検索キーワード: 自然数の逆数和、発散、収束、不思議、真相究明

久しぶりに数学にのめり込み、1ヶ月経とうとしている。学部生や院生時代の数学的感覚を少しずつ取り戻しているが、頭の回転が鈍くなっているので、完全に戻ることは期待できない。

さて、家にあった受験用問題集をやってみたら、いきなりハマった。

続木勝年、宮嶋俊和共著 『理系数学の良問プラチカ 数学III・C』 (河合出版、2005年)

140313-4.jpg最初の一問目、岩手大学の入試問題だったらしい。

【問題】(1)n 桁の自然数のうち、各位の数字がすべて1と異なるものの個数を求めよ。
(2)自然数の逆数からなる級数

140313-5.pngから、分母に数字1が現れる項をすべて除いて得られる級数

140313-6.pngの和は40を超えないことを示せ。

【考え方】(1)はいわゆるヒント。(2)にあった40という上限値もよかった。もし問題文はいきなり、(2)にあった無限和の数式だけを示し、発散か、収束かを考察せよ。というものなら、事前に問題を解いたひとは別にして、試験時間内で解けるひとはいないだろう。

(1)の部分は小学生レベル、8 x 9n-1 と簡単に答えがわかるはず。(2)の部分の問題は(1)のヒントをいかに活用するかだ。1桁の数字なら8個、2桁の数字なら8x9個、3桁の数字なら8x9x9個、とヒントに沿って考えていくと、桁数別にまとめたほうがよいことに気づく。また、40を超えないという大事なところを見ると、不等式を組み立てる必要性に気づく。

つまり、1桁の8個の数字をすべて 1/2 で置き換えろ、2桁の数字をすべて1/20で置き換えろ、3桁の数字をすべて1/200で置き換えろという意味だ。ということが分かれば、問題は一気に解ける。

【解答】

140313-7.png【考察】受験生なら問題を解けたので万々歳だが、不思議なことが本書の解答解説編に書いてあった。

つまり、自然数の逆数和が無限大に発散することはよく知られている。

140313-8.pngところが、本問題で示したとおり、分母に1を含まない数字だけなら40以下、つまり収束する。逆をいうと、分母に1の入る数字のみを集めると発散するわけだ。

140313-9.png両方とも収束なら、合わせたものが発散というわけがないから。さらにいうと、1の代わりに、分母に2の入る数字のみを集めても、40を超えるかもしれないが、80以下に収束することは上の論法で簡単に証明できる。

n 桁の自然数の個数は 9 x 10n-1 、そのうち、各桁のどこかに1が入る数字(例えば、1, 10, 987654321, 99199等)の個数は

140313-a.pngであり、8 x 9n-1よりも断然多いということが以上のような不思議さを引き起こしたのだ。以下の表なら、個数の違いがよく分かるだろう。

140313-b.pngということで、真相は個数の差が、桁数の増加に従って、爆発的に開いていくことにある。

140314.pngつまり、表の中のB欄とC欄との比は桁数の増大により、0に収束することだ。

ところで、本問題の収束値はいくつだろう、πe が現れてくるだろうか、気になる。Googleに数式検索ができれば、すぐに答えが分かるかもしれないが。

試しに、Googleに 1/2+1/3+1/4+1/5+1/6+1/7+1/8+1/9+1/20+1/22 と入力したら、答えがでた、1.92442279942。しかし、それは1/22までの総和であって、残念。ネット上では、16.2 の近辺ではないか、との書き込みがあった。

プログラムをつくって、20桁精度まで計算すれば、答えがわかるかも。

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