数ヶ月間そのままにしていたJLHアンプの電源部を作りなおした。影響のほどは分からないが、PICによるデジタル回路をやめ、今回はシャントレギュレータであるTL431とコンパレータLM339を利用した。

Read More →

やっと休みが取れたので、2時間じっくり出来立てのアンプで聴いた。音量が大きければ大きいほど、アンプの負担が軽くなるので、エアコンを効かせ、閉めきった部屋での大音量。放熱器の最高温度は50℃台で、60台になることはなかった。音色については自分がいうのも変だが、うっとりさせられたものだ。

さて、電圧増幅部電源部分があまったので、電源部全体の改造を考えだした。まず左右CHを分離させ、ぞれぞれに電源供給したい。250Wのトランスに、同一物を載せて、トータル500Wにする。12Wx2のAクラスアンプにしては、随分無駄な投資だと思うが、趣味なので、コストを考えること自体が無意味。

ケース内の温度がつねに50℃台と考えるべきなので、85℃対応のコンデンサはすべて撤去しないといけない。ダメとなる対象は平滑コンデンサ22000uFの4つ。他のケミコンは熱源にそれほど近くないし、105℃品なので、数年間はもつだろう。

それと、ブリッジダイオードはだいぶ熱を出している。放熱器を大型にすることと、ケミコンの近くに置かないようにしないといけない。

Aクラスアンプはこの一台で打ち止めになると思う。欲をいえば、パワーTrを追加して2パラにし、トータル8Aの電流を常時流すようにすれば、もっと低いインピーダンスにも対応できるかもしれない。しかし、それ以上の大食いアンプは節電が求められる目下の時代には合わない。

RC直列してスピーカのインピーダンス特性を改善するZobel networkがよく採用されていて、Cは0.01~1uF、Rは数Ωにしているものが多い。抵抗Rの定格電力をどうすればいいか、ついでにシミュレートした。

120830-10.png

上の設定ではアンプの出力電圧を40Vにした。6Ωのスピーカに対して、270W相当なので、充分高い値だ。また、周波数が高いほど、Cのインピーダンスが低くなるので、20kHzの正弦波出力で図示した。

120830-11.png

抵抗R1に流れる電流は最大約250mA、電力は最大0.55W。ただ、周波数10kHzでは、最大電流は120mA、最大電力は0.14Wに急減する。

結論として、Rの定格電力は0.5Wで充分。

つくったアンプでは、立ち上げ3秒後にリレーONするように設定してある。その限流抵抗のことがやはり気になり、再計算してみた。

<限流抵抗がない場合のシミュレーション>
 トロイダルトランスの2次側内部抵抗(R1, R2)は取り敢えず0.1Ωにし、大容量平滑用コンデンサの容量をアンプに合わせて44000uF、等価抵抗を0.05Ωにしてみた。

120830.png 120830-1.png

となると、LTspiceによる結果では、最大突入電流 I(R4) は約90A、60mS後にC1両端の電圧は約20Vに上昇した。採用したブリッジダイオードは最大瞬間170Aに耐えるもので、実害はないものの、やはり限流すべきだと考える。

<限流抵抗を付けた場合>
 そこで、R3, R4を10Ωにしてみた。

120830-2.png 120830-3.png

最大電流は約2Aに低減された。ただ、R3, R4にかかった瞬間最大電力は約45W。セメント抵抗であれば、5秒以内のパルスに対して、定格電力の5倍までが耐えられるようで、10Ω/10Wのセメント抵抗を使えば問題ないと見た。

ただ、コンデンサC1両端の電圧上昇は随分遅くなり、1秒後でも約14Vしかならない。ということで、リレーを1.5~2秒後にOnすればいいだろう。

120830-4.png

PICプログラム自体はすぐに終わったが、書きだすとハード的にバグってたことが多かった。PIC16F88の4番ピンは入力専用で、LED出力はできないことや、CCPは1チャネルしかなく、左右のファンを同じ回転数で回すしか無いとか。基板のパターンをカットしたりして、一通りイメージした動作ができた。

