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進化という言葉に、弱肉強食のイメージが付きまとう。しかし不思議なことに、共生関係で助け合いしてきた生物も多い。

東南アジアの熱帯雨林の植物「マカランガ」は、2種類の虫と共存関係にあるという。マカランガは歯や幹から栄養たっぷりの粒を分泌し、これを目立てにアリがやってくる。アリはマカランガの幹の中の空洞に住みつき、マカランガを食べるような外敵が近づくと、それを追い払う。この粒だけでは食料不足なので、マカランガの樹液を吸って体から甘い露を出すカイガラムシを空洞に飼う。

このような共生関係を結ぶのは約300種類あるマカランガ類の中で26種だけ。アリもカイガラムシもやはり一部の種に限られている。1千万年くらい前に起源を遡ることができる。それ以来、互いに影響を与え合いながら、共生関係を進化させてきた。

長い年月を経てできあがった共生関係は絶妙。一部のマカランガは、幹の表面がすべすべのワックスで覆われているので、上がり下りできるのは用心棒として役立つ特定のアリだけ。鳥やサルに狙われる恐れに常にさらされるマカランガは粒の分泌量が多く、凶暴で強いアリをおびき寄せる。逆に粒の少ないものは、樹液を吸うカイガラムシが多く飼われても、それで枯れたりはしない。幹の表面にある物質のニオイから、アリたちは自分の共生相手のマカランガを見分けているのだという。

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「ミトコンドリア・イヴ」という言葉を聞いたことはある? 遺伝子を調べ、現代人のルーツを探っていったら、アフリカに住んでいた1人の女性にたどりつき、その女性のことを「ミトコンドリア・イヴ」と名付けたのだ。

米国・カリフォルニア大学のグループの研究成果で、人類の起源を研究している人たちの間で、「ミトコンドリア・イヴ仮説」として注目されている。

「ミトコンドリア」というのは、1つの細胞の中に数百個もあり、生命のエネルギー源となるATP (アデノシン三リン酸)という物質を作っていて、細胞のエネルギー工場に例えられている。そして、ミトコンドリアには核内の染色体にあるDNAとは違う、ミトコンドリアDNAと呼ばれているDNAがある。核内にあるDNAは親から子に伝わるのだが、ミトコンドリアDNAは特別で母親の卵子からだけ子に伝わる。父親のDNAが混じらないので、人類の祖先をたどるのに適した遺伝子なのだ。

そこで、アフリカ人・オーストラリア人・アジア人・ヨーロッパ人・ニューギニア人147人から、ミトコンドリアDNAサンプルをとってきて家系図を作ってみたら、アフリカ人から他の人種が枝分かれしていることがわかり、そして、現在の人類の祖先として14?29万年前にアフリカに住んでいた一人の女性に行き着いたのだ。彼女は聖書のアダムとイヴにちなんで、ミトコンドリア・イヴと名付けられた。

2001年2月11日ヒトゲノム(ヒトのDNA配列)がほとんど全部解析され、約3万の遺伝因子(2004年10月現在、実際の遺伝因子はさらに少なく、約2万個しかないことが報道された。)が確認されたと報道された。同時に現存する各人種間のゲノム配列の共通性は、99.99%と非常に高い一致率を見た。これは、現在地球上に住んでいる全人類の共通の祖先は、原人以来の進化の中で、ごく近い過去に生きていたことを示している。

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ケンブリッジ大学の動物行動学者、リチャード・ドーキンス博士が唱えた説。遺伝子は利己的であり、また生物は遺伝子の乗り物に過ぎないということ。生物が子孫を残すのは、何も「子孫繁栄」が目的ではなく、DNA繁栄が目的ということ。DNAを残すことのみにDNAが存在し、その手段として「生物」を作り出したのだ。

だから、動物などにたまに見られる、一見、利他的な行動は、実際には自分の遺伝子をより残すための一戦略に過ぎないのだという。

ところで、利己的な遺伝子というと、まるで遺伝子が意思を持っているように感じられるが、利己的な遺伝子という言葉が意味しているところは、実際にそういうことではないと思われる。要するに、一見利他的であっても利己的な行動(自分の遺伝子を残すような行動)を取った遺伝子は、本当に利他的な行動(自分の遺伝子を残さないような行動)を取った遺伝子に比べて、淘汰の結果、多く残るようになるということなのだ。

博士はインタビューにこう答えたそうだ。

「あらゆる生命は遺伝子の乗り物として存在しており、遺伝子の生き残りのために存在していると考えることが出来ます。遺伝子はそれぞれの遺伝子のコピーを残すことを目的にその乗り物を動かし、その数を増やす方向に働くのです。

人類は遺伝子で見る限りは、生命の歴史の延長線上にあります。遺伝子には生き残るための情報が書き込まれていますが、これは初期の生命から人類に至るまで、さまざまに枝分かれはしてきましたが、基本的な部分は同じです。生きるための情報を作り出し、蓄積する極めて巧妙な装置と見ることが出来ます。

