メルカリからラジオキット完成品 Fourland FR-05が到着。送料込で約千円。ほしい理由はその木箱、内部にスペースが結構あり、改造やモジュールの追加に適していると思ったから。

工業高校の実技の授業で組み立てられたラジオキット Fourland FR-05
FM用アンテナと単二4本バッテリーホルダを早速取り外した

ワイドFMとAMの2バンド、外部入力AUXにも対応。スピーカは10cm、8Ω / 2W、韓国製、しっかりしている。長さが6cmしかないAMバーアンテナだが、感度は良好。RF(AM/FM)基板は調整済みの状態でキットに入っていたかもしれない。調整する計測器がふつう、学校には備わっていないので、ハンダ付けするだけで完成できるためだと推測する。

2枚プリント基板のうち、AF基板はそのまま表側がラジオの正面になっているところはよく考えられた構造だと評価する。だから、AF基板上のパーツはプリント基板の裏側にハンダ付けすることになっている。AF基板のうえにRF基板が重なり、2層構造になっている。

2枚の基板が重なる形で組込まれている
RF基板の中央にソニー製IC CXA1611M が鎮座している
RF基板の型番は FR-7100Aとなっている

RF基板にSony CXA1611M が使われている。IFT以外に、セラミックフィルタ(AMとFMの両方)が採用されており、感度や選択度のアップに貢献している。ほかに、チューニング同調LEDが機能する。

AF基板の初段に 2SC945(実測したhfeが260)が使われており、その後に IC (型番は裏にあって見えないが、ネット情報から推測すると、松下製 AN7116だと思われる)によるアンプとなっている。Tone回路が内蔵されていて、音質はよい。

ケミコン1uFの4つ、4.7uFの1つ、10uFの2つをセラコンやフィルムコンに取り替えておいた。劣化したわけではなかった。また、電源電圧は6V(単二4本)だったが、充電可能なリチウムイオン電池 18650二本(7.2~8.2V)を使うように改造した。2つのICはともに電源電圧 3~9V に対応しているからだ。また、6VのACアダプターが使えるために、2.5mm DCジャックを追加した。

18650充電電池2本とACアダプターが使えるように改造

木箱といえども、穴を開けるのは厚みがあるので、アルミと違う意味での困難さが実物をみて感じた。Sメータと周波数メータをできるならば追加したい。とくに周波数メータは本キットにチューニング減速機構がない分、なくてはならないものだと感じている。

全体的に、本キットは学校の教材としてよく考案したものだと感心した。しかし、残念なことに、フォアーランド電子社は2016年3月に廃業したみたい。

本キットの販売はいつだっただろう。ワイドFMになっていること、韓国製スピーカが使用されていること(Fourlandとのプリントがあって、委託生産だったかも)等から、80年代後半から90年代前半の間の発売だったと推測する。当時の工業高校生がいまは40代か50代になったなぁ。

今後メンテのため、2つのICチップのデータシートを保存しておく。ネット上にあると必要な時に見つかるとは限らないから。本サイト(自宅サーバ)は2004から毎日稼働してきたことは自己満足すべきだ。

CXA1611Mのデータシート(ソニー社FM/AMラジオ)
AN7116のデータシート(1W オーディオアンプ)

JLH1969 キット

4、5年前に中国現地で購入したキットだと記憶している。購入後、自分で各パーツを丁寧にハンダ付けしたものの、ヒートシンクの調達や、電源の用意を考えるうちに、やる気が無くなり、そのままにしていた。

キットの内容はA級オーディオアンプ、J.Hood 1969が考案したもののようだ。プリント基板に「東海の声」(日本語だと「東シナ海の音」の訳になるが)という名称が書き込まれており、オーディオに拘った会社かグループがパーツを集め、自作キットとして売り出したものだと推測する。日本製は現地では人気がなく(少なくてもオーディオ愛好家の間では)、欧米のメタルキャントランジスタ 2N2907、2N1711、2N3055 をキットに使ったり、フィリップスのケミコンを採用している。抵抗器もFクラス(許容差1%)ものになっている。

見た目では良さそうなパーツを採用している
チューブラ型のケミコンは珍しい
メタルキャンTr にはやはり意気込みを感じる
基板の裏側

基板のパターンをトレースして、さらにパーツを確認しながら、回路図をおこしてみた。

本キットのプリントパターンをトレースしておこした回路図

電源としては+28V、容量1.5A以上のものが必要。調整作業として、①ケミコンC4のプラス側電圧(センター電圧)が電源電圧の半分(Vcc/2)、つまり14Vとなるように、R2(10回転半固定抵抗)を回す、②電源電流が1.5Aとなるよう、R7を回す。という2つのことをやっておく。

高熱を出すので、上記の調整作業は精密にやらなくても構わない。いや、精密にやっても無駄だ。

本アンプはAクラスで動作するので、ものすごい量の熱を出す。キットに含まれるヒートシンクだけでは通電して数分も経たないうちに60度を超えるので、より大型のヒートシンクに取り付けないといけない。ヒートシンクのサイズは大きければ大きいほどよい。たとえば、10キロものなら、電源電圧・電源電流をより高くして、よりパワフルにより高音質で音楽を楽しめることができるらしい。

