吉田信夫著 『ガウスとオイラーの整数論』 (技術評論社、2011年)

本書は灘中学校(神戸市。関西で有名な進学校)の入試問題をピックアップして、以下の章立てで整数を論じているもの。
  ガウス記号と等差数列の和
  中国の剰余定理と合同式
  組み合わせといくつかの重要発想
  パスカルの三角形と二項定理
  倍数判定と倍数の配置
  約数とオイラーの関数
  余りの周期とフェルマーの小定理
  循環小数の徹底研究
  フェルマーの最終定理

中学校の入試問題だから簡単なわけではない。入試問題を一般化すれば、たちまち解けなくなる。つまり、一般解が少ないのは、整数問題の大きな特徴。

以下、問題をいくつかみていく。

<ガウス記号>
【問題】 [x] はガウス記号、すなわち、x を超えない最大整数を表すことにし、以下を計算せよ。
  [20 / 7] + [30 / 7] + [40 / 7] + … + [2000 / 7] + [2010 / 7]

【ヒント】前後のペアを使うこと、周期性を利用すること。

【解法】 [20 / 7] = 2,  [2010/7] = 287 を利用して計算する。また、[70 / 7]、[140 / 7] 等、余りがなく、割り切れるペアは 14組 なので、(2 + 287) x 100 + ([201 / 7]) / 2 = 28914

【考察】
  等差数列の総和に関する計算だが、ガウス記号によって、有理数の整数化が行われ、計算が難しくなる。問題を一般化するならば、つぎのようになろう。

整数 a, b, c, d に対し、以下を計算せよ。ただし、[ ] はガウス記号。

140302.pngd と c との関係をよく吟味し、周期性を利用することが肝要。

等差数列ではなく、等比数列の計算問題に変えると、難度が飛躍的に高まる。

<中国の剰余定理>
【問題】17で割ると3余り、13で割ると7余る3桁の整数で最大のものはいくつか。

【ヒント】中国人剰余定理を使う。

<2項定理>
【定理】 p を素数とすると、pCm は p の倍数である。

【定理】 n = pk (k ≧1、p は素数) とすると、、nCm は p の倍数である。

<余りの周期>
【問題】つぎのように2つの整数の積をつくる。
  1×1998、2×1997、3×1996、 …、999×1000
これら999個のうち、12で割り切れるものはいくつか。

<最終問題>
 本書はつぎの問題を解くために書いたとの説明。
【問題】6桁の整数 x で、一番上の位の数字を一番下の位に移した数が x の3倍になるものは、ちょうど2つある。大きいほうを x とすると、x はいくつか。また、x / 999999 を約分した分数はいくつか。

【解法】方程式を建てば簡単に解ける。約分には当然ユークリッドの互除法を利用する。

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