湿気や腐食でぼろぼろになったラジオの内部を、100円ショップ販売のニスで塗り直した。2回塗れば、木材間の隙間がガチガチになり、見た目もだいぶ良くなった。

壊れた2SA103をPNP型シリコントランジスタ 2N3906で代用。2N3906は海外メーカー製、大変安価(ひとつ5円、秋月電子販売中)に入手できる。また、トランジション周波数は250MHz、短波ラジオにぜんぜん余裕。B-E間電圧はゲルマニウムと違って約0.6Vもあるが、本ラジオの電源電圧は9Vと高いので、動作電流(バイアス電流)を変えなくても問題なさそう。


つぎに電源アダプターの改造について。本ラジオは外部電源(AC100Vではなく、DC9V)として、メガネ型ACケーブルに対応している。しかし、メガネ型といってもいまの規格ではなく、60年代のものは現在流通していないように思われる。100Vの商用電源と混同する恐れもあり、2.5mm標準DCジャックに改造した。
1.5mmのアルミ板に、ネジ固定用穴2つ、ジャック固定用大穴を開け、アルミを切断したら、それほど苦労せずに改造できた。内部単一電池6本と並列に接続するだけの方式にした。電池による腐食の可能性を考えて、自分が生きている間、本ラジオに単一電池を入れて使用することは絶対にないはず。単一電池を残したのは、あくまでも従来の機能をそのまま残したいため。したがって、外部電源と内部電池を同時に使うことをこの改造では想定していない。



なお、アンテナ入力は従来のまま、改造していない。

最後に、シャーシを組み込んだラジオの外観をアップする。チューニングランプがないことは残念な点だ。このうち、LEDによるライティングを追加するかもしれない。

ドイツのラジオをパクったデザインだけど、ラジオとはこういうデザインであるべきだという先入観はいまでも色褪せしていない。欲をいえば、繰り返しになるが、真ん中のバンドスイッチはいらない。左側のノブはボリュームとトーン調整、右側はチューニングとバンド切り替え。それ以上のものも、それ以下のものも要らない。