理由は簡単。たとえば、本キットは定格出力が10Wだといわれる。この10Wは無論実効値のことで、正弦波の電圧振幅に直すと、スピーカを純抵抗8Ωだと仮定すれば、

Vp = √2 x √(WR) = √2 x √(10*8) = 1.414 x 8.94 = 12.6V

となり、ピークtoピーク電圧は倍の25.2Vとなる。一方、正弦波の電流振幅に直すと、

Ip = √2 x √(W/R) = √2 x √(10/8) = 1.58A

となる。キットに用意すべき電源である 28V/1.5A は 25.2V/1.58A に対してまったく余裕がないわけだ。できるならば、電源電流は1.6A 以上、あるいは余裕をもたせて 2A 位が必要だろう。

定格出力を100Wにしようとすると、電源電圧は80V以上、電源電流は5A以上にしないといけない。400Wの熱を放出するヒートシンクはどれぐらいのサイズになるんだろう。気になる。

さて、スピーカの代わりに8Ω / 100W抵抗を出力負荷として、そしてスイッチング電源、信号発生器、オシロをキットに繋いで、波形の確認をしてみた。

波形の確認
Vpp(ピークtoピーク電圧)が23V前後になると歪みはじまる
100Hzの低音域での方形波レスポンス
10kHzでの方形波レスポンス
20kHzの方形波(下の緑)に対するレスポンス(上の黄)
同じ20kHzでも、入力の振幅を半分にするとよりマトモにみえる

本キットはDCアンプではないので、低音(100Hz以下)や高音(20kHz以上)域ではあまり期待できないことは波形からもわかる。また、入力Vppが1.49Vに対して、出力Vppが約20.5Vだったので、増幅率は13.8倍、約23dBだというところは本来の設計値と一致している。20kHzに限らないが、入力の大きさが小さいと出力波形がマトモにみえることがあるので、めいいっぱいの波形で確認することが重要。インチキしたければ、出力電圧を数Vにすれば誤魔かせるかもしれない。

入力のVppが1.49VはCDプレーヤや、自作プリアンプの出力電圧に対しては十分小さく、問題なく10Wを出せる。

ここまで来たら、試聴したくなったのは人情というもの。さっそく、手持ちのアルミヒートシンクにマウントして、スピーカを繋ぎ、パソコン音源で聴いてみた。温度が気になるので、デジタルテスタで同時に測ることにした。

試聴

まあ、ふつうの音質に聴こえた。悪くもないが感動するものでもない。ただ、数千円のキットでここまで頑張れるのはやはり考えさせるものが多い。数十万円のアンプに対抗できるまでは言わないが、数万円ものや真空管アンプにひけを取らないと思う。1969年からの進歩はひとの感じ方がそれぞれだが、そんなにないと主張しても大きな間違いではなさそう。

温度は33度から、30分間試聴したのち、51度に上昇したが、上昇ペースはとても鈍い。室温は約18度なので、放熱ファンをつけなくても、電源電流をもう少し下げれば夏でもなんとかなるかもしれない。室内で聴くには、スピーカの定格出力が5Wもあれば自分としては十分すぎるから。

各抵抗両端のDC電圧を試聴中測ってみた。R0(37k)は3.913V、R1(100k)は10.39V、R3(8.2k)は1.29V、R5(2.7k)は0.722V、R6(100Ω)は4.845V、R7(1k)は7.52V、R8(2.2k)は0.736V。

R6を流れるDC電流が思ったよりも高く、48mAになっている。定格電力が2Wなら安心する。キット品のワット数はわからないが、いつか2Wのものに変えたい。

本日スイッチング電源を始終使ったが、ノイズ等を感じたことはなかった。3A(左右ステレオ)の定電圧を出すにはシリーズ電源ならとても苦労するが、スイッチングでは楽勝。PC用ACアダプターとして、24V/3-4A 程度のものは丁寧に探せば見つかるはず。

使用したスイッチング電源150mVp-p

秋月電子で探したら24V/4.3A というスイッチング電源ボードを見つけた。出力電圧は10%程度調整可能とのこと。売値はやや高く3,100円だが、産業用であること、1次側と2次側は絶縁されていること、各種保護機能が組込まれたこと、自然空冷方式(ファンレス)であること、リップルノイズが150mVpp以下であること、無償保証期間が5年であることなどから、良さそうに感じた。自分でシリーズ電源を用意するなら、電源トランスや大型ケミコン等を購入しても定電圧電源にならないし。

<参考資料>
JLHアンプに関する初期論文およびその後のアップデートをまとめたサイト https://sound-au.com/tcaas/index-1.htm

何年もまえに aitendo からDSPラジオ用 6959 モジュールを購入していたが、やっと作り気になって、ラジオにしてみた。

DSPラジオモジュール 6959

ちゃんと機能するかどうか、確認するため、まずバラック実験をした。FMモードかAMモードかに応じて、モジュール上のLEDがそれぞれ点灯する。少しでも節電するため、ふたつのLEDを取り外した。また、R1、R2というふたつの抵抗器を外すことで、音量が約3倍大きくなるとの記述がマニュアルにあったので、合わせて外した。

