結城浩 『数学ガール フェルマーの最終定理』 ソフトバンク クリエイティブ、2008年。

結城氏はフリー作家らしい。プログラマだが、ネットを活用して、プログラム言語関係や、情報関係の書籍を出している。近年、数学の知識をまとめた数学関連の書物までも書くようになった。この「数学ガール」シリーズは、少年少女の会話を通じて、数学を解説していくという主旨。一般のひとには受けがいいが、専門として勉強するひとには簡単すぎるかも。

140301.jpg折角なので、自分にとって大事なところをメモしておく。

<1. 時計の巡回実験>

12時から、ステップ数を1~11にして、それぞれ、時計方向に巡回しながら、直線で結んでいく。例えば、ステップ数が2なら、12-2-4-6-8-10 で直線が結ばれる。すべての数字を巡回した(完全巡回と呼んでいる)ステップ数(1, 5, 7, 11)もあれば、一部の数字しか巡回しないステップ数(上のステップ数2では、半分の数字だけの巡回)もある。

この実験は数字12を法として、1~11の剰余を確認するものだ。完全巡回は勿論、12と互いに素となるステップ数であり、それ以外は非完全巡回。

面白く感じたのが以下の4点。

① ひとつ目は対称性。ステップ n と 12-n が同じグラフになるから。つまり、法をmとすると、m-n ≡ -n ≡ n (mod m) であり、ステップ数n と m-n とでは同じグラフを描く。

② ふたつ目は巡回の順番を表す式があるかどうか、気になる。例えば、ステップ数5では、時計数字の3が何回目のジャンプで到達するか。

③ 三つ目、直線が交差しない条件はなにか。ステップ5と7では交差するのに対し、他のステップでは交差しない。12と素の1と5では違うグラフに映る。

④ 12と素の数字に一旦到達すれば、完全巡回になる。つまり、数字の1, 5, 7, 11 のどれかに到達すれば、その時点で完全巡回とわかる。

<2. ピタゴラス> a2 + b2 = c2

原始ピタゴラス数として、a, b, c は以下の条件を満たす。

a = m2 – n2,  b = 2mn,  c = m2 + n2
m と n とは互いに素、m と n は奇数、偶数ペア

<3. ガウスの整数> 素数の因数分解

Z は整数全体の集合
Z[i] = { a + bi | a, b ∈ Z } ガウスの整数に関する集合

因数分解できる奇素数(奇数の素数) p = (a + bi) (a – bi) は、 p ≡ 1 (mod 4) と同等。例、5 = 22 + 12、13 = 32 + 22 になるので、素数 5、13 は因数分解できる。

<4. 群・環・体>

以下の条件を満たす集合が群である。
  演算 ○ に関して閉じている。
  任意の元に対して、結合法則が成立。(a ○ b) ○ c = a ○ (b ○ c)
  単位元 e が存在。 a ○ e = e ○ a = a
  任意の元 a に対して、逆元 b が存在。a ○ b = b ○ a = e

任意の二つの元 a, b に対し、交換法則(a ○ b = b ○ a)が成立すれば、アーベル群と呼ぶ。

12と互いに素の { 1, 5, 7, 11} は既約剰余類群(アーベル群)をなす。

整数が環をなすために、以下の条件を環の定義とした。
  加法に関してはアーベル群。
  乗法に関してはアーベル群でなくてよい。つまり、逆元が存在しない元があってもよい(数字の 0)。

環において、ゼロ(0)以外の元にすべて、逆元が存在するのであれば、体と呼ぶ。

法 m が素数であれば、剰余環 Z/mZ が体になり、有限体とよぶ。

有理数も体をなす。有理数体。

<5. フェルマーの大定理>

n が 4 の時に、自然数解を持たないことを証明した。それ以外の n については簡単な紹介で終わり。

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