高校生以来、うん年ぶりの化学実験。

カッターナイフで銅箔を直接切り抜く方法もあるが、基板を傷つけるので、エッチング法を採用。パターン自体は超簡単。耐酸性の高い、専用のレジストペンを使って手描きで描いた。ただ、レジストペンはよく乾くので、塗りつぶすには、太い宅配マーカー(たまたま手元にあった)が使いやすかった。

一晩置き、でき上がったパターンは下図。

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いよいよエッチングの準備。エッチング原液、竹製ピンセット、プラスチック容器、手袋を用意。エッチング原液だけは専用品、ほかは自宅にあったものを利用。

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エッチング液の処理を考えると、水を加えず、エッチング原液のまま使うことにした。室温28度。

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容器を揺らしながら約7分過ぎたら、銅箔が綺麗に落ちた。思ったよりは速かった。原液のままだからかな。

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水で基板を綺麗に洗い、台所にあったクレンザで黒インクを磨き落とし、綿棒で専用の液体フレックスを塗って、エッチング作業が終了。

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エッチング液は最後に元の瓶に戻した。次回にまた使えるから。

つぎは穴開け作業。精確に開けるには大きな試練が待っていると予想。

10x10cmサイズの最低料金にした。製作料 $24.90、送料 $7.65、計 $32.55、日本円 2,660。

プリント基板の作成は高校生以来。その時に随分苦労したので、以来ユニバーサル基板しか使ってこなかった。

パーツの番号を振りなおしたり、パーツのNameとValueの表示位置を調整(Smash)したりして、発注直前でもやることが沢山。出力にある抵抗 0.22Ω/5Wの穴サイズは大丈夫か、最後の最後まで分からなかった。よく使うパーツに関しては、それらのライブラリを自作しておかないといけないね。

少し休んで、電源部基板の製作に取り掛かろう。サイズが大きいから、今度は頼めなかったから。

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二日間PCB設計用ソフトCAD Eagleを夢中に弄った。アンプ前段のオペアンプをダイオード(LED)で降圧して電源供給するバージョンをつくったところ、スペースが残っているので、試しにそのオペアンプを3端子レギュレータを通して電源供給するバージョンをつくってみた。

15Vに降圧すればすべてのオペアンプに対応できそうだが、意地を張って約24Vにした。ということで、LM317およびLM337の出番。リップル率をさらに改善するために、3端子レギュレータの1番足に10uFのコンデンサを定番通りにつけた。

本アンプの電圧は32V。LM3886のゲイン(増幅率)を約20倍にしているので、オペアンプの出力電圧は1.6Vまで。出力負荷となる抵抗が150Ω(並列した300Ω抵抗2本による)であることから、最大出力電流は約11mA。よって、3端子レギュレータの最大消費電力は約 (32-24)(V) x (11+13)(mA) = 0.2(W)。放熱器なしでOKとみた。

ふつうの15Vにするなら、R14, R16の抵抗値を1.1kにすればOK。ただ、そのとき、3端子レギュレータの消費電力が最大0.4Wに上がる。小型放熱器があったほうがよいかも。

さて、基板の元となる回路図を載せておく。基板は左右対称にしたつもりだが、若干異なるところもあろう。左右対称に拘った理由は、基板2枚がケースの左右両側に置く(東西向き)ことになるので、左右対称でないと美しくないと思うから。この辺だけは世界一に徹底しているのかもしれない。入力段のカップリングコンデンサに対するジャンパー線もその工夫の一環だ。

なお、LM3886への給電は空中配線、足の1番と4番に7Aの流せる太いリード線を半田付けする予定。

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トロイダルトランスを固定するディスク円盤が手に入り、アンプの内部レイアウトがこれで決定した。中央の電源部基板が縦のスプリット5本で済むので、生基板をカッターナイフで削り取るか、パターンを手書きしてエッチングするか、基板は自作できそう。

残り左右の増幅部にそれぞれ 8cmX15cm のスペースがあり、余裕が出てきた。

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ICも揃った。将来に取り替えることを考え、オペアンプをソケットに載せる予定。

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梅雨明けと思わせる快晴の下、ケースの加工に励んだ。フロントには電源スイッチ、リアにはRCA、スピーカ端子、ACインレット、ヒューズホルダー。

アルミ板の厚みが2mm、多少難度が上がった気がした。底は鉄板だが、電動ドリルで穴開けするだけでよいと思われる。

アンプの形が見えてきた。基板(電源部と増幅部で3枚)の完成が待ち遠しい。

下の写真では一部汚く見えるが、保護用フィルムが表面に貼ってあり、完成後に剥がすつもり。

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黒の皿ネジ。県内最大級ホームセンター2店で探しまわったが置いてなかった。ネットで注文するのも面倒、自分で適当に黒染する。

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前段にFETによるゲイン1倍の反転回路を考えたが、DCアンプにするにはFETアンプをつくることとそれほど違わない手間や調整が必要になってくるので、オペアンプを採用することにした。