LED D1, D2、抵抗器 R1, R2 を取り外した。基板に若干の傷をつけたが。

バンドの切替に、ロータリスイッチは操作性がよいので、2回路11接点のものを使った。12接点との説明の商品だが、手にしたら実際に11接点しかなく、仕方なくそれを使った。2回路を選んだのは接触不良を無くしたいためだ。2層のスイッチを実際に並列接続して、片方でも導通になっていればOKという目論見。

11バンドは以下のように選んだ。
FM 70MHz ~ 93MHz
MW 522kHz ~ 1620kHz、9kHzステップ
SW(5kHzステップ)
  4.7MHz ~ 5.6MHz
  5.7MHz ~ 6.4MHz
  6.8MHz ~ 7.6MHz
  9.2MHz ~ 10MHz
  11.4MHz ~ 12.2MHz
  13.5MHz ~ 14.3MHz
  15MHz ~ 15.9MHz
  17.4MHz ~ 17.9MHz
  21.4MHz ~ 21.9MHz

バンドの切替は BAND-FM 端子をGNDに、BAND-AM の切替による。FMは上限受信周波数を 108MHz(少なくてもFW補完放送の上限 95MHz) にしたかったが、うまく切替できなかった。

ボリューム調整として、2連100kΩ Aタイプの可変抵抗をつかった。たまたま手元にあったから。今回は2連の片方をつかったが、経年経過による接触不良になれば、残り片方にハンダ付けし直して切り替えることが可能。

チューニングとして、10回転の 50kΩ ポテンショメーターをつかった。バーニヤダイアルを取り付けて、抵抗値からある程度受信周波数がわかるかもしれない。

バーアンテナとして、手元に最も長いもの(180mm)をつかった。多少でも高感度にしたいから。インダクタンスはLCRメータ(DEREE DE-5000、秋月より購入)で測ったところ、100kHzでは 363μH、Q=50。

電源として、充電式リチウムイオン電池 18650 をつかった。消費電流は平均 60mA のようで、毎日3時間聴くとしても、1回の充電で2週間ぐらいはもつはず。

バーアンテナ内蔵のため、プラスチックケースをつかった。スピーカーまで内蔵するので、結果的に大げさのサイズになってしまった。

なお、トランジスタ 9018 によるプリアンプは実装してテストしてみたが、自分のアンテナ環境では、SW(短波)の受信では却って混信がひどくなり、いいことはまったくない。FMではあったほうが確かによい。それも自分のアンテナはHF用で、FMに対応していないからだろう。つまり、アンテナがしっかりしていれば、プリアンプは必要ないということだ。

プラスチックケース(21x23x8cmというデカさ)に収納
正面。左(上)から:電源SW、イヤホン・外部SP端子、ボリューム、バンドSW、チューニングLED、チューニングダイヤル。
背面。左から:18650電池ホルダ、FM・SW用外部アンテナ端子
内部の上面にスピーカーを取りつける。撮影後、SPを防磁式に変えた。
内部にはガラガラだが、バーアンテナが長い
接続部分はけっこう工夫した

低コストで、なんの調整もなしに、誰もが簡単にFM・MW・SWを受信するラジオを作れるのはDSPラジオの醍醐味。21MHzバンドの短波放送局が少ないので、受信できた局はほとんどなかったが、ほかのSWを含めたそれぞれのバンドはガンガン聴こえる。とくにFMでは外部アンテナがなくてもワイドFM(FM補完放送)を受信してしまう。たとえば、TBS放送 90.5MHz(ボリュームの約80という位置)、文化放送 91.6MHz(84という回転位置)、ニッポン放送 93.0MHz(約89という位置)。ただし、地元の栃木放送(94.1MHz)はFMバンドの上限(93MHz)を超えたので受信できなかった。

また、真空管ラジオと違い、受信周波数のドリフトは全くない。ポテンショメーターによる分圧の値を使っているので、チップ 6959 がちゃんと設定・製造されていれば、ドリフトのないことは当たり前かもしれない。

音質はよいのもメリットのひとつ。スピーカーの良さとも関連するが、選択度を決めるフィルターがDPS化されているので、帯域の狭さによる音質低下が少ないのがその理由かもしれない。顕著に現れているのはSWバンドで、音楽を聴くとその違いがよくわかる。

当然、欠点がないわけではない。

ひとつは、MWでは、NHKやローカル局(栃木放送)以外に、ビートノイズ(救急車がサイレンを鳴らして遠くで走っているという音)が背景に聴こえること。

原因はわからないが、①バーアンテナがDSPモジュールに近すぎたから?ネットでは5cm以上離せるべきだとの意見がある。②バーアンテナが長すぎて、感度を極端に高くしたから?③スピーカーに近すぎたから?

