使うことがなくても、測定器を遊んだりすることが好き。オーディオ等、ゴールがよく分からないものに対して、測定器は優劣が簡単に分かる。ミリボルトに限って言えば、周波数特性と感度が代表的な指標。

130221.jpgTVT-322は中国製の売値数千円の格安品。技術的なうまみがないのはいうまでもないが、アナログスイッチ以外にディスクリートで作られたところが面白く、いまの日本製商品には見当たらない特徴でもある。ということで、安いパーツを取り換えて、性能をもう少しあげたい。

入力部は以下の通り。入力インピーダンスは仕様書の10MΩではなく、1MΩになっている。回路保護抵抗470Ωはワット数が小さく、0.3mVレンジに100VACを数十秒印加されたら焼損することになろう。ともていい加減なところは中国製らしい。

130221-1.jpgアナログメータは感度約1mA、内部抵抗約114Ω。こんな低感度のメータは内部に抵抗が並列接続されたと推測する。また、入力部のメカニカルリレーは3Vレンジ以上で作動し、入力信号を1/100に減衰する。

保護用抵抗470Ωを酸化金皮1kΩ/2Wに変更。計算上ワット数を倍以上にしたほうがいいが、手持ちではそれが最大。数十秒なら耐えられるかもしれない。ちなみに、メーカによっては、短期間過負荷なら定格電圧の2.5倍まで、断続過負荷なら定格電圧の4倍までを保証している。1kΩ/2Wの定格電圧は44.7Vなので、短期間負荷なら112Vまで、断続過負荷なら180Vまで大丈夫かもしれない。

130221-2.jpg周波数特性は実測したら、500kHzまでは3%ギリギリ、1MHzまでは7%となっている。そこで、基板上のセラミックコンデンサC16(=12pF)を取り外し、手持ちの半固定コンデンサを取り付けて調整したところ、1MHz時の周波数特性が5%減内に収まった。

130221-3.jpgところで、ミリボルトメータというのは、アナログアンプによって入力信号を増幅し、その出力を平均検波してアナログメータを動かす仕組みになっている。アンプの出力端子(=モニター出力)も測定器についている。

TVT-322はフルスケール出力電圧が100mVrmsと、一般的なものの1/10だが、その周波数特性を測ってみた。

つまり、用意できた入力信号(オシロ内蔵の発振器)は振幅が10mV~2.5Vしかないが、TVT-322の10mV, 30mV, 100mV, 300mV, 1Vレンジのフルスケール入力に対する周波数特性を測った。

周波数1kHz時の各レンジにおける、フルスケール入力に対するアンプ出力の電圧は以下のとおり。

10mVレンジ 97.4Vrms
30mV 92.1Vrms
100mV 97.7Vrms
300mV 92.2Vrms
1V 97.2Vrms

また、各レンジにおける、アンプ部の周波数特性を以下に示す。ただし、レンジ内の1kHzの電圧を0dBとしている。

130222.pngアンプ部の出力レベルは低いものの、測定した5つのレンジでは、周波数特性が割りと優秀なほうだと思われる。5Hz~500kHzでは±1dB以内に収まっている。売値数千円の商品だけど、18~220kHz(±0.5dB)は十分クリアしている。

代表的な日本製ボルトメータの仕様書を最後に載せておく。すべて生産中止になったところは電子産業の移り変わりを象徴している。

AC-Voltmeter-VT.pdf

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