6MHz
  5.7MHz ~ 6.4MHz
  6.8MHz ~ 7.6MHz
  9.2MHz ~ 10MHz
  11.4MHz ~ 12.2MHz
  13.5MHz ~ 14.3MHz
  15MHz ~ 15.9MHz
  17.4MHz ~ 17.9MHz
  21.4MHz ~ 21.9MHz

バンドの切替は BAND-FM 端子をGNDに、BAND-AM の切替による。FMは上限受信周波数を 108MHz(少なくてもFW補完放送の上限 95MHz) にしたかったが、うまく切替できなかった。

ボリューム調整として、2連100kΩ Aタイプの可変抵抗をつかった。たまたま手元にあったから。今回は2連の片方をつかったが、経年経過による接触不良になれば、残り片方にハンダ付けし直して切り替えることが可能。

チューニングとして、10回転の 50kΩ ポテンショメーターをつかった。バーニヤダイアルを取り付けて、抵抗値からある程度受信周波数がわかるかもしれない。

バーアンテナとして、手元に最も長いもの(180mm)をつかった。多少でも高感度にしたいから。インダクタンスはLCRメータ(DEREE DE-5000、秋月より購入)で測ったところ、100kHzでは 363μH、Q=50。

電源として、充電式リチウムイオン電池 18650 をつかった。消費電流は平均 60mA のようで、毎日3時間聴くとしても、1回の充電で2週間ぐらいはもつはず。

バーアンテナ内蔵のため、プラスチックケースをつかった。スピーカーまで内蔵するので、結果的に大げさのサイズになってしまった。

なお、トランジスタ 9018 によるプリアンプは実装してテストしてみたが、自分のアンテナ環境では、SW(短波)の受信では却って混信がひどくなり、いいことはまったくない。FMではあったほうが確かによい。それも自分のアンテナはHF用で、FMに対応していないからだろう。つまり、アンテナがしっかりしていれば、プリアンプは必要ないということだ。

プラスチックケース(21x23x8cmというデカさ)に収納
正面。左(上)から:電源SW、イヤホン・外部SP端子、ボリューム、バンドSW、チューニングLED、チューニングダイヤル。
背面。左から:18650電池ホルダ、FM・SW用外部アンテナ端子
内部の上面にスピーカーを取りつける。撮影後、SPを防磁式に変えた。
内部にはガラガラだが、バーアンテナが長い
接続部分はけっこう工夫した

低コストで、なんの調整もなしに、誰もが簡単にFM・MW・SWを受信するラジオを作れるのはDSPラジオの醍醐味。21MHzバンドの短波放送局が少ないので、受信できた局はほとんどなかったが、ほかのSWを含めたそれぞれのバンドはガンガン聴こえる。とくにFMでは外部アンテナがなくてもワイドFM(FM補完放送)を受信してしまう。たとえば、TBS放送 90.5MHz(ボリュームの約80という位置)、文化放送 91.6MHz(84という回転位置)、ニッポン放送 93.0MHz(約89という位置)。ただし、地元の栃木放送(94.1MHz)はFMバンドの上限(93MHz)を超えたので受信できなかった。

また、真空管ラジオと違い、受信周波数のドリフトは全くない。ポテンショメーターによる分圧の値を使っているので、チップ 6959 がちゃんと設定・製造されていれば、ドリフトのないことは当たり前かもしれない。

音質はよいのもメリットのひとつ。スピーカーの良さとも関連するが、選択度を決めるフィルターがDPS化されているので、帯域の狭さによる音質低下が少ないのがその理由かもしれない。顕著に現れているのはSWバンドで、音楽を聴くとその違いがよくわかる。

当然、欠点がないわけではない。

ひとつは、MWでは、NHKやローカル局(栃木放送)以外に、ビートノイズ(救急車がサイレンを鳴らして遠くで走っているという音)が背景に聴こえること。

原因はわからないが、①バーアンテナがDSPモジュールに近すぎたから?ネットでは5cm以上離せるべきだとの意見がある。②バーアンテナが長すぎて、感度を極端に高くしたから?③スピーカーに近すぎたから?