原因の①と③はバーアンテナを離して確認すれば本当かどうかはわかる。原因の②は短いバーアンテナをつかうことで確認できる。なお、バーアンテナに関し、マニュアルでは、バーアンテナの長さ80mm、コイルのインダクタンス350~450μH を特性の測定条件にした。

ということで、原因①と③について実際に離してみた。ビートノイズは減っていない。また、②について長さが120mmの短いバーアンテナにしてみたが、感度が大幅に低下したことがわかった。昼間では文化放送(MWでは1134kHz)が受信できなくなったから。

そして、本製作の最大の欠点は受信周波数がわからないこと。チューニング用のポテンショメーターが受信周波数と線形関係であれば、PICマイコンを使い、ポテンショメーターによる分圧電圧値を計測し、受信周波数を大まかに表示できるかもしれない。実験した製作記事はたしかにネット上に上がっている。根本的な解決は違うDPSラジオモジュールを使うことだ。たとえば、モジュール 6955 なら受信周波数を外部に出力している。

つくった50MHzまで測れる周波数カウンターメータを Trio 9R-59D(S) に使うには、OSC回路に影響を及ぼさないために、バッファ回路が必要と思われる。真空管 V3である 6AQ8 の残りの三極管をバッファとして使う実験をしたところ、芳しい結果ではなかった。つまり、周波数カウンターメータを接続したら、発振周波数が変わったり、発振波の振幅が変わったりした。ということで、多くの人がやったように、FETによるバッファを作成した。

使える高周波用FETはいくつもあるが、手元に有名な 2SK241-Y があるので、それを使った。なければ、秋月電子販売中の J211_D74Z でも問題ないと思う。

つくった周波数カウンターメータの感度が十分高いので、FETの後にトランジスタによる増幅回路をなくし、FETだけのバッファ回路にした。回路図は以下のとおり。

FETによるバッファ回路

各パーツは基板にではなく、9ピン真空管ソケットにつけた。シャシーに穴(センター穴)を1つ開けるだけでしっかり固定できるし、見た目も周りと調和している。AC 6.3V は近くのV3用ヒーター電圧から分岐してもらった。

真空管ソケットを基板代わりに使った
V3である 6AQ8 の傍にスペースがあり、そこに回路を装着
バランス型アンテナ端子をバッファの出力端子に流用した。そこに周波数カウンターメータをつけて、受信周波数を10MHz未満なら100Hz単位で精確に読み取る
受信周波数を精確に知ることはやはり大事だし便利

周波数カウンターに関しては、中古製品を1つ、自作品を2つ持っているが、IF周波数(455kHz)を間引く機能はついていなく、TRIO 9R-59D(S) のOSC周波数を表示するには使い勝手は悪い。いちいち455を引かないといけないから。

AliExpressでは4ドル程度で販売している周波数カウントキットがあり、秋月通商では1950円、Amazonでは約1800円で似たものを販売している。急いで手にしたいので、また、LED表示部と本体とを離したものがよいので、Amazonから調達した。

1Hz~50MHzの周波数カウンターキットを購入

ケミコン10uFの2つ、47uFの1つを手持ちのセラコンに変えて、数時間かけてハンダ付けした。

キットをハンダ付けした

いらないパーツや取り替えたことで残ったパーツは以下のもの。

残ったパーツ

上記の写真にある、C14であるコンデンサ 22p はハンダづけしないで、との指示が添付してきた資料に書かれたので、そのまま残った。ケミコン3つはセラコンで置き換えた。電源スイッチは別のパネルタイプのものを使うだろうからいらない。DCジャックは一般的なものではなく、自分としては2.5mmのものでないと困ってしまう。

プリアンプの回路は周波数カウンターの性能を決める大事な部分なので、基板のパターンを観察しながら、下記のとおり復元した。正式に発表されたものではないので、あくまでも参考程度。

プレアンプの回路(画像だけを表示させれば、拡大表示やダウンロードが可能)

回路図からわかるように、外部電源としては、約7V以上のものなら、DCでもACでもOKのはず。ショットキーダイオード 1N5819 が整流ダイオードとして機能するので、外部電源の極性を間違えて壊れることはない。その先に、出力電圧が5v の3端子レギュレータがあり、周波数カウンター内部では安定化電圧 5V を供給している。

なお、RF FET である J310 を流れる電流は実測で約 10mA、RF Tr である 2SC3355 を流れる電流は実測で約 5mA。Trのバイアス抵抗 56kΩ は自分のキットでは 47kΩ に変えると、Out端子のDC電圧は 2.55V になる。56kΩのままでは2.7V であって、多少高く感じたので 47kΩ に変えた。

IF周波数である455kHzを間引く設定にするには、PROGスイッチを数回短押し(クリック)して、「tAbLE」(テーブルの意味)が表示されたところで、スイッチを長押しして、「455.00」を表示させる。そして、スイッチを長押しして確定させる。つぎに、「Sub」になるまでスイッチをクリックする。「Sub」が表示されたところで、長押しして確定させる。電源を切っても、設定した内容が保持される。

以上のような操作はやってみないと分かりづらいが、短押し(選択)と長押し(確定)の意味を分かることが大事。そして、直前に表示された周波数(実際に測定した周波数、あるいは、テーブルから呼び出した周波数)を「Add」または「Sub」すれば、入力に印加されたシグナルの周波数に加算または減算できるようになる。つまり、オフセット機能はそう設定するのだ。

