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Simpsonの歴史に興味があるので、Simpson 260-2を手に入れた。製造時期は不明だが、40~50年代と思われる。単一電池1本、および単三4本が使われるが、単一ホルダーの破損と電池液漏れによる腐食が残念なところ。

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パネルは260シリーズの中でも洗練していて、5000Vと10A以外に、余計なプラグ差し込み箇所はない。また、モデル名の下に、誇らしげにMade In USA等の刻印が見られる。ツマミ3つがネジ固定式、簡単に外れるところが以降のシリーズと違っている。いろいろな意味で、260シリーズのスタイルを確立した。

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しかし、内部構造はシリーズの以降と大きく異なる。抵抗器がそれぞれ所定の穴に入れられ、一見綺麗のようにみえるが、メンテナンス性が最悪。分解しないと抵抗器が簡単に取り替えできないから。単三4本の入替え作業も面倒で、ついついそのままにして、液漏れにやられてしまう。

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整流素子はダイオードではなく、取説では酸化銅整流器と説明している。交流の内部抵抗が1kΩ/Vと低い。

ゼロΩ調整ボリューム以外に、調整用半固定抵抗器はない。取説によると、整流器の隣に置かれた2本の白色巻線抵抗器 R23とR24は、個々の整流器に合わせて、ACの調整を行うものだ。

測定したところ、DCの誤差はいまでもスペック内に収まっていて、感心した。ACは整流器の劣化によるものかもしれないが、値が低めになっている。とくにAC2.5Vが顕著。R23, R24の再調整が必要か。Ωレンジでは、ゼロΩ調整ボリュームが多少の接触不良、さらに、RX1用抵抗器がダメになっているようだ。

腐食が激しく、一度分解して内部を綺麗にしたい。

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ほとんど使ったことのない中国製テスタ MF-35だが、湿気に弱いなのか、いつの間に交流が全滅。内部にトランスが使われているので、トランスの断線と推測して、リペア作業に取り掛かった。

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幸い、トランス自体は手作りによるもの。鉄心の一枚一枚は簡単に取り外すことができた。断線と思われる箇所も外側にあったので、半田づけしたら通電になった。

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ところが、元に戻しても、ACVもACAも表示が滅茶苦茶。苦戦苦闘が続く。

瀕死状態のSimpsonをなんとか使えるようにしたが、メータの感度が低下していることがやはり気になる。電流レンジは調整することでスペック内に収めることができたが、問題は電圧レンジ。回路図みても分かるように、メータの感度を上げなければ、抵抗器を変えるしか治す方法はない。

ではメータの感度を上げるにはどうしたらいいだろう。方法はいくつかある。①永久磁石を充磁する。最もまともなやり方だが、設備や機械が必要。②コイルの回る力を増やす。具体的には巻数を増やしたり、弱いヒゲゼンマイに変えたりする。③回転系を軽くする。指針を金属からプラにするとか。

今回は邪道だけど、100円ショップからゲットした丸い磁石をふたつ貼り付けることで、磁力を増やした。貼る場所によって、磁力を減らすこともできるので、面白かった。ふたつにした理由は単純で、ひとつだけなら所要の感度に達しなかったから。でも結果的に、ふたつにしたことで、バランスが保たれて、回転の線形性が問題にならずに済んだ。

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50uAレンジで確認したら、感度がちょうどよい状態になった。

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つぎにDC1mAレンジにて、可変抵抗R27を回してFSに調整した。

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DC2.5Vレンジにて確認。

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ACVの調整は残っているが、省略する。

ボロボロ状態は相変わらずだが、一生懸命作業した結果、各レンジの許容誤差がスペック内に戻った。と同時になんとなく愛着心も湧いてきた。50年間の苦労をねぎらってあげたい気持ちだ。

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念願の大物がやっと手に入れた。製造中止になったし、日本が出品者から相手にされないことが多く、入手までだいぶ苦労した。でも、アナログテスタを発案した銘品はやはりそれなりの価値があろうし、大英帝国の栄光に触れる数少ないチャンスでもある。

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初対面では堂々とした風貌に感心した。Simpson 260や中国製MF500型が大きいと思ったが、それ以上のサイズだ。それでいて、メータの目盛板はAVΩだけで、極めてシンプル、dB目盛すらない。しかも、ACもDCも線形、共用している。中国製MF-35はそれの真似っ子だった。しかし、ゼロΩ調整ボリュームは3つもあり、それぞれのΩ測定レンジに対応していて、極めて合理的。さらに、DC電流だけでなく、AC電流も測定できる。

