聞かれたので、解いてみた。算数オリンピックの問題だというければ、良く判らない。

<問> 40人の盗賊がA組とB組に別れて盗んできた。A組は1人が7枚ずつの金貨、B組は1人が6枚ずつの銀貨を取ってきた。
 金貨をB組の者に分けると、ちょうど割切れて同じ数ずつ分けることができた。銀貨をA組の者に分けても、同様だった。
 では、A組・B組はそれぞれ何人だったろうか。ただし、どちらの組の人数も、5の倍数ではない。

<解>取りあえず、ありふれた考えだけど、A組の人数をx、B組の人数をyとする。それで問からつぎの等式がつくれる。
  x + y = 40
  (7x) mod y = 0
  (6y) mod x = 0
mod は余り計算の意味。

で、xとyをそれぞれ代入して、
  (7*(40-y)) mod y = 0
  (6*(40-x)) mod x = 0
さらに展開すると、
  (280-7y) mod y = 0
  (240-6x) mod x = 0
となる。

(7y) mod y = 0と(6x) mod x = 0 は自明なので、結局上の2式は
  280 mod y = 0
  240 mod x = 0
となる。280と240の素因数分解をそれぞれやると、
  280 = 23*5*7
  240 = 24*3*5
となる。x+y=40という条件にあい、それぞれ5の倍数でない(x,y)の組は
  (x,y) = (12,28)
のみである。

ということで、それぞれの人数はA組が12人、B組が28人。なお、盗んだ金貨は全部で84枚、銀貨は168枚であり、A組では1人当たり14枚の銀貨、B組では1人当たり3枚の金貨が配られていた。

5の倍数でないという条件を外したら、解のペアがもっと増える。
 (x,y) = (5,35), (20,20), (30,10)

041020c.jpg

勝負感覚をみてみたいので、つぎの問題を考えて下さい。あなたはどちらを取るだろうか。

1. 投げられたコインの表か裏かをいい当てれば800円もらう。
2. 投げられたサイコロの目をいい当てれば3000円もらう。

1は当たる確率は大きいが当たった時の報酬が少ない。2は当たる確率は小さいが報酬が大きい。1と2とでは、どちらが有利なのか。

私たちの人生では、この種のジレンマに出くわすことが少なくない。平凡なサラリーマン生活は安全だが収入は多く望めないのに対して、自ら事業を起こせば大儲けの可能性もあるが、当たるチャンスはたいして多くはない。

この種の問題を解決するには、当たる確率と当たった時の報酬とをかけあわせた値(期待値という)を比較してみるといい。1は当たる確率は1/2なので、期待値は400円。2は当たる確率は1/6で、期待値は500円。結果として、2が有利と判断できるのだ。

上の問題では参加費(投資費用ともいえる)が必要なく、どちらを選んでも損することはないが、参加費の必要な賭けにも応用が効く。

サイコロを投げて1の目が出たら1万円、2が出たら2万円、...6が出たら6万円をもらえるとして、あなたはこの賭けにいくらまでなら投資するか。

同様にここでも期待値を計算する。1の目から6の目までの各目の出ることによる期待値はそれぞれ、1,667円、3,333円、5,000円、6,667円、8,333円、1万円であり、これらを加え合わせると、期待値は35,000円になる。つまり、この賭けには1回当たり3万5千円まで投資をしても採算がとれる勘定。

言い換えると、毎回の参加費が3万5千円以下なら平均して得することになるし、それ以上の参加費が必要ならば見送るべきだ。

宝くじ買うのも同様な方法で期待値を計算すればいいわけだが、宝くじの場合、平均的に得することは常識的に考えられないのが実情。

041019d.jpg

私たち、沢山の数字にかこまれて暮らしている。これらの数字は1桁のものや2桁のもの、ずっと桁数の多いものまでさまざまだが、最初の数字は1から9のどれかだ。

ところで、最初の数字は1から9までのうち、どの数字が一番多く使われ、どの数字が最も少なく使われているだろうか。

即座に答えられるひとはまずいないだろう。あれやこれやと思案したあげくに、ほとんどの人が、どの数字もほとんど同じ割合で使われていると答えるだろう。

けれども、事実は奇である。統計してみると1が一番多く、30.1%も使われ、続いて2、3の順序で多く使われ、1と2と3だけで全体の60%を占めている。3分の1の数字で全体の6割も占めるのだから、ずいぶんがんばっているものだ。ちなみに、最も使う回数の少ない9になると、4.6%しか現れてこない。

なぜ、数字の使われ方はこのように不公正なのか。

まず世の中で使われる数字が1桁のものに限られているとしたら、1だけが多い理由は見当たらないから、1から9まで公平に使われるに違いない。ところが、月数のように1から12までを使う場合には事情が違う。12個の数字のうち、1で始まるものが4個もあり、他の数字より圧倒的に多い。

同様な理屈で、使われ数字が1から99までならば不公正さがそれほどないが、100を越えるとまた1が有利になる。たとえば、200人の生徒に通し番号をつけると、始めの数字は1が111個、2が12個、3から9まではそれぞれ11個ずつとなる。

