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多くのレアカメラを見てきた。しかし手元に残っているものはほとんどない。この1台はどういうわけか、ずっと手元にあった。いつか直して売ろうとしていたのかもしれない。

フランス Foca Standard, One Star, 1945か1946年製、シリアル 16.403。
35mmレンジファインダー、距離計なく、目測式。ファインダーにフレームなし。
レンズは固定式 Foca 3.5cm F3.5、コーティングあり、最短撮影距離 0.5m。レンズ胴体に1~1.5mはPORTRAIT、2~4mはGROUPE、6~無限大はPAYSAGEとの彫込みがあり。
カメラプレートは ★FOCA。ただのプリントであり、彫込みではない。
シャッタースピードはB, 20, 30, 50, 100, 200, 500, フラッシュなし。ダイアルの外側を持ち上げて回転させ、内側の黒点に合わせる形で、フィルム巻き上げ前でも、スピードセットが可能。
取り外し式裏フタ。専用の脱着式フィルムスプール。フィルム圧着板は持ち上げ可。

シャッターは残念ながら、本個体では壊れている。シャッターリボンが断線したのだろう。

さて、本機種のように、距離計なしのフォーカルプレーンカメラはレンズシャッターに対し、優位性はどこにあろう。35mm広角レンズ搭載が唯一の優位性か。確かに、広角レンズ搭載のレンズシャッター機が当時ではほとんど見かけない。そこを狙って、敗戦国ドイツの精密工(光)学技術を取り上げて設計・製造したのかもしれない。その後の距離計の搭載、交換レンズへの展開等、Focaカメラの原点として試作した面も考えられる。

ライカに比べて、オモチャレベルの本機種は想像するには売れるはずがなく、すぐに次期種に切り替えられたのだろう。Focaカメラの中では最もレアの機種といわれている。フィルムカメラ全般がゴミ化していくなか、オブジェとして40年代の戦勝国フランスの精密工業技術を検証する点ではそれなりの価値はあろう。

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