電圧増幅用電源のことは残っているが、いまのままでも問題なく聴けるので、修正することはしないかもしれない。良いと思ったことが返っておかしくした理由は知りたいけど。

今回一ヶ月に渡ったA級アンプづくりでは、終わってみれば、こうすればよかったと反省すべき点が多大にあった。次回に生かし、もっと納得のいくものを作って行きたい。ともあれ、長年の憧れであるA級アンプができたことで、夢がひとつ叶った。

120828.jpg

上の写真では、右から3番目LEDが点灯し、40℃台温度を示している。85℃を超えたらリレーをOffし、シャットダウンする。なお、写真からはわかりにくいが、左右ファンも温度に応じて回転数を変えている。

120828-1.jpg 120828-2.jpg

盛大なハムが聴こえたので、トラベルシューティングを開始した。二日間かかった配線は振り出しに戻し、片CHまでをケースから取り外して、範囲を最小限に絞ってみた。それでもハムが消えなかった。

一晩頭を冷やし、電圧増幅用電源部を使わないことにした。元々の回路には電力増幅も電圧増幅も同一電源だったし、外しても原理上動くからだ。

しかし、見事にハムが消えた。原因は電圧電源部にあった。

さて、専用のトランスまで用意して、専用の電圧増幅用電源をつくったが、必要でないとなるともったいない気がしてきた。音質に影響がなければ、Simple is best、外すべきだろうけど。

なによりも原因がわかってほっとした。では、なぜ実験段階で気づかなかったのかというと、アンプのアイドリングが小さかったし(最大0.6A)、スピーカが身近になかったので、オシロでは観測できなかったと解釈できそう。ただ、いまではスピーカを繋げなくても、オシロでよく見れば、ハムが乗っかっていることがわかる。つまり、油断したことが最大の敗因。

原因がわかったので、取り敢えず電圧増幅用電源を外して、配線し直した。スピーカに耳を数cmまで近づけば、かすかなノイズは聴こえるが、そんなもんだろうと判断した。アイドリングを1Aにあげ、計4Aの電流が常に流れることになる。

週末で完成する予定だが、PICプログラムをこれからつくる。数日の遅れか。

取り敢えずアイドリングを左右とも0.85Aに調整し、DCオフセットを再確認して、スピーカに繋いで試聴した。

試聴時間が短いので、LM3886アンプとそれほど違う印象はなかったが、ノイズが酷かった。LM3886アンプでもデジタルアンプでも全く聴こえなかったノイズがスピーカからはっきりと聴こえてしまう。ちょっと参った。発振している可能性もあるし、配線の仕方によってどこかが変になっている可能性もある。PICはまだ載せてないので、デジタル回路によるノイズではないはず。

原因究明をしないといけない。なお、通電30分の時点では、温度センサの出力電圧によると、左右放熱器の温度はともに53℃に達した。ファンはまだ稼働していない。

オシロスコープで確認したところ、ノイズは100Hzハムのようだ。アース引き回しの問題とも考えられるし、トランス等からの誘導ハムかもしれない。何れにしても、退治するには時間がかかりそう。

120825.jpg

国会中継を聴きながら、配線を終えた。前回のLM3886アンプに比べて、結線がだいぶ増え、二日間もかかってしまった。ただ、PICはまだ載せてないので、安心して音楽を聴くにはもうすこじ時間がかかる。

120824.jpg 120824-1.jpg 120824-2.jpg 120824-3.jpg 120824-4.jpg

やっと片CHはなんとか形が決まったけど、トランスの太いリード線が邪魔になり、もう片CHは難しい。いま使っている15mm六角スペーサを25mmか30mmにしないとね。

それと、配線図をケース内に貼り付けておかないと、自分以外のひとはもっと苦労するだろう。次回にまたアンプをつくるなら、なるべく配線せず、基板だけで完結するようにしたい。

120823.jpg

基板が届いたので、早速半田付け。FETの高さについてはノーチェックだったので、格好が悪く、2SC3421にすればよかったと後悔しても後の祭り。統一性を考え、高価なニッコーム角板抵抗を使った。

120822.jpg 120822-1.jpg

そして、電源部と合体、いわゆる2階建。

120822-2.jpg

肝心のPICプログラムを急いで作らなくちゃ。