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整理整頓したら、1970年代に中国で出版された本が出てきた。トランジスタラジオの調整や修理に関する書籍。メーカーの技術者が書いたと言われている。計画経済の当時、著作権云々の概念がなく、市販されているラジオ製品の回路図や各種パラメータ、プリント基板パターンまでが載ってある。

そのうちの1章は必要な測定器を紹介している。いまではあまり見かけないものもあるが、当時のトランジスタラジオ弄りに興味あるひとには資料として面白いと思うので、紹介しておく。

1. アナログテスタ。いまでも有名な500型が紹介されている。500型は内部抵抗がDCV 20kΩ/V、ACV 4kΩ/V。当時の業界標準機種。
2. 低周波ミリボルトメータ。入力電圧 1mV~300V、周波数 50~20kHz、インピーダンス 150kΩ以上/100pF以下。
3. 高周波ミリボルトメータ。入力電圧 1mv~100V、周波数30~10MHz、インピーダンス 1MΩ程度/6pF以下。
4. 低周波発振器。出力周波数 20~20kHz、電圧 0~5V。
5. 高周波発振器。出力周波数 100k~30MHz、電圧 0~1V。AM変調周波数 400, 1kHz。
6. オシロスコープ。入力周波数 10~5MHz。
7. ひずみ率計。入力周波数 20~20kHz、電圧 1.2~30V。ひずみ率レンジ 1%~100%。
8. Qメータ。対応するQ値 10~600、インダクタンス 0.1μ~100mH、容量 1~500pF。発振周波数 50k~50MHz。
9. 定電圧電源。
10. ラジオトラッキング調整器(中国語、統調儀)。自分にもよく知らない測定器のひとつ。200k, 500k, 2MHzの整数倍のAM変調周波数を出力し、ブラウン管により、入力波形を確認する測定器。メーカーでは、ラジオのトラッキング自動調整に使うらしい。
11. ラジオ中間周波数調整器(中国語、中頻図示儀)。ラジオの中間周波数調整に利用するらしい。

自分がよく知らない測定器もあったが、技術の進歩によって多くは必要でなくなったのかもしれない。

たとえば、2. と 3. のミリボルトメータはデジタルオシロで十分代用できると思うし、まだ多少高いが、30MHzまでのファンクションジェネレータが市販されているので、4. と 5. に相当する。7. のひずみ率計は周波数がそれほど高くないので、PC用フリーソフトで代用できそう。8. のQメータは今日ではあまり見かけないが、代わりにLCRメータが市販されている。

そうすると、今日でもラジオを修理するなら、①アナログかデジタルテスタ、②ファンクションジェネレータ、③デジタルオシロ、④LCRメータ、⑤電源、⑥トラッキング機能付きスペアナ、ぐらいは揃ったほうが良さそう。

当時から全く進歩しない測定器はただひとつ、アナログマルチテスタだ。当時のほうが良かったという声が中国でもよく聞かれるし、日本でもアメリカでも同じ状況だろう。

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