つくった50MHzまで測れる周波数カウンターメータを Trio 9R-59D(S) に使うには、OSC回路に影響を及ぼさないために、バッファ回路が必要と思われる。真空管 V3である 6AQ8 の残りの三極管をバッファとして使う実験をしたところ、芳しい結果ではなかった。つまり、周波数カウンターメータを接続したら、発振周波数が変わったり、発振波の振幅が変わったりした。ということで、多くの人がやったように、FETによるバッファを作成した。

使える高周波用FETはいくつもあるが、手元に有名な 2SK241-Y があるので、それを使った。なければ、秋月電子販売中の J211_D74Z でも問題ないと思う。

つくった周波数カウンターメータの感度が十分高いので、FETの後にトランジスタによる増幅回路をなくし、FETだけのバッファ回路にした。回路図は以下のとおり。

FETによるバッファ回路

各パーツは基板にではなく、9ピン真空管ソケットにつけた。シャシーに穴(センター穴)を1つ開けるだけでしっかり固定できるし、見た目も周りと調和している。AC 6.3V は近くのV3用ヒーター電圧から分岐してもらった。

真空管ソケットを基板代わりに使った
V3である 6AQ8 の傍にスペースがあり、そこに回路を装着
バランス型アンテナ端子をバッファの出力端子に流用した。そこに周波数カウンターメータをつけて、受信周波数を10MHz未満なら100Hz単位で精確に読み取る
受信周波数を精確に知ることはやはり大事だし便利

周波数カウンターに関しては、中古製品を1つ、自作品を2つ持っているが、IF周波数(455kHz)を間引く機能はついていなく、TRIO 9R-59D(S) のOSC周波数を表示するには使い勝手は悪い。いちいち455を引かないといけないから。

AliExpressでは4ドル程度で販売している周波数カウントキットがあり、秋月通商では1950円、Amazonでは約1800円で似たものを販売している。急いで手にしたいので、また、LED表示部と本体とを離したものがよいので、Amazonから調達した。

1Hz~50MHzの周波数カウンターキットを購入

ケミコン10uFの2つ、47uFの1つを手持ちのセラコンに変えて、数時間かけてハンダ付けした。

キットをハンダ付けした

いらないパーツや取り替えたことで残ったパーツは以下のもの。

残ったパーツ

上記の写真にある、C14であるコンデンサ 22p はハンダづけしないで、との指示が添付してきた資料に書かれたので、そのまま残った。ケミコン3つはセラコンで置き換えた。電源スイッチは別のパネルタイプのものを使うだろうからいらない。DCジャックは一般的なものではなく、自分としては2.5mmのものでないと困ってしまう。

プリアンプの回路は周波数カウンターの性能を決める大事な部分なので、基板のパターンを観察しながら、下記のとおり復元した。正式に発表されたものではないので、あくまでも参考程度。

プレアンプの回路(画像だけを表示させれば、拡大表示やダウンロードが可能)

回路図からわかるように、外部電源としては、約7V以上のものなら、DCでもACでもOKのはず。ショットキーダイオード 1N5819 が整流ダイオードとして機能するので、外部電源の極性を間違えて壊れることはない。その先に、出力電圧が5v の3端子レギュレータがあり、周波数カウンター内部では安定化電圧 5V を供給している。

なお、RF FET である J310 を流れる電流は実測で約 10mA、RF Tr である 2SC3355 を流れる電流は実測で約 5mA。Trのバイアス抵抗 56kΩ は自分のキットでは 47kΩ に変えると、Out端子のDC電圧は 2.55V になる。56kΩのままでは2.7V であって、多少高く感じたので 47kΩ に変えた。

IF周波数である455kHzを間引く設定にするには、PROGスイッチを数回短押し(クリック)して、「tAbLE」(テーブルの意味)が表示されたところで、スイッチを長押しして、「455.00」を表示させる。そして、スイッチを長押しして確定させる。つぎに、「Sub」になるまでスイッチをクリックする。「Sub」が表示されたところで、長押しして確定させる。電源を切っても、設定した内容が保持される。

以上のような操作はやってみないと分かりづらいが、短押し(選択)と長押し(確定)の意味を分かることが大事。そして、直前に表示された周波数(実際に測定した周波数、あるいは、テーブルから呼び出した周波数)を「Add」または「Sub」すれば、入力に印加されたシグナルの周波数に加算または減算できるようになる。つまり、オフセット機能はそう設定するのだ。

実際に文化放送(1134kHz)の周波数を自作品と本キットで表示させた様子を以下に示す。OSCの周波数は1589(若干のずれがあり、自作品では1588.88との表示)kHz だが、間引く設定によって、本キットの周波数表示はきちんと1134と表示される。

自作品と本キットの周波数表示

ラジオの周波数表示に使うなら、半可変コンデンサ(トリマコンデンサ)を回して、周波数を調整する必要はないだろうが、どうしても気になるひとは、5MHzの標準時計の電波で調整できるかもしれない。ただ、その放送もAMなので、帯域幅があり、精密調整には無理。なお、個人で最も精確に利用できる標準周波数はGPS同期の10MHz。本ブログの古い記事を見れば、活用法がわかるはず。

さて、本キットのキーパーツはなんといっても PIC16F628A (秋月通商で200円販売中)とそれに書き込まれたプログラムだ。プログラムについては、オリジナル先からダウンロードできるかもしれない。実際にテストしていないので、本キットと同じプログラムかどうかは不明。

