簡単なほうを先にやった、焼損した抵抗器のリペア。1台目を確認したところ、裸の抵抗線が螺旋状で繋いでたので、0.5mmのマンガニン線を鉛筆に適当に巻き、切断して作ってみた。測ったら1Ω強の抵抗値を示した。

120217-2.jpg

短くするのは簡単なので、とりあえず長めに半田づけした。元の抵抗値は分からず、トライ&ゴーでやっていくつもり。

120217-3.jpg

適当な電圧をかけたら、メータ自体は動いた。指針がまだつけてないので、苦労はこれからだろう。

120217-5.jpg

必要とする指針の長さは約80mm、ストレートタイプで良さそう。他の大型メータからゲットすれば成功の可能性が高いが、献体を物色しなきゃいけない。時間がかかりそう。

マルチテスタではないが、17レンジでDCV、DCAが測れる。しかも、精度階級が0.5級と大変高く、フルスケールに対し、0.5%以内の誤差となる。入手した製品は1964年製、約50年前だが、いまでもほぼ同じ機種が希望小売価格¥83,000で販売されている。こんなロングラン商品はほかにあるのだろうか。

大型で重い。テスタ YEW 3201を隣に並べると小柄のように見える。内部抵抗が1kΩ/Vと低いことが唯一の欠点か。ロータリースイッチが排除され、可動部による信頼性低下を防いだ。

内部の抵抗器はすべて巻線で丁寧に作られていて、よく見かけるような市販品はひとつもない。約50年経っても、精度がいまでもスペック内にキープされている。恐ろしい製品だ。

120209.jpg 120209-2.jpg 120209-3.jpg 120209-4.jpg 120209-5.jpg 120209-6.jpg 120209-7.jpg

下の写真は3V入力に対する指針の表示と内部抵抗を示すもの。表示誤差はほぼゼロ、抵抗器誤差は0.02%。

120209-8.jpg 120209-9.jpg 120209-a.jpg

ついでに、他の電圧レンジ 10, 30, 100, 300, 1000Vに対するそれぞれの内部抵抗を以下に示す。相変わらず精度が高く、すべて0.1%以内。メータと抵抗器だけで構成される単純回路がゆえの絶対的信頼性。

120209-10.jpg 120209-11.jpg 120209-12.jpg 120209-13.jpg 120209-14.jpg

目に留まるマルチテスタがない中、AV(おっと、電流・電圧のつもり)計が次々と送られてきた。今度は1959年頃製、大変古い電圧計の登場。

初めて聞く会社名。調べたら東京渋谷に現存している優良中小企業のようだ。木箱と一体化し、JIS C 1102に合格した0.5 Classのメータを搭載している。銘板に1959.9との日付刻印があることから、その頃製造したものと考えられる(奇しくもニコンFの発売と同じ年)。0.1, 0.3, 1, 3Vの4レンジ。50年経ったいまでも精度に問題なさそう。

フロントカバーを開けて軽く掃除した。内部の左一部に錆が発生していて、保管状態はあまりよくなかったのだろう。銘板の下に「木日」と赤の手書き文字があり、製造か検査印かもしれない。手持ちのこれよりも10年後製の横河電機と比べて手作り感が強いが、尊敬できる製造メーカであることは間違いない。

ゴミとして捨てられるよりも、自分以上に長生きしてほしい、古い良き昭和時代の形見として。渡辺電機に寄贈するのも一案かな。当時の社員が見たら感無量だろう。

111126.jpg 111126-2.jpg 111126-3.jpg 111126-4.jpg 111126-5.jpg 111126-6.jpg

あっという間に横河の0.5クラス電流計や電圧計が4台に増えた。500円、1000円で買えるから、ほっとくわけにか行かなかった。

最初に手にした1台はやはりおかしい。いくらやってもある箇所で針が引っかかる。あまり見かけない故障だし、気づかないひとは見逃してしまうかも知れないが。

メータの内部にホコリも溜まっているし、内部の構造もみたいので、分解しちゃえ、という乗りでやってしもった。

111118.jpg

裏蓋のネジをドライバで取り外す。4隅の計4本。この作業は誰でもできそう。

111118-3.jpg

つぎは表蓋の取り外し。本来ならば専用のドライバがないと傷つけてしまうので、素人はやってはいけないこと。裏蓋のネジサポータ(銅合金製)4本を外す。

111118-4.jpg

これで表蓋が簡単に取れるが、横にずらさず、手前にゆっくり引きぬく感じで取ろう。

111118-5.jpg

日本が誇る0.5 Classのメーターが目にする瞬間、感動ものだ。20年経っても内部は新品同様、錆は全く見当たらない。

111118-6.jpg

でも引っかかる理由はいくら目を凝らして見つめても解らない。立てて使うと引っかからなくなるので、ネジの緩みかもしれない。結局掃除だけをして、元に戻した。自分が弄るとろくな結果にならないことは小学生から知っているから。

