041019b.jpg

仏教にはキリスト教でいう「聖書」のような、信者全員が心のよりどころとする経典はない。キリスト教におけるイエスと同じく、仏教の教祖である仏陀(釈迦)も、本人の書いた経典が残っているわけではない。しかし、優れた思想家がその後数多く現われ、それぞれが仏陀の教えとされる言い伝えをもとに、各自の解釈でさまざまな仏典を書き残してきた。

仏教とキリスト教とを比べて、両者の本質を次のように整理できるのだろうか。

仏教は、人が幸せに生きるための智慧と慈悲を基本に説いた教え。智慧とは「般若心経」で有名な「六波羅蜜」のひとつ:布施波羅蜜(人に物やお金等を分け与えること)、持戒波羅蜜(戒律をもって生きること)、忍辱波羅蜜(耐え忍ぶこと)、精進波羅蜜(努力すること)、禅定波羅蜜(座禅すること)、智慧波羅蜜(これら5つの波羅蜜の実践によって得られる智慧のこと)。また、慈悲とは、すべての人々に深い愛情をもち、安楽を与えるという意味の「慈」と、悩める人の苦しくを取り除いて、思いやることを意味する「悲」のことだ。「慈悲」と「智慧」との相乗効果によって私たちを「涅槃」(幸せの境地)へと導いてくれる。

一方、キリスト教は「神の愛」を解いた教え。キリスト教では、神とは人間をはるかに超越した、大いなる存在。神の前ではすべての人は平等であり、罪深い存在だ。そしてその罪は、神の愛によって救われる、という。

どちらも、どんな人にも救いの手を差し伸べている、という点で共通している。

Comments are closed.

Post Navigation