ESRとはEquivalent Series Resistance(等価直列抵抗)のこと。実物としての電解コンデンサはキャパシタンス(容量)以外に、どうしても電極、電解液、誘電体などの抵抗成分を含む。とくに、電解コンデンサの寿命を数千時間しかメーカーが保証しない製品がほとんど。24時間運用するサーバでは、電解コンデンサの搭載は好ましくない。1年間の運営だけで8760時間にのぼるから。温度が10度下がれば、電解コンデンサの寿命は倍に伸びるとかいわれるが、メーカーはそう保証して出荷したわけではない。電解コンデンサの寿命が短い理由は電解液が時間とともに蒸散して劣化し、抵抗成分(すなわちESR)が増大するといわれている。

したがって、理想的なコンデンサはESR値はゼロだが、現実の電解コンデンサはESR値はゼロではない。また、コンデンサが不良になるとESRが高くなることが多く、ESRが高いコンデンサを含む電子回路は、動作が不安定になったり、異常発振や誤動作などを起こしたりすることが多い。さらに、電解コンデンサにリプル電流が流れるとESRで損失が発生し、異常発熱によってコンデンサの劣化が早まる。

以上の理由で、ESR値の小さい電解コンデンサがユーザに求められるわけだ。そこで、手持ちの電解コンデンサのESR値を実測してみた。せっかくLCRメータ Agilent U1733CにUSBケーブルをつけたので、PCからの測定が手軽にできるから。

測定条件は以下の通り。

室温は20℃前後、湿度は60%前後。数時間に渡る長時間の測定なので、室温や湿度がその間変化しており、前後という表現をここで使っている。

LCRメータにリチウムイオン充電池3本(実測12V前後)による外部電源を供給し、USBケーブルでPCに接続。電解コンデンサの極性をよく確認して、LCRメータのプラスマイナス側にそれぞれつなぐ。

PCから100Hzでのコンデンサ容量Cの測定を指示する。Cの測定はシリアル式で行ったが、22000uFだけは容量が大きいか、シリアル式では測定不能だった。そのかわりにパラレル式に切り替えて測定した。

ついでに、ESR値を100Hz, 120Hz, 1kHz, 10kHz, 100kHzの各周波数で測定。ただし、数分間経っても表示が安定しないものは複数あり、その際適当なタイミングで打ち切った。

PCで記録した測定値をExcelに移動し、記事最後のPDFファイルに仕上げた。つまり、手書き等の転記によるESR値の記録ミスは今回の測定ではありえないと考えてよい。

ただし、コンデンサごとにESR値は異なる。製造時期によっても値が違うので、あくまでも測定値は目安と考える。

しかし、測定して感じたのは日本ケミコン産のESR値の悪さ。手持ちは20年も昔のものかもしれないが、自分としては日本ケミコン産はこれから避けることにする。

MUSEやFine Gold等、いわゆる音楽用高級コンデンサもESR値はそれほど良くない。電子パーツとしてコンデンサを考える場合、ひとの噂を当てに、高級品だから音質がよいという迷信はいかがなものかと思うようになった。

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