約2ヶ月かかったが、やっとAll ICアンプ(LM3886+オペアンプ+3端子レギュレータ)が完成。配線はなるべく見せないことを基本方針としてきたので、今回も踏襲した。増幅部と電源部との配線は基板の裏で実施。終わったら、RCA・スピーカとの配線、電源部とトロイダルトランスとの配線をして完了。なお、万が一、電源部裏とケースとのショートを考慮し、100ショップからゲットしたクリアホルダを適当に切り、電源部基板の下に敷いておいた。

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小音量でしか聴けない環境なので、CDの可変出力ボリュームを9時位置で聴いた。落ち着いた音。派手さはないが、十分満足できる。いつか、スタジオを借りて、真の実力を確認したい。

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製作コストはケースが最も高価で約1万円。つぎはトロイダルトランス 225Wx2、1台約3,500円。増幅部基板制作費、約2,500円。ほかには、放熱器(単価800円)、LM3886(単価 700円)などのショボイパーツしか使わなかった。

今回の製作過程で、PCB基板の外注方法とソフトEagleの使い方を習得したのが良かった。同タイプケースでどんどんアンプが増えていくことは間違いなし。しかし真空管アンプだけはやりたくない。現時点の気持ちだけかもしれないが。

すぐに製作が終わると意気揚々だったが、なんと大きな失敗をしてしまった。Eagleをいろいろ遊んでいる内に、PCB基板のサイズが約1cmほど広がっていた。基板が到着してやっと事態の重大性に気づいた。

対策はつぎの3つ。①基板を再注文し直す。また10日間かかるので却下。②電源部を作り直す。パーツ自体は約2千円、それほどの損失ではないが、基板の自作が面倒という理由でそれも却下。③放熱器を短く切り落とす。バカな自分はなんと③を選んでしまった。

手持ちのツールといえば、数百円のノコギリ1本しかない。猛暑日で放熱器のフィン38枚を切り落とす度胸はいいが、いざやるとその大変さが嫌でもわかる。アルミ板で良かったが、鉄板だったら熱中症で倒れているのかもしれない。

週末の今日、やっと放熱器の加工が終わったと思ったら、今度は放熱器がケースの足に当たった。放熱器が意志を持って阻止してくれているようだ。仕方なく、ヤスリで谷に削った。最後につやなし黒色エナメルを塗って、やっと配線できる状態にした。

最後の配線も実は大仕事。なるべき隠したいし、修理や改造に邪魔になってほしくない、そういう配線はそう簡単でない。ひとの工作品を一目みるだけで、持ち主の力量が分かるのは、配線によるところが多い。

完成しても、つぎのPCB基板が到着するのは10日後なので、ゆっくり配線の仕方を考えよう。

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仕事が忙しく、アンプについてはほとんど進捗なし。それでも、合間をぬって発振防止用補償コンデンサ100pを47pに変えてみた。リンギングが若干大きくなり、この辺が限界かも。

オシロ画面の記録にはデジカメではなく、内蔵セーブ機能を使った。今風のオシロはやはり便利、一台で発振器、電子電圧計の3役になることを改めて実感。

以下は100Hz, 1k, 10k, 30k, 50kHzの方形波レスポンス。増幅部のゲインは計算上、オペアンプが2倍(=20k/10k)、LM3886が20.7倍(=6.2k/300)で41.3倍、観測データとほぼ一致。

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2時間の作業で、もう片方が出来上がった。左右対称性を改めて見るとやはり世界一と自己満足。

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裏には、3端子レギュレータを保護するダイオードや、発振防止(リンギング軽減)用補償コンデンサが付けられている。半固定抵抗をショートさせる準備もできている。

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半田付けの作業では、アルミクリップでパーツの足を裏から挟むと、パーツが落ちなくなるので、3本目の手になる。そして、片足を先に半田付けし、まっすぐになっているかどうか、表で調整してから、もう片方の足を半田付けすると綺麗にできあがる。それと、鉄製の足が多いので、リード線として足を再利用するのであれば、鉄製ではなく、銅製を選ぶといいだろう。

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半日休んで、落ち着いて対策を考えることにした。夕方から回路を修正して3度めのテスト。なお、入力を与える発振器はオシロ内蔵ものを使った。すっかり忘れてた。

問題1、3端子レギュレータのマイナス電圧
 -24.3Vは誤差範囲内だが、±24Vまでのオペアンプ(OPA604等)は結構あるので、安心するためにも対策を施した。すなわち、100kの抵抗を並列に入れ、プラス側に合わせて-23.9Vにした。

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問題2、リンギング
 オペアンプのNFBループ抵抗と並列に100pコンデンサを入れてみた。波形を見る限り、リンギングが大幅に低減した。10kHzをみると、もう少し容量の小さいコンデンサがよかったのかもしれない。

