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首の皮一枚でつないだ状態で届けられた。でも、重症の自分はこういうものを見ると萌えてしまう。新品同様だとせっせと片付けて見向きもしない。

Sanwa 360-YTR。抵抗器等を見ると1960年代の商品だと思われる。DCの内部抵抗は10V以上のレンジでは4kΩ/V、DC2.5Vおよぼ0.5Vレンジでは10kΩ/Vと高くなっている。ちなみに、本機種の後継機はYX-360TRだ。

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届いた状態では、メータの指針がフルスケール近くに止まっていた。調整したら動くようになった。メータムーブメントは昨日のEM-3000IIとは品質的には変わらず、Simpson 260やYEWとは結構なレベル差を感じた。恐らく、60年代には技術力による差、今日はコスト第一による差なんだろうね。最も質のいいメータムーブメントはSanwaの70~80年代製品に装備していたことか。

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ただ、ロータリスイッチはやはり一流。接触不良が起きないだけでなく、感触が素晴らしい。

バラバラの部分を接着剤で固定し、補強材でさらに補強して、実用に耐えるレベルに復活させた。焼損した抵抗器がなかったことがラッキー。

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鉄製の裏蓋が精密に作られていて、本体に完全に嵌めこむことは無理っぽく、諦めた。

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<参考資料>
回路図パーツリスト

メータの指示がだいぶ低いので、調整することにしたが、フルスケールには行かず、指針が途中で止まってしまった。

調整では直せない問題なので、メータを開けることにした。

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コイルと鉄芯との隙間にゴミらしきものが入っていて、非鉄製の楊枝で慎重に取り除いたらフルスケールまで動くようになった。

ところで、直径1cmの丸いもの(非鉄、非磁石)が内部についていた。ドライヤーと書いてあるが、目的については全く理解不能(湿気取りのため?)。取り除いたが、それでいいかどうかは心配。なお、見たところ、メータムーブメントは決して高価なものではない。

B3サイズのカタログ「TESTER WORLD」に1993年頃、サンワ(三和電気計器株式会社)が販売していた商品が纏められている。

大別すると、アナログマルチテスタ、デジタルマルチメータ、LCRメータ、ワイヤセレクタ、光測定器、ロジックテスタ、データロガー、音響用測定器、デジタルマルチメータ(卓上型)、保守管理用測定器、となっている。

デジタルマルチメータ(DMM)はすべて販売中止になっているし、本人の関心商品といえばアナログマルチテスタ(AMT)なので、AMTをカタログから値段順でピックアップしておく。

 NA-710F 超ワイド48レンジ ¥12,900
 TA-80 エンジンアナライザ ¥12,500
 AU-31 世界初オートレンジ式 ¥10,800
 EM-3000 高感度FET電子式 ¥9,880
 CX-506 Cメータ・TRチェッカ内蔵 ¥7,850
 BX-85TR ロジックアナライザ機能 ¥6,280
 AX-313TR オール極性切替機能 ¥5,980
 SH-88TR ゼロセンタメータ機能 ¥5,450
 T-50BZ ブザー導通チェック ¥5,390
 UX-75TR 拡張ユニット対応 ¥4,980
 SXS-77 微小測定ソーラ充電 ¥4,880
 YX-361TR 24chワイドレンジ ¥4,780
 SP-15D ショックプルーフメータ搭載 ¥3,980
 JP-12D ダイオード測定レンジ内蔵 ¥3,790
 CP-7D 厚さ23mmの薄型設計 ¥3,770

現行商品のラインナップになお残っているのは AU-31、SH-88TR、YX-361TR、およびCP-7Dの4品。

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自分にとっては2台目のFETテスタ。本体以外に、テストリード、取説、「Tester World」というカタログ、および元箱がついている。テストリードの黒棒は先端がマイナスドライバのように加工されていて、センターゼロにするためのZero ADJを回すのに便利。製造時期不明だが、取説は1993年4月の印刷。

