ジャンク品、ニコン Nikon Ai Nikkor 35mm F2 F2.0 が到着。メタルフード HS-9付きだが、そのフードは50mmレンズ用だ。自分はそこまで気づいていなかった。まだ青い。
NewとAi両タイプは外観が混同しやすい。NewにAi改造されるものがあるから。しかし、本レンズは間違いなくAiタイプ。
実用品、並品の外観。拭き傷・カビがないものの、白内障を患っていて、中玉の濁りは誰が見ても、ひと目で確認できるほどだ。また、距離環(ピントリング)のスカスカも問題。
<ガラスのクリーニング>
スカスカは恐らく治せるので、ガラスのほうが気になる。まず、マウント面のビス5本を外し、マウントを下ろす。
つぎに、絞りリングを外す。
専用ツールでレンズガラスの後群を外す。力が入るが、傷つけることはないだろう。
前群の汚れは凄かった。
クリーニングしたら、綺麗になった。
しかし、後群のガラスにバルサム切れがあり、自分が治せなくて、お手上げ。結局、ジャンクはジャンクのままだ。バルサムとは、複数のガラスを貼り合わせるために使った接着剤のようなもの。お湯か化学的方法で分解し、再接着すれば直るとのことのようだが、自分には無理。
バルサム切れの一言があれば、買うことはしないが。売り手がうまく白い汚れで逃げ道を用意していたのかも。
<グリス交換>
距離環のスカスカ状態を解消するには、グリスの交換が必要。ジャンクレンズなので、勉強のために、チャレンジしてみた。
まず、距離環部分のゴムリングを外す。ゴムは経年劣化で必ずダメになるので、全金属のオールドレンズが好きだ。
つぎに、レンズを最短距離にし、専用ツールで距離環前半の部分(ゴムリングの下に隠れた部分)を外す。
赤丸のところのネジを外し、ガラスのフィルタ枠を回し、レンズガラス全体を取り出す。
赤い丸のネジ3本を外し、距離環の後半部分を外す。
距離環のストッパーを外す。
これ以上、外せるところが見当たらないので、後のマウント部からアプローチ。マウント部、絞りリングを外す。
絞りリングのストッパー、絞り連結棒を外す。
レンズ固定環(名称不明、自称)のネジ3本を外し、最後のパンツを下ろす。
さらに、ヘリコイドのストッパーを固定するネジ2本を外し、ストッパーを取り出す。
ヘリコイドがやっと分離できた。布で古いグリスを拭き取る。
これで、レンズガラス以外に、すべて分解したことになる。
新しいグリスを塗り、全パーツを元に戻せば終了。
しかし、どう頑張ったって、ジャンクであることに変わりはない。バルサム切れがそのままだから。
まあ、バルサム切れと言っても、きれいに撮影できないわけではない。下の一枚は組み立てた後に、無限遠確認のため、撮影したもの。