しかし、ふつうのオペアンプだと±15Vの電源を用意しないといけないので、今回は高耐圧オペアンプを使うことにした。OPA551が±30VまでOKで、LED数個をつけて降圧する。それと、OPA551の出力電流は大きく、LM3886の入力インピーダンスを300Ωにした。

カップリングコンデンサC1も省略できそう。入力によるが。

個々のLM3886に別々の電源ということを考えてきたが、パラレル接続では微妙な電圧差が故障の原因にもなりうるので、片チャネル(つまりLM3882個)に共通した電源供給にした。ただ、LとRはいままで通り、GNDを含め、完全に別々につくる予定でいる。

OPA551はオフセットが調整できれば、次段のLM3886にも好影響を与えることができそうだが、ちょっと残念。

さて、基板のレイアウトが決まらないと先へ進めないので、つぎはレイアウトの決定だ。基板の製作は外注かな。

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幅430mmアルミケース、225Wトランス2つ、幅230mm放熱板2つ、4700uFケミコン20個等、大型パーツがこれで揃ったと思う。しかし、肝心の回路はやはり実験しないと決まらないので、数週間かけて完成していきたい。

フロントパネルやリアパネルは取り外し可能なので、加工には好都合。ただ、フロントには電源スイッチしか付けない予定。

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パーツを並べたら案外余裕が無い。

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下の案では大きい基盤にも余裕だが、対称性が崩れる。

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下の案ではスペースがだいぶ増えるが、放熱板の利用が実質半減している。

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主役LM3886の登場。2つ合わせてもデジアンTA2020のほうが大きい。

さて、考えているアンプの回路図を適当に書いてみた。

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<狙い目>
1.パラレル接続
 パワー的には必要ないかもしれないが、FETアンプがすでに作ってあるし、ICでないと難しいアンプを作りたいので、敢えてつくることにした。2枚のLM3886を別々のトランス電源でトライブするので、計算上200Wになるはず。

2.反転増幅
 非反転増幅でLM3886を使う例が大多数だが、安定性を考慮して、反転増幅で使ってみる。

3.前段オペアンプ(FETがよりよいか)
 反転増幅だし、パラレル接続なので、入力インピーダンスが見かけ上500Ωしかない。それをドライブするのに、どうしても前段オペアンプが必要になってくる。でもインピーダンスのマッチングを取るなら、FETでもできそう。

4.カップリングコンデンサを採用
 嫌だけど、USB-DACの出力にはDCオフセットが含まれるので、コンデンサC1を入力段に追加せざるをえない。HPFになるが、質のいいコンデンサの入手性で容量を2.2uFにし、R1の抵抗値を20kにした。

5.DCオフセットの低減
 パラレル接続なので、DCオフセットを無くしたいところ。かといって、複雑なDCサーボ回路は使いたくない。ネット上にVR1の追加で低減に成功したことが報告されていて、パクった。

LM3886を活用した製作例はネット上に数多く披露されているが、基本的には以下の数種類に分けられるかと思っている。

<基本回路のまま>
 LM3886を非反転アンプとして使う。反転アンプだと、安定するメリットがある一方、信号ラインにNFB用コンデンサが入ってしまうので、嫌うひとが多いようだ。

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<BTL、ブリッジ接続>
 LM38862つを理想のOPアンプと見立てて、片方を非反転アンプとして、もう片方を反転アンプとして使い、出力電圧を倍増させる方法。振幅は同一、位相だけを180度にずらすことが要求されるので、精密抵抗や精密コンデンサ等が不可欠。自分の感覚では相当厳しいと見た。

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<パラレル接続>
 LM38862つをともに非反転アンプとして使い、出力電流を倍増させる方法。同一振幅、同一位相が要求される。製作の難度はBTLよりも幾分易しくなろう。

LM3886の数を3つや4つに増やしても可。

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<DCサーボ>
 LM3886のDCオフセットを無くす手法。僅かなオフセットでも、約20倍に増幅されるとスピーカに悪影響を与えるから。

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上のものを混ぜて、片チャネルにLM3886を8つ(クワッドパラレルBTL)、左右チャネル合わせると全部で16つを採用した製作例も報告されている。出力電流が4倍、電圧が2倍になっているので、計算上出力パワーは64倍に達する。LM38861つが40Wとしても、2500Wものパワーアンプになってしまう。そのパワーに耐えうるスピーカってあるのだろうか。

FETやトランジスタだけでそこまで巨大なアンプをつくるのは個人に無理な話。そう考えれば、ICのメリットはやはり大といわざるをえない。

90年代にアンプをつくるのに、情報が少なく、パーツを買うのも大変だった。比べていまはネットのお陰で、欲しいパーツが格安手に入るようになった。プリント基板は自作しようとも考えてたが、調べたら良さそうなものがeBayにあった。異なるレイアウトのものが数種類もあり、その中から自分の構想にあうものを選ぶといいかも。

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上記の基板は両面だけど、重なる箇所がすくなく、改造に問題なさそう。GNDについても両面をうまく使い、1点で繋がるようにしている。