<2021.1.23追加>
本キットだけの問題かもしれないが、PICプログラムにバグがあるようだ。というのは、2.5MHz~3.5MHz範囲内の周波数測定はうまくいかないようだ。TRIO 9R-59DS のBバンドでは、バンド途中の周波数を明らかにずれて表示していることが発覚のきっかけ。しかも、連続したずれではなく、たとえば、3.5MHz のつぎにいきなり2.8MHzと表示されてしまったりする。単体の信号発生器から合成した正弦波を測定しても、同じ症状が出たので、PICプログラムのバグだと認定した。この帯域の電波受信はほとんどしないので、実害はないが、気になることは確か。

<2021.1.28追加>
アルミケースにキットを収めた。ギリギリのサイズなので、もうすこし大きくすれば良かったかも。

正面に周波数表示用LED、プログラムボタンを置き、背面には入力用BNC端子、ACケーブル、ヒューズホルダを置く。電源スイッチは省略。

BNC端子を正面に置くことも考えたが、ふつうの周波数カウンターメーターはほかにあるので、本キットはラジオのOSC周波数表示専用にしたい。

ACケーブルはやはり便利にしたかったから。外付けACアダプターは面倒。

ACケーブルのために、6.3V小型電源トランスを組込み、さらに安全のためにヒュースホルダをつけた。

LED表示部を離して使えることがやっとここで役に立った。

アルミケースをつけた
正面。手作り感が満点。LEDは丸見えだが、このうちアクリル板を追加して、減光処理をすると同時に、見栄えをよくする。
背面。ギリギリのケースサイズなので、デザイン的にイマイチ
内部の写真。LED表示部を基板から分離できたところがよかった(接続ケーブルは aitendo から入手)

いままでもっぱら自作の周波数カウンターを使ってきた。が、FRG-8800の調整では10MHzを超えた周波数を高精度に測定しないといけないので、やっとTR5821を取り出して使うようになった。この2年間、ジャンク類の測定器は多く購入したが、まだまだ自作品に愛着を感じるし、自作品の仕組みがよくわかっているので安心する。

さて、校正というと、感度の調整、トリガレベルの調整、基準周波数の調整、いくつもあるが、TR5821を使って不満なのは基準周波数のズレだけなので、今回はその調整をやることにした。

やり方は簡単。GPS標準周波数をInput Aに与え、リア・パネルにあるトリマを回すだけでOK。Gate timeを10秒モードにすれば、9桁表示(1×10-8)まで校正できる。

ただ、精確に校正したと喜んでも、数十分間経てばまたずれてくる。内蔵基準周波数がショボイだから、どうしょうもない。どうしても精確性を確保したいなら、外部基準入力にGPS基準器を与えれば完璧。つまり、GPSを基準周波数として使えばOK。

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日本を代表する計測器メーカー アドバンテストの周波数カウンター(正式名はユニバーサル・カウンターというが)を手に入れた。新品では買えないので、禁断のジャンクだった。

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入力2チャネルのうち、Aのほうは120MHzまでOKで、PICで製作してもそこまではいかない。ただ、基準発振器にごくふつうのクリスタルオシレータが使われていて、安定性に若干不安。その内部基準発振器の代わりに外部発振器も利用できるので、GPSの同期周波数を入れて使う予定。

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恐らく1990年代の製品。内部を開けてみたら、割としっかり作っているようだ。電解コンデンサも大型で、まだ暫く持つ印象。

<参考資料>
 取説(日本語) TR5821_OPERATING_MANUAL.pdf
 スペック(日本語) Spec_TR582X.pdf

60MHzの16分周器をつくりたいので、手持ちのICに該当品があるかどうかを調べているうちに、もう一台のフル8桁表示周波数カウンターが出てきた。1990年末頃の製作品、秋月のキットをそのまま組み立てたようだ。それでもACアダプターではなくトランスによる定電圧電源を使った。入力は2チャネル、Achの10MHz+250MHz+2.4GHz、Bchの2MHz。周波数や周期以外に、周波数比、オシレータ、時間幅、計数等が測定できる多機能だ。

周波数比が分かれば、分周器をつくらなくてもいいか、と一瞬思ったが、Bchが2MHzまでにしか対応してないので、今回の60MHz較正に使えなさそう。

壊すのがもったいないので、そのまま保存しておこう。

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久しぶりの復帰なので、手元に残っている資料を整理しながら、メモしておきたい。

周波数カウンターは秋月電子から発売されたキットをもとにつくったもの。入力は2チャネル、スイッチによって切り替え、同時には使用不可。また、AチャネルはBチャネルにプリスケラキット(秋月電子発売)を追加したもの。

仕様は以下のようになっている。

入力は2チャネル。
<Aチャネル>
 測定レンジ 2MHz~1GHz
 感度 2~20mV。レンジの両側では感度がやや低い
 LEDでの小数点位置は単位MHzを表す
<Bチャネル>
 測定レンジ 0.1Hz~10MHz
 感度 50mVpp/1MΩ
 最大入力 35Vpp
 LEDでの小数点位置は単位KHzを表す
A/B チャネル切替スイッチあり
周波数/周期 ファンクション切替スイッチあり
オーバフロー表示あり
ベースタイム 10m/100m/1/10sec 切替可能
LED表示は8桁7セグメント

なお、10secのベースタイムを利用する際には、測定完了までの待ち時間が10秒なので、気をつけたい。

以下の写真は標準周波数 3.579545MHz を入力として測ったもの。精度はそれほど落ちていないようだ。

周波数カウンターキット自体は秋月電子から消えたようだが、2~3万円で韓国製品が買えるので、自作するものではなくなったかも。

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