国は借金だらけだけど、日本国民はお金持ち。そういう論調は数年前によく聞かれる。昨日、金融広報中央委員会による調査結果が公表されたので、データからその実態を探ってみよう。

調査は昨年10.7~11.14に行われ、調査対象は全国8000世帯、回収率は約50%。いわゆる公平性や客観性が確保された調査だという。

では調査結果のひとつである金融資産の保有額を見てみよう。平均値は1150万、中央値は420万円になっている。大震災があった昨年だったが、平均値は例年と比べてそれほどの低下ではないが、中央値の低下がやや顕著だった。つまり、金持ちはそのまま豊かであるのに対し、貧乏人が著しく金欠になったようだ。

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では金融資産とはなにか、その内訳は下表のとおり、預貯金、保険、有価証券等で、マイホームも、そのローン返済額(借金)も含まれていないことに注意しよう。日本人は株投資に良いイメージを持たず、相変わらず預貯金が大好き。

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中央値が低下した原因は下図にあろう。例年に比べ突出した変化で、大震災や大不況と無縁ではない。つまり、預貯金すらない世帯が約3割にのぼった。

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金融資産の目標値を聞いたところ、平均値は2355万、中央値は1000万円だった。2千万ぐらいあれば、余裕をもって生活できるということかな。

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全世帯の分布図は以下の通り。1億円以上保有は29世帯(全世帯の0.8%)、5000万円以上は171世帯(同4.8%)、3000万円以上は385世帯(11%)、2000万円以上は658世帯(19%)、1000万円以上は1217世帯(34%)となっている。なお、金融資産保有世帯数は2464世帯、非保有世帯は1089世帯。金融資産保有世帯のうち、約半数が1000万円以上の保有という計算だ。つまり、金を持っているひとは沢山もっていて、格差が大きい。イメージ的には、全世帯の1/3は1000万円以上、1/3はゼロ、残りの中間層は1/3ということだ。

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マイホームについて聞いたところ、10年以内に取得したい世帯は2割、目下のところ考えていない世帯は3割、一生取得する予定のない世帯は3割だという。

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マイホームの取得予定金額は3千万、そのうち、自己資金が1千万、借金が2千万のようだ。

大不況と言われるわりに、実態はそれほど深刻でないことがわかった。やはり、国民は豊かだろうね。

天皇陛下の心臓手術が昨日無事終わったようだ。いくら大丈夫と分かっていても、万が一のこともあるので、国民が皆心配していて、記帳に多くのひとが訪れたらしい。

手術の執刀医は勿論その専門の日本一だが、自分が驚いたのは東大病院の医師ではなく、順天堂大医院の天野先生だということ。実力がものをいう世界なので、いくら論文を書いても、地位が高くても、周りから高く持ち上げられても、ダメなひとはダメなのだ。また、東大病院の医師になると、万が一の時の責任を先に考えてしまうのかもしれない。うまく行ったら当たり前、ダメだったら自分の首どころか、東大ブランドまで、家族までが大変な目にあうと考えるのだろう。

やぶ医者が日本に多いかどうかは知らないが、自分の経験からいうと、国立病院にもダメな医者がいるということだ。昨年、約10ヶ月に渡る長期間の治療を受けていたが、時間のムダ、医療費のムダだけでなく、精神的肉体的苦痛を味わい、最後にわかったことは医者がダメだったことだ。

昨年福島第1で起きた放射能事故でも思ったことは、能力のあるひとは日本では必ずしも重視されていないことだ。放射能事故を技術的に分かるひとは日本にいると思うが、原子力保安院やなんとか委員会は役立たないひとばかり。自分が文系だからとか、肝心な時に逃げてしまう。

天野先生はいわゆるエリートコースを辿ってきた人物ではない。3年浪人の末日大医学部に入り、卒業後民間病院の亀田総合病院や新東京病院で現場経験を積んできて、東大とは全く無縁。今回認められたのはやはりその技術力がピカイチだからだろう。このうち、東大病院に移籍させられるのかもしれないが。