実際に文化放送(1134kHz)の周波数を自作品と本キットで表示させた様子を以下に示す。OSCの周波数は1589(若干のずれがあり、自作品では1588.88との表示)kHz だが、間引く設定によって、本キットの周波数表示はきちんと1134と表示される。

自作品と本キットの周波数表示

ラジオの周波数表示に使うなら、半可変コンデンサ(トリマコンデンサ)を回して、周波数を調整する必要はないだろうが、どうしても気になるひとは、5MHzの標準時計の電波で調整できるかもしれない。ただ、その放送もAMなので、帯域幅があり、精密調整には無理。なお、個人で最も精確に利用できる標準周波数はGPS同期の10MHz。本ブログの古い記事を見れば、活用法がわかるはず。

さて、本キットのキーパーツはなんといっても PIC16F628A (秋月通商で200円販売中)とそれに書き込まれたプログラムだ。プログラムについては、オリジナル先からダウンロードできるかもしれない。実際にテストしていないので、本キットと同じプログラムかどうかは不明。

<2021.1.23追加>
本キットだけの問題かもしれないが、PICプログラムにバグがあるようだ。というのは、2.5MHz~3.5MHz範囲内の周波数測定はうまくいかないようだ。TRIO 9R-59DS のBバンドでは、バンド途中の周波数を明らかにずれて表示していることが発覚のきっかけ。しかも、連続したずれではなく、たとえば、3.5MHz のつぎにいきなり2.8MHzと表示されてしまったりする。単体の信号発生器から合成した正弦波を測定しても、同じ症状が出たので、PICプログラムのバグだと認定した。この帯域の電波受信はほとんどしないので、実害はないが、気になることは確か。

<2021.1.28追加>
アルミケースにキットを収めた。ギリギリのサイズなので、もうすこし大きくすれば良かったかも。

正面に周波数表示用LED、プログラムボタンを置き、背面には入力用BNC端子、ACケーブル、ヒューズホルダを置く。電源スイッチは省略。

BNC端子を正面に置くことも考えたが、ふつうの周波数カウンターメーターはほかにあるので、本キットはラジオのOSC周波数表示専用にしたい。

ACケーブルはやはり便利にしたかったから。外付けACアダプターは面倒。

ACケーブルのために、6.3V小型電源トランスを組込み、さらに安全のためにヒュースホルダをつけた。

LED表示部を離して使えることがやっとここで役に立った。

アルミケースをつけた
正面。手作り感が満点。LEDは丸見えだが、このうちアクリル板を追加して、減光処理をすると同時に、見栄えをよくする。
背面。ギリギリのケースサイズなので、デザイン的にイマイチ
内部の写真。LED表示部を基板から分離できたところがよかった(接続ケーブルは aitendo から入手)

真空管式通信型受信機 Trio 9R-59D(S)の通病として、Dバンドの感度低下があげられる。OSC(局部発振)用V3の真空管として、双三極管 6AQ8 が採用されているが、ピン互換のロシア製 6N1P で差し替えて確認したところ、Dバンドの感度アップが認められた。つまり、V3の選定によってDバンドの感度が変わる可能性が秘められている。

そこで、大晦日の本日では、手持ちの双三極管を複数個ピックアップし、改めて発振波形の強さを確認することにした。メインチューニングをA, B, C, D各バンドの最高周波数にセットし、オシロを使って波形をチェック。

確認した真空管は 6AQ8(デフォルト)、6N1P(ロシア製新品)、6BZ7(RCA製未使用品)、6R-HH2(TEN、中古品)。さらに、結果的に使えないことがわかったが、6CG7、6R-HH8 についてもテストしてみた。

V3として使えそうな双三極管4品種

各バンドにおける波形の振幅を以下に示す。それぞれの波形をすべて示す必要もないので、最も良かった 6R-HH2 を使用した際の波形のみを合わせて示す。

6R-HH2によるAバンドの波形
6R-HH2によるBバンドの波形
6R-HH2によるCバンドの波形
6R-HH2によるDバンドの波形

Cバンドでは異常発振になってしまった6R-HH8はDバンドでは最も波形が強く、異常発振の問題を解決できれば最もよい候補になるかもしれない。

6R-HH2は6BZ7との差がばらつきの範囲内かもしれないが、6AQ8の倍以上の強さになっているので、V3として、6R-HH2を使うのはDバンドの感度アップにもっと効果的だ。現に、6AQ8の代わりに 6R-HH2 を使ったら、Dバンドにある多くの放送局を楽しめるようになった。

ただ、問題がまったくないわけではない。6R-HH2 の最大プレート電圧が150Vとは、定電圧放電管 0A2 を追加した手持ちの個体のプレート電圧そのものだから。0A2がなければ、プレートにかかる電圧が187Vになるようだ。最大プレート電圧を超えたからただちに真空管が壊れることはないだろうが、寿命に悪影響を与えることは間違いなさそう。

そういうことで、R41である 150Ωの抵抗を手持ちから、470Ω に変え、V3のプレート電圧を約 145V に下げることにした。

真空管通信型受信機 TRIO 9R-59D (S) に、オプションとして、定電圧真空管 0A2(VR-150MT)が用意されている。それを使うと、一部のB+電圧が安定になり、ドリフトが軽減されるとか。

