ロータリーシャッターを搭載したハーフサイズカメラ。アメリカ製。

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—- Universal Mercury II (Model CX) —-
ユニバーサル社 マーキュリー II

1946年に製造開始されたハーフサイズカメラ。つまり、フィルム1枚のサイズはふつうのライカ判(24x36mm)の約半分(24x19mm)しかない。だから、例えば36枚撮りの市販フィルムを使うと65枚まで撮影できる。とても経済的。ハーフサイズカメラとして有名なのが国産オリンパス社の一眼レフカメラ Pen F シリーズだが、こちらは遥か昔の先輩。

このモデルの前身に、戦前1938年発売の Mercury I (Model CC) もあった。I 型が特別なフィルムカートリッジを使用するのに対して、こちらの II 型では、現在市販中の 35mmフィルムを使用するので、フィルムに困ることはない。

独特なスタイルは見る者を引き付ける。まず目に付くのは、トップカバーにある扇型のでっぱり。このカメラには、回転するロータリーエンジン、ではなく、ロータリーシャッターを搭載しているから。オリンパスの Pen F もロータリーシャッターなので、偶然の一致なのだろうか。

カメラの正面に、巻き上げノブとシャッタースピードノブのでっぱりも目に付く。ロータリーシャッターのチャージとスピード調整が目的だが、シャッターの前に配置して、構造のシンプル化を図っただろう。

剥き出しになっているアルミ合金の外観も印象的。いまとなって、腐食や汚れの多い個体がよく見られるが、当時では綺麗に磨かれたアルミ合金の放つ独特な光沢に、メッキにない魅力を感じたひとも多かっただろう。

このカメラはとても頑丈、すこしでも凹んだ痕跡のある個体は見たことがない。アメリカ人のカメラに対する考え方がつくりに反映されているかもしれない。対極にあるのは、たとえば名機 ローライ 35。凹んでいないローライ 35 を探すのに苦労する。

レンズの交換できるところが評価ポイント。見つかることは難しいが、標準の35mmレンズ以外に、望遠レンズ 75mmと125mm もつくられていた。独特なスクリューマウント。回せば簡単に交換できる。

<スペック>
型 名 ユニバーサル社製 マーキュリー II (モデル CX)
     Universal Mercury II (Model CX)
生産国 アメリカ(1946年)
フィルム 35mm
レンズ Tricol 35mm F2.7、コーティングあり。レンズ交換可能。
シャッター ロータリー式、T・B・1/20~1/1000秒、シンクロ付。セルフコッキング。
距離合わせは目測式。フィート距離目盛。
露出計なし。
フィルムメモや露出表は裏蓋についている。
フィルムカウンターのリセットは手動で回すタイプ。

巻き上げノブは正面に位置するが、回せばフィルムカウンターも一緒に回る。

シャッタースピードノブが回転するので、ライカと同様、巻き上げてからスピードをセットする。奥に少し押し込んで回すのがコツ。

では使い方の説明。

<使い方>
底カバーの左端のボタンを押すと裏蓋が開く。巻戻しノブを上に持ち上げて、フィルムを左スペースにセットする。先端を右側のスプールに挿入し、裏蓋を閉める。フィルムカウンターを手で回しリセットする。

巻き上げノブで巻き上げて、シャッタースピードをセットする。絞りリングはレンズの周りにある。

被写体までの距離を目視で決め、レンズ周りの距離あわせリングをセット。フィート目盛なので、メートルからの換算が必要かもしれない。

トップカバーの右肩にあるレリーズボタンを静かに押すとシャッターが切れる。回転音が聞こえる。

巻戻し解除ノブが正面にある。レンズの下にあるそれを半回転させて、Rewindに矢印を合わせる。巻戻しノブを回して巻戻す。
</使い方>

使ってみて判るが結構重いカメラ。シャッターの回転、スピードノブの回転、巻き上げノブの回転、視覚や聴覚にいい刺激を与え、楽しい。

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