技術のあるひと、実力のあるひとを大切にする。いざのときに、そういうひとしか頼りにならない。今回の手術でそう思った。

衣食住、中国人は食を第一と考えているらしいが、一般のひとにとって最も深刻なのは住のことだろう。住む家は買うか賃貸か、そんな議論は大不況の日本では大いに盛り上がっている。

東京都のことは知らないが、ここでは駅周辺の地価が平均10万円/m2。色々と規制があるので、ちゃんとした住まいを建てようとすると150~200m2の土地が必要。そうすると安くても3000万円前後が限度になるし、3000万以下の新築は聞いたこともない。勿論、郊外には安い土地は沢山あるが、いろいろと不便だ。

3000万円の家を30年間住むとすると、ひと月約8万円の支払になる。ローンを組んで買った場合には、金利等で10万円ぐらいになるだろう。いまの大不況下では確かに負担が大きく、諦めているひとが多い。

バブル時代では土地が値上がりするので、30年後全額回収できていたのかもしれないが、いまの日本では30年後のことを考えてもしょうがない。

ところで、10万円の家賃はどんなレベルのところなんだろう。雑誌やネットを見た限り、それなりに立派なところが多い。住んだことがないので、実態はいまいちわからないが。

結局、遺産やお金のあるひとは購入、これからのことを心配するひとは賃貸。ありきたりの結論しか出せない。ただ、買うなら若いうちに決断したほうが絶対に得。住む期間が長ければ長いほど負担が軽くなるし、持ち家の楽しさ、自由さを満喫できるから。

専門家に賃貸を勧めるのが多くなってきているが、国全体で考えた場合、持ち家が経済の安定や発展に寄与することも忘れないで。賃貸で金持ち、そんなことを言っても誰にも信用してもらえず、貧乏大国のイメージが出来てしまう。

私用で市役所に行ったら、廊下までひとがあふれていた。生活保護を受けるひと達のようだ。狭い世界に住んでいるので、厳しい現実はあまり分からないが、そういうひと達をみていると、改めて日本の置かれた大変さを実感した。厚生労働省によると、生活保護を受けているひとは200万人を超えたらしく、しかも増加傾向にある。

たまたま、日経新聞のサイトに、老後年金についての記事が目に入った。曰く、退職以降の老後にかかるお金はざっと1億円になる。その内訳は下図。

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平均寿命の約85歳まで夫婦二人で生き、残りひとりがさらに平均的に6年間生きるとしている。また、生活保険文化センターの調べによると、二人の老後生活費は平均22.3万円/月、さらに、ゆとりをもって生活するには平均14.3万円/月がかかる。それが上図の計算根拠。つまり、結論的には、1億円が退職後にかかるということだ。

では、その1億円をどうやって賄うのか、というと下図が提示されている。

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つまり、年金3800万円(現行モデルケースより、約2割の減額を想定した上で)、退職金1200万円以外に、残りの半分の5000万円を自力でカバーしないといけない。

ただ、老後のゆとり生活を望まなかれば、約2~3千万は減額していいし、老後の海外移住を考えるなら、年金+退職金の5000万円でもなんとかなる。その辺の不確定要素が沢山ありそう。

いずれにしても、国に任せきりの時代ではなくなることは確か。

午前中のNHKラジオ第一放送に、アイヌ族の方が登場していた。そういえば、日本にも先住民族というか、少数民族もいるんだね。

中国では少数民族のことがよく話題になるので、アイヌ学校ってあるのか、そこでアイヌ民族の歴史や文化、言葉をどうやって習うのか、アイヌ保護の国策はどうなっているのか、興味津々。

気になるニュースが最近続いている。

1月18日に、Wikipediaが米国でサービスを停止し、SOPAやPIPA法が採決されようとすることに抗議した。本日、Twitterが状況によって検閲を行う意向を表明した。