ずっしりした作り。それ以上にシンプルにできないところに魅力を感じている。大学生の実験ではよく使っていたが、目の前にあるとついポチってしまった。備品管理シールの跡は気になるが、他に目立つ傷がなく、年代相応といったところか。

メータのバランスはテスタの2台よりもよくなっているが、自分の満足するレベルにはまだ到達していない。レンジは 100mA, 300mA, 1A, 3A、自分の最も欲しいもの。Class 0.5級、精度のいいことを期待しよう(後できちんと測定するが)。1989年シンガポール製。メーカーのWebサイトで調べたらいまでも販売中のようだ。2011-36というのが正式な形名。

内部には巻線(抵抗の役割)、およびメータしかない。こういう単純さはアナログメータの強み。

111110-5.jpg 111110-6.jpg 111110-7.jpg

香港から2台目の計測器が届いた。

<ACミリボルトメータ LW TVT-322>
  2チャンネル
  レンジ 0.3mV~100Vの12レンジ
  測定確度 フルスケールの±3%
  周波数特性 20Hz~200kHz(基準の1kHzに対し±3%)
        10Hz~1MHz(基準の1kHzに対し±10%)
  入力インピーダンス 10MΩ / 50pF

本体以外に、3ピン電源ケーブル(日本では使えないが)、プローブ2本、簡易取説(英語&中国語)、および製品合格証がついている。

出荷までに2週間弱かかった。理由を尋ねたら電源電圧110Vの入荷が遅れたという。確かに製品合格証にメーカー出荷日が2011.10.7と書いてあった。電源電圧が220Vと110Vの2種類があって、日本にいる自分に対して110Vの入荷を待っていたことだったのか。

出荷以降は前回同様、スピーディに日本に届いた。今回も関税はなかったが、開けられて検査をうけた痕跡が荷物に残っている。

111015.png 111015-2.jpg 111015-3.jpg

元箱のままで送られた。それのせいではないと思うが、フロントパネルが凹んでいる。塗装にまでその衝突傷がついているので、メーカー出荷まえについていた可能性は否定できない。スイッチの穴あけ精度が低く、レンジスイッチノブの位置が目盛と大きくズレているし、電源スイッチが曲がっている。さらに、ケースに手垢が沢山ついていて、塗装に傷が多い。ケースの内側にも盛大な黒い手垢があり、内側の塗装は目を覆いたくなる酷さ。

111015-4.jpg

ダメ箇所はそれだけではない。レンジ切り替えスイッチにストップがない(つまり、360度ぐるぐる回せる)ことは自分に納得できない。100Vレンジからいきなり0.3mVレンジに入る恐ろしさはメーカー側が考えないのだろうか。いくら最大許容電圧は300Vと言ってもストップを外した理由は分からない。純粋にコスト削減のせいかな。

ということで、安かろう悪かろうの見本と言って過言ではない。このブランドは品質にまだ多くの課題が残っている。設計上の技術的な課題はともかくとして、凹みや手垢、塗装の酷さなど、工場労働者の質(教育)を向上させればすぐにでも改善できるのに、あるいは、出荷検査を厳しくすれば防げるのに。

なお、1時間ほどかけてテストした結果、機能や精度等はスペック内に収まっていることが判明した。外観等の品質を改善すれば競争力のある商品になり得ることだろう。

ジャンクとして入手した数十年前の日本製品 TRIO VT-121に比べて、感度や周波数特性等、技術的な面では今回の商品が優れているが、フロントパネル作り、レンジ切替スイッチの使いやすさや目盛とのズレ等、まだ日本製品に追いついていない点が多い。ただ、日本の問題点はコスト高で、ミリボルトメータの生産をほとんど止めてしまったことだ。リーダー電子製だけはまだ新品購入できるが、8万円という値段ではアマチュアが買えない。デジタルオシロの自動測定機能のおかげで、現状ではミリボルトメータがなくても困らない。

111015-5.jpg