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これで、やっと安心してもう片方の基板が組み立てられる。

定電圧電源2つ(±電源のため)、入力用発振器、出力用ダミー抵抗、およびオシロを用意して、朝からテストを実施。

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電源電圧は±5Vでは問題なく、正弦波形が出力側で確認できた。しかし、電圧を±10Vにすると、マイナス側が制限電流の0.5Aに達した。どこかおかしいと感じ、一旦テスト中止。よく調べたら、初歩ミスを発見した。恥ずかしいので、その内容については秘密にしておこう。

処置を施し、30分後テスト再開。電流は0.1A前後、問題無さそう。±15Vに上昇しても電流に変化なし。いよいよ所定の±30Vに切り替えた。緊張の一瞬。

早速、3端子レギュレータの出力電圧を確認。+23.9Vと-24.3V、マイナス側が若干ズレが大きかった。

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つぎに、方形波応答の確認。発振はしていないようだが、リンギングが周波数と無関係に大きく、対策が必要。以下は1kHz, 10kHzの波形。

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そして正弦波に切替え、出力電圧を12Vにした。ダミーの8Ω抵抗にとっては約20Wの負荷。放熱器は熱くなってきたが、手が触れないほどではなかった。最も熱いところが30℃前後か。電源から流れる電流は約0.75A。LRチャネルを合わせても1.5Aか。8Ω抵抗器は30W定格なので、それ以上の電圧をかけるのをやめた。

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さて、気になっていたDCオフセットだが、半固定抵抗器をゼロΩにしても、立ち上げ後に2mVに落ち着いた。半固定抵抗器をショートしても問題なしとみた。

ということで、いくつかの問題は残っている。アンプの仕上げにはまだ時間がかかりそう。

待ちに待った基板の到着。Fusion PCB Serviceに発注してから11日目。

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11枚。1枚はおまけ。全数検査したようだ。

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初の体験だが、自分としては満足。パーツを装着して、ちゃんと収まっているかを確認した。問題なさそう。

数時間の半田付け作業で、片チャネルが完成。きっと問題がおきるので、調整してから残りの片方基板を半田付けする予定。

全く信用していないケミコンは結局3ペアを使わざるをえない。LM3886近くのはMute用、100u/50V/125℃。中間はバイパス用、1500u/50V/105℃。熱源に最も遠い外側のは3端子レギュレータ側バイパス用、330u/50V/85℃、最高級品といわれているnichicon MUSEシリーズ。

放熱器およびケースへの装着、配線がまだ大きな試練として残っている。とくに放熱器への装着ができないと、発熱でテスト調整はできない。

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注文した基板が製作完了、出荷されたとの連絡が入ったが、届くまで1週間かかりそう。ほかにやることがないので、ACインレットからトランスまでの配線をやってみた。

3ピンインレットだが、エアコン、洗濯機、冷蔵庫以外に、自宅のコンセントは3P式になっていない。ということで、3ピンの内、2ピンだけ使うことにした。GND接続が必要であれば、その時に使えば良い。

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ヒューズホルダの中では、キャップを閉めてはじめて奥のほうがヒューズ自体と密着する可能性が高いので、感電の危険性を減らすため、インレットのホット側をヒューズホルダの奥端子と繋いだ。ACのコールド(アース)側にヒューズを入れる考え方もあるが、自分はやはりホット側に入れるべきだと考える。

そして、ヒューズホルダ経由のホットラインを放熱器の奥を通して電源スイッチに繋ぐ。電源スイッチは2回路仕様なので、コールドラインも電源スイッチを通す考え方もあろうが、接触抵抗やアーク放電のことを考慮すると、コールドラインは電源スイッチを通さないことにした。さらに、念のため、スパークキラー(コンデンサ+抵抗器)をスイッチの両端子に付けた。

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本来ならば、トランスの1次側リード線を直に電源スイッチ端子に繋げるべきだが、RS仕様のドロイダルトランスがリード線が短く、スマートでないやり方で誤魔化した。

きたないものは隠せ。今回もこれを実践して、なんとか見た目のよい配線ができた。

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最後に、電源スイッチOn/Off時の、ACインレット両端子間の抵抗、アルミケースとの抵抗をテスタで測り、配線が正常であることを確認。

残り大きな仕事は基板の穴開け。いままでのやり方だと精確な位置は確保できないので、自分なりに工夫した。

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いわゆる「ドリルガイド板」を使った。手元のアクリル板にまず穴を開けておいたことだ。アクリル板は柔らかく、小さな穴(今回は径0.7mm)をまず開け、ズレた方向にシフトするように穴を拡大(径2mm、コンデンサ足の太さに)してやると、それなりの精度でできた。勿論、コンデンサを実際に差し込んで確認することが決め手。

そして、アクリル板を基板にのせ、ドリルを穴に入れてから電動ドリルをスイッチオン。基板が柔らかいため、あっという間に精度よく穴が開く。

一列ができたら、コンデンサを差し込み、アクリル板をコンデンサにあてて、さらにつぎの一列。という順番でやっていけば、納得のいくものができあがった。

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半田付けし、放電用抵抗器、整流用ブリッジ、トランスとの接続用端子台をのせて、組立が終了。

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増幅部の基板が到着するまで配線できないが、アンプ作りの大枠はこれで完了。