SOPAは知的財産権を保護する目的で、権利所有者や司法機関が知的所有権を侵害または侵害行為を助長したサイトに対し、広告・決済サービスの停止、検索エンジンによるリンクの削除、プロバイダによるアクセスの遮断を裁判所に要求できるものだ。

知的財産権保護というもっともらしいことにWikipediaやGoogleが反対する理由はインターネット検閲に繋がる恐れがあるということだ。

某国を悪玉にあげて、徹底攻撃した一昨年当時のことを考えるとなんとも滑稽なことのように思える。

戦争に良い戦争と悪い戦争があるように、インターネット検閲にもいい検閲と悪い検閲があるような論理がこのうち展開されるのだろう。政府には政府の立場、IT企業にはIT企業の論理、個人には個人の思惑、色々な要素が絡みあって、良いことも悪いことも混在するはずの問題はここに来て、やっとその混沌さがハッキリしてきた。

昨晩「春晩」を途中までみてた。全国民一斉「洗脳」活動が30年目を迎えたらしい。日本の紅白が歌だけに対して、「春晩」は何でもありの娯楽番組。しかも、どんどん豪華になり、このうち紅白もそんなスタイルに変わるかな。

洗脳と書いたが、年々露骨な宣伝が少なくなっていて、海外のひとが見ても違和感がない仕上げになってきた。

後半をみよう。

混沌とした世界がどこに向かうのだろう。なぜ理想が次々と破られるのだろう。オバマ大統領の登場によって、世界がチェンジすると喜んた。大統領にノーベル平和賞までさしあげたのに、世界が和平にチェンジしたのか。

EUの統合によって、国境のない世界が訪れるはずだった。国同士が協力しあえばバラ色の世界が訪れるはずだった。

技術大国、民主主義大国の日本が大震災に露呈した失政に、世界が驚いた。放射能汚染に対し、旧ソ連以下のことしかできなかったのはなぜか。

そんな時に、いつも三国志の言葉を思い出す。「話説天下大勢、分久必合、合久必分」つまり、世界に平和が永久に訪れることはあり得ず、いつの時代も戦争と平和の繰り返しというもの。国家の興隆や繁栄だって同じだろう。

世界が帝国主義時代に向かうと予言するひとが出てきた。つまり実力行使の時代になるのだと。そこまでならないと思うが、混沌度が2012年にさらに増すことは間違いなさそう。

いまは、よその国を責めるよりも自国の発展を、よそのひとを嫉妬したり馬鹿にしたりするよりも自分自身の生活を、少しでも向上させる時代だと思う。理想を掲げても、誰もついてくれない。先に実績を出さないとね。

昨日、たまたまBSで、信州大学で講演していた池上彰氏の録画番組をみた。とくに違和感を感じたのは、中国・大躍進政策と文化大革命について、というところだった。中国がダメダメ、国民がバカで狂っている、というストーリー展開は予想通りのものだが、理解できない箇所があった。

つまり、中華人民共和国憲法の上に中国共産党が位置するという部分。講演のなかで、こう話していた。「中華人民共和国は共産党の指導の下にありました。つまり、憲法の上に共産党があるのです。中国共産党の下に憲法があり、その下に行政機関があるのです。」 また、そのことが憲法に書かれていると強調していた。

ネット時代なので、原文を見ればすぐに確かめることができる。そこで、「中国人民共和国中央人民政府」という公式サイトに掲載されている「中国人民共和国憲法」を表示させ、「指導」というキーワードをかけた。

出てきたのが2箇所。
 ①(第8条)「国家保?城?集体????的合法的?利和利益,鼓励、指?和?助集体??的?展。」
 ②(第118条)「民族自治地方的自治机?在国家??的指?下,自主地安排和管理地方性的??建?事?。」