DCの精度は1.0%、ACは2.0%という、それも世界最高レベルだっただろう(交流では、中国のMF-18やMF-35に負けていたが)。

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中を開けてみたが、さっぱり理解できなかった。テスタを数多く見てきたつもりなのに。時間をかけてゆっくり研究していくしかない。

実測したところ、DCV及びΩレンジは極めて精確。DCAは若干オーバー気味だが、スペック内に収まっている。ACAもちゃんと動作している。

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最後に、AVOmeterの歴史をメモしておく。

 初代AVO 1923年
 モデル 7 1936年~
 モデル 40 1940年~
 モデル 8 1951年~
 モデル 8 Mk II(レンジ 2.5/10/25/250/1000/2.5kV) 1956年~
 モデル 8 Mk III(ダイオード採用、ベストAVO?) 1965年~
 モデル 8 Mk IV 1970年~
 モデル 8 Mk V(プラスチック外装、パネルデザイン変更、レンジ 3/10/30/300/1000/3kV) 1972年~
 モデル 8 Mk VI(3kVの代わりに600V) 1984年~
 モデル 8 Mk VII 1992~2008、AVOの幕が降りる

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2023年に、100周年記念モデルは出るかな。

5台目のSimpsonが例の国から届いたが、ボロ過ぎて笑うしかない。ゴミとして捨てるのは勿体無いので、基板だけでも遊んでやろう。

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Simpson 260-3が50年代の製品。すでに整流素子としてダイオード1N87が採用されていた。プリント基板自体の品質はいまの中国製以下だが、当時としては画期的。アナログテスタは、少なくてもアメリカでは既にその時点に完成を迎えたといっていい。その後の後継機種をみても技術的進化はあまりない。50年代に日本にもアナログテスタはあったが、技術的に比べようもなかった。

抵抗器の配置や使われている抵抗器のサイズを見ていると、このタイプが最も美しいとすら感じるのが自分ひとりだけではなかろう。

半世紀以上を経っているので、抵抗器の精度はどうなっているのだろう。自分にとってはとっても興味あることなので、手持ちのデジタルテスタで測ってみた。真剣にやったわけではないことを断っておきたいし、個体ごとの差がものすごいかもしれないので、参考程度とみてほしい。ちなみに、巻線抵抗器以外はすべてイギリスPanclimatic社製、AVOmeterに使われている当時の抵抗器と色や形がそっくり。同じメーカーに抵抗器をつくってもらっていたか。

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低抵抗の巻線に対しては、テスタリード線の影響等があるので、それほどの問題とは思わない。しかし、数百k以上の高抵抗はやはり誤差が比較的に大きい。基板の質の問題もあろうし、経年劣化も考えられる。精度の高い高抵抗器はいまでも作ることが難しい。

断線した抵抗器R16は直径0.16mmのマンガニン線で巻き直した。作業が終え、実測したら、若干値が大きく11.8Ωになっている。抵抗レンジに使われる抵抗器なので、適当でも問題なかろう。

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保護ヒューズは取り外した。素人による半田付けのようだし、一部錆びていて接触不良を引き起こすことのほうが心配。過大負荷で壊れたら諦める。

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また、経年劣化のせいか、半田付けが甘くなっている箇所が多く、ひと通りやり直したら、それなりにSimpsonが動いた。ただ、メータの感度が約6%低下しているので、分解して再充磁をやらないと完動にはならない。

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本体、取説、元箱、テストリードで届けられた。製造時期は不明だが、取説の印刷時期は1978年6月なので、その頃の製品だと推測する。この機種は長い間作っていたようで、いまでも中国のパクリ品が出回っていて、小型テスタの完成形と思ってよさそう。ちなみに、後継機種 YX-361TRがまだ現行商品。

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感度はDC20k/V、AC8k/V、標準的。トランジスタのhfeが測れるが、別売りの測定コネクタを使い、回路的に変わったところはない。電池は単三2本および006P(9V)。

面白かったのは取説の解説。①目盛長が80mmもあること。JIS AA級相当と謳っている。でも測ってみたら、外側は確かにその通りだが、内側はしかし50mmにも満たしていない。②ガラスカバーを採用したとのこと。確かに、冬季の静電気を経験したら、プラスチックは使えないなぁとわかる。それがYEW3201の最大欠点でもある。

