軽量コンパクトなズームレンズ Nikon Ai 75-150mm F3.5 Series E を入手したが、その分解のために、もう1本をゲット。狙って落札というよりも、たまたま2本のレンズ(本レンズとAis 100-300/5.6)が捨て値で放置されていたので、開始価格で入札したらそのまま落札。要するに、ズームレンズはほとんどがゴミというわけだ。

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しかし、落札した本レンズは意外にもまともだった。カビは全くないわけではないが、中玉の端のところに微小カビが1つだけ。いわゆる塾生たちのおかげで、ヤフオクでは商品説明が当てにならず、一か八か、博打の状態になってしまった。ちなみに、中国ではヤフオクのようなオークションサイトはないが、個人が売るサイトがあり、タオバオという。そのサイトでは、購入者は多く、一旦出品者とSNSで雑談して、メッセージのやり取りから出品者の信用度を図る。また、代金は直接出品者に払われるのではなく、仲介業者が代金を一旦保管する。買い手からの苦情があると、支払がストップする。ヤフオク、少なくともカメラ・レンズカテゴリは、いまのような混沌から脱出するには、それなりの工夫をしないといけない。いいものは高く売れず、ジャンクだけの溜まり場になってしまう。

さて、ゲットした本レンズは前のと同様、シルバーの固定環が鏡胴にあるので、後期型になる。シリアルは本レンズが若く、多少古く製造されたものだ。外観上の観察では、2本のレンズが全く同じように見える。改良がなかったようだ。

では、本レンズを分解していく。まずはマウント部から。4本のネジを取り外す。

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そして、その下の絞り環を下ろす。絞りのクリックボールを無くさないように。その下には小さいバネも入っている。

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適当なツールを使って、レンズガラスの後群ユニットを取り外す。

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後群ガラスのクリーニングはこれでやりやすくなるだろう。

それ以上分解できるところは見当たらないので、レンズの前からアプローチする。

前玉を止めるネジを取り外す。

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硬いゴム板かなにかで回し、前玉を下ろす。傷つけないことは肝要だ。ジャンクだからどうでもよいという考えではなく、新品でも修理できるように、分解した証拠をなるべく残さないようにしよう。

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中玉を取り出す。

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前玉、中玉のクリーニングはこれでできるだろう。

ズーム環・距離環のなかに隠された秘密をみてみよう。ゴムカバーをまず下ろす。

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セロファンテープ(工業製品としては恥。ドイツ製レンズにきっとないものだろう)を剥がし、極薄金属板の下にあるネジを取り外す。

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そこで、ズーム環の裏側にある距離環を時計周りに回転させ、取り外す。ヘリコイドがやっと現れ、グリスアップが可能になる。

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ズーム環と距離目盛リングとの連結ネジ3本を外し、ズーム環を外す。ズーム環にあるZoomという文字Zが距離目盛リングの無限遠∞と一直線上にあることを覚えておこう。

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ズーム環先頭の内側に、ズーム環と距離環との摩擦を増やすために、モルト(名称不明、幅4mm、厚み1mm)のようなものが詰められている。しかし、それは消耗品、レンズを使っていくうちに、ズーム環は自重で降下するわけだ。不良設計と言っていいだろう。

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それを交換すれば、ズーム環がスカスカした症状は改善する。しかし、手元に変わるものがなく、取り敢えず、厚みのある両面テープを裏に貼り、消耗した厚みを取り戻そうとした。結果的にはうまく行ったようだが、耐久性は不明。モルトの交換が最善の対策となろう。傷つけない、摩擦力(密着できる)があって、消耗しない素材はなんだろう。

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取り敢えず、分解作業はここまで。まだまだズームレンズにある機構がいっぱい残っているが、距離環スカスカ対策、ズーム環自重降下対策が分かったので、大きな満足感が得られた。

ズーム環自重降下対策についてまとめると、距離環にあるゴム(ラバー)カバーを外し、極薄板の下にあるネジと、距離目盛リングとの連結ネジ3本を外せば、距離環をレンズから取り外すことができる。残りの作業はモルトの交換のみ。問題はその適切な素材はよくわからないことだ。

分解作業は、他のズームレンズにも応用できる部分が多い。

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