良い質問を受けた。「インピーダンスとはなんですか」と。自分の場合、インピーダンスという言葉にはじめて接したのは大学の時代だが、中高校時代にも電子工作を夢中にやっていたので、その概念に何の疑問も感じずに理解した。だから、それに悩んだ記憶はない。

しかし、その用語をわかりやすく説明しようとすると、いろいろな知識が前提となることに気づいた。ネットで調べても、いい加減な解説がとても多い。暇あれば、インピーダンスについて、本でも書いてみたくなった。

Goo辞書では次のような解釈になっている。
 「交流回路における電流の流れにくさを表す量。直流回路の電気抵抗に相当し、一般に複素量で表される。単位はオーム。」

それほどの間違いではないが、わかりにくい。複素量とはなにか。なぜ電気抵抗とはいわず、わざわざインピーダンスというのか。それらを説明していない。

IT用語辞典では、次のように説明している。
 「回路に交流電流を流した際に生じる抵抗(交流抵抗)。インピーダンスは信号源(電源)にまつわる信号源インピーダンスと負荷(抵抗)にまつわる負荷インピーダンスとの2種類に大別できる。信号源から得た電力を最大限負荷で消費するためには、両者の間でインピーダンスマッチングを行う必要がある。」

「インピーダンス=交流抵抗」という説明はダメだね。直流抵抗も交流抵抗もあるけど、それはインピーダンスではない。

英語ではどうだ。Wikipediaでの説明。
 「Electrical impedance, or simply impedance, describes a measure of opposition to alternating current (AC). Electrical impedance extends the concept of resistance to AC circuits, describing not only the relative amplitudes of the voltage and current, but also the relative phases. When the circuit is driven with direct current (DC), there is no distinction between impedance and resistance; the latter can be thought of as impedance with zero phase angle.」

合っている。インピーダンスの定義を説明しているね。ちなみに、日本語のWikipediaは全然ダメ。

自分の意見として、まず説明しておいたほうがいいものとして、以下を考えている。
 1. インピーダンスはモノの属性であり、質量などと同じ。電圧をかけたり、電流を流したりして、初めて観測できる属性だが、電気がなくても存在する属性であること。電流に依存するとか、周波数に依存するとか、そういう理解は間違いのもと。
 2. 抵抗(オームの法則に出てくるやつ)だけを理解してもインピーダンスは理解できない。コンデンサやコイルというものの特性を理解し、はじめてインピーダンスという用語の必要性が分かる。
 3. インピーダンスはどうやって測るか。それが解ればもっと理解が深まる。

専門用語は、「終戦?敗戦?」、「爆発的事象?」のような言葉遊びではなく、それ以外の用語では説明できなく、新しい概念を確立するために考案された言葉。その用語が生まれた背景を理解し、他の用語との使い分けができて、はじめて専門用語を理解したと思う。

用語を考えたら、テスターは抵抗を測ることができるが、インピーダンスをみるのはオシロスコープでないといけないことに気づいた。テスターではダメだね。

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