原因の①と③はバーアンテナを離して確認すれば本当かどうかはわかる。原因の②は短いバーアンテナをつかうことで確認できる。なお、バーアンテナに関し、マニュアルでは、バーアンテナの長さ80mm、コイルのインダクタンス350~450μH を特性の測定条件にした。

ということで、原因①と③について実際に離してみた。ビートノイズは減っていない。また、②について長さが120mmの短いバーアンテナにしてみたが、感度が大幅に低下したことがわかった。昼間では文化放送(MWでは1134kHz)が受信できなくなったから。

そして、本製作の最大の欠点は受信周波数がわからないこと。チューニング用のポテンショメーターが受信周波数と線形関係であれば、PICマイコンを使い、ポテンショメーターによる分圧電圧値を計測し、受信周波数を大まかに表示できるかもしれない。実験した製作記事はたしかにネット上に上がっている。根本的な解決は違うDPSラジオモジュールを使うことだ。たとえば、モジュール 6955 なら受信周波数を外部に出力している。

自己メモ。

安かったので、メルカリからジャンク品を購入、送料込2k未満。到着して確認したところ、ケミコン 470uF/6.3V はひとつ破裂していて、しかも電源SWやバンド切替SW等は全般的に硬い。

分解作業はソニーのラジオにしては珍しくとても簡単。ソニーは技術力がピカイチとよく吹聴されるが、見てきた昔のソニーラジオは分解が難儀ものが多く、治す気はしない。

本機種は裏フタの固定ネジ4本を取り外し、裏フタのアンテナとのリード線が短ければ、それをハンダ付けで溶け外し、トップにあるTone(低音と高音)に関するノブ2つを外す(固定ネジがなく、力をいれて抜くだけ)と、スピーカを含めた基板を取り出すことができる。スピーカは基板に固定されてはいないが、外れないように1箇所ハンダ付けされている。

基板を取り出したところ。4本のネジは基板を固定するものではなく、裏フタを固定するものなのだ。

破裂したケミコンを交換したら、音が出るようになった。しかし電源(4.5VDC)電流の大きさが異常で、500mAにも達している。原因はAF段のTr 2つ近くのサーミスター(違うかもしれないが、約4mm大きさの楕円球体で、表記はなく、抵抗値は約25Ω、指で触ると抵抗値が変動する)がふらふらしていて、断線しているようだ。それをハンダ付けし直すと、電流が正常状態に戻り、放送を受信していないところでは電流値が20mA以下に下がった。

しかし、他の問題は音量の低下とともに気づいた。ひとつは受信感度がいまいち、高感度ラジオにしてはおかしい。もうひとつは音質が悪く、大きな音量では歪がひどく、音が割れてしまう。

受信感度の低下はどうも初段FETの問題のようだ。初段FETは TX173 C1 という表記だが、正体不明。手持ちの 2SK192A-GR で交換したら、却ってノイズだらけになってしまった。代わりに、2SK241-GR(AliExpressから仕入れた本物かどうかは不明なもの)で交換したら、受信感度がおそらくもとに戻った。おそらくとは正常な状態で聴いたことがないので、あくまでも推測だということ。

交換したFETと、Tr(6つ)

AF段以外のTr(2SC710というものが 7つ) については、ついでにひとつ除いて交換した。ひとつ除く理由はそれが基板のシールド板で隠されていて、シールド板を外すのが面倒だから。取り除いた 2SC710 はすべてSonyブランド(実際の製造は三菱かも)、hfe値は2つが65前後、2つが85前後、1つが100、1つが135。交換用Tr は互換といわれる 2SC1675、hfe値は100前後が5つ、s9014(hfeが350)が1つ。s9014を使う理由はとくにないが、遊び感覚でhfeの大きいTrを使いたかっただけだ。

ただし、ソニーの名誉のために書くが、2SC710は確かに足が黒くなったが、不良になったことではない。足が腐食して折れない限り、交換しなくてもいいかもしれない。今回の交換はただの遊びで、無駄遣いするだけのなにものでもない。