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高感度というのが特徴。DCVの内部抵抗は一定で、約10MΩ。また周波数特性がよく、3Vレンジでは、50~5MHzとワイドになっている。ほかに、抵抗測定では最大1000MΩまでに対応、ハイメガオームの測定に便利かもしれない。

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使用電池は3本。抵抗測定用単二1本、残りの006P 9V 2本は増幅回路とブザー用。単二のマイナス側は取替えられたようで、液漏れにやられたのかな。

内部のプリント基板は2階建構造、ロータリスイッチの周りが高くなっている。見える範囲では、調整用半固定抵抗器は4つ付いている。本個体は指示がだいぶ低下しているので、調整だけで治ればいいね。

ちなみに、回路図が取説にあって、調整には苦労せずに済みそう。

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本体、取説、元箱、テストリードで届けられた。製造時期は不明だが、取説の印刷時期は1978年6月なので、その頃の製品だと推測する。この機種は長い間作っていたようで、いまでも中国のパクリ品が出回っていて、小型テスタの完成形と思ってよさそう。ちなみに、後継機種 YX-361TRがまだ現行商品。

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感度はDC20k/V、AC8k/V、標準的。トランジスタのhfeが測れるが、別売りの測定コネクタを使い、回路的に変わったところはない。電池は単三2本および006P(9V)。

面白かったのは取説の解説。①目盛長が80mmもあること。JIS AA級相当と謳っている。でも測ってみたら、外側は確かにその通りだが、内側はしかし50mmにも満たしていない。②ガラスカバーを採用したとのこと。確かに、冬季の静電気を経験したら、プラスチックは使えないなぁとわかる。それがYEW3201の最大欠点でもある。

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内部をみたら、気になった箇所がいくつかある。①ヒューズホルダーらしきものが見られるが、保護ヒューズが採用されていないこと。②ロータリースイッチの内側に銀線が使われていること。プリント基板の耐久性を心配していたのかも。③少なくとも3種類の抵抗器が混在していること。高抵抗には従来の抵抗器(灰色)、低抵抗(数百Ω以下)には金属皮膜(オレンジ)、その中間値の抵抗にはカーボン(?)(カラー帯が付く)。カーボン抵抗には許容差を示す帯が見当たらない。

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全体的に欠点の少ない小型テスタ。大電流レンジがないところが残念か。

献体用として、メータ不動のSP-6Dをゲットした。ゼロΩ調整可変抵抗器は完動のようで、手術を待っていたSanwa k-20に移植して、一件落着。

残されたSP-6Dは、しかし、勿体無いし、メータの故障にも興味津々なので、分解してみた。

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外部端子とのリード線が中で外れただけだ。半田付けしたら動いた。当時のメータは感度が低いせいか、なかなか故障しない。

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このメータは当時のSanwa製テスタに多く採用されていて、いつかまた活用できる日が来るのだろう。

<a href=”/hobby/2012/01/sanwa-k-20.html—– EXTENDED BODY:

手元にたまたま瓜二つのテスタがあったので、比較してみたい。

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手持ちのSP-5は1961年製、JP-5は1965年製。サンワ社内資料によると、SP-5の発売は1960年に対して、JP-5は1962年。1965年にSP-6が既に発売されていたので、SP-5の欠点を解消し、保護ヒューズ回路を取り組んだのがJP-5だと推測する。

改良といっても外からはなかなか分からない。サイズは同一。鉄製裏蓋は共用できそう。スペックも同じ。パネルの表記は若干異なるが、本質的な違いではない。それよりも、JP-5の銘板はすっきりしていて、個人的には好き。SP-5はなんでもあり、初心者を惑わすにはいいかもしれない。

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内部に目をやると、バッテリーの装着向きが正反対になった違いが大きい。接触不良を防ぐため、バネではなく、ネジで単三電池2本を固定する構造。時期的古いSP-5は抵抗器等が邪魔して、ネジを回すには大変苦労しただろう。対して、JP-5になったら、ネジは外に向いているので、とても楽になった。