一方で、人類は脳という新しい情報装置が遺伝子とは別に進化を続けたわけです。その結果、あらゆる生命に働いてきた自然淘汰という法則に逆らうことになったのです。遺伝子とは別にこうした装置を持つことによって、人類はそれまでの進化とは別の道を歩き始めたのです。」

人類だけが、利己的な遺伝子以外に、「ミーム」と呼ばれている文化の伝達や複製を可能した遺伝子の進化を辿ったのだろうか。

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私たち人間は1つ1つの細胞の中にこの4つの文字を30億対もっている。DNAは2本鎖で互いに裏打ちしあっているので、30億X2で計60億の文字で遺伝情報が書き込まれている。人間のDNAは取り出して引き伸ばすことができるならば約1メートル半の長さになるといわれている。1つ1つの細胞にこんなにも多く、60億もの文字が入っているなんて、やはり凄い。たった1つの卵子細胞と精子細胞の結合から、ヒトが作り出されること自体を考えると感動するもの。

しかし、専門家が人間の遺伝子といっているものは高々10万ぐらい。残りの95%は何に使っているか、何をしているか、現在の生命科学ではまだ解ってないという。

<注>2004年10月21日現在、研究チームの発表によると、ヒト遺伝子は2万2千個、ハエの遺伝子数とあまり変わらない。謎が深まる。進化ってなに?

人間のDNAには人間になるという遺伝情報が入っているし、ウィルスのRNAにはウィルスとなる情報が入っている。双方共通した文字を使い、その組み合わせだけが異なるのだ。となると、生物すべてはその起源が同じではないかと考えられる。

今のところ生命の起源として、約36億年前の生物の化石が見つかっている。それがラン藻に非常に近い単細胞の生物で、DNAをもっていたと考えられる。ところで、それ以前にも生命があったのではないか、つまり、DNAよりもRNAが最初にあったのではないかと考えている学者もいて、まだ結論は出ていないようだ。

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ブログのネタとしても、知識としても解ったほうがいいので、ウィルスについて勉強していくつもり。コンピュータ・ウィルスにも役立つかもしれないし。

ウィルスというと、風邪、癌、エイズ等、いろいろな病気に関わっていることが知られている。ウィルスが原因の病気の中で、古代エジプト時代、すでに天然痘、小児マヒといった病気のことが分っていた。しかし、それらの原因がウィルスだということが分ったのが20世紀になってから。

では、どういうものをウィルスというか。

ウィルスには遺伝子のレベルでは大きく2種類に分けられる。1つはDNA(デオキシリボ核酸)という遺伝子、もうひとつはRNA(リボ核酸)の遺伝子をもっている。DNAもRNAも、生物すべてが使っている大切なポリマー(高分子重合体)で、この中に4つの文字で遺伝情報が書き込まれている。つまり、文字を書き込んでいるテープがDNA、またはRNAという。

DNAのほうは非常に丈夫で長持ちのテープになっているのに対し、RNAは壊れやすいテープになっている。人間も生物もすべて、丈夫で長持ち、しかも2本のチェーンのようにからみあった形になっているDNAと、ちぎれやすいRNAを毎日の生活で使っている。ウィルスもまた、DNAとRNAをうまく使い分けて、ウィルスとして生き延びてい。

人間もウィルスも、DNAやRNAのテープに書き込んだ4つの文字の並びを遺伝情報として未来に伝えていくが、人間とウィルスが同じことをやるので、各々の遺伝情報の間で競合が始まり、病気を引き起こすのだ。

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今日は部分日食。2年ぶりだそうだ。日本で次回観察できるのは2007年になってしまい、貴重な体験になるはずだった。

毎日の通勤に車を利用していて、今朝はいつもよりも遠くまでドライブしないといけなかったが、8時頃ドライブ途中、天気が晴れてきて久しぶりに日差しが見え、とても良い気分になった。台風だの、秋梅雨だの、うんざりの毎日だったので。しかし残念なことに、11時頃になるとまた曇ってきて、結局楽しめなかった。

日食時刻の計算方法 は隣のブログ「C言語とPC」にのってある。興味あるひとは使ってみるといいだろう。日食の最大時刻は東京では11時41分というらしく、私のプログラムではじき出したのと約9分の差。見直して精度を上げないといけないね。

月が太陽の前を横切ったことで日食が起きるわけだが、月食は地球の夜であればどこからでも見られるのに対し、日食は太陽を隠す月の影の中にいないと見られない。このように狭い地域でしか観察できないので日食、とくに皆既日食は珍しい。もし地球上の一ヶ所を動かないで観測しようとすると、平均して300?400年に1回しか皆既日食が見られないという。

こういう自然現象の観察を通し、古代の人々は多くのことを発見し、占いにも利用していた。ニュートン力学のおかげで、日食の発生を事前に予測できるようになったけど、昼間なのにすべてが真っ暗になる皆既日食に遭遇するとやはり自然への敬畏の念を抱かざるを得ず、黒い太陽にロマンを求める男が多い。

日食の日に、太陽の恵みに感謝するべきだね。太陽の光がなければ、この世に生命たるものはなく、死の世界でしかないのだから。