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内部をみたら、気になった箇所がいくつかある。①ヒューズホルダーらしきものが見られるが、保護ヒューズが採用されていないこと。②ロータリースイッチの内側に銀線が使われていること。プリント基板の耐久性を心配していたのかも。③少なくとも3種類の抵抗器が混在していること。高抵抗には従来の抵抗器(灰色)、低抵抗(数百Ω以下)には金属皮膜(オレンジ)、その中間値の抵抗にはカーボン(?)(カラー帯が付く)。カーボン抵抗には許容差を示す帯が見当たらない。

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全体的に欠点の少ない小型テスタ。大電流レンジがないところが残念か。

献体用として、メータ不動のSP-6Dをゲットした。ゼロΩ調整可変抵抗器は完動のようで、手術を待っていたSanwa k-20に移植して、一件落着。

残されたSP-6Dは、しかし、勿体無いし、メータの故障にも興味津々なので、分解してみた。

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外部端子とのリード線が中で外れただけだ。半田付けしたら動いた。当時のメータは感度が低いせいか、なかなか故障しない。

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このメータは当時のSanwa製テスタに多く採用されていて、いつかまた活用できる日が来るのだろう。

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手元にたまたま瓜二つのテスタがあったので、比較してみたい。

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手持ちのSP-5は1961年製、JP-5は1965年製。サンワ社内資料によると、SP-5の発売は1960年に対して、JP-5は1962年。1965年にSP-6が既に発売されていたので、SP-5の欠点を解消し、保護ヒューズ回路を取り組んだのがJP-5だと推測する。

改良といっても外からはなかなか分からない。サイズは同一。鉄製裏蓋は共用できそう。スペックも同じ。パネルの表記は若干異なるが、本質的な違いではない。それよりも、JP-5の銘板はすっきりしていて、個人的には好き。SP-5はなんでもあり、初心者を惑わすにはいいかもしれない。

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内部に目をやると、バッテリーの装着向きが正反対になった違いが大きい。接触不良を防ぐため、バネではなく、ネジで単三電池2本を固定する構造。時期的古いSP-5は抵抗器等が邪魔して、ネジを回すには大変苦労しただろう。対して、JP-5になったら、ネジは外に向いているので、とても楽になった。

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保護ヒューズがJP-5に付けられたところも違う箇所。今日では見かけないタイプの小型ヒューズ FS-5501だが、リード線が両側から出ていて、ネジで止める仕組み。当時の抵抗器よりもサイズが小さく、どのテスタにも通用するパーツだろう。ちなみに、予備ヒューズとその格納部分がJP-5に追加されていた。

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回路的には、SP-5の半波整流がJP-5の全波整流に変わった。それに伴い、抵抗器の変更が一部にみられた。AC感度は両方とも2kΩ/V。スペック上ではその改良が必ずしも分からない。

メータのアルミ製裏キャップがプラスチックに変わったのがコスト削減のためだろう。それは進歩というよりも改悪になったところ。今日のテスタでは紙やフィルムで貼っただけのものがほとんど。

上の比較から解ったように、だめになった箇所はないわけではないが、総じて細かな改善がみられた。アメリカだと同じ機種名になるかもしれないが、伝統的に機種乱発してきたSanwaが新しいシリーズに切り替えたところはいかにも日本的。ちなみに、SPシリーズはいまでもSanwa製品にみられるが、JPシリーズは製造中止になっている。

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1965年製アナログテスタ Sanwa JP-5。サンワ社内資料によると、本モデルの発売は1962年、学校向けテスタとの位置づけ。内部抵抗はDC/ACともに2kΩ/V、180uAメータを採用。技術的に特筆すべき箇所は見当たらないが、小型ヒューズが採用されていた。過大入力によるテスタの破損をメーカー側が意識するようになった証拠。パネルに「安心 ヒューズ付」とのシールもそのことを宣伝しているものと思われる。

届けられて調べたら、ACは動くが値が怪しかった。一方DCは動かなかった。保管状態が悪いと巻線抵抗が断線しやすいからだ。それを取り替えたら動くようになった。さらに、腐食したバッテリー端子を取り替え、なんとか使えるものにした。

世界的に珍しい鉄製裏蓋が当時のサンワ製品によくみかける。錆びるし、回路の上に載せて使うやり方はショートをもたらすなど、デメリットが多い。あえて採用した理由は鉄によるメータ磁石への影響を避けるためだ。鉄外装のバッテリーを使うだけでも約5%の指示誤差が出る。

