ぼろぼろ外観の初代2眼レフカメラ Rolleicord art deco (日本では俗に言う金ピカコード、1933年~1936年製造、生産数 32508台)だが、形見として大事に保管している。

このカメラ、当時の中国お金持ちのために出荷されたものと推測する。本体右側のピントノブに、右から左へ(いまの中国では横書は左から右へに変わった)と「徳国製」と書いてあるのがその証拠。その上と下にもドイツ語が書かれているが、なかなか判別できない。また、ネット上の写真を見る限り、巻き上げノブに書いてある、「Made in Germany」刻印も珍しいものかもしれない。

つまり、30年代の中国富裕層のために、中国語で刻印して出荷したカメラだった。第2次世界大戦が始まると、ドイツとは敵対関係になったので、公な輸入はできなくなったはず。なお、「日本向け出荷」に類似する意味の刻印はドイツ製カメラに歴史上なかったと思う。

撮影レンズがTriotar 7.5cm F4.5 Carl Zeiss Jena製、シャッターが Compur 1/300秒、など、レンズキャップを含め、すべて当時の純正部品であることも良い。ほかには写真に映ってないが、ぼろぼろのオリジナル革ケースも付いている。

現状ではシャッターは完動、レンズにはカビや傷がなく、撮影可能だが、デジカメ時代では勿論死蔵品にしかならない。たまにシャッターを切って動かしてはいる。

故人が中古で入手したらしい。ローライフレックスではなく、このコードを選んだ理由は恐らく経済的なことからだろう。中古とはいえ、優に数年分以上の給料であったはずだし、話を聞くと印税まで使ったとか。当時の中国では、35mmフィルムだと自家現像できず、120フィルムを使うコードは最適な選択肢だっただろう。

それにしても選び方は素晴らしかった。当時の状況はどうだったのかは分からないが、カビ・傷・コーティングなしのレンズ、最も整備しやすいシャッターなど、長期に渡って使えるカメラを選んだわけだ。なによりもこの「徳国製」刻印、ライカやコンタックスにもあったが、ドイツ製カメラ史上でも数少なかったはず。

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