LM3886を活用した製作例はネット上に数多く披露されているが、基本的には以下の数種類に分けられるかと思っている。

<基本回路のまま>
 LM3886を非反転アンプとして使う。反転アンプだと、安定するメリットがある一方、信号ラインにNFB用コンデンサが入ってしまうので、嫌うひとが多いようだ。

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<BTL、ブリッジ接続>
 LM38862つを理想のOPアンプと見立てて、片方を非反転アンプとして、もう片方を反転アンプとして使い、出力電圧を倍増させる方法。振幅は同一、位相だけを180度にずらすことが要求されるので、精密抵抗や精密コンデンサ等が不可欠。自分の感覚では相当厳しいと見た。

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<パラレル接続>
 LM38862つをともに非反転アンプとして使い、出力電流を倍増させる方法。同一振幅、同一位相が要求される。製作の難度はBTLよりも幾分易しくなろう。

LM3886の数を3つや4つに増やしても可。

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<DCサーボ>
 LM3886のDCオフセットを無くす手法。僅かなオフセットでも、約20倍に増幅されるとスピーカに悪影響を与えるから。

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上のものを混ぜて、片チャネルにLM3886を8つ(クワッドパラレルBTL)、左右チャネル合わせると全部で16つを採用した製作例も報告されている。出力電流が4倍、電圧が2倍になっているので、計算上出力パワーは64倍に達する。LM38861つが40Wとしても、2500Wものパワーアンプになってしまう。そのパワーに耐えうるスピーカってあるのだろうか。

FETやトランジスタだけでそこまで巨大なアンプをつくるのは個人に無理な話。そう考えれば、ICのメリットはやはり大といわざるをえない。

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