数多くの電波から聴きたいラジオ局を選び出すのは容易いことではない。感度が高ければ高いほど尚更困難になろう。だから、いくらKM-88が高感度と言っても、デジタルチューニングのできる最近の中国製ラジオに全く相手にされない。つまり、バリコンの僅かな回転角にいくつものラジオ局が入っており、自分の意図で選局したいなら、減速機構が必要になってくる。

もっと具体的にいうと、日本では、AM(中波)放送は531~1602kHzを、9kHz間隔で各放送局が使用している。180度回転角のバリコンでは、わずか1.5°の回転角で次の放送局に行ってしまう。対して、デジタルチューニングは1kHzや9kHzステップでスキャンすることができ、回転角に悩まれることは全くない。IC-R75のような通信型受信機になると、1Hzステップのスキャンも簡単にできる。こうなったら、アナログ選局では絶対に真似できない。

チューニングに使われる減速機構として、いまでも日本に残されているものに、バーニアダイヤルというパーツが有名。直径36mm、50mm、70mm、回転角180°、300°等の違いがある。180°はバリコン用だが、300°はボリューム等用。高価なので、違ったものを買ったら気の毒になりそう。70mmでは減速比10:1、上の計算では15°回転角で9kHz相当になる。

新品のバーニアダイヤルはとても滑らか、日本的逸品と褒めていいだろう。こんな商品は手の器用な職人ならでは作れる物なので、高価でもオタクには欲しがられる。

バリコンではなく、ボリュームで選局するなら、バリキャップ(可変容量)ダイオードによる方式がある。電源電圧が9V以上と高い上、Q値が低いのが欠点。でも、リニア性はとてもよく、品質のいいエアバリコンはいまの日本市場にはあまり見かけないが、ボリュームなら通信型等、いいものはまだ多く販売されている。

下はネット上に公開されている回路図。バリキャップ4つ+2連ボリュームでバリコンを代用している。トラッキングはほぼ完璧という説明だが、実験事項になるね。

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バリキャップで選局するなら、精密多回転ボリューム(ヘリカルポテンショメータ)も一考の価値があろう。360°x10以上が回転できるので、日本の誇り高きバーニアダイヤルでも負けてしまう。30°以上の回転角で9kHz相当になるのだから。

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