島津製作所は一部上場企業だが、かつて質のいいアナログテスタを作っていたことはあまり知られていない。自分のところも、本機が最初の一台。折角縁があって出会ったので、どうしても中をみたいというのが入手の理由だった。

内部抵抗の刻印が24.12となっており、戦後混乱期の昭和25(1950)年製であることは間違いない。還暦を超えている。大卒月給3~4千円の時代に、売値が1万円だとか(要調査)。

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アメリカ製ということで、中をみたくて入手した。金属製ケースが大きくて重く、立てて使うのに適している。内部の刻印から、1972年製と推測した。

Sencore社製のテスタは日本ではほとんど知られていない。真空管テスタならそういう商品をネット上見かけたりする。入手したFE20は Simpsonや、Triplett に比べて質が大きく落ちていることから、市場の評価はそれほど間違っていないと感じる。

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久々にアナログテスタが届いた。送料のほうが高いという格安品。本体以外に、取説書、出荷当時のヒューズ4本が付いている。70年代の製品(Hioki社公式Webサイトでは1981年以前に廃止との記述)だと思うが、ネット上でもHioki社の以外に、情報がほとんどない。

 

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手に取った瞬間、エライものを手にしたなと直感した。ネジすべてが真鍮でできていて、ツァイス Contax I を思い出させたから。1956年製。メータの銘板でも抵抗器上の刻印でもそう主張していて、疑う余地はない。

裏蓋は鉄板製。サンワ商品はそれの真似っ子か。しかし、こちらは鉄板の表面に皮のような絶縁材が貼ってあって、ショートする心配は無さそう。テスタ自体が重いので、基板の上に載せて使うことはあまりないと思うが、設計者の拘りが感じずにいられない。

裏蓋を固定する真鍮製ビス4本を取り外すと、綺麗な内部があらわになる。ロータリースイッチではあるが、その構造はほかではあまり見ない。接触不良は起きるものか、と設計者の自慢が聞こえてくる。抵抗器が基板の裏に綺麗に円状に並べられていて、美しい。ハンダはすべて金色に塗装されていて、腐食対策は万全。AC整流器が見えない。円状に隠したのかもしれない。

単1電池2本を使う。横に寝かせるのではなく、立たせて使う発想はいまにはない。弱々しいバネではなく、真鍮ネジでがっちり固定させるところも立派。

調べたところ、電流レンジはスペック内に精度が保たれている。巻線抵抗器の長期安定性は素晴らしい。DC電圧レンジは若干低くなっているが、2%以内の誤差。AC電圧レンジは整流器の劣化だと思うが、5%の低下が見られる。抵抗測定ではRx1が不動(抵抗器の焼損が原因かもしれないが、目視では確認できない)、他の3レンジは問題ない。セロΩ調整ボリュームもしっかりしていて、ガリはなさそう。

コストを考えずに力のすべてを絞り出したメーカの姿勢は尊敬に値する。感度こそ米国製Simpson 260に及ばないが、作り自体は負けてはいないと断言する。

前所有者が大事に保管してきたことを、商品をみて感じている。恐らく遺品のようなものだろう。コイン1枚で手にした自分は何としてでも大事に後世に残さないといけない逸品だ。

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何台目なんだろう、Simpson 260がまた届いた。今回は AFP-1 というシリーズ。1960年代製で、米軍(Air Force?)向けの仕様だそうだ。カメラのライカと違って、Simpson 260 はテスタの王者と言えども、整理された資料が少なく、本シリーズにとくに謎が多い。

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日本の自衛隊は横河電機製 YEW 3201を使うのと同様、米軍は第2次大戦からすでにSimpsonを実戦部隊で使っていた。いまはテスタといえばデジタルだが、電池のことや極限状況を考えて、恐らくアナログとデジタルの両方が軍に支給されていると勝手に推測する。