このJP-5と同時期にSP-5というアナログテスタも販売されていた。両者はほぼ同じ製品のように見えるが、違いについて比較してみたい。

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上海滞在中、第四電表工場の自社販売店から、MF-10型と一緒に、このMF500型も新品で購入していた。売値は約120元(約1500日本円相当)。埃だらけのショーウィンドウには、そのほかに、新品のMF-14型や、MF-35型、MF500A型、MF500B型等も置いてあった。ふたりだけの店員さんは、ひとりが奥の会計ルームにいて、ひとりが入口のデスクでなにかをずっと書いていた。彼らは第四電表工場職員のようで、ひとりしかいない客の私に声をかけることなく、商品を売る気はなさそう。売れても売れなくても生活に直結しないからだろうか、どうせ買う客がいるはずがないからだろうか。商品の外観がよく、愛想が良ければ全機種を買っていたのに。

このMF500型は60~70年代当初、500型という名称だった。当時の売値は100元、いまとそれほど違わない。しかし、当時の中国人月給が50~100元、約1~2ヶ月分相当なので、いかに高価な商品かは想像できよう。個人所有はほとんど不可能。いま流通している(当時製造の)中古品は会社や大学、研究所の備品だったと言われている。

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上記は1973年当時の回路図。本機がほぼそのまま踏襲している。

500型はイギリスの名機 AVO meterを参考にしてデザインされて、ロータリスイッチがふたつある。当時の中国ではテスタのスタンダード機種のようで、感度が20kΩ/V、アメリカンスタンダード Simpson 260と同じところも理由のひとつだっただろう。

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理由はほかにもあろう。サイズが大きく、目盛が見やすい。いまになってはその存在感が一層目立つ。

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テスタにおいて、もっともコストの掛かるパーツはいうまでもなくそのメータだ。コスト削減には、より小さいメータにするのが効率的。携帯に便利だし、見かけ上の精度が上がり、初心者に歓迎される。しかし、測定器としてのテスタとはなにか、その問いを追いかけると、メータのサイズが大きな問題になろう。日本に、JIS規格でいうAAクラスのテスタがほとんどないのはメータのサイズがまず合格しないからだと個人的に考えている。かといって、何万円もかけて大型テスタを作っても売れるはずはなかろう。

そういうことで、アメリカは小型化を拒否し、テスタの大量生産を事実上ストップした。日本は小型化の道を選んだ。中国は小型化の代わりに必死のコスト削減に取り組んできた。

このMF500型は見た目がひどい。ロータリスイッチのダイアルが曲がっているし、塗装にムラや小さな気泡が随所にみられている。店員さんに告げても、安いからしょうがないとのあっけない返事だった。

中身はもっとショッキング的。ロータリスイッチはセラミックもどきのプラスチック。抵抗器は当然のように、W数の小さい小型ものになっている。手作業だからかもしれないが、抵抗器やコンデンサの半田付けが雑すぎる。さらに、リード線が細すぎて、数A電流には耐えられない、などなど。

ただ、先日、ゴミと思って放置していた本機を測定したら、案外精度がよいことに驚いた。それで、120元の販売価格を考えれば、しょうがないなぁ、と思うようになった。

そうなると、早速改善に取り組んだ。配線が汚いので、電池室に配置された保護ヒューズを外した。誤操作は神経質の自分がやらないから。細いリード線をできる限り、太いものに置き換えた。10uFケミコンを積層セラミックコンデンサに取り替え、2500Vレンジ用10MΩ抵抗器(抵抗器3つを直列接続してコスト削減を図ったようだ)や500mAレンジ用1.5Ω抵抗器(コスト削減のために、3Ω抵抗器2つが並列接続していた)を取り替えた。

以下の写真は改善後のもの、見た目が変わったことを断っておく。

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ついでに、1965年製品の内部写真を最後に載せておく。文化大革命時代が良かったと言われても反論できないが、人件費が違うことが両者を分けた原因だろう。月給が当時の100倍以上になっている。本機種が千元(約13000日本円)でも売れるなら、数十年前の品質に戻せるかもしれないが、そのためにブランドの確立が先決。

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数十年経っても、アナログテスタに関しては、技術的進歩はほとんどないことは今回のMF500型でもよくわかった。それどころか、昔のほうが良かったとはどういうことだろう。日本の横河 YEW 3201は1969年から、保護ヒューズの追加以外にほとんど変わってないし、アメリカのSimpson 260は70~80年代製が最も良かった事実と照らしあわせて考えてみたい。