明るい昼間を利用して、やっと制御部の回路図を書いた。ネット上に参考となる資料もなく、一生懸命トレースした。
出荷後数十年経ったので、カラーコードの色褪せ、半田の酸化等で、抵抗器ひとつの値を確定するにも苦労するし、見えそうで見えないトランジスタの型番を確定するにも、また人に言えない苦労があった。
しかし、メーカー製アンプのスピーカープロテクト回路(スピーカー保護回路)がそう多く見られないので、設計の妙を習得するには絶好のチャンスとみて、頑張った甲斐があった。
スピーカリレーOnの条件は、出力DCオフセットがゼロに近いだけでなく、電力増幅段用電源(B1)がちゃんと規定した電圧に達したこと、
サーミスタが一定以上の抵抗値(訂正)サーモスタットがOffであることなど、よく設計されていた。
(追加)温度検知にサーモスタットが使われている。ある温度以上になるとスイッチOnになるパーツ。しかも、ヒートシンクに取り付けられている。
<トランジスタ等情報>
2SA836。日立製。ピン配置ECB。最大定格 Vcbo=Vceo=55V, Vebo=5V, Ic=100mA, Pc=200mW。
2SC458。日立製。ピン配置ECB。最大定格 Vcbo=Vceo=30V, Vebo=5V, Ic=100mA, Pc=200mW。
2SC1213。日立製。ピン配置ECB。最大定格 Vcbo=Vceo=35V, Vebo=4V, Ic=500mA, Pc=400mW。
2SC1345。日立製。ピン配置ECB。最大定格 Vcbo=55V, Vceo=50V, Vebo=5V, Ic=100mA, Pc=200mW。
サイリスタ CW01B。日立製。ピン配置GAC。最大定格 100V, 0.2-0.3A。トリガー電流 1mA、保持電流 5mA。
回路を調べているうちに、Q03というところのトランジスタ 2SA836が逝かれたことに気づいた。2SA836および2SC1345はオーディオ用トランジスタとして評判が高いが、手元に在庫なし。ただ、プリアンプ部に同種のトランジスタが数個もあった。
それでも、貴重なので、2SA636, 2SC1435をすべて基板から回収し、手持ちの2SA1015, 2SC1815で代用した。なお、2SAシリーズは一般的に人気がなく、2SA836は今日の時点でも販売しているところがある。
パワーアンプとしての全回路図がこれで解明したので、つぎの目標は音出し。