メインアンプ部(F基板)はRchがバイアス調整できないという問題を抱えている。幸い、回路図を含めたサービスマニュアルがネットから入手できた。

V-FETを付けたままでの点検調整は怖いので、V-FETを放熱器から降ろした。なお、降ろした後は、F基板をM3のプラスチックネジを使って放熱器に固定。TO-3ソケットと放熱器との絶縁を保つには、プラスチックネジが一番。

131119-3.jpg

回路図を参考にしながら、各部の電圧を測った。大きなズレはなかった。しかし、バイアス電圧は相変わらず調整不能。

131119-4.png131119-2.pdf

ダイオード D352 (VD-1221M) が悪さしているのかな、と疑い、1S1588 を2つ直列接続して代用してみたが、それも外れ。

131119-5.jpg最後の可能性として、トランジスタ Q357 (2SC926A) か Q359 (2SA639S) の不良が考えられる。個々のトランジスタを取り外して測ったところ、片方のhfeが50台だったのを覚えている。

それぞれのトランジスタの仕様は以下のとおり。高耐圧というのが特徴。±90Vがかかる可能性があるから、確かに180V以上の耐圧だと安心する。

品名: 2SC926A
材料: Si
種類: NPN
コレクタ損失 (Pc): 0.32
コレクタ・ベース間電圧 (Ucb): 210
コレクタ・エミッタ間電圧 (Uce): 210
エミッタ・ベース間電圧 (Ueb): 5
コレクタ電流(直流) (Ic): 0.03
接合部温度 (Tj): 125
利得帯域幅積 (ft): 55
出力容量 (Cc), pF: 4
直流電流増幅率 (hfe): 30
パッケージ: U29-1

品名: 2SA639S
材料: Si
種類: PNP
コレクタ損失 (Pc): 0.25
コレクタ・ベース間電圧 (Ucb): 180
コレクタ・エミッタ間電圧 (Uce): 180
エミッタ・ベース間電圧 (Ueb): 5
コレクタ電流(直流) (Ic): 0.05
接合部温度 (Tj): 125
利得帯域幅積 (ft): 50
出力容量 (Cc), pF: 7
直流電流増幅率 (hfe): 100
パッケージ: TO92

どちらのトランジスタも入手困難。ネットで見かけた代用品リスト(下記)によると、BF422 / BF423 というペアなら行けそうだが、それも入手困難。

TA-4650
Q202,252,204,254: 2SA705 = BC556B
Q301,351: 2SA678 = 2SA1015
Q302,352,303,353: 2SA705 = BC556B (match those by HFE, for offset)
Q304,354: 2SC926A = BF422
Q305,355: 2SC634A = 2SC1815
Q306,356: 2SA678 = 2SA1015
Q307,357: 2SC926A = BF422
Q308,358: 2SA840 = 2SA1013 (complementary to 2SC2383)
Q309,359: 2SA639S = BF423
Q310,360: 2SC1670 = 2SC2383
Q401: 2SC634A = 2SC1815
Q402,403: 2SC1124 = 2SD667
Q404: 2SC634A = 2SC1815
Q405: 2SA678 = 2SA1015
Q406: 2SC634A = 2SC1815
Q407,408: 2SA678 = 2SA1015
Q409,410: 2SC926A = BF422

手持ちのトランジスタから、耐圧120Vの 2SA970GR / 2SC2240GR ペア(hfe=300)で代用してみた。

すると、バイアス電圧が調整できるようになった。ただ、半可変抵抗が最大ギリギリのところに最適値がくるようで、まだバイアス電圧が足りないと感じた。ということで取りあえず、ダイオードD351(=1S1555)を2つの1S1588で代用して、実測で調整することにした。

そのほかに、ケミコンを全数交換した。そのうち、入力段 10uF/16V とNFループ 47uF/10V (LRch計4つ)をオーディオ用 Fine Gold にし、0.47uF/50V をフィルムにした。

131120.jpg131120-1.jpg131120-2.jpg

グリスを塗りなおしたV-FETをマウントして慎重に通電し、異音や異臭のないことを確認してから、LRchのバイアス電圧を75mVに調整。その時のオフセットは -24mV / 12mV、問題無いだろう。

131121.jpg

最後にスピーカを接続して聴いた。1時間経っても問題なく、ヒントシンクがほんの少ししか温まらず、30度前後か。メインアンプ部の整備はこれでOK。

結局、今回Rchがバイアス調整不可の原因はよく分からなかった。トランジスタの2つが必ずしも不良とはいえず、バイアス関連のダイオードD351を1S15882つで代用するだけで直ったのかもしれない。不思議な症状だ。

残りの一大仕事はスピーカ端子の交換。付属のものは弱々しく、どうしょうもないレベル。

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