各バンドの感度を確認していて、ひとつ感じた問題は短波受信の実用性だ。チューニングダイヤル自体はスムーズとはいえないこともあり、特定のラジオ局を受信することはほとんど不可能。

さて、音質の問題はスピーカを外してよく確認したら、スピーカのコーンの問題だとわかった。理由不明だが、コーンが多少変形していて、エッジは一部浮いているようだ。

緑に錆びているところで、基板とハンダ付けして外れないようにしてある。
わかりにくいが、8時方向に圧着された痕跡があり、エッジが一部金属から浮いている。

スピーカを交換すれば完璧だが、同じ種類のスピーカを入手することはおそらく不可能。そういうことで、エッジをナイフで金属から剥がし、木工用ボンド(糊)で貼り直した。

80年代に憧れていたBCLラジオ 松下 National RF-B30 を手に入れた。周波数表示が89.305のままになってしまったジャンクだが、外観はそれなりに良さげ。

MWとSW(1.6-30MHz)以外に、ワイドFM(76-108MHz)が受信できるところは電機メーカーの製品らしい。MWのバーアンテナ内蔵もラジオならではの特徴(通信機はふつう考えられない)。商用電源交流100V以外に、バッテリー8本による給電可。

さて、ネット情報を頼りに、一日かけて分解修理をした。故障はPLLユニット上のケミコン(470uF/6.3V)のショートによるものだった。このケミコンのショートは多く報告されており、ギリギリの耐圧による問題かもしれない。自分の場合、外部から定電圧電源12Vをバッテリー端子に繋いで流れる電流を確認したところ、交換する前の約0.5Aから、交換後の約0.2Aに変化した。つまり、周波数表示が89.305に固定されてしまった場合に、全体の電流が0.5A前後であれば、PLLユニットのケミコンによるショートが原因と考えていいかもしれない。

PLLユニットの分解はなかなか大変なので、その他の耐圧の低い470uF/6.3Vの3つ、100uF/6.3Vの2つ、47uF/10Vの1つもついでに交換。ただし、ICチップを跨る100uF/6.3Vは交換しづらい(基板への溶接点がシールの下に隠されている)ことから、見送った。なお、ショートしたケミコン以外に、他のケミコン6本はいずれもそれなりに良好の状態にあった(無論新品ほどではないが)。

その交換だけで、機能がすべて回復したようだ。感度はもっているほかの通信機ほどよくないが、まあまあの状態。FM聴けることは自分にとって新鮮。

短波の受信
宇都宮市内からの広島放送(RCC)の受信
ローカルFM局(FMアンテナではない)
回路図もマニュアルもないので、外部アンテナをこのように繋いで受信。右下のアンテナSWは右側に切り替えたことに注意。

チューニングはMW、SWでは周波数分解能が1kHzなので、アマチュア無線を聴くことはほとんど無理。LSB/USBモードは一応ついているが。

また、PLL機能のおかげで、周波数安定度は抜群。スピーカーの音声も聴きやすい。BCLラジオとしてはこんなものかもしれないが、通信型受信機には歯が立たないのが自分の使用した感想。BCLラジオの素晴らしさはいま(2020年)になってもよく宣伝されるが、通信型受信機を知らない人向けのものだろう。BCLラジオが何台あっても1台の通信型受信機に敵わない。

携帯式ラジオ 東芝 Toshiba 9TL-365S が届いた。MWとSW(3.9 – 12MHz) の2バンド、単2電池4本使用。1960年発売だそうだ(要確認)。

左のダイヤルはボリューム、右はチューニング。
裏カバーの裏に貼ってある紙の銘板
パーツはすべてオリジナル品か。3連エアパリと真空管ラジオ用オイルコンが当時の特徴
クリーニングのためにスピーカーまで下ろした。