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保護ヒューズがJP-5に付けられたところも違う箇所。今日では見かけないタイプの小型ヒューズ FS-5501だが、リード線が両側から出ていて、ネジで止める仕組み。当時の抵抗器よりもサイズが小さく、どのテスタにも通用するパーツだろう。ちなみに、予備ヒューズとその格納部分がJP-5に追加されていた。

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回路的には、SP-5の半波整流がJP-5の全波整流に変わった。それに伴い、抵抗器の変更が一部にみられた。AC感度は両方とも2kΩ/V。スペック上ではその改良が必ずしも分からない。

メータのアルミ製裏キャップがプラスチックに変わったのがコスト削減のためだろう。それは進歩というよりも改悪になったところ。今日のテスタでは紙やフィルムで貼っただけのものがほとんど。

上の比較から解ったように、だめになった箇所はないわけではないが、総じて細かな改善がみられた。アメリカだと同じ機種名になるかもしれないが、伝統的に機種乱発してきたSanwaが新しいシリーズに切り替えたところはいかにも日本的。ちなみに、SPシリーズはいまでもSanwa製品にみられるが、JPシリーズは製造中止になっている。

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1965年製アナログテスタ Sanwa JP-5。サンワ社内資料によると、本モデルの発売は1962年、学校向けテスタとの位置づけ。内部抵抗はDC/ACともに2kΩ/V、180uAメータを採用。技術的に特筆すべき箇所は見当たらないが、小型ヒューズが採用されていた。過大入力によるテスタの破損をメーカー側が意識するようになった証拠。パネルに「安心 ヒューズ付」とのシールもそのことを宣伝しているものと思われる。

届けられて調べたら、ACは動くが値が怪しかった。一方DCは動かなかった。保管状態が悪いと巻線抵抗が断線しやすいからだ。それを取り替えたら動くようになった。さらに、腐食したバッテリー端子を取り替え、なんとか使えるものにした。

世界的に珍しい鉄製裏蓋が当時のサンワ製品によくみかける。錆びるし、回路の上に載せて使うやり方はショートをもたらすなど、デメリットが多い。あえて採用した理由は鉄によるメータ磁石への影響を避けるためだ。鉄外装のバッテリーを使うだけでも約5%の指示誤差が出る。

このJP-5と同時期にSP-5というアナログテスタも販売されていた。両者はほぼ同じ製品のように見えるが、違いについて比較してみたい。

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久々に入手した日本製アナログテスタ Sanwa 370-ATR。製造日不明だが、恐らく60か70年代のものと思われる。特徴的なのはその厚み。メータに単2電池を載せているという構造上、8cmもの厚みだ。一方、メータが小さく横幅がなく、ゆえに全体的に良いデザインとは言いがたい。

DCの感度は10kΩ/V、業界標準の20kΩ/Vにはいま一歩というところ。また、メータの目盛板はすっきりしたものではなく、なんでもかんでもとにかく描いておけばよいという思想が窺える。

しかし、いいところがないわけではない。とくにロータリースイッチは流石、いま回しても全く不安感はなく、その感触が世界一と評しても間違いではなさそう。抵抗器の一部に許容誤差2%ものも見受けられるが、整然と並べられているところがよい。

鉄製の裏ケースは精密に作られたが、開けるのに苦労する。

なお、測定してみたら、DCVでは2%、ACVでは10%の誤差が見られた。半可変抵抗がないので、他の抵抗に取り換えるか、並列接続して調整する。

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配送ミスにあったもの。本体以外に、取説、テストリード(TL-95)、および元箱が付いている。

製造年は80年代前半。取説の印刷時期が80.12となっているのが根拠。ただ、取説のイラストに書かれたトランスが実物にないので、取説作成時期以降の製品だと推測した。

感度はDC 20kΩ/V、AC 9kΩ/V、極普通のスペック。特徴的なのは薄さにあろう。実測したら28mmしかない。それと、バッテリーのテストや導通ブザー等、現代風にアレンジされている。

コストを徹底的に意識した作りだが、ロータリースイッチはサンワらしく、しっかりしている。また、誤差が大きくなったが、調整したらスペック内にぎりぎり収まった。

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