このように、色々な数字は1から始まることが圧倒的に多く、続いては2から、3からと、数字通りの序列ができてしまうのだ。

数字の始まり方のクセを賭けに利用すると面白い。色々な桁数の数字が混在していて、これらの数字が1から9までのどれで始まるかを賭けるのだ。

あなたは1から4までの4個の数字に賭け、相手には5から9までの5個の数字に賭けさせれば、一見あなたが不利なようにみえながら、実はあなたにとって70%の勝ち目のある有利な賭けなのだ。

041017c.jpg

我々の住む3次元空間をさらに延長し、つまり上下、左右、前後とも直交する第4の方向があると仮定して、4次元空間を理論上作り出すことができる。

イメージすることは困難だけど、変数4つの関数が数学では平気にやってるので、数学の世界では別に驚くことはない。4次元空間にある球の方程式も x2+y2+z2+w2=r2 で定義できるし、その表面積や体積も3次元のそれらを積分すれば、それぞれ 2π2r3、?π2r4 と計算式が出る。

3次元の世界に住む我々がこの4次元の球をどう見えるのだろう。球がいろいろな色で塗り分けられていて、その球がさまざまな方向に回転すると、我々の目には赤に見える全表面が青になったり、違う色に変わる。また、その球が移動するとすると、我々の目には、最初に点が現われ、その点が球に膨らみ、どんどん大きくなっていく。一旦膨らみが止まると、今度はどんどん縮み、ついて点に戻り、消えてしまう。

卵を割らずに中身を取り出すことは4次元の世界なら簡単にできる。2次元の円から内部のものを上から取り出せるのと同じ、我々の目から物を盗まれても、物を突然置かれても全くその前後の移動経路を調べることができない。急に消え、急に現われる、そうとしか見えないから。

しかし、距離の概念は3次元でも4次元でも変わらないので、4次元空間の宇宙旅行に超光速の移動手段がないとやはり遠くへはいけないかもしれない。

041013.jpg

50人ぐらいいる講演室に入って、雰囲気を柔らかくするため、いつも、誕生日の同じひとがいるかと聞く。時間が少々かかるが、1月、2月、… と聞いていき、同じ誕生月のひとにはさらに誕生日を聞いていく。10分ぐらいやれば結果が判ってくる。

同じ誕生日のひとのいる確率、どれぐらいだと思う?

驚くほど高い。全員誕生日が異なるとすると、以下の計算で簡単に答えが出る。

  365/365 x 364/365 x 363/365 x … x 316/365 = 0.0296 = 3.0%

つまり、誕生日のダブらない確率は3%しかなく、97%の確率でダブルことになる。縁でもなんでもないことだね。ついでに、10?100人までのダブル確率を計算しておくね。

 人数   ダブル確率   人数   ダブル確率 
10 11.7% 15 25.3%
20 41.1% 25 56.9%
30 70.6% 35 81.4%
40 89.1% 45 94.1%
50 97.0% 55 98.6%
60 99.4% 65 99.8%
70 99.9% 75 100.0%
80 100.0% 85 100.0%
90 100.0% 95 100.0%
100 100.0%    

60人以上の集団ならば、100%近くなってしまう。直感が当てにならない例だった。

040928b.jpg

ボケてきたかな。簡単そうに見える問題だけど、ちょっと時間がかかってしまった。

身近なひとから出された問題。サイコロの確率計算。

阿部さんが先にサイコロを投げ、伊藤さんがつぎにサイコロを投げる。阿部さんのサイコロのほうが出た目の数字の大きい確率はいくらか。(念のためにいうけど、阿部さんも伊藤さんも身近にいたが、この問題とは無関係。でも阿部さん伊藤さん、元気?)

2分の1、一瞬そう答えたいけど。なにかが違う。つまり、阿部さんのほうが大きい確率が1/2だとすると、同じロジックで小さい確率も1/2。それでは等しい確率はゼロ?だからおかしい。

2分の1ではないのが確か。2分の1よりも少しだけ小さい。その計算は?

めんどくさいね。取りあえず、等しい確率を先に計算しよう。その確率は36通りの組合せのなかの6回なので、6分の1。

解った! 互いに等しくない確率は6分の5なので、片方が大きい確率は12分の5。それが問題の答え。間違いない。

単純で間違いやすい問題として有名だと後で知ったが、キミも計算できた? 数学が苦手?中学生の問題だから、逃げないでよ。

大人の数学、いま流行ってるらしい。この問題を難しくするには、サイコロの数を3個、4個と増やしてやって、n個に一般化すればいい。

つまり、問題をもう一度整理するね。何人かのひとにサイコロを投げてもらい、最初の阿部さんが投げたサイコロの出た目がほかよりも大きい確率はいくらか。

証明は省略するが、答えはこうだ。3個の場合は55/216。4個は25/144。
n個の場合は (5n-1+4n-1+3n-1+2n-1+1)/6n。  ← ちょっぴり美しく感じる

最後では意地悪問題になってしまうけど、阿部さんのサイコロが k番目に大きい確率は?kが1であったり(上の問題に同化)、2であったりする。しかしここまでくると、私はもうお手上げ、数学ってやはり難しい!