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このAFP-1はシリーズ5Pと同一中身と言われている。片方しか所有していないので、ホントのことは分からない。ただ、製造年代によって同じシリーズでもバリエーションがある。本機では、プリント基板の左上、保護回路の部分がほかの機種と違うようで、つまり、保護回路が一枚のプリント基板に搭載されているのだ。また、保護回路に、トランジスタ1本、ダイオード4本、抵抗器2本、コンデンサ1本が使われている。

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本シリーズのマニュアルには、軍仕様ということもあろうか、プリント基板の取り外し方が明示されている(すでに本ブロブでも紹介した手順)。また、抵抗器の交換についてもそのやり方が説明されている。つまり、故障した抵抗器の両側リード線をなるべく長く残すように切断し、新しい抵抗器を残ったリード線に半田付けするという方法。見た目は汚いが、プリント基板を降ろさずに修理可能で、一分一秒を争う戦場ならではの交換方法だろう。

というわけで、Simpson 260は整備性を念頭に当初から設計製造されたテスタともいえる。シリーズ2は最悪じゃないかと文句を言いたくなるが、現行品を含め、それ以外のシリーズは確かに整備の一貫性を保っている。対して、日本製テスタにYEW 3201が整備性に関し最も優れていると思っているが、他の現行品は皆面倒。

しかし、本機の抵抗器は値が大きく崩れている。値の小さい方にズレているのなら、他の並列抵抗による影響とも考えられるが、ほとんどは値が増加するほうに変わった。60年代のアメリカでは、日本製商品の氾濫で、製造コストを意識するようになり、結果的に質の悪い抵抗器を一時的に使ったのかもしれない。というのは、遥か古いシリーズ2や3ではよく値を保っているし、同年代の日本製テスタにこんなデタラメの抵抗器は見かけなかったから。

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RX1レンジ測定用11.2Ω抵抗器は大きく、基板上でも目立つ。よく焼損したので、ヒューズ+保護回路であっても、W数のデカイ巻線抵抗を採用したのは、やはりお客様(本シリーズの場合は軍隊)本位と評価したい。

<保護回路が正常かどうかのチェック(マニュアルによる)>
1.15V電池をテスタに内蔵させ、レンジスイッチをRx10,000にセットする。
2.ファンクションスイッチを-DC(マイナスDC側)にセットする。
3.黒のテストリードプラグをCOMに挿入し、もう片側を50uAジャックにタッチさせる。
4.すると、パネルにある白色リセットボタンが飛び出してくるはず。
5.このテストではテスタにダメージを与えることはない。
6.リセットボタンが飛び出さなければ、内蔵の15V電池が容量不足か、内蔵の保護回路が壊れている。
7.白色リセットボタンを押し戻して復帰させる。

以下の写真は保護回路が作動した様子を表している。

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正面のパネルやメータガラスを保護するためのハードプラスチックカバーがついているだけでなく(最初の写真)、裏蓋の裏には補強板が追加されている。シリーズ5Pも同様の裏蓋かどうかは定かではない。

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最後に、他の写真も載せておく。ヒューズがシリーズ5Pからやっとホルダーに収められたことや、15V電池の格納箇所が写真からわかる。

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首の皮一枚でつないだ状態で届けられた。でも、重症の自分はこういうものを見ると萌えてしまう。新品同様だとせっせと片付けて見向きもしない。

Sanwa 360-YTR。抵抗器等を見ると1960年代の商品だと思われる。DCの内部抵抗は10V以上のレンジでは4kΩ/V、DC2.5Vおよぼ0.5Vレンジでは10kΩ/Vと高くなっている。ちなみに、本機種の後継機はYX-360TRだ。

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届いた状態では、メータの指針がフルスケール近くに止まっていた。調整したら動くようになった。メータムーブメントは昨日のEM-3000IIとは品質的には変わらず、Simpson 260やYEWとは結構なレベル差を感じた。恐らく、60年代には技術力による差、今日はコスト第一による差なんだろうね。最も質のいいメータムーブメントはSanwaの70~80年代製品に装備していたことか。

