気にするひとはいままでいなかったかもしれないが、JR-310の内部温度に対する疑問だ。

シャシーを逆さまにして、電圧測定やハンダ付けをするのだが、電源周りの温度が高すぎることを感じた。デジタルマルチメータ付属の熱電対で測ったら、なんと抵抗の表面温度は100℃を超えているのではないか。

150Vを約9Vに落とす矢印の抵抗 (4.7kΩ / 8W)の表面温度は100℃を超えている

とくに、矢印の指すその抵抗(回路図では VFO UNIT の右隣、R9 (4.7k, 8W) と書かれている)は最も表面温度が高い。両端の電圧差は約 137V、抵抗値は 4.7kΩ、消費電力は約4W。回路図では 8W の抵抗と書いてあるので、メーカーの設計はそんなもんか、ちょっと心配してきた。ふつう、抵抗に対し、定格電力が消費電力の5倍以上のものを選ぶのが常識だと思っていたから。

JR-310のVFO ユニットは FET と Tr でできていて、電源電圧が 9V と決められ、その電源電圧を供給するために活躍したのが R9。電源トランスはヒーター電圧用の6.3V以外に、210V しか用意していない。そのため、整流後、約150Vもある高い電圧をR9を使って、約 9V に落とすのだ。流れる電流は約30mA。

写真にあるほかの3本の抵抗と合わせて、回路図による消費電力等を計算してみる。

大型抵抗4本。上の写真の左からの順番

なお、本個体での実測では、上表の両端電圧差はそれぞれ、48、159、73、140V であり、回路図に書かれている電圧とそれほど違っていない。

さて、発熱量を減らすため、早速千石さんに注文だし、タクマン酸化金属被膜抵抗 5W (小型品、RLF5S、長さ24.5mm、太さ9mm、定格電力 5W、最高使用電圧500V、単価約80円)を購入した。商品は翌日に届き、秋月電子通商の最近の遅さに勝ち、送料も安い。商品自体はしかし高すぎる。個人の趣味だから単価は無視するが。

消費電力5倍以上の定格電力を有する抵抗があればよかったが、しかたなく、単体でだめなら、2つを直列したり、4つを直列・並列したりして、なんとか消費電力の4倍以上にできた。

また、ケミコン等の側で使ってはよくないので、一部の抵抗について位置を変えたり、ケミコンをセラミックコンデンサに変えたりして、自分なりに努力したつもり。

発熱量の大きい抵抗を取り替えた。コスパは悪いが。
もうひとつ、こちらの抵抗も140Vを降下させるので、発熱量も半端でない
取り外した元の抵抗。100℃を超えた環境でも連続して使える、品質ピカイチ。

取り外した抵抗は上記の5つ。どれも実測したら全く問題ない。時代が進歩し、今回の5W抵抗は明らかにサイズが小型になっている。2つ並べて10Wになるはずだが、長さは上記の赤抵抗の8Wよりも短い。ただ、測定条件は当時と同じかどうかはわからない。タクマン社の説明では、負荷軽減曲線が使われ、周囲温度が70℃以上になると、定格電力が下る。100℃では80%、125℃では60%、150℃では50%といった具合。200℃になったら、抵抗として機能しない。取り外した古い抵抗の負荷軽減曲線は知らないが、もう少し軽減率が低かったかもしれない。

周囲温度が上がると定格電力が下るらしい

新しいに取り替えて、改めて温度を測ったら、最高は60℃になった。元の約半分になり、受信機全体の寿命向上に貢献することを期待する。

トランジスタのために、150Vを十数Vに落とすやり方よりも、小型電源トランスを別途用意し、安定化した12Vや9Vを作り出すことが本来の王道。ただ、本機種は送信機 TX-310との連動も考慮したつくりで、回路を本機種の都合だけで変えると連動できなくなる可能性が高い。

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