自分の入手した個体に、すでに0A2が装着されているが、予備球をさらに買っておくことはバカバカしいので、Tr+ツェナーダイオードによるソリッドステート化を考える。

0A2は定電圧放電管といい、5~30mAの電圧を150Vにキープしてくれる。実際に9R-59Dでの流れる電流は15mA前後、消費電力は約 2W。

こんな大パワーのツェナーダイオードはなかなか入手しづらい。安全係数をもたせるには、定格電力10Wものがほしいところ。ということで、Trを採用せざるをえなくなった。

回路図は以下の通り、典型的な安定化回路そのもの。手持ちのNPN型 Tr BUH150Gは耐圧400V、真空管回路にも十分使える。Tr の消費電力は約0.4W、ヒートシンクをつけなくてもOKだろう。150Vツェナーダイオードを流す電流は約1mA、消費電力は約 0.15W。150V/1W 程度のものなら十分。

150V/20mAの定電圧回路

0A2は実質2端子素子だが、今回の定電圧回路は3端子になるので、完全の互換にならない。そういうことで、9R-59Dの回路を一部変更し、入力端子はピン1番、出力端子はピン5番に繋ぐことにした。元の回路では、B+として1番を使っていたので、1番へのリード線を入力(ピン1番のまま)と出力(ピン5番)に分ける必要がある。なお、真空管0A2の内部では、ピン1番と5番が繋がっているので、改造後、ソリッドステート回路を搭載したソケットと真空管との差し替えはいつでも可能。ただし、真空管 0A2(あるいは、そのソリッドステート化もの)を使わないと受信機全体は機能しなくなる。

以下はつくった物の写真。

定電圧放電管 0A2 のソリッドステート化した変換ソケット
変換ソケットの底部分
シャシーに装着した際の様子。キャップはまだ用意できていない
ソケットの1番ピンにつないでいた出力のリード線を5番ピンに移動

音質の改善や6AQ8の節約、チャレンジ等の理由で、TRIO 9R-59DS にある真空管 V7(双三極管6AQ8、それぞれのユニットはBFOとAF増幅用)をソリッドステート化、つまり、トランジスタで代用してみた。

AF増幅用のほうは、高耐圧FETで置き換えるだけで済み、とても簡単。今回は手持ちのLND150(Vds耐圧が500V、秋月より入手可)を採用。

問題はBFO用。発振周波数は 455kHz 前後と高周波ではないが、キャパシティを持たせないために、どうしてもRF用FETを使わざるを得ない。しかし、RF用FETに高耐圧のものは手持ちになく、FET+NPN型トランジスタにした。さらに、保護用ツェナーダイオードを追加。以下はその回路図。

2SK241とA42とのコンビ

2SK241は有名なRF用FET。MOS型であるため、バイアス抵抗がなくても動く。A42は MPSA42 という名称のNPNトランジスタ、Vbc最大耐圧が300V、トランジション周波数が50MHz(BFOの発振周波数に比べて十分高い)。耐圧が250V以上であれば、どんなNPN型トランジスタでもよいだろう。ツェナーダイオードは手元に10Vのものがあったので、それを使ったが、6~12Vのものならどれでもよいはず。

2SK241はIdssの小さいもの(できれば 3mA以下)がよい。手持ちにYランクのものしかないが、できればOランクがよい。

つくったものの写真を以下に示す。

変換ソケットを自作。いつでも真空管に戻すことが可能。
AF増幅側のユニット。LND150 というFETをつけるだけ。
BFO用はちょっと複雑。FET+NPN-Tr
違う角度の写真をもう一枚
キャップを被せ、真空管 6AQ8 の代わりになった。

FunctionをSSB-CWの位置にセットしたときの、ピン1番(6AQ8のプレート)の波形はつぎのようになっている。

出力波形

音質はやはりFETのほうが良い。ヒーターがないので、ハム音が大幅に低減したこともメリットのひとつ。BFOは流れる電流が6mAもあり、とても力強い。その結果として、SSBの感度(音声)が大幅にアップ。半永久に使えることは最大のメリットかもしれない。

もうひとつのOSCとして機能する真空管、V3 である6AQ8 のソリッドステート化はつぎの課題。

1週間前に、念願の9R-59DSをヤフオクにて入手。整備品とのことで、相場よりは多少高いかもしれないが、結果的に良かった。

Trio 9R-59DS
一緒についてきた外部スピーカ Trio SP-520

スピーカは9R-59DSについていないので、今回の出品では珍しく外部スピーカもついている。外部スピーカといっても、メタル筐体にスピーカユニットが中に入っているだけのつくりで、変わったことはなにもない。

