テスタの点検で精密電源を使おうとしたら、なんと電源スイッチが見当たらない。よく見てみたら、スイッチレバーが無くなっている。テーブルにスペースがないので、取り替えたり使っているとぶつかってしまったようだ。

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取説を見ながら、校正を試してみた。3ヶ月ごとの実施を推奨しているので、頻繁にやる作業。

しかし、校正に必要なDMMに対しては要求が厳しく、分解能 1uV以上、レンジ 1V, 10V, 100V、確度 ±0.001%以上。自分の持っているものはだめで、Agilent 34401Aでも不合格のようだ。電流の校正には分流抵抗器 10Ω/1W, 100Ω/1W, 1kΩ、確度±0.001%以上が必要とのこと。

調整順序として、①ゼロ調整、②10V FS、③1V FS、④100V FS、⑤10mA FS(1k抵抗器使用)、⑥100mA FS(100Ω抵抗器)、⑦300mA FS(10Ω抵抗器)、と規定されている。なお、⑤~⑦はDMMの10Vレンジを用いる。

ひと通り実施したが、果たして校正されたかは分からず、気分的に済ましたぐらい。ちなみに、前回最後の校正は1995年9月だとシールが語りかけている。

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久ぶりに大物がきた。バカでかさと重さに閉口した。改めて取説で確認したら15キロもある。うさぎ部屋には置けそうにない。

80年代、タケダ理研(後のアドバンテスト)が絶好調時代の製品。高精度のDAC+バイポーラアンプが5.5桁の精密電圧電流出力を可能にしたという。

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主なスペックは以下のとおり。

<出力電圧>
  レンジ1V: 出力 0~±1.22221V, 最小ステップ 10uV
  レンジ10V: 出力 0~±12.221V, 最小ステップ 100uV
  レンジ100V: 出力 0~±122.221V, 最小ステップ 1mV
  レンジ10mA: 出力 0~±12.2221mA, 最小ステップ 0.1uA
  レンジ100mA: 出力 0~±122.221mA, 最小ステップ 1uA
  レンジ1A: 出力 0~±0.32221V, 最小ステップ 10uA
<総合確度>
  電圧レンジ: 0.030%
  電流レンジ: 0.037%
<安定度(室温23℃±1℃、湿度85%以下)>
  1日: 0.004%(=40ppm)
  3ヶ月: 0.009%(=90ppm)

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いつもの通り、トップカバーを外して開けてみた。

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出力電圧電流を簡単に調整できるように作られていて、6.5桁以上のDMMがあれば自力でも調整できそう。

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そのアルミカバーをさらに取り外すと精密電源と精密抵抗が現れた。

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操作性自体は使いやすいものではないが、わかりやすさでは文句なし。アナログテスタの調整やチェックに十分過ぎるスペックだ。

ICの足が結構錆びていることが気になる。綺麗にクリーニングしておきたい。ついでにケミコンの取り替えも必要な作業かも。

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ところで、精密交流電圧電流源はなかなか見当たらない。

0~99.99V/0~0.4A or 0.8Aの精密電源。80年代の製品。外観がくたびれているが、実力が健在。

出力電圧・電流の精度にとくに問題ない。ただ、OVERVOLTAGEボリュームを少しでも回すと警告ランプが点く症状があった。吹きつけてボリュームを洗浄してやったら症状が改善した。

ファンがなく、リレーもなく大変静か。100 DCVの電源は手元にないので、自分にとっては貴重な逸品。

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↑出力電圧設定用の精密抵抗20個。2ppmという表記。計測器の生産に当時コストの意識はなかった?比べて、ボリュームは安物。ガリにならないほうがおかしい。

米National Semiconductor製精密基準電圧源 LM399Hが手に入るので、それを利用した基準電圧をつくってみた。

<LM399の特長(メーカーのデータシートにより)>
 出力電圧 6.6~7.3V(典型値 6.95V)
 温度係数 0.0001%/℃
 出力の初期値許容誤差 ±2%
 動作電流 500μ~10mA
 長期安定性 20ppm

<ピン配置>

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<基本的な使い方>
 温度スタビライザに流れる電流は約10mA

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さて、温度スタビライザの電源電圧は多少変動あってもよさそうだが、それほどのコストでもないので、7812当たりの三端子レギュレータ経由で供給する。

逆方向降伏電流はなるべく変動しないよう、また最適な電流が1mAになるよう、安価なシャント・レギュレータTL431経由で定電圧を供給する。

さらに、出力負荷の変動による影響を避けるため、超低オフセットのオペアンプ OP-07CP を出力につける。出力に抵抗を一切使わない。抵抗の温度係数による影響を避けたいので。

OP-07CPはそのデータシートによると、入力オフセットの温度係数が最大 1.8μV/℃、長期に渡る入力オフセットのドリフトが 0.5μV/mo、約7Vの出力に対して全く影響を与えないと考えていいだろう。オフセットは当然調整可能だが、市場で買える抵抗でやったら却って温度係数を悪化させるので、やめるべきだろう。

同じ回路を2セット作り、多少でも信頼性を高めたい。出力値は一回測れば決まるが、それよりも温度変動や長期ドリフトが問題になる。

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手持ちのパーツで早速作った。肝心のLM399Hはまだ到着していないが。基板を固定するネジが表に見えるのが気になる。隠したい。ジョンソンターミナルの間隔を精確に19mmに合わせた。そんな規格を知ったのはつい最近のこと。

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以上の写真は後日に追加したもので、記事の内容説明と日付的に異なっている。