ゲルマPNPトランジスタを9本使用。当時では、トランジスタの数はステータスシンボルのようで、型番でもラジオの正面でも裏でもその数である9を人々にアピールしようとしていた。9個も入ってるだぞ、すごいだろ。いかにも貧乏くさい発想。

9個のトランジスタの内訳(一部については本機でも確認済)、すべて東芝自家製。RF用3つのトランジスタはどれも4本足、最大コレクタ電流が5mA、気をつけないといけない。
 2SA57(本機は2SA58) RF増幅
 2SA92(本機も2SA92)ローカル発振
 2SA58(本機は2SA93)混合
 2SA49(本機も2SA49)IF増幅
 2SA53(本機も2SA53)IF増幅
 2SB54(本機も2SB54)AF増幅2段
 2SB189(本機では型番は見えない)PA2個

ネット上に見つけたスペックと回路図(回路図があれば修理はなんとかなる)。

ペーパーコンデンサの5つを全数交換。オイルコやンデンサを交換するつもりだったが、測定したところとくに異常はなく、まだまだ使えそう。

焦げた抵抗器 1.5kΩ をひとつ発見。測定したところ、抵抗値に異常はないものの、やはり交換した。

ボロボロリード線は使われなくなった。リード線の質に気づいたのかもしれない。ただし、アンテナ線はとても短いので、念のため交換した。

小さいシャーシではあるが、コンデンサや抵抗器の交換は以外にやりやすかった。

交換した部品。オイルコンデンサ2つは良好で、交換の必要性はなかった

また、内部がほぼ透明(ゲッタがない)になった真空管 35W4。一応手持ち品で交換。

整流管 35W4。ゲッタが消えている。

いよいよ通電。絶縁トランスと60W電球による保護回路に繋いでスイッチON。異常はなく、NHK第一放送は間もなく聴こえた。ただ、感度はよくなく、音質もいまいち。整流管の問題かもしれない。

さらに大きな問題が発覚。2つあるスピーカーのうち、片方は音がせず、コイル断線しているようだ。リード線の部分が腐食で断線していればいいが、コイル内部だと修理することは諦めざるを得ない。アウトトランスの乗せる側なので、同じ規格のスピーカーを探すことはほぼ不可能。

片側のスピーカーが断線している。しかもアウトトランスの乗せる方で、同じものを探すことはほぼ絶望。

アウトトランスを下ろして、キャビネットのどこかに固定し、2つのスピーカーをほかの同サイズのものに置き換える。こちらが現実的解決法かもしれない。

さて、手持ちの10cmスピーカーを入れてみた。サイズや形、インピーダンス、最大入力パワー、オリジナルと同等品を探すのは大変。手持ちは8Ω5W、理想とする3Ω1.5Wではないが、加工しなくて入るだけでも感謝しなくちゃ。

手持ちの4インチスピーカーで代用。加工しなくて入った。ラッキー。

アウトトランスをキャビネットの中に斜め設置する。アウトトランスを降ろさなくても、奥のイヤフォンコネクタを外せるようにしたい(スピーカーの右下1角のネジで固定されている)し、半田付けに困ってはいけないこと等から、斜めがよさげ。なお、アウトトランスを固定する金具はコイルと導通していないので、改造によって増設した底の固定ネジを触っても感電することはないはず。

片側のスピーカーに乗せたアウトトランスをキャビネットに斜めに設置
できたのがこれ。いつか、両方のスピーカーを同一製品に揃えたい。

短波はともかく、AMの感度はいまいち。この内調整する予定。また、音質もいまいち。なので、抵抗器についても調べてみた。抵抗器の両端の抵抗値が表記された値よりも大きくなるはずはない。並列抵抗器によって抵抗値は小さい方向になるから。

これで、3つの怪しい抵抗器を見つけた。

表記4.7MΩ、実測約7.4MΩ。
表記470kΩ、実測約600kΩ。
表記270kΩ、実測約411kΩ。

抵抗値が大きくずれた抵抗器も3つほど存在。

真空管ラジオはいい加減なものでもたいていは動くが、気持ち的に不安なので、交換した。音質もなんとなく良くなった気がする。小さいスピーカーのせいなのか、まだ満足の行っているレベルではないが。