9R-59DSは真空管ゼネラルカバレッジ受信機で、受信周波数帯域は550kHz~30MHz、4バンドに別れている。受信モードはAM以外に、SSB・CWにも対応。

内部構成はシングル・スーパーヘテロダイン、中間周波数455kHzに一旦変換される。いわゆる「高1中2」:RF(6BA6)、MIX(6BE6)、OSC(6AQ8の片側だけ)、IF2段(6BA6 x 2)、SSB検波(プロダクト検波)(6BE6)、BFO(6AQ8の第1ユニット)、AF2段(6AQ8の第2ユニット)、6AQ5。つまり、使用真空管は8本。型番で類別すると、6BE6が2本、6BA6が3本、6AQ8が2本、6AQ5が1本。双3極管である6AQ8は多少入手しにくいかもしれないが、その他の3型番はよく見かけるものだ。ロシア・中国系の互換品を書くと、6A2P・6A2(=6BE6)、None・6K5・6K7(=6BA6)、6N1P・6N1(=6AQ8)、6P1P・6P1(6AQ5とピン互換ではないので、変換ソケットが必要)。

また、オプションである定電圧放電管 0A2(TENブランド VR-150MT)が実装されていて、B+電源電圧が150Vに安定化されている。

定電圧放電管0A2が追加されている

ほかの細かい部分として、RF増幅真空管のシールドの追加があった。

RF増幅真空管 6BA6 がしっかりシールドされている

さすがに、整備品という言葉は嘘でなく、大きな問題もなく稼働してくれた。真空管はすべて問題のない良品であり、Dバンド以外はそれなりの感度で受信できている。

ただ、すべて満足というレベルでもない。設計が古い(60年か)ということもあり、以下の点について改善策を考えている。

1.AMの音質はよくない。歪みが大きい。
2.Dバンドは感度が低く、ほとんどの放送局を受信できない。
3.SSBの復調はやりづらい。ANT-TRIMの微妙は操作が欠かせない。マニュアルでは、SSBを聴くときに、AFボリュームを最大にすべきだということが書かれているが、自分はいままでそんな操作はしていなかった。

さて、改造の一部については効果のほどは不明だが、行った改造を以下にまとめてみる(無駄だとわかっていても、いじることが好きなので)。

1.RF真空管を6BZ6や6DC6などの、いわゆる7CMピン配置の真空管が使えるように改造。ピンの2番と7番を入れ替えるだけだが。改造後、とりあえず手持ちの6BZ6を差し込んで使うことにした。6DC6は貴重なので、試すことをしていない。いままでの経験では、6DC6だからいいことはなく、あくまでもコリンズ神話。

真空管V1(RF用)を7CMベースに改造

2.OSC用真空管6AQ8を 6N1P に変更。ロシア製 6N1P (ヒーター 6.3V/0.6A)はプレート最高電圧が250V、各プレートの最大消費電力が2.2W、ベース(ピン配置)が9AJ、gm=7.5uS、格安で新品購入可。6AQ8とはピン配置に関する互換性があり、gmは6AQ8の5.9uSよりも高い。この変更による効果は大きく、Dバンドにおいて、複数の放送局が受信できるようになった。ただし、Cバンドほどの感度にはまだ遠く及ばない。

OSC真空管を6N1Pに変更した後の、日曜10時半頃Dバンドにある16MHz帯内のの受信様子。

3.検波用ダイオードを1SS108に変更。音の歪みはダイオードによるとの噂を確かめるため、手元にあるショットキーバリアダイオード 1SS108 で実験。取り替えたのはD2, D3, D4の3つ。ただ、取り替えた結果として、Sメータの振れはよくなったかもしれないが、歪みの改善に関する効果のほどは不明で判断できない。

ダイオードの3つを1SS108に変更

4.音質を改善するために、負帰還(NFB)をかけることにした。C33である33uF/15Vというケミコンを取り外し、そのプラス側(AFの1段目6AQ8の8番目ピンでもある)とアウトトランスの2次側との間を20kΩ抵抗で結ぶ。ミニアンプLM386付きの外部スピーカによっては発振することを確認したが、付属のTrio SP-520では音質がだいぶマトモになった。NHK第1のような強力な放送局はまだイマイチだが、短波放送やDX放送はだいぶ聴きやすくなった。選択度とのトレードオフで考えると、この辺で妥協するかもしれない。

リモート端子の6番線(アウトトランスの2次側接線)を借りてNFBをかける。

5.ハム音を低減させる。真空管なので、ハム音を完全に取り除くことはなかなか難しいが、それなりにトライしてみた。抵抗 R37(2.2k、8W)を1k(5W)と1.2k(5W)の直列接続で置き換え、その中間点とGNDとの間にケミコン 47uF/400Vを追加した。5Wの酸化金属皮膜抵抗は千石から、ケミコンは秋月から入手した。さらに、コンデンサ C46 と並列にケミコン 47uF/400V を追加、つまり、抵抗 R39 の後にもケミコンを追加しすることにした。

取り外したR37(2.2kΩ / 8W)
R37を2つの抵抗で置き換え、さらにケミコン2つを追加。

中波の各放送局に関するSメータの振れを図示する。無信号ではSメータがゼロを指している。受信時間はいずれも日曜の午後5時頃。

NHK第1(594kHz)、Sメータは約+35
NHK第2(693kHz)、Sメータは+40オーバ(+60?)
地元の栃木放送(1530kHz)、Sメータは約+10
中国放送(広島、1350kHz)、Sメータは約+5

