久々にアナログテスタが届いた。送料のほうが高いという格安品。本体以外に、取説書、出荷当時のヒューズ4本が付いている。70年代の製品(Hioki社公式Webサイトでは1981年以前に廃止との記述)だと思うが、ネット上でもHioki社の以外に、情報がほとんどない。

 

130118.jpg特徴的な機能が盛たくさん。
①自動極性切換。直流電圧・電流に対して、プラスかマイナスか、気にする必要はない。なお、極性を示すメータが右下に別途付いており、ひと目で確認できる。
②高感度。交流・直流電圧ともに最小レンジが 50mV。
③高入力インピーダンス。交流・直流ともに10MΩ。
④交流電流計付。交流・直流電流はレンジが150uA~1.5Aまである。最小レンジ150uAでは物足りない気もするが。
⑤低電圧オーム計付。測定対象に加わる電圧は1.5V以外に、50mVにすることができる。トランジスタやダイオード等を道通させることなく、基板上の抵抗値を測定することができる。

①~④は今日のデジタルマルチメータ(DMM)時代では大したことにならない。自分にとって嬉しい機能は最後の⑤。DC的に、抵抗器をわざわざ並列的に繋げる設計は大電流対策以外にあまりなく、PN結合がOffであれば、ほとんどの場合、抵抗器を基板から取り外すことなく、抵抗値をそれなりの精度で確認することができるから。

ひと通り動作確認をした。バッテリーホルダは腐食なく、ほとんど使用していなかったようだ。単3電池8本、単2電池1本を入れたところ、バッテリーチェック 機能OK、AC電圧OK、DC電圧OK、DC電流OK、といったところがわかった。また、AC電圧の周波数特性を確認したところ、 20~50kHz (0~-0.5dB)になっていて、出荷当時のスペックを満たしている。

しかし、残念なところといえば、オーム計の不調。ヒューズが飛んでいるし、測定可能な状態になっていない。

開けて直さないといけないが、作りはいまいち。所有のVTVMと較べて、機構的に後退している。

130118-1.jpg固定ビス4本(上部2本、底2本)を外して、ケースから内部ユニットを取り出した。バッテリーとのコネクタを外したら、ユニットが完全に分離できた。やっとじっくり観察できる状況になった。

130118-2.jpg130118-3.jpg使われている能動素子は4つ、2SK18(デュアルFET、東芝製)、2SK30A-Y、uPC157A(オペアンプ、NEC製、足は金メッキ)、SN72741L(2回路オペアンプ、シンガポール製)。ケミコンは3つ、100uF/25V x 2、220uF/25V。

回路図はまだ入手できていないが、ブロック図なら付属の取説に載ってある。

130118-5.jpg抵抗器ではなく、DC電圧を直接入力に与え、オームレンジでみると、安定的に測定値が表示されている。つまり、電圧電流抵抗入力部以降は問題ないと思われ、オーム計の不調は抵抗計極性切換部分に限定された。

数時間かけて調べた結果、オーム計不調の原因は極性切換スイッチの接触不良にあった。スイッチを分解して綺麗にクリーニングできる達人が多いけど、自分はそれほど器用ではないし、新品で買えるお店も知らないので、使わないことにした。

130118-7.jpgスイッチをバイパスするように、半田付けし直したら、オーム計が調子よく作動した。下の写真は1kΩ精密抵抗(誤差0.01%)を測っているところ。抵抗に加わった電圧は50mVの約半分、27mVだった(単2の電圧変動による誤差)。

130118-8.jpgついでに、Flukeで同一精密抵抗を測ってみたら、テスト電圧が約1Vと出た。トランジスタ基板では役に立たないわけだ。

130118-9.jpg手に入りそうにないデュアルFETやデュアルTrが生きていて良かった。本機に期待していた機能は抵抗の低電圧測定だけなので、末永く動いて欲しい、その機能だけでも。

<2018.12.8 追加>
最近になって、本機が不調になってしまった。改めてネット上で関係資料をあさってみた。製造年代がますます遠くなったので、新しい資料は相変わらず見つけるのは難しかった。

2SK18 のデータシート2SK18 Datasheet, Japanese
Hioki 105, 205FET カタログ 日本語
Hioki 105FET 回路図 (本機種ではないが、兄弟機種としての参考)

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