写真を見て大きく違和感を感じるのはそのボケ。我々が見た情景と異なるから。その意味では、ボケの入った写真は真実と異なり、記録用写真としては追放すべきものだ。しかし、ボケの大きさ(強さ)は絞り値と大きく関係するので、高額なレンズを売るメーカー側と、高額なレンズを所有することでステータスを感じるひとたちとの思惑が一致し、ボケの良さを競う風潮がますます激しさを増す。

ボケ味の良さは、しかし、明確な評価基準はない。解像度と根本的に異なり、主観による部分は大きい。素人さんに、背景がボケるので、汚い写真、変な写真と言われることはよくあろう。

ここでは、主観的な評価はともかくとして、持っている中望遠レンズの一部について、そのボケを比較してみたい。高額なF1.4クラスのレンズはほとんどないが、一般庶民が買えそうなレンズは一応揃っているつもり。

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今回使ったレンズ7本は以下のとおり。
SAMYANG 85mm F1.4 ASPHERICAL IF、新品購入
Nikon AF-S Nikkor 85mm f/1.8G、新品購入
Nikon Ai AF Nikkor 85mm f/1.8D、新品購入
Nikon Ai Nikkor 85mm f/2、中古品
Nikon Ai AF Micro Nikkor 105mm f/2.8D、中古品、MFモードで使うと片ボケという欠陥品
TAMRON SP AF 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 (272E) 、新品購入
TAMRON SP 90mm 1:2.5 TELE MACRO (52B)、中古品、薄曇り有

被写体までの距離は約1.5m、ポートレート撮影でよく使う距離。ISO 100、露出補正+0.7(白く明るくするというポートレート向け)、三脚使用、カメラはD750(FXフォーマット)、ピント合わせについて、MFレンズ3本はLVモード、AFレンズ4本はカメラ任せ。

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以下はカメラの出したNEFファイル。一切いじっていないし、Exif情報もそのまま。サイズがそれぞれ約30MB。絞りは開放とF2.8のみ。

SAMYANG 85mm F1.4 ASPHERICAL IF: F1.4, F2.8
Nikon AF-S Nikkor 85mm f/1.8G: F1.8, F2.8
Nikon Ai AF Nikkor 85mm f/1.8D: F1.8, F2.8
Nikon Ai Nikkor 85mm f/2: F2, F2.8
Nikon Ai AF Micro Nikkor 105mm f/2.8D: F2.8
TAMRON SP AF 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 (272E) : F2.8
TAMRON SP 90mm 1:2.5 TELE MACRO (52B): F2.5, F2.8

上記のNEFでは見づらいし、ボケに関して等倍鑑賞するひとはほとんどいない(5Kディプレイでも画面いっぱいの表示はできない)。そこで、ニコンの無料ソフト Capture NX-D のバッチ処理を利用して、上記のNEFファイルのうち、開放絞りのみを、機械的にJPEGファイルに変換して、以下に示す。写真の大きさは1920×1282ピクセルと大幅に縮小した。

(下の写真)SAMYANG 85mm F1.4 ASPHERICAL IF、開放絞り。
161022-Samyang85F14-F14

(下の写真)Nikon AF-S Nikkor 85mm f/1.8G、開放絞り。
161022-85F18G-F18

(下の写真)Nikon Ai AF Nikkor 85mm f/1.8D、開放絞り。
161022-85F18D-F18

(下の写真)Nikon Ai Nikkor 85mm f/2、開放絞り。
161022-85F2-F2

(下の写真)Nikon Ai AF Micro Nikkor 105mm f/2.8、開放絞り。
161022-105F28-F28

(下の写真)TAMRON SP AF 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 (272E)、開放絞り。
161022-Tamron272E-F28

(下の写真)TAMRON SP 90mm 1:2.5 TELE MACRO (52B)、開放絞り。
161022-Tamron52B-F25

さて、ボケ味はどれが良いだろう。韓国Samyang製は開放絞りがF1.4と大きく、最も綺麗のように感じるが、ほかの6本についてはほとんど分からない。85mm/1.8D よりは 最新設計の現行品 85mm/1.8G が若干綺麗に感じるが、差は僅か。

その僅かな差を求めるために、数倍も高いF1.4クラスのレンズをほしいのか。それよりもコンパクトさ、メンテ性を追求したいのが自分の考え。70-200mmクラスズームレンズで代行する多くのひとは、F2.8で満足している現状を考えるとなおさらだ。

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