木田祐司著 『初等整数論』 (朝倉書店、2001年)

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著者は情報科学の視点から整数論を研究しているので、自分にとって分かりやすい。また、抽象的記号を並べるだけでなく、実例を沢山挙げているところがよい。解答付きの練習問題も面白い。数学者には物足りないかもしれないが、今の自分の実力ではこの辺の難易度がちょうどいい。

いくつかのことをメモしておく。

<第1章 素数>

素数の分布、いわゆる素数定理を解説している。整数 n が素数である割合は 1/log10 n 。

π(n) を整数 n 以下の素数の個数を表すことにして、素数定理は以下で表現される。19世紀初めにかのガウスによって予想され、1896年に証明された。

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素数定理と深く関わるのがリーマン予想。任意の ε > 0 に対して、定数 K が存在し、ある値以上の x について下式が成り立つだろうという予想。

140302-6.pngリーマン予想は現代数学のなかで最も重要で未解決問題。

◯ 実数 s > 1 なら 1 + 1/2^s + 1/3^s + 1/4^s + … は収束。

◯ オイラー定数 γ = 0.5772 は無理数かは不明。超越数かは勿論不明。

◯ 4 n – 1 という型の素数が無限であることを示せ。また、4 n + 1 型の素数も無限に存在することを示せ。

<第2章 ユークリッドの互除法>

一次不定式 a x + b y = c が整数解 x, y をもつための必要十分条件は c が GCD(a, b) の倍数だ。解があるときは、一組の解を x0, y0 とすると一般解は

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◯ イデアル、クンマーの理想数。例、6 = 2 x 3 = (1+√-5) (1-√-5) に分解。

<第3章 合同式>

合同式 a x ≡ b (mod m) を解く方法。① g = GCD(a, m) > 1 なら、b が g の倍数でないと解はない。そうでない場合、g で合同式を割り、a’ x ≡ b’ (mod m) を得り、つぎの②に進む。② g = GCD(a, m) = 1 なら、s a + t m = 1 となる s, t をみつけ、x = s b (mod m) が解。

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