スーパーヘテロダインはストレート式と違って、調整してはじめて設計通りの性能を出せるものだ。

調整は大きく分けて、①トランジスタのコレクタ電流の調整、②IFT調整、③トラッキング調整の3つになる。

①各トランジスタの調整
組み立て説明書に示された標準電圧から、各トランジスタの無信号時コレクタ電流の設計値を算出した。
Tr1 0.3mA
Tr2 2.4mA
Tr3 0.3mA
Tr4 1mA
Tr5 20μA
Tr6 1.1mA
Tr7, Tr8 2mA

Tr1はIFT周波数に変換するために使われるので、非線形域で動作しないといけない。Tr2は受信周波数よりも455kHz程高い信号を作り出すためのもので、線形領域で動作すべきだが、コレクタ電流が少ないと、電源電圧の低下に弱くなる。

一方、実測値は以下の通り。
0.68mA, 1.6mA, 0.24mA, 1.2mA, 8.9μA, 1.5mA, 10mA

大きくズレているのは Tr1, Tr2, Tr5, Tr7,8 だが、とくにTr1, Tr2については固定バイアス回路のせいか、誤差が大きくなってしまった。ただ、電源電圧が9Vと高いので、このままでも実害はないだろう。どうしても調整したいなら、ベースとGNDに抵抗を入れ、電流帰還バイアス回路にしたほうがよさそう。高周波に820kや470kの抵抗を無くしたい。

②IFT調整
前につくった発振回路を活用した。つまり、発振回路のアンテナに0.01μFのコンデンサをつなげ、さらにTr1のベースにつないだ。1kHzで変調した455kHzの信号をダイレクトにラジオのバーアンテナの出力として使ったのだ。

さらに、イヤホンジャックから音声信号を取り出し、ミリボル(ミリ電圧計)につなぐ。

中間周波トランス IFT-3(黒)、IFT-2(白)、IFT-1(黄)の順で、音声電圧が最大になるように、コアを回す。

同じ操作は3回繰り返す。

③トラッキング調整
変調されたAM発生器が手元にないので、NHK第一放送(594kHz)および地元栃木放送(1530kHz)を利用した。

まず、低周波域での調整。バリコンのダイアルを594kHzに合わせ、音声出力が最大になるよう、発振コイルOSC(赤)のコアを回す。NHKの電波は異常に強いので、金属ケースに入れたり、角度を変えたり、AGCがかからないように受信電波を弱くすることは忘れなく。終わったら、今度はバーアンテナのコイル位置を左右にずらし、音声出力が最大になるようにする。こちらの調整も3回繰り返す。

終わったら、今度は高周波域での調整。バリコンのダイアルを1530kHzに合わせ、音声出力が最大になるように、バリコンの発振トリマとアンテナトリマを交互に回す。

低周波域と高周波域との調整はさらに3回繰り返す。

以上の調整が終われば、市販品と変わらず感度と選択度が得られるはず。音質の悪いことは変わらないが。

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