4連休も本日で終了。感度調整や音質改善等の課題は残っているものの、聴くにはとくに問題はない。仮組立てておこう。

その前にシャーシの裏を撮影しておく。

コンデンサや抵抗器を交換したシャーシ裏
シャーシをキャビネットに組み込んだ

シャーシを固定する底ネジを取り出して使ったら、そのてっぺんがプラスチック製であることに気づいた。トランスレスゆえの感電防止策だね。いわゆるユリヤネジ。暇を見て、アウトトランスの固定ネジもユリヤネジに取り替えよう。手で触れるところはすべてプラスチック、松下の拘りに同調する。

ユリヤネジで感電防止

4連休の二日目、トランスレス真空管ラジオ 5球スーパー 松下(ナショナル) E-330 が届いた。

今までの数台と違って、外を何もクリーニングしなくてもそのまま撮影できる状態。いや、そういうのが正常なんだよね。いままでは異常。

ネットによる未確認情報によると、1962年の発売。キャッチフレーズは「豊かな音があなたを包む2スピーカ・2バンド・ルーム・ラジオ」。販売価格 7,450円。

外観やスペック、使用される真空管の種類、回路図等はすべて写真が語ってくれるので、言葉による説明は省略。

ニセステレオ。2つのスピーカーはただ並列しているだけの松下「スピリット」
ダイヤルループのかけ方
使用する真空管とラジオのスペック
シャーシは立っている。重い真空管2本の落下をバネで防いでいる
プラステック箱の内部に貼られている回路図(最大解像度)。
同じ回路図をもう一枚。こちらはフラッシュ撮影。

重要なシャーシの取り出し方。下の写真にある、シャーシのほぼ真ん中に位置する四角い小窓から、チューニング位置を表す赤矢印のインジケータ(正面から見た場合)をダイヤルロープ(糸)に固定するネジを緩めて、ロープを上に上げてそのインジケータから外す。そしてキャビネットに底からのネジ2本、シャーシの上部を固定するネジ2本、計4本のネジを外してシャーシを取り出す。

取り出したシャーシの表
ブロックコンのスペック。すべてのケミコン(電解コンデンサ)はそこに集約。
シャーシの裏
同じくシャーシの裏。

整流管 35W4 は内部がほとんど真っ白になっているので気になる。交換が必要かも。バネのついた真空管はどう取り外すのだろう。バネを先に外すのかな。

ペーパーコンデンサは5つ(ひとつは違いかもしれない。筐体にGNDシールあり、中身の確認が困難)。ボリュームからの結合用(0.01μF)以外の4つは、アンテナを感電から防止するためのものが3つ(1000pF、0.02μF、0.05μF)、PU(Phono)入力を感電から防ぐためのものが1つ(回路図上は5000pF、実態は6800pF)。

オイルコンデンサも複数使われている。

ラジオ熱があがったので、中国AliExpressで、送料込約25米ドルで注文した。コロナ禍の影響か、届くまで約1ヶ月かかった。

受信周波数が 100KHz~1.7GHzという
2020.7月出荷。注文時期は6月だが、7月に届くことを見越したかも。

保証期間をもともと無視しているので、早速分解。

アルミケースに差しているだけの構造。しかし、GNDはアルミケースと接続している。
熱をアルミケースに逃す工夫もしている。
ダウンロードすれば大サイズで確認できる。手抜きはしていないようだ。

アンテナコネクタはSMA、そのGNDはUSBともアルミケースとも繋いでいることはテスタの導通で確認済。アンテナコネクタもUSBも基板にハンダ付けされているだけなので、交換できるはず。

基板のハンダ付けは割ときれい、目視での確認をパスしている。

高性能のアンテナがないと意味のない製品だが、自作のループアンテナをBNC変換コネクタで接続。PCとはUSB延長ケーブルを使った。

SMA-BNC変換コネクタにより自作ループアンテナに接続
BNC以外に、M型(UHF)との変換コネクタも重宝されるはず

夜の8時半頃、ちょっとした調整で、宇都宮市から広島の中国放送(RCC、1350KHz)が聴こえた。感度はアンテナに大きく依存しているようだが、ふつうの高性能ラジオと比べて、それほどダメな感度ではない。

宇都宮市で聴く広島・中国放送。干渉波があったのでUSBで聴いた。

使用したSDRソフトは SDR Console V3。ラジオ局を目で見えるところはさすがSDRの凄さ。わずか25米ドルで、高価なPerseusに似た使い方ができる。Perseusはその後全く進化していないが。

勿論、Perseusが対応していないFM放送の受信もバッチリ。

地元のラジオベリー(FM76.4MHz)。音質はFMなので良好

強力なFM局のステレオ放送を聴く時のSDR Console V3の設定:
 「Home」タブ中の「Bankwidth」を1MHz、RF Gainを0.0dB、AGCを必ずOff、さらに、Radio Configurationでは「HF Mode, Tuning」をDisableに。
 左側のオプション画面では、ModeをBFM、Filterを350kHzに。

整備に着手。まずはペーパーコンデンサとケミコン(ブロックコンは除外)をすべてフィルムコンデンサで交換。全部で11個。交換前のコンデンサ容量は以下のとおり。すべてナショナルブランド。

交換したコンデンサ。ペーパー10個+ケミコン1個。すべてナショナルブランド。

250pF(表記は0.00025μF)
3000pF(表記 0.003μF)2個
5000pF(表記0.005μF)
0.01μF 4個
0.05μF 2個(耐圧はそれぞれ500VDC, 610VDC)
(ケミコン)3μF / 300V. 33.1.I ナショナル CT-3003

同じナショナルでも輸出用と国内用の違い?

今回と前回のサンヨーの真空管ラジオで感じたことは、4700pF、0.01μF、0.047μFという3種類の高耐圧フィルムコンデンサは古い真空管ラジオのリペアに欠かせない。3000pFも5000pFも4700pFで代用して問題ないはず。

ケミコンの表記は、3μF 300V. 33.1.I ナショナル CT-3003

製造日付の確認できるケミコンとブロックコンから、本ラジオは昭和33年(1958年)の製品だと判断する。

品質保証のためか、真空管も抵抗器もコンデンサもバリコンも電源トランスもIFTもシャーシも、ブランド名の確認できる部品はすべてナショナルブランドのようだ。真空管ラジオに関するすべての部品を自社内で生産する体制を敷いていたのかもしれない。

5つのケミコンが内蔵されているブロックコン。こちらも昭和33年1月の製造。
シャーシの質はしかし良くない。シャーシもナショナルブランドだが。

ブロックコンは測定した範囲では、大きか劣化はないようだ。通電してないので、本当のところはまだわからない。やり方は、共通したマイナス(GNDに接続している)を外して、A~D、Lとマイナスとの両端をそれぞれLCRメータで測定。ブロックコンは同じ規格のものが恐らく市販されていない。取り替えるなら別々のケミコンで代用するしかない。

ボロボロの線材を交換。パイロットランプと、PH/MW/SWランプとの接続リード線だけはボロボロ。ほかの線材は問題ない。また、短めの電源ケーブルも交換。アンテナリード線も短めだが、交換せずそのままにしておいた。

+B電圧が印加のために、スイッチから発火したとのネット情報あり、スイッチに追加せずバイパスした。PU(Phono入力)は自分としては絶対に使わないし、スイッチはMW/SWだけでも全く問題ない。ただ、この改造によって、PUが使えないわけではない。マジックアイが常時点灯するだけだ。つまり、改造のまえでは、PU使用時にマジックアイ6Z-E1に+B電圧が印加されなかった。改造後では、+B電圧が常時印加される。その違いだ。

+B電圧の印加による発火恐れのため、赤丸のリード線2本はスイッチをバイパス。
スイッチにいくリード線をカットして、シャーシの内部で接続(赤丸内)
交換したコンデンサとリード線を再確認して、いよいよ通電へ。

トランス式ラジオに入らないかもしれないが、ショート確認のアダプターをとりあえず、取り出して使ってみた。60W電球を回路に直列しただけのアダプター。ランプ用台座等はほとんど100円ショップで購入でき、大変ありがたい時代。

トレンスレスラジオに必要な安全装置。

上記のアダプターは今回のトランス式では、通電したらランプはあまり輝かないのはトレンスレスと同様だが、電圧が低くなった影響で、ラジオは鳴らなかった。数分間待って、火花や臭いのないことを確認して、正式に通電。

問題なくスピーカーが鳴いた。ボリュームは僅かなガリがあるが、それほど気になることではない。感度もOK、音量も十分(HiFiとは到底認めたくない。所詮ラジオ)。スイッチ類も問題を感じない。コンデンサとリード線の交換だけで動いたみたい。

真空管の灯火。周りが真っ暗になってもよくわからない一枚。

しかし、問題はまったくないわけではない。豆電球 6.3V 0.25A がひとつ断線していることが発覚。また、痛いことだが、マジックアイ6Z-E1 が大変暗く、昼間ではほとんど見えないこともわかった。

周りが真っ暗になって、やっとこの有様。実用性ゼロ。

豆電球はAC 6.3Vを使っているので、LEDによる代用を考え、このうち自作しよう。全部で6個が必要。マジックアイは大変高価、このジャンク一台を買える値段。諦めるしかない。

NHK第一を聴きながら、パネルのクリーニングに取り掛かる。上部分(スピーカー部分)のアクリルを8本のネジを外して下ろす。終わったら下の透明アクリル部分。こちらは7本のネジ。木箱から簡単に外れるところは素晴らしい。

シャーシを木箱に組み込み、豆ランプの断線は代用品が到着次第装着することにして、一応の整備完了とした。

木箱の大きさはシャーシとの比較でよくわかる。こんな大きさのラジオを欲しがるひとはいまやいない。
チューニングは案外大変。NHK第一の593KHzと栃木放送の1530KHzはほぼ両端。遠すぎる。

大きな箱に収められて、また真空管ラジオが到着。松下 EA-685。トランス式 マジックアイ付き5球スーパー。HiFiを売りにしているようだが、スピーカーを2つ並列しただけの「松下スピリット」。

本人にとって、トランスレス式はどうしても邪道だと思い、トランス式にしたい思いで、本ラジオを選んだ。しかし、この大きさときたら、置く場所に困ってしまう。

ホコリだけらの状態で届けられたので、すぐに分解して内部をクリーニング。ホコリの割に、内部の状態はそれほど悪くない。裕福な家で過ごしてきたのかもしれない。少なくとも、内部に湿気等の腐食は感じられなかった。経年劣化でリード線がボロボロになり、シャーシが一部錆びているところはしょうがないことにした。

分解の手順や、回路図等が底や内部に貼られているので、大きな写真で公開。とくに回路図関係は貴重な公共財産、歴史的価値が十分ありとの認識で、デジカメの最大解像度のままにしている。写真だけの表示や、ダウンロードして細部までが確認できると思う。

底(内部シャーシの底ではなく、本体の底)に貼られている分解説明。
今日となったら、無意味になった特許関係の説明。松下は最高といいたいか?
シャーシを取り出した内部。内部がほとんど傷んでいないところはラッキー。
内部の左側壁に貼られている回路図。手持ちデジカメの最高解像度による撮影。
隠れたところをもう一枚。至れり尽くせり。
右側壁にあるスペック、配置図。ひとでよる検査。3人が生きていればいいなぁ。
シャーシを上から撮影。
シャーシの裏。こちらの写真も最高解像度のまま。ペーパーコンは11個か。

ペーパーコンデンサの交換、ボロボロになったリード線の交換、ブロックコンの確認、これらの作業を終えて通電する予定。スイッチの絶縁不良もよくあるとのことで、それについても気を使わないといけない。