仮組立して動作確認をしたところで、正式の組立作業に入る。全体のレイアウトは必ずしもネット上に見かける多くのものと一致していないが、正面からみて、メイン基板の左に入力、右に出力とすることにした。フラットケーブルはメイン基板の裏でUターンできるのも理由の一つ。
電源スイッチはケース穴加工精度が良くないせいか、取り付けても若干ゆるく、接着剤でさらに固定した。また、手元に圧着工具AK15Aがあり、リード線の先端にU型圧着端子をつけた。最大15Aの電流が流れるので、接触不良を無くし、接触抵抗を減らすよう気をつけた。
ファンの制御基板(温度センサーが内蔵されておらず、電源を入れるとケースファンはずっと回転する)の配線はネット上の情報と異なっているかもしれない。接続の考えとして、ファン制御基板上にある、外部入力ターミナルのプラス側を電源スイッチにつなぎ、電源スイッチのもう片方をメイン基板のINプラス側につなぐ。ただし、ファン制御基板にも電源スイッチからでリード線が必要なので、自分が用意した細いリード線を使った。
以下は組立途中や完了後の写真。USB通信基板の固定方法に疑問を感じているが、改善策を講じていない。
Bluetooth通信基板は今回残念ながらケースに組み込むことはできなかった。
通電して動作確認。気になったことはひとつ、メイン基板上のファンはまったく回転しなかった。発熱はほとんどないということかな。
さて、CCモード(定電流モード)の動作確認。負荷抵抗として8Ω/30W抵抗器を出力につなげ、出力電圧を13Vに設定すると、流れる電流は1.61Aと表示。最大出力電流を3.8Aにしているので、この状態ではCVモード(定電圧モード)。
最大出力電流を下げ、1.6Aを下回ると、その最大出力電流を維持するために、出力電圧が自動的に下がる。いわゆるCCモード(定電流モード)になった。
多くの実験電源では、出力をショートしてから、最大出力電流を調整するといった、素人では心配するような設定方法をしている。いわば、むりやり電子回路の都合に合わせて設定方法を利用者に強要しているわけだが、本キットは人間に寄り添い、出力しながらいつでも最大出力電流・最大出力電圧を変更できる。PCソフトを使うと、さらにアナログ的なノブの回転にもデジタル的な数値の入力にも対応している。異論はあると思うが、価格を半分にし、LCDパネルを省け、PCソフトのみの操作に対応したキットを販売すればもっと多くのひとに歓迎されるだろう。
さらに、まだ使い慣れていないが、出力電圧・出力電流をステップ関数のように設定することもPCソフトではできるらしい。本キットは情報化社会にふさわしい実験用電源になっているといえよう。
本キットを機能させるには、外部DC電源を用意しないといけないが、0~50V / 0~15Aという強力なスペックの実験用電源を手軽に製作することができた。しかも、PCソフトの力で操作性は抜群によい。約60ドルのコストパフォマンスに勝てる商品はほかにあるのだろうか。
最後に、情報を得るために訪れてくる方々のために、関連記事をまとめておく。
スイッチング電源 DSP5015 キット
スイッチング電源 DSP5015 用ケース
スイッチング電源 DSP5015の仮組立
スイッチング電源 DSP5015キットの組立(本記事)
Lixada 48V/8.3A直流安定化電源
スイッチング電源 DSP5015にBluetoothが使えるように