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ただ、ロータリスイッチはやはり一流。接触不良が起きないだけでなく、感触が素晴らしい。

バラバラの部分を接着剤で固定し、補強材でさらに補強して、実用に耐えるレベルに復活させた。焼損した抵抗器がなかったことがラッキー。

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鉄製の裏蓋が精密に作られていて、本体に完全に嵌めこむことは無理っぽく、諦めた。

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<参考資料>
回路図パーツリスト

メータの指示がだいぶ低いので、調整することにしたが、フルスケールには行かず、指針が途中で止まってしまった。

調整では直せない問題なので、メータを開けることにした。

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コイルと鉄芯との隙間にゴミらしきものが入っていて、非鉄製の楊枝で慎重に取り除いたらフルスケールまで動くようになった。

ところで、直径1cmの丸いもの(非鉄、非磁石)が内部についていた。ドライヤーと書いてあるが、目的については全く理解不能(湿気取りのため?)。取り除いたが、それでいいかどうかは心配。なお、見たところ、メータムーブメントは決して高価なものではない。

B3サイズのカタログ「TESTER WORLD」に1993年頃、サンワ(三和電気計器株式会社)が販売していた商品が纏められている。

大別すると、アナログマルチテスタ、デジタルマルチメータ、LCRメータ、ワイヤセレクタ、光測定器、ロジックテスタ、データロガー、音響用測定器、デジタルマルチメータ(卓上型)、保守管理用測定器、となっている。

デジタルマルチメータ(DMM)はすべて販売中止になっているし、本人の関心商品といえばアナログマルチテスタ(AMT)なので、AMTをカタログから値段順でピックアップしておく。

 NA-710F 超ワイド48レンジ ¥12,900
 TA-80 エンジンアナライザ ¥12,500
 AU-31 世界初オートレンジ式 ¥10,800
 EM-3000 高感度FET電子式 ¥9,880
 CX-506 Cメータ・TRチェッカ内蔵 ¥7,850
 BX-85TR ロジックアナライザ機能 ¥6,280
 AX-313TR オール極性切替機能 ¥5,980
 SH-88TR ゼロセンタメータ機能 ¥5,450
 T-50BZ ブザー導通チェック ¥5,390
 UX-75TR 拡張ユニット対応 ¥4,980
 SXS-77 微小測定ソーラ充電 ¥4,880
 YX-361TR 24chワイドレンジ ¥4,780
 SP-15D ショックプルーフメータ搭載 ¥3,980
 JP-12D ダイオード測定レンジ内蔵 ¥3,790
 CP-7D 厚さ23mmの薄型設計 ¥3,770

現行商品のラインナップになお残っているのは AU-31、SH-88TR、YX-361TR、およびCP-7Dの4品。

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自分にとっては2台目のFETテスタ。本体以外に、テストリード、取説、「Tester World」というカタログ、および元箱がついている。テストリードの黒棒は先端がマイナスドライバのように加工されていて、センターゼロにするためのZero ADJを回すのに便利。製造時期不明だが、取説は1993年4月の印刷。

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高感度というのが特徴。DCVの内部抵抗は一定で、約10MΩ。また周波数特性がよく、3Vレンジでは、50~5MHzとワイドになっている。ほかに、抵抗測定では最大1000MΩまでに対応、ハイメガオームの測定に便利かもしれない。

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使用電池は3本。抵抗測定用単二1本、残りの006P 9V 2本は増幅回路とブザー用。単二のマイナス側は取替えられたようで、液漏れにやられたのかな。

内部のプリント基板は2階建構造、ロータリスイッチの周りが高くなっている。見える範囲では、調整用半固定抵抗器は4つ付いている。本個体は指示がだいぶ低下しているので、調整だけで治ればいいね。

ちなみに、回路図が取説にあって、調整には苦労せずに済みそう。

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