なんと、共産党と関係がなかった。じゃ、「共産党」をキーワードにかけてみた。

出てきたのが5箇所。すべて、「中国共産党領導」という言葉で固まっていて、序言というところに書かれている。それが池上氏のいう指導なのかな、と考えつつも、憲法との関係は分からない。
 ①(序言)「一九四九年,以毛??主席??袖的中国共?党??中国各族人民,在??了?期的??曲折的武装斗争和其他形式的斗争以后,?于推翻了帝国主?、封建主?和官僚?本主?的?治,取得了新民主主?革命的?大?利,建立了中?人民共和国。」(筆者注、中華人民共和国成立の経緯についての記述)
 ②(序言)「中国新民主主?革命的?利和社会主?事?的成就,是中国共?党??中国各族人民,在?克思列?主?、毛??思想的指引下,?持真理,修正??,???多???阻而取得的。」(筆者注、中国式成功の要因についての記述)
 ③(序言)「中国各族人民将??在中国共?党??下,在?克思列?主?、毛??思想、?小平理?和”三个代表”重要思想指引下,?持人民民主?政,?持社会主?道路,?持改革?放,不断完善社会主?的各?制度,?展社会主?市???,?展社会主?民主,健全社会主?法制,自力更生,?苦?斗,逐???工?、??、国防和科学技?的?代化,推?物?文明、政治文明和精神文明???展,把我国建?成?富?、民主、文明的社会主?国家。」(筆者注、中国のこれからについての記述。憲法を指導するという意味か?)
 ④(序言)「在?期的革命和建??程中,已??成由中国共?党??的,有各民主党派和各人民?体参加的,包括全体社会主???者、社会主?事?的建?者、??社会主?的?国者和??祖国?一的?国者的广泛的?国?一??,?个?一??将???固和?展。中国人民政治?商会?是有广泛代表性的?一????,?去??了重要的?史作用,今后在国家政治生活、社会生活和?外友好活?中,在?行社会主??代化建?、??国家的?一和??的斗争中,将?一???它的重要作用。」(筆者注、中国の政治体制についての記述)
 ⑤(序言)「中国共?党??的多党合作和政治?商制度将?期存在和?展。」(筆者注、上の④の続き)

上の③~⑤のどれかが憲法を指導するというところだろうけど、中国語が下手なのか、自分にはいまいち理解できない。

Wekipediaでは、「序章に中国は中国共産党に指導を仰ぐとされており、事実上中国共産党が憲法より上位に来る構成となる」と説明しており、その根拠として池上氏の講演を引用している。

さらに、Wekipediaでは、中国の憲法には「社会主義の革命と建設のために中国共産党に指導を仰ぐと記載されている。」と説明している。それをみると、上の③を指しているのかなとも思った。

実態はともかくとして、憲法上の規定で上位に中国共産党が来るというのは自分に読めないのだ。

このことについて、さらに調べているうちに、実は中国では誰もが知っていることなのかもしれないと気づいた。ネット上では明確に、「中国共産党の指導を仰ぐ」ことを憲法から削除したと説明してある。つまり、昔の憲法には書いていたが、現行憲法(30年前の1982年制定)には共産党が憲法の上位にくることはないのだ。

「正是在????教?、?乱反正的思想基?上,修改制?1982年?法?,断然?除了1975年和1978年?法正文中所有?于”中国共?党??”的?句,?除了”公民必???中国共?党”的?定,也?除了?克思、列?、毛??等个人的名字,无??些人物多??大,?法遵从的是”人民至上”的原?,拒?把政党和个人置于国家和人民之上。」

結論になるが、「平和憲法」は中国人誰もが知らないと非難してもいいが、中国憲法だって日本知識人代表が知らないようだ。

日本との大きな違いは中国側の変化の速さにあると思う。大躍進政策と文化大革命の延長として中国を考えるなら、中国の経済発展は理解できない。経済指標すべてがでっちあげとか、豊かになったのは共産党幹部だけだとか、いまでも崩壊しそうとか、そういう味方は過去の延長で中国を捉えたものかもしれない。

今年も紅白歌合戦で締めくくりになりそう。家族を失い、仕事を失い、家を失い、故郷を失い、どの映画よりも、どの小説よりも残酷な一年がやっと終わろうとしている。

来年は良い年でありますように。