まとまった時間があったので、週末にカビ・曇のある本レンズを分解してみた。ただ、こういう情報を公開すべきかどうかについては少し悩んだ。インターネットの特徴のひとつに、権威の否定だ。誰もが自由に情報発信できて、自分の意志で欲しい情報にアクセスできる。従来なら門外不出の分解手順や写真がネットに晒されると、修理職人が困ってしまうし、それを悪用するひとも出てくるだろう。

分解の対象はニコン製、大口径広角レンズ Nikkor-NC Auto 28mm F2。オール金属製、ガラスのカビ、バルサム切れ等を発生させなければ、長期間に渡ってメンテ可能だろう。

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開放絞りがF1.4(AF Dタイプ、生産中止により、価格が高騰している)やF1.8(現行品のGシリーズ)のレンズが開発されたが、大きさやプラスチック部品、電子部品のことを考えると、このF2レンズで自分は十分だと思っている。解像度が足りないとか、欠点には目をつぶって使えばいい。

分解の目的は2つ、一つ目はレンズガラスのカビや曇りをなんとか取り除きたいこと。2つ目はグリスの交換。ピントリングに少しガタがあって、若干の違和感をするから。

では、ネット情報を頼りに、分解作業に取りかかろう。

ピントリングにある1mmほどのネジを取り外す。小さいので、専用のドライバを用意しておこう。

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ピントリングの前半、押え環を外す。専用ツールを使うと傷つけずに済む。

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レンズガラスの押え環(フィルタ枠兼用)の固定ネジを取り外す。

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また、専用ツールを使って押え環を外す。フィルタ枠が当たりで歪んだ場合は、本パーツを交換すれば直るので、本レンズと同タイプのジャンクレンズの確保が課題だ。

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わかりにくいが、ピントリングの内側にある固定ネジ3本を取り外す。

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ピントリングにある大きい穴のカバーをゴム棒で取り外す。ネジの溝が切ってあるので強引に外すと傷つく。その時代のニコンは相当余裕があって、製品の質が高い。ピントリングがゴムに変わると、こういう穴がゴムの裏に隠されるので、こんな工夫がしなくなった。コスト削減になるが、品質が下がったと考える。だから、オール金属のレンズをみると興奮してしまう。

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中に隠れている連結棒(レンズガラスの回転をピントリングの回転から連結させるためのもの、つまり、CRC機構の一部)を外す。

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それで、引っ張って、レンズガラスユニットを丸ごと取り出すことができる。レンズガラスのクリーニングや絞り関係の修理に必要な分解は、ここで終了する。しかし、今回はグリス交換を行うので、最後まで分解していく。

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ピントリングを外す。接着しているので、相当な力が必要。自分は内側からマイナスドライバを差し込み、力いっぱいかけるとやっと離れた。

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ピントリングのストッパを外す(以下の写真は外した状態。外す前の写真は残っていないので、お詫びする。)

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つぎは、裏側のマウント面からの分解。マウント面のネジ5本を取り外す。コスト削減のため、AiSタイプになるとネジが3本に減らされた。AiSレンスは本Autoレンズと比較して質がいまいちと判断したもうひとつの証拠だ。

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マウントと絞りリングが外れた。

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絞り連結棒と絞りクリックバネを外す。

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固定環の固定ネジ3本を取り外す。

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ヘリコイドの固定キーは2つの小穴から、ネジを外す。

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いそいそ、ヘリコイドの分解だ。最後までねじ込んだ位置と、外した瞬間の位置を必ずマークしておこう。外からは見えないところなので、マイナスドライバで傷つけるのが一般的なやり方のようだ。

マークせず、ヘリコイドを分解してしまうと、戻しても無限遠が出ないとか、大変苦労する羽目になるから、絶対、必ず、問答無用に、マークすること!

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分解作業は以上で終了。最後に全パーツの集合写真を示しておこう。外す必要のないパーツも一部含まれているが、無視して頂きたい。それにしても、オールアルミ合金でできているレンズは、やはり工芸品と言いたい。

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そして、古いグリスを完全に拭き取り、新しいグリスを薄くつけて、分解時の手順と逆に組み立て直せばOK。なお、ヘリコイドの装着はマークを頼りにやれば、正しい位置がすぐにわかるはず。

元に戻した後の写真。

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しかし、ガラスのクリーニングは結局うまくいかず、無理せず今回の修理はグリス交換のみに留めた。

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