フランスの経済学者、トマ・ピケティ (Thomas Piketty) 氏の著書『21世紀の資本』が日本では大ブームになっている。財産の成長率が常に賃金の成長率を上回るという。

資産運用によって財産を築いている富裕層は、株や不動産を保有しているだけで、多大な利益を獲得できる。一方、労働者はいくら働いても賃金の上昇はゆるやかで、富裕層の財産の収益率に負けてしまう。労働賃金がつねに不労所得を下回り、賃金を貯蓄したところで大きく増えるわけがない。こうして格差が広がってしまう。経済格差が拡大していくことの根源が資本主義そのものにあろう。

さて、誰もが興味をもつのが人様の財産や給与。日本人の民間給与実態調査(https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan/top.htm)は毎年、国税庁によって発表されている。それを見れば、とりあえず、労働賃金間の格差がわかる。

その実態調査でいう給与とは、「1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額である。)で、通勤手当等の非課税分は含まない。なお、役員の賞与には、企業会計上の役員賞与のほか、税法上役員の賞与と認められるものも含まれている」。要するに、会社から支給され、天引まえの年間給与のことだ。

では、実態調査から図表をいくつか引用しておこう。

業種別平均給与は以下。電気ガス水道等の業種が金融業をも抑えてもっとも高く、独占企業で競争知らず、公務員並みの安泰さか。

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年齢別平均給与は以下。男性は50代前半がピーク、女性は30代後半がピークのようだ。40代以降の女性は給与所得が男性の半分程度。男女平等はどこへ。

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勤続年数別平均給与は以下。男女問わず、勤続年数が30年前半がピーク。22歳で大学卒後の入社とすれば、55歳前後か。年功序列はまだ健在。

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最後のデータは給与分布。給与所得者数 4645万人のうち、年収 300万以下が 41% の 1900万人、400万以下が 58% の 2711万人。高級取りのほうは、年収 1000万以上が 4% の 186万人、1500万以上が 1% の 49万人。

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給与から所得税や地方税、保険等が引かれ、手取りは7〜8割前後。例えば、年収が最多の350万円なら、その8割を12ヶ月で均等すると、月収の手取りが約23万円。ただ、給与には年2回のボーナスも含まれているので、実際の手取りは毎月20万円前後かも。

ということで、日本人の給与は案外安く、アジアではシンガポールに負け、台湾や韓国と同レベル。アメリカの半分以下。

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