1週間しか使っていないが、9R-59DS(その前身の9R-59Dを含め)は間違いなく名機といえよう。理由はいくつかあげることができる。

①操作が直感的でしやすい。メインダイアルは奥の方がメインチューニング、手前のほうがバンドスプレッド(いわゆるファインチューニング)。自分の個体では ANT TRIM操作が微妙だが、ほかの操作はほとんど受信操作時にいじることはない。つまり、RF GAINはつねに最大のままでOKだし、BFO-FREQをいじることもない。中波や短波は無論のこと、SSBもちゃんと感度よくそれなりに聞けることは流石だと思った。

②整備しやすい。真空管についての勉強が必要だが、トランジスタ受信機と比べるとなんと簡単な構造だろう。まるでおもちゃのようなレベル。しかし、こんな簡単な回路でもちゃんと機能するので、真空管が入手できる限り、後50年動かすことは難しくないはず。真空管が入手できなくなったら、FETやオペアンプで置き換えることも可能だろう。故障しやすいボリュームは3つあるが、RF GAIN用のボリューム 10kΩ Cタイプは入手困難で、寿命の長いロータリスイッチで代用することも考えられる。AF GAIN用の500kΩ Aタイプ、Sメータ感度調整用 500Ω Bタイプは入手できるうちに複数キープしておこう。

③ハム音が発生するが、ノイズが少ない。デジタル回路がまったくないから。

自己メモ。

安かったので、メルカリからジャンク品を購入、送料込2k未満。到着して確認したところ、ケミコン 470uF/6.3V はひとつ破裂していて、しかも電源SWやバンド切替SW等は全般的に硬い。

分解作業はソニーのラジオにしては珍しくとても簡単。ソニーは技術力がピカイチとよく吹聴されるが、見てきた昔のソニーラジオは分解が難儀ものが多く、治す気はしない。

本機種は裏フタの固定ネジ4本を取り外し、裏フタのアンテナとのリード線が短ければ、それをハンダ付けで溶け外し、トップにあるTone(低音と高音)に関するノブ2つを外す(固定ネジがなく、力をいれて抜くだけ)と、スピーカを含めた基板を取り出すことができる。スピーカは基板に固定されてはいないが、外れないように1箇所ハンダ付けされている。

基板を取り出したところ。4本のネジは基板を固定するものではなく、裏フタを固定するものなのだ。

破裂したケミコンを交換したら、音が出るようになった。しかし電源(4.5VDC)電流の大きさが異常で、500mAにも達している。原因はAF段のTr 2つ近くのサーミスター(違うかもしれないが、約4mm大きさの楕円球体で、表記はなく、抵抗値は約25Ω、指で触ると抵抗値が変動する)がふらふらしていて、断線しているようだ。それをハンダ付けし直すと、電流が正常状態に戻り、放送を受信していないところでは電流値が20mA以下に下がった。

しかし、他の問題は音量の低下とともに気づいた。ひとつは受信感度がいまいち、高感度ラジオにしてはおかしい。もうひとつは音質が悪く、大きな音量では歪がひどく、音が割れてしまう。

受信感度の低下はどうも初段FETの問題のようだ。初段FETは TX173 C1 という表記だが、正体不明。手持ちの 2SK192A-GR で交換したら、却ってノイズだらけになってしまった。代わりに、2SK241-GR(AliExpressから仕入れた本物かどうかは不明なもの)で交換したら、受信感度がおそらくもとに戻った。おそらくとは正常な状態で聴いたことがないので、あくまでも推測だということ。

交換したFETと、Tr(6つ)

AF段以外のTr(2SC710というものが 7つ) については、ついでにひとつ除いて交換した。ひとつ除く理由はそれが基板のシールド板で隠されていて、シールド板を外すのが面倒だから。取り除いた 2SC710 はすべてSonyブランド(実際の製造は三菱かも)、hfe値は2つが65前後、2つが85前後、1つが100、1つが135。交換用Tr は互換といわれる 2SC1675、hfe値は100前後が5つ、s9014(hfeが350)が1つ。s9014を使う理由はとくにないが、遊び感覚でhfeの大きいTrを使いたかっただけだ。

ただし、ソニーの名誉のために書くが、2SC710は確かに足が黒くなったが、不良になったことではない。足が腐食して折れない限り、交換しなくてもいいかもしれない。今回の交換はただの遊びで、無駄遣いするだけのなにものでもない。

各バンドの感度を確認していて、ひとつ感じた問題は短波受信の実用性だ。チューニングダイヤル自体はスムーズとはいえないこともあり、特定のラジオ局を受信することはほとんど不可能。

さて、音質の問題はスピーカを外してよく確認したら、スピーカのコーンの問題だとわかった。理由不明だが、コーンが多少変形していて、エッジは一部浮いているようだ。

緑に錆びているところで、基板とハンダ付けして外れないようにしてある。
わかりにくいが、8時方向に圧着された痕跡があり、エッジが一部金属から浮いている。

スピーカを交換すれば完璧だが、同じ種類のスピーカを入手することはおそらく不可能。そういうことで、エッジをナイフで金属から剥がし、木工用ボンド(糊)で貼り直した。