電源トランスは従来のシリーズ電源では大きくて重いものだったが、スイッチング電源の登場によって小型高周波トランスだけでよいことになった。大型電源トランスは駆除され、ますます入手困難になっていく。
本記事では、電源トランスの良否を電子負荷でテストしてみる。
そのまえに、購入した電子負荷は直流専用で、トランスの交流電圧に対応できないので、簡易整流回路を用意しておく。ブリッジダイオード+平滑コンデンサという組み合わせ。
手元にあった大型ブリッジダイオードとして、BR154をみつけた。BR154は
15A / 400V というスペックで、電子負荷キットの最大電流20Aに及ばないものの、問題になることはないだろう。また、電解コンデンサとして、4700uF / 50Vをみつけた。100V以上耐圧のものがあれば使いたいが、大容量で高耐圧の電解コンデンサは残念ながら手元にない。
手元にさまざまな電源トランスが残っているが、取り敢えずだいぶ昔に購入したTOEI電源トランスで実験してみた。1次側は90Vか100V対応。2次側は2組、それぞれ 18V / 0.2A との表記。
電子負荷はひとつしかもってないので、電源トランスの2次側を直列接続してテストすることも考えたが、直列接続すると電圧は36Vになり、有効値から最大値に直すと、36×1.414 = 51Vになり、さらに無負荷時の数割増しの電圧を加算すると、電解コンデンサの耐圧50Vを数割超えてしまう。2次側の直列接続は諦めるしかない。
そこで、2次側の1組に電子負荷、もう1組に100Ω抵抗をつけることにした。18/100 = 0.18A、定格電流の0.2Aに近いので。
無負荷では整流回路の出力電圧は約25V。電流を定格の約0.2Aに調整すると、電圧は18.3Vに低下。
さらに2割増しの0.24Aに増やすと、定格電圧の18Vになった。トランスの2次側電圧と整流回路の出力電圧は異なる値とはいえ、一応定格の電圧と電流が得られた。
±15Vオペアンプ用電源として購入していた電源トランスだったのかもしれない。15Vとの3Vの差は三端子レキュレター(7815や7915)のために確保したものだ。
ここまでのテストで、±15V / 0.2A の定電圧電源用